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大屋地爵士のJAZZYな生活

共生、すみ分け、駆除 ・・・

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 何年か前の10月に活動拠点の公園で撮った写真。立派な角を持ち、威風堂々とした「オスジカ(牡鹿)」である。鹿の社会は母系社会。母と子が一緒に暮らし、牡鹿は滅多に姿を見せないが、繁殖期の10月ころになると、我々の前にも姿を見せる。決して近づかないのが原則。

 ところで、京都府福知山市にある田んぼで68歳の男性が胸から血を流し、死亡が確認された。発見時、田んぼに牡の鹿がいて、その角で刺された可能性があるという。また、奈良公園でも、観光客が鹿の角に刺されてケガをする事故が相次いでいるとして、奈良県などが10日から「厳重注意」を発表したという。上の写真のようなあの角でもし刺されたとしたら、大変な怪我をするだろう。

 「シカ(鹿)」もそうだが、「イノシシ(猪)」、「クマ(熊)」、「サル(猿)」などの野生動物による相次ぐ被害への対策に自治体は頭を痛めている。我々の公園に熊と猿はいないが、人的な被害はないものの、その対策には苦慮している。

 今日(13日)の朝日新聞朝刊。「クマと共に生きるには」と言うテーマで3週にわたるフォーラムが始まった。キーワードは「共生、すみ分け、駆除」のようだが、「駆除」は分かるが、「共生、すみ分け」については、よく使う言葉だが、よく考えると、どういう状態を指して言っているのかもう一つ分からない。そんなことも可能かどうかも分からない。相手はコミュニケーションが取れない野生動物である。論理や正義などの人間側の概念が通ずる相手ではないのである。コミュニケーションが取れる人間同士でも、奪い合い、殺し合い、憎みあっているニュースが毎日流れているのに ・・・。

 共存、共生できるのが理想なんだろうが、人間の命を脅かすほど、人の生活領域にまで出てきてしまった熊は、住民を守る観点から、苦渋の決断として、駆除しなければいけないだろう。私はそんな基本スタンスであるが、フォーラムの結論を楽しみにして待ちたい。

 人間に匹敵する知能を持ち、言葉を理解する。手話を使って人間と「会話」もできる。そんなゴリラが主人公の小説「ゴリラ裁判の日」(須藤 古都離 著)を思い出した。「正義は人間に支配されている」という視点で、動物と人間の関係を問い直した物語。(参照拙ブログ「正義は人間に支配されている ?」) 

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 ゴリラ裁判の日 (単行本)
 須藤 古都離 (著)
 講談社












 TVでは、江戸時代から続く伝統行事、奈良公園では恒例の「鹿の角切り」が始まったというニュース ・・・。はたして「奈良公園の鹿は、人と共生している」と言えるのだろうか ・・・。


 今宵、定番曲の「カヴァティーナ/cavatina」。「マイケル・チミノ/Michael Cimino」監督、1979年公開のアカデミー賞受賞映画「ディア・ハンター/The Deer Hunter」のテーマ曲。

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 ジャズ音楽に対する憧れからアメリカへの亡命を果たした、旧共産圏ブルガリア出身のジャズ・ピアニスト、「ミルチョ・レヴィエフ/Milcho Leviev」とイギリス出身のベース奏者の「 デイヴ・ホランド/Dave holland」のデュオ・アルバム、「Up & Down」(1987)から。

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 Up & Down
 Milcho Leviev, Dave holland
 M.a. Recordings






「milcho leviev & dave holland - cavatina」


     




  

by knakano0311 | 2024-10-15 00:00 | 想うことなど・・・ | Comments(0)
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