中山寺で藤の甘い香りに酔う

　宝塚の古刹、「中山寺」の「フジ（藤）」が見ごろになったというのでちょいと見に　・・・。此処へは3月上旬の梅と4月下旬の藤を見に来るのが常となっている。梅林の上の公園と観音立像の周辺に藤棚があり、遠くからでもその甘い匂いが漂っているのが分かる。やはり垂れ下がった「藤」の連なりは豪華絢爛、地域の里山に咲く手入れがされていない証拠である「藤」や団地の公園に咲く「藤「と違って、ため息が出るほどに美しい。



　かって、同じ兵庫県の丹波市にある古刹、「白毫寺」の境内には、長さが150㎝にも及ぶ、圧倒的な「九尺藤」の藤棚を見に行ったことがある。また見たいとも思うが、もはやその元気はない。（写真はHPより）

　「垂れさがる花」のことを「lady's-earrings」などと表現する。そこで、今宵は「藤」の定番曲、「ゴールデン・イアリングス／Golden Earrings」を　・・・。

　1946年、「ビクター・ヤング／Victor Young」の作曲、「ジェイ・リヴィングストン／Jay Livingston」と「レイ・エヴァンス／Ray Evans」の作詞による美しいメロディを持つ甘いスタンダードである。この曲は、ハンガリーのジプシー民謡が原曲で、1947年の映画、「ゴールデン・イヤリングス」の主題歌として、「マレーネ・ディートリッヒ／Marlene Dietrichが歌ったが、のちに、「ペギー・リー／Peggy Lee」のキャピトル盤が大ヒットしたという。

【　Golden Earrings　】　作曲；Victor Young　作詞；Jay Livingston & Ray Evans

「♪　There's a story the gypsies know is true 　ジプシーが信じている言い伝えがある
　　That when your love wears golden earrings 　恋人が金の耳飾りをしていたら
　　He belongs to you 　　その恋人は自分のものになるのだという

　　An old love story that's known to very few　この言い伝えは殆ど知られていない
　　But if you wear those golden earrings　だが、もしこの金の耳飾りをつけるならば
　　Love will come to you　　きっと愛があなたのもとへとやってくるでしょう
　　　
　　　　・・・・・・・・・・　　・・・・・・・・・・・・・・・・・　　♪」


　異国情緒たっぷりの歌唱は、「ジャネット・サイデル／Janet Seidel」から。「Don't Smoke in Bed」（2002）、「Smile~Sweet Memories/ スマイル～スウィート・メモリーズ 　ベスト集」（2006）にも収録されているが、ここでは、「Winter Moon」（1994）の歌唱を。
　　　　　　


　
　Winter Moon
　Janet Seidel
　La Brava Music





「Golden Earrings - Janet Seidel」

　　　　　


　よく知られたスタンダードだけあって多くのピアニストもカバーしている。流麗華麗なピアノは、ご贔屓の1928年生まれ、現役は引退しているが、御歳95歳のご長寿ピアニスト、「ジーン・ディノヴィ／Gene DiNovi」の演奏で。アルバムは、「ゴールデン・イヤリング／Golden Earrings」（2003）からと思ったが、YOUTUBEにアップされていたのは、2003年、横浜の赤レンガ倉庫でのコンサート・ライブ・アルバム、「At Red Brick Warehouse Live In Yokohama」（2004）。パーソネルは、「Gene DiNovi」、「Neil Swainson（b）」、「木村 由紀夫（ds）」。



　ゴールデン・イヤリング (紙ジャケット仕様)
　Gene DiNovi／ジーン・ディノヴィ
　M&I／Marshmallow Records







　　

　赤レンガ倉庫コンサート／At Red Brick Warehouse Live In Yokohama
　ジーン・ディノヴィ・トリオ／Gene DiNovi Trio
　マシュマロレコード




「Gene DiNovi Trio Live - Golden Earrings (2004 Marshmallow)」
　　

　「キース・ジャレット／Keith Jarrett」なんて大御所も演奏しています。アルバム、「The Cure」 （1990）から。パーソネルは、「Keith Jarrett - piano」、「ゲイリー・ピーコック／Gary Peacock - bass」、「ジャック・ディジョネット／Jack DeJohnette - drums」。



　Cure
　キース・ジャレット・トリオ
　Ecm Records






「Keith Jarrett Trio - Golden Earrings」


　ヨーロッパの香り豊かな「ケニー・ドリュー・トリオ／Kenny Drew Trio」はどうでしょうか。アルバム、「Recollections／欧州紀行」（1989）から。パーソネルは、「Kenny Drew（p）」、「Niels-Henning Ørsted Pedersen／ニールス・ペデルセン（b）」、「Alvin Queen／アルヴィン・クイーン（ds）」。




　欧州紀行
　ケニー・ドリュー
　アルファレコード






「Kenny Drew Trio - Golden Earrings」



　このトリオの演奏も好きです。「スティーブ・キューン／Steve Kuhn」のトリオ演奏は「Plays Standards」（2008）から。このトリオで聴きたい曲をリクエストしたらというコンセプトで録音された、有名スタンダード曲満載のとても親しみやすいジャズ・ピアノ・トリオ・アルバム。パーソネルは、「Steve Kuhn - piano」、「 バスター・ウィリアムズ／Buster Williams - bass」、「アル・フォスター／Al Foster - drums」。



　プレイズ・スタンダーズ(紙ジャケット仕様)
　スティーブ・キューン
　ヴィーナス・レコード






「Golden Earrings - Steve Kuhn Trio」