さて今宵のピアノ曲は、「Tales from the Unexpected」。「予期せぬ出来事」、「想定外の事態」、そんな意味でしょうか。イタリアの巨匠で、私のご贔屓、「エンリコ・ピエラヌンツィ/Enrico Pieranunzi」のトリオとデュオのライブ・アルバムからです。
まず、ヨーロッパを代表する手練れのメンバーと組んだライブ・アルバム、「Tales From The Unexpected」(2015)から。2015年8月29日、ドイツの「Theater Gutersloh」におけるライブ。パーソネルは、ベースがオランダの「イェスパー・サムセンJasper Somsen」、ドラムスがフランスの巨匠、「アンドレ・チェカレリ/André Ceccarelli」。
最後のアルバムは、「マーク・ジョンソン/Marc Johnson(b)」、「ポール・モチアン/Paul Motian(ds)」とともに、2010年7月7日と8日にニューヨークの「The Village Vanguard」でライヴ録音されたアルバム、「Live at the Village Vanguard」(2013)。
「Marc Johnson」、「Paul Motia」という名から想起されるのは、「ビル・エヴァンス/Bill Evans」。そして、「Bill Evans」には、1961年に、「スコット・ラファロ/Scott LaFaro(b)」、「Paul Motian」とのトリオで、「Waltz for Debby」を含む名盤「Sunday at the Village Vanguard」を演奏した場所。このピエラヌンツィのアルバムは、エヴァンスへのオマージュかもしれない。