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大屋地爵士のJAZZYな生活

家のウサギ、ご近所のウサギ

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 家のウサギ、ご近所のウサギ、街のウサギ。
   
 2023年の「干支」はウサギであり、60年かけて一巡する「六十干支」では「癸卯(みずのとう)」にあたる年だという。「癸」は順序で言えば「十干」の最後にあたり、一つの物事が収まり次の物事への移行をしていく段階だそうだ。「卯」の「うさぎ」は、繁殖する、増えるという段階にあたる。その両方を備えた「癸卯」は、去年までで様々なことの区切りがつき、次へと向かっていく、そこに成長や増殖といった明るい世界が広がっていくと解釈することができるという。本当にそうなればいいと心から願う。


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 初詣。最初は、地域の氏神様の「多太(たぶと)神社」へ。「延喜式」にも記されているという「式内社」にもかかわらず、ご近所の清和源氏の祖「源満仲」らを祀ってある、有名ブランド神社「多田(ただ)神社」に圧されて、本来の「ただ」という呼称も間違えないようにと「たぶと」にさえなっている。初詣も地元の人が三々五々訪れるのみ。そのあと訪れたのが、「多田神社」。写真のような参拝客の列。川西市で人が最も多く訪れる場所、No.1たる所以だ。2か所の初詣、アップダウンがきつめの初ウォーキング、歩数は約9,000歩であった。
   
   
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 途中、本来は、「サルトリイバラ(猿捕茨)」と呼ばれる「サンキライ(山帰来)」、そして「ピラカンサス」の赤い実、冬の代表的な花、「サザンカ(山茶花)」の赤い花が印象的だった。
   
  
 さて話は変わって、12月30日の朝日新聞。「タイパ社会~豊かな時間はどこに」と題された記事。三省堂の「今年の新語 2022」で大賞に選ばれた「タイパ」とは、「タイム・パフォーマンス」の略で、費用対効果を表す「コスパ(コスト・パフォーマンス)」に加え、時間当たりの生産性を意味する言葉。特に若い世代では、映画、ドラマなどの動画を「倍速視聴」することが流行っているという。
  
 ビジネス・シーンにおいては、手段が違うだけで、昔から「タイパ」を追求することは、何もおかしなことではなかった。古くは「速記術」、「速読術」。「そろばん」もそうかもしれない。パソコンが普及してからは、「ワープロ」、「コピー機」、しかりである。さらに生産システムとして「JIT」、「カンバン方式」なども言うに及ばず。
  
 確かに、ビジネス・シーンではそれが求められたし、生産性をあげるには、そうせざるを得ないかもしれない。私も「コスパ」を追求するビジネス社会で生きてきたので、分かりすぎるほどよく分かる。しかし、「タイパ」に限らず、若い世代は、何でも省略形にしてしまうこと自体には、違和感を感じるし、「倍速視聴」には、なにか次元が違うという違和感を感じる。「プロセス不要、結果が大事」と言われているような ・・・。「タイパ」は、人を、人生を豊かにすることにつながっていくだろうか? 「コスパ、コスパ ・・・」と言われてきて30数年、目先の手段や過去の成功体験にこだわりすぎ、大きな戦略をないがしろにしたため、日本は、いまだに余裕がなく、豊かさも実感できず、世界の先進国の中での「一人負けになった」と思えてならない。

  
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 「倍速視聴派」によると、理由の一つは、そのコンテンツへの興味の有無の判断、二つ目は、見たいものが沢山ありすぎて、一つ一つに時間をかけていられないからだそうだ。もちろん「ON」と「OFF」、「仕事における情報収集」と「趣味の鑑賞」と使い分け、切り換えているそうだが ・・・。でも本当にそんな切り替えは可能だろうか? 先を急ぐあまり、OFF時でも「▶▶」にタッチする誘惑を抑えることができるのだろうか? (グラフは「大手小町」より拝借)
  
 さらに言うと、彼らは、映画館で映画を、劇場で芝居を、コンサート・ホールでライブを聴いたりすることはないのであろうか? 自然と関わりあったりすることはないのだろうか? それは時間の無駄?? レジに並ぶお年寄りにイライラしたことはないのだろうか? 渋滞や行列は ? 先が知りたいからと言って、先へ進みたいからと言って、「▶▶」をタッチことはできないのである。人生も、それを取り巻く現実世界でも「▶▶」はないのである。もし、エンドレスや結論がないものだったらどうするの ?
  
 定年退職後、森林ボランティア、炭焼きに携わって12年。今の日本にはマーケットなんぞほとんどない「炭」を焼いている。「クヌギ」の育成は「ドングリ」からなら、手入れをしつつ、15~20年、「台場クヌギ」でも、7~10年かかる。炭材として2カ月かけてクヌギを伐採し、たった2窯分の菊炭を1カ月かけて焼く。その薪は2年以上乾燥させたものである。すべてが里山時間。炭焼きなどに関わる私は、「コスパ」、「タイパ」とは無縁、むしろ真逆の存在。でも、健康で充実した生活を送れている。
  
 人の豊かさは、「コスパ」、「タイパ」では評価できない。「コスパ」、「タイパ」に優れている必要はないのである。そもそも効率とは関係なく、人それぞれが満足する生きがい(パフォーマンス)が得られればいいのである。豊かだったか、そうでなかったかは長い時間たってENDマークが出た時に、初めて分かるのだろう。 


 今宵は、ちょっとばかり皮肉を込めて2曲を。

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 まず、1991年生まれ、ノルウェーのピアニスト兼作曲家で、デンマーク、コペンハーゲンを拠点に活動している「シェティル・ムレリド(ケイティル・ムレリドとも)/Kjetil Mulelid」のトリオ演奏。「エンドレス/Endless」。この曲もそうかどうか分からないが、珍しい、1919年製造の92鍵の「ベーゼンドルファー/Bösendorfer)」のピアノを弾きこなすという。
  
 アルバムは、3作目「Who Do You Love the Most ?」(2022)。美しいメロディー、豊かなハーモニー、複雑なリズム、北欧の民族音楽的な雰囲気、ゴスペル的な雰囲気など、前2作の雰囲気を受け継いでいる。

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 Who Do You Love The Most ?
 Kjetil Mulelid
 Rune Grammofon







「Endless - Kjetil Mulelid Trio」


 北欧ジャズの新星、アイスランド出身のピアニスト、ジャズ・シンガー・ソングライター、「アンナ・グレタ/Anna Gréta」の初ソロ・アルバム、「北天のナイトジャー/Nightjar in the Northern Sky」(2021)から「Waiting Never Ends」。

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 「アンナ・グレタ」は、アイスランドの首都レイキャビク近郊で生まれ育った。2014年にスウェーデンのストックホルムに移り、王立音楽大学で学んだ後、ストックホルムをベースに音楽活動を続けている。彼女の才能はすぐに広く知られるようになり、2015年度のアイスランド・ミュージック・アワードのジャズ部門で受賞するなど実力も賞賛されるようになる。
   
 「Nightjar in the Northern Sky」がソロ・デビュー・アルバムとなっている。ゲスト参加している父、「シグルズール・フロサソン/Sigurður Flosason」はサックス奏者。彼女の音楽の原体験の記憶は、「ビートルズ/The Beatles」の「Let It Be」にあるといい、ジャズでは父親の影響もあり、「ビル・エヴァンス/Bill Evans」に強く惹かれたという。
   
 「Waiting Never Ends」はじめ、1曲を除いて、全曲が彼女の作詞・作曲。柔らかな風のような歌声。北欧の豊かな自然の温もり。感じられるカントリー・テイストは、ノルディック・フォーキー・ミュージックと呼ばれるのも納得ができる。

   
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 北天のナイトジャー/Nightjar in the Northern Sky
 アンナ・グレタ/Anna Greta
 ACT Music / KING INTERNATIONAL







【 Waiting Never Ends 】 by Anna Gréta
  
「♪ Waiting never ends,  結末を望んでも
  when you're waiting for the end.  結末は決して来ない
  Illusions of a maze -   出口のない迷路のイリュージョンは
  flying through time and space. 時間も空間も飛び越してしまう
  Not a trace of where it stops  どこで止まったか、どこから始まったか
      or where it began.   そんな痕跡を残さずに
  Just take my hand      さあ、私の手を取って
  We will go beyond, above. 二人で彼方に遠く高い所へ行こう
  Point of no return.     もう後戻りできないところまで ♪」

   
「Waiting Never Ends - Anna Gréta」

     
  

  
  


by knakano0311 | 2023-01-02 00:00 | マーケッターとしてのシニアから | Comments(2)
Commented by photofloyd at 2023-01-02 16:34
明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします
 いろいろと新時代の諸々の様が・・・いいこともありますが、「?」も多いですね。
 昨年は、オーディオ用に、PCの雑音を避けるためのPCなしでのサブスク・ストリーミングを構築しましたが、驚いたことに今は、欧州ではストリーミング用のアルバム・リリースの時代に入っているようですね。ビニール盤やCD盤の発売無く、ストリーミングで聴くアルバムなんですね。
何枚か挑戦していますが・・・CDで欲しいという私のような時代ではないようです。
今年は更にエスカレートするのでしょうか・・・
ちょっと空しい予感の新年でした。
Commented by knakano0311 at 2023-01-02 17:37
> photofloydさん  
こちらこそよろしくお願いします。
私の場合は、すべてストリーミングだとなにか満たされない感じがして、断捨離の一環として、もっぱらCDとストリーミングの中間?の、配信DLを利用しています。中古CDで配信より安い場合はそちらを、新譜でもMP3のある場合は、配信を入った次第です。ガラティのジョビンもそうして入手して楽しんでいます。瞬時に送られてきますから便利です。それから難聴の方ですが、骨振動のヘッドホン+EQ機能+BluetoothでPCから飛ばして楽しんでいます。元には戻っていませんが、かなり改善されたような気がします。
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