さて、今宵の曲、「愛は面影の中に」という邦題がつけられた「The First Time Ever I Saw Your Face」。直訳すると「あなたの顔を見た最初のとき」。英国のシンガー・ソングライター、「イーワン・マッコール/Ewan MacColl」が作詞・作曲した曲。1960年代に数々のフォーク・グループに歌われたあと、「ロバータ・フラック/Roberta Flack」が1972年にシングルカットしたバージョンが大ヒットした。
【 The First Time Ever I Saw Your Face 】 by Ewan Mac-coll
「♪ The first time ever I saw your face 初めてあなたの顔を見た時 I thought the sun rose in your eyes その瞳に太陽が昇るのを見た気がした And the moon and the stars そして、月と星は were the gifts you gave あなたがくれた贈り物 To the dark and the endless sky my love 暗く果てしない空に、愛しい人よ
First time ever I kissed your mouth 初めてあなたの唇に口づけした時 I felt the earth move in my hands 手の中で地球が動くのを感じた Like the trembling heart of a captive bird まるで囚われた鳥の震える心のように That was there at my command それが私の意のままにそこにあった my love 愛しい人よ
The first time ever I laid with you 初めてあなたと共に横たわった時 I felt your heart beat so close to mine あなたの鼓動が私の鼓動に近いのを感じた And I knew our joy would fill the earth そして私たちの喜びが大地を満たし And last till the end of time my love 永遠に続くとわかった、愛しい人よ And last till the end of time my love 永遠に続くとわかった、愛しい人よ
The first time, ever I saw 初めて、あなたの顔を見た時 Your face その顔 Your face その顔 Your face. その顔を。 ♪」
私、大のご贔屓、「インガー・マリエ/Inger Marie Gundersen」の歌唱から。寡作な彼女のアルバム6枚の3作目、「My Heart Would Have a Reason」(2009)から。
1957年、ノルウェーの小さな町アーレンダールに生まれ、今年67歳。音楽一家に育ち、物心ついた頃から歌うことに喜びを見出していたという。20代の頃には、地元でもうプロ活動を始めていたが、音楽仲間のクインテットと共に初めて制作し、地元の小さなレーベル「KULTUR & SPETAKKEL」から発表された遅咲きのデビュー作、「メイク・ジス・モーメント/Make This Moment 」(2004)は、その存在感ある魅力的なヴォーカルでヨーロッパ、ならびに日本でまたたく間のうちに大きな評判となり、輸入盤ながら、その年を代表する大ヒット女性ジャズ・ヴォーカル・アルバムとなった。