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大屋地爵士のJAZZYな生活

団地の周辺に残された懐かしき風景

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 やっと終わったGW、ステイ・ホームの10日間。天気が良かったので、1日はちょっとコースを変えたウォーキングを楽しむ。私の住んでいる団地は、1970年代に大阪のベッドタウンとして開発された、約5,000戸規模の大規模な戸建て住宅団地。西側には猪名川が流れ、東側にへは、国道173号線、朝夕には梅田に直通する能勢電鉄が走り、北側には数年前に新名神高速道路の川西ICが設けられたという至極便利だが、自然も多く残されている都会と田舎が相半ばするというところ。
  
 団地の周辺には、まだ開発される以前のおもかげが色濃く残る場所も残されている。団地がある地「平野」は、江戸中期に発行された観光ガイド、「摂津名所図絵」に「有馬温泉」と並ぶ「多田温泉平野の湯」として紹介されている。しかし、江戸末期の大火災以後はさびれてしまった。(拙ブログ「かって川西は温泉郷だった!」参照)

 国道173号と能勢電の線路を渡ると、長閑な懐かしいと感じる田園風景が広がっている。畑の脇には何本もの「能勢栗」が植えられ、いま花が開いている。「能勢栗」はこの地域の名産で、高値で飛ぶように売れたところから、かっては「銀寄(ぎんよせ)」と呼ばれていた栗。そんな豪農の栗農家の名残でしょうか、立派な屋敷がいくつも建っている。

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 そして古刹、「曹洞宗 観瀧山(かんりゅうざん) 岡本寺(こうほんじ)」。近くに滝があったところから山号がつけられたらしいが、「岡本寺由緒書」によると、正中元年(1324)「多田院政所」の「沙弥持観」が栗林を開いて地蔵堂を建て、「岡本寺」と称したのがはじまりだという。

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 その滝かどうかは分からないが、どこかの渓谷に迷い込んだかと思うほどの非日常的な風景が現れる。

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 そして再び能勢電の線路と国道173号を渡ると、地元の氏神様で、延喜式にも記されている式内社、「多太神社」に着く。祭神は、「日本武尊(ヤマトタケルノミコト)」、「大鷦鷯尊(オオサザキノミコト=仁徳天皇)、「伊弉諾尊(イザナギノミコト)」、伊弉冉尊(イザナミノミコト)」の四神というが詳細は分からないという。脇の道路には「お地蔵さん」が祀られていて、いつも花が絶えないことから、地元の人の信仰の深さも伺える。毎年8月には「地蔵盆」も行われるようだ。

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 ここから鎮守の森の脇を抜ける団地への帰り道を。開発から取り残された信じられないような雰囲気の旧道を歩く。道筋には、「クレマチス(鉄線)」、「オオデマリ(大手毬)」、「ツツジ(躑躅)」などが咲き乱れている。そこを抜けると団地のはずれ。そこにもどこの避暑地かと思うような景色が広がっている。たまに歩くこのウォーキング・コースがお気に入りである。



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 今宵の曲は、「郷愁/ノスタルジア/nostalgia」というタイトルの曲を。まずは、1970年代より活動しているイタリア人ピアニスト、「ピエロ・バッシーニ/Piero Bassini」率いるトリオの演奏から「Nostalgia」。アルバムは、彼の初期作品で、同名の「Nostalgia」(1988)から。刹那的な哀愁と美意識を紡ぎ出す繊細さ、そして郷愁感。セピア調の音が映し出す、まさにノスタルジックな景色が見えてくる演奏。パーソネルは、「Piero Bassini(p)」、「フリオ・ディ・キャステリ/Furio Di Castri(b)」、「ジアンピエロ・プリナ/Giampiero Prina(ds)」。

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 Nostalgia
 ピエロ・バッシーニ
 Red







「Piero Bassini Trio - Nostalgia」

     




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 次なるピアノは、キューバ出身の異才、「ゴンサロ・ルバルカ/Gonzalo Rubalcaba」。私が最高のベーシストと思っている「チャーリー・ヘイデン/Charlie Haden」をリーダーに、メキシコの作曲家「ホセ・サブレ・マルキン/José Sabre Marroquín」のナンバーを中心に選曲されたアルバム「Land of the Sun」(2004)からである。


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 LAND OF THE SUN
 ゴンサロ・ルバルカ&バ チャーリー・ヘイデン
 EMARR







「Nostalgia (Instrumental) - Charlie Haden」



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 そしてご贔屓、スペインの「パルマ・デ・マジョルカ/Palma de Mallorca」の出身の異色シンガー、「コンチャ・ブイカ/Concha Buika」が歌う「Nostalgias」。スペインを代表する映画監督、「ペドロ・アルモドバル/Pedro Almodóvar」監督の「私が、生きる肌/ 原題;La piel que habito/The Skin I Live In」(2012年日本公開)を観て、その劇中歌で「ブイカ」の歌唱を聴いていっぺんでファンなった。1972年生まれ。両親は赤道ギニア共和国からの移民で、彼女はジプシーとして少女時代を過ごす。 フラメンコにジャズやソウル、ファンクなどを取り入れた音楽を特長としている。

 「Nostalgias」。「En Mi Piel: The Best of Buika」(2011)、「Mi Niña Lola」(2006)にも収録されているが、長尺バージョンの「Essential Albums-Buika」(2005)から。

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 Buika
 Buika
 DRO ATLANTIC







「Concha Buika - Nostalgia」




by knakano0311 | 2024-05-07 00:00 | おやじの遠足・街歩き | Comments(2)
Commented by ShiroYuki_Mot at 2024-05-07 17:52 x
少し歩くと農村光景や大自然が広がるなんて、とても素晴らしい場所ですよね。
羨ましいです。
Commented by knakano0311 at 2024-05-07 22:56
> ShiroYuki_Motさん     
ありがとうございます。やっとGWが終わってホッとしています。それだけが取り柄です。
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