今宵の曲、「日陰」ということで、「青い影/A Whiter Shade of Pale」をピックアップ。1997年、イギリスのロック・グループ、「プロコル・ハルム/Procol Harum」で大ヒットした曲で、「プロコル・ハルム」のリード・シンガー、「ゲイリー・ブルッカー/Gary Brooker」の手になる。オルガンが奏でるあの荘厳な雰囲気のイントロは、バッハのカンタータ140番「目ざめよと呼ぶ声あり」あるいは「G線上のアリア」をモチーフにしたといわれている。詩は意味が難解で、特に「粉屋」の下りが分からず、調べてみたら、イギリス人なら誰でも知っている「カンタベリー物語」に出てくるあの「粉屋」ではないかという示唆がありましたので、それに基づき一応訳を試みてみた。
【 A Whiter Shade Of Pale 】 by Gary Brooker(Procol Harum)
「♪ We skipped the light fandango 私たちは軽やかにファンダンゴを踊り turned cartwheels 'cross the floor 床を車輪のように転げ回って I was feeling kinda seasick 私は少し船酔いのようになったが but the crowd called out for more 観客はもっともっとと囃した The room was humming harder その大きな囃子声は as the ceiling flew away 天井を吹き飛ばしてしまいそうだった When we called out for another drink お代わりの飲み物を頼んで the waiter brought a tray ウェイターがトレイを持ってきた And so it was that later ちょうどその直後だった as the miller told his tale あの物語に出てくる粉屋が話をした時のように that her face, at first just ghostly, 彼女の顔は、最初は幽霊のように turned a whiter shade of pale やがてだんだん青ざめていった
She said, 'There is no reason 彼女は、「理由はないの and the truth is plain to see.' わかりきったことよ」と言った But I wandered through my playing cards でも私はトランプを虚ろに見ながら and would not let her be 彼女をそのままにしておけなかった one of sixteen vestal virgins 16人の純潔の巫女の一人として who were leaving for the coast 海岸に向かおうとしていたのに
and although my eyes were open 私は目を開けていたのに they might have just as well've been closed 閉じていたも同然だった And so it was that later ちょうどその直後だった as the miller told his tale あの物語に出てくる粉屋が話をした時のように that her face, at first just ghostly, 彼女の顔は、最初は幽霊のように turned a whiter shade of pale やがてだんだん青ざめていった ♪」
いろいろな人のカバーがありますが、「ジョー・コッカー/Joe Cocker」の「Luxury You Can Afford」(1978)に収録された歌唱と、「ヘイリー・ロレン/Halie Loren」の「青い影/ They Oughta Write a Song」(2010)の歌唱が秀逸と思う。