寒くなったと思ったが ・・・

　寒くなったと思ったが、ここ2，3日は、ウォーキングも少し汗ばむほどの、ぽかぽか陽気である。




　今宵の曲、いまでも最高のベーシストと思っている「チャーリー・ヘイデン／Charlie Haden」が、妻「ルース・キャメロン／Ruth Cameron」に捧げた「First Song (For Ruth)」。ヘイデン自らも「パット・メセニー／Pat Metheny」とのデュオ・アルバム、「ミズーリの空高く／Beyond the Missouri Sky (Short Stories)」（1996）で演奏している。
　　
　また「ゴンサロ・ルバルカバ／Gonzalo Rubalcaba」や「ウォルター・ラング／Walter Lang」からトリビュートされるなど、インスツルメントが多いが、「アビー・リンカーン／Abbey Lincoln」がこの曲に素敵な詩をつけて歌っている。

【　First Song (For Ruth)　】　by Carlie Haden , Abbey Lincoln
　　
「♪　When the stars were strung, 　星がつながったとき
　　Was the first song that was sung 　最初に歌われた歌は
　　Lightning up a world 　世界を照らす歌
　　Made for a boy and girl 　男の子と女の子のために作られた歌
　　And love was new 　　そして新しい愛が芽生えた
　　As morning dew 　　朝露のように

　　The first song I knew　私が知った最初の歌
　　Told of skies for ever blue　それは永遠に青い空を歌った歌
　　Clouds that disappear　　雲は消えた青い空を
　　My darling dear　　　私の愛しい人よ

　　The first song I heard　私が聞いた最初の歌
　　Was the warbling of a bird　それは鳥の囀り
　　Sending around　　あたりに広がっていく
　　A soulful sound　　魂に響く音
　　Deep as the sea　　海のように深く
　　Like you and me　　あなたと私のように

　　And it's alway a song　　それはいつも歌
　　And the changes that belong　そしてその歌が変化をもたらす
　　Melodies that bring　メロディーが変化を運んでくる
　　The first song we sing　　私たちが最初に歌う歌が　　♪」
　




　さて、「メロディ・ガルドー／Melody Gardot」の新譜がリリースされた。「The Essential Melody Gardot」（2024）。私がかなりご贔屓の歌手の一人。新譜と言っても、自身初となるベスト・アルバムである。15年以上にわたるキャリアの中から、彼女自身が厳選した楽曲をCD2枚にわたって収録している。私の持っているCDとのダブリはあるが、このCDを聴きたいと思ったのは、収録されている未発表曲2曲の内の1曲が、「チャーリー・ヘイデン」との共演による「First Song」であったからである（もう1曲は「La Llorona - Live」）。「この歌唱とベースが聴きたくて」と言っても過言ではない。メロディの繊細なヴォーカル、ヘイデンの歌い上げるようなベース。そこには、いまでも最高のベーシストと思っている「チャーリー・ヘイデン」が鮮やかに息づいていた。



　「メロディ・ガルドー」1985年2月、ニュージャージー州生まれの39歳。19歳の時、自転車で帰宅途中ジープに跳ねられるという交通事故に遭い、背骨を含む数箇所の複雑骨折、神経、頭も怪我をするなどの一年間寝たきりの生活を余儀なくされるだけでなく、視覚に障害が残ってしまった。その後、リハビリの一環でギターと曲を書き始めたことがきっかけとなり、アルバム「夜と朝の間で／Worrisome Heart」（2008）で衝撃的なデビューを果たした奇跡の女性ジャズ・シンガー、ソングライター。
　　



　ジ・エッセンシャル
　　：ヴェリー・ベスト・オブ・メロディ・ガルドー (UHQCD)(2枚組)
　メロディ・ガルドー
　Universal Music





「Melody Gardot - First Song (feat. Charlie Haden) [Official Audio]」