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大屋地爵士のJAZZYな生活

HOPE、そしてMI・YO・TA ~ 谷川俊太郎を聴く ~

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 「日本を代表する詩人・谷川俊太郎さんが、13日に老衰のため、東京都内の病院で亡くなりました。92歳でした。『言葉は生命体みたいなもの』。生前、そう語っていたそうです。東京生まれの谷川さん。1952年に、詩集『二十億光年の孤独』でデビューしました。どんな世代にも染み入る、谷川さんが紡ぐ言葉。学校の教科書にも『かっぱ』『朝のリレー』など、多くの作品が採用されました。そして、国民的アニメ『鉄腕アトム』の歌詞も手がけました。」(テレビ朝日)

 日本のJAZZアーティストにも影響を与えている「谷川俊太郎」。この訃報に接し、彼が詩を提供した曲を聴いてみた。

 合掌 ・・・。
  

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 「秋吉敏子」。彼女が、原爆直後の一枚の写真に写った女性にインスパイヤーされて作曲したのが、JAZZ組曲「ヒロシマ ~そして終焉から」。広島でのコンサートをライブ・レコーディングしたのが、アルバム、「ヒロシマ ~そして終焉から」(2001)。そして、2001年8月6日に、広島でコンサートを行った直後のNYで、あの「9.11」が起こった。彼女は、それ以後のコンサートから、最後の曲に、この「ヒロシマ ~そして終焉から」の第3楽章「HOPE」を必ず演奏するようになったという。私が、彼女のコンサートを聴いた時も、最後は、この「HOPE 希望」だった。
    
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 ヒロシマ そして終焉から
 秋吉敏子
 ビデオアーツ・ミュージック




  


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 この第3楽章「HOPE」に「谷川俊太郎」が詩をつけ、彼女の前夫、「チャーリー・マリアーノ/Charlie Mariano」との愛娘「マンデイ・満ちる」が歌う「HOPE 希望」を2006年にリリースされた。日本語バージョンと「マンデイ・満ちる」自身が英訳した英語バージョン、さらに秋吉のピアノソロが収録されている。
  
    
【 HOPE 希望 】 作詞;谷川俊太郎  作曲;秋吉敏子  
    
「♪ 希望 それは こころ  あふれやまぬ ひとのいのち
   よみがえる草木 朝日とともに 明日へと こころは かがやいて
   
   忘れられぬ 日々も 子どもたちの 未来のため
   こころよ飛べ 夢見る世界へ 希望  あふれて  ♪」


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 HOPE「希望」 シングル, マキシ
 Toshiko Akiyoshi 秋吉敏子、Monday 満ちる
 日本クラウン






     
「Hope - TOSHIKO AKIYOSHI(piano version)」

   
「HOPE/希望 - 秋吉敏子&マンディ満ちる(日本語ver.)」


「秋吉敏子&マンディ満ちる - HOPE/希望(English ver.)」(英語詩付き)



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 「伊藤君子」。歌の上手さにかけては、日本の女性ジャズ歌手の中では最高峰だと思っているのですが ・・・。1946年生まれ。香川県小豆島町出身のジャズシンガー。4歳のときに、ラジオ番組から流れる「美空ひばり」の歌声に魅了され、もう歌手を志したという。1982年、ポップ演歌歌手としてデビューする。その後、ジャズ・ピアニストとの出会いをきっかけに、ジャズシンガーの道へ進み、1984年に半年間ニューヨークに滞在し、ジャズ・クラブに出演し、腕を磨いた。1989年、日米同時リリースされたアルバム「Follow Me」が、米、「ラジオ&レコード」誌のコンテンポラリー・ジャズ部門の16位に、日本人女性歌手で初チャート・イン。

 そして私に一番のお気にいりアルバムは、「Once You've been in Love(一度恋をしたら)」(2005)。「スイングジャーナル誌2000年度ジャズディスク大賞日本ヴォーカル賞」を受賞した前作のニューヨーク録音「KIMIKO」から4年振りのアルバムで、「小曽根真」をプロデュースに迎え、ビッグ・バンドを従えてのアルバムである。編曲・指揮は「小曽根真」が担当。

 このアルバムでの白眉は、「小曽根真」とのデュオによる「武満徹」作曲、「谷川俊太郎」作詞の「MI・YO・TA」。「日本語でぜひ歌いたい」という「伊藤君子」の想いで実現したという。深い哀しみを湛えた曲、「MI・YO・TA」は、武満氏の山荘があった長野県の町名、「御代田町」である。
  

【 MI・YO・TA 】 作曲;武満徹 作詞;谷川俊太郎
  
「♪ 木もれ陽のきらめき 浴びて近づく
   人影のかなたに 青い空がある
   思い出がほほえみ 時を消しても
   あの日々の歓び もう帰ってはこない

   残されたメロディ ひとり歌えば
   よみがえる語らい 今もあたたかい
   忘れられないから どんなことでも
   いつまでも新しい 今日の陽のように ♪」 


「MI・YO・TA - 伊藤君子」
 
     
 



by knakano0311 | 2024-11-21 00:00 | 訃報を聞いて | Comments(0)
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