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大屋地爵士のJAZZYな生活

雨ニモ負ケズ、鹿ニモ負ケズニ

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 昨年伐採した「台場クヌギ」の切り株から、新しい枝が成長している。今年の春に一旦芽を出したが、鹿に食べられてしまい、その後、鹿除けネットを設置したため、再度芽を吹き出したものであろう。その生命力のたくましさにいつもながら驚かされる。8~10年ぐらい経てば、菊炭の炭材として伐採するのに手頃な太さに成長する。こうやって、この里山では長い間、伐採⇒育成⇒伐採と、輪伐を繰り返してきたが、ダムができたため、この里山が放置された。いまは里山が体験できる公園として、我々がクヌギを育て、伐採をし、炭焼きをして里山文化を将来に伝えようとしている。
   
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 だいぶ朽ちかけているが、「ヤママユガ(山繭蛾)」の繭(まゆ)であろう。山のクヌギ林では、成虫、幼虫もふくめ、よく見つけることがある。

 「ヤママユ(山繭)」、「テンサン(天蚕)」とも呼ばれる日本在来の代表的な野蚕(やさん)で、北海道から九州にかけて分布し、クヌギ、コナラ、カシワ、シラカシなどの葉を食物として、全国の落葉性雑木林に生息しているという。
  
 養蚕が盛んだった私の故郷・松本に隣接する地域、穂高町(現在の安曇野市)の有明では、いわゆる一般的な「お蚕さん」である「家蚕(かさん)」とは別に、江戸時代からこの「天蚕」の飼育が行われていることで知られていた。この繭から採れる糸は、「天蚕糸」とよぱれ.光沢が優美で、太く、伸度が大きく、織物にして丈夫で、しわにならず、暖かく、手触りも良いなどの優れた特徴があり、繊維のダイヤモンドにもたとえられて珍重されているという。たしか宮中でもこの「天蚕」が飼育され、「天蚕糸」を採取する習わしが行われているように記憶している。

 さて、今宵は、「何度でも繰り返して」という意味の「Time After Time」という曲。そう聞けば、多くの方は、まず「シンディ・ローパー/Cyndi Lauper」の1984年のヒット曲で、「マイルス・デイヴィス/Niles Davis」等多数のアーティストにカヴァーされているナンバーを思い浮かべるでしょう。実は、この「Time After Time」、もうひとつ同名のスタンダード曲がある。「フランク・シナトラ/Frank Sinatra」が歌って1957年にヒットした曲。この曲は「ラホス・コルタイ/Lajos Koltai」監督の映画「いつか眠りにつく前に/Evening」でも使われていたのを覚えている。

 二つの曲を聴き比べてみましょうか。皆さんはどちらがお気に入りでしょうか? まずは、「シンディ・ローパー」バージョン。「エヴァ・キャシディ/Eva Cassidy」の歌唱で。

 「Time After Time」、英語歌詞はこちら。 

  こんな意味でしょうか。

「♪ ベッドに寝転がると聞こえる時計の音
   そんな時あなたのことを考えてしまう
   思いは堂々巡りになってしまうが
   それはいつものことで珍しくもない

   突然思い出すいくつかの夜
   ほとんどはもう過去のことだけれど
   スーツケースいっぱいに詰まる位の思い出
   何度となく繰り返した思い出

   ・・・・・・・・・・・・・

   もしあなたが見失ったとしても
      探せばきっと私を見つけられる
   何回でもね
   もしあなたが倒れても私が受け止めるよ
   私はずっと待っているから
   何度でも 何度でも

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」

 アルバム「Simply Eva」にも収録されているが、1996年1月3日、ワシントンDCにある老舗のジャズクラブ、「Blues Alley」での最後の絶唱をすべて収録した追悼盤、「Nightbird」から。


Nightbird

Eva Cassidy / Imports




「Eva Cassidy - Time After Time」


          

 
 そして、もうひとつの同名のスタンダード曲「Time After Time」。映画で歌っていたのは、「マーガレット・ホワイティング/Margaret Whiting」だという。なじみはないが、1940~50年代にもっとも活躍した白人女性ポピュラー・シンガーの一人で、「マイ・フーリッシュ・ハート / MY FOOLISH HEART」などが代表的なヒット曲だったそうだ。今宵は、ノルウェイの歌姫、「スールヴァイグ・シュレッタイェル/Solveig Slettahjell」と、たまには男性ボーカルもいいでしょう、「マット・ダスク/Matt Dusk」の歌唱で。

 「Time After Time」、英語歌詞はこちら。  

  こんな意味でしょうか。

「♪ 何度でも
   自分に言って聞かせるんだ
   君を愛することができて僕は幸せ者

   僕は幸せ者     
   だって一日が終わり、夕暮れになれば
   君に走って会いに行けるんだから

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   そして何度でも
   君は僕の囁きを聞くんだ
   君を愛することができて僕は幸せ者ってね ♪」


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 「スールヴァイグ・シュレッタイェル」。独特のけだるげなヴォーカルで人気だという、1971年生まれのノルウェーの女性シンガー。彼女のデビュー作は、「Slow Motion Orchestra」(2003) 。2ndアルバム、「Silver」 (2004)も、「What Is This Thing Called Love」、「Moon River」、「Time After Time」などを収録したスタンダード集であるが、「トム・ウェイツ/Tom Waits」の「Take It With Me」など異色の曲も収録されている。サポートは、デビュー・アルバムからの付き合いの「スロー・モーション・クインテット/Slow Motion Quintet」。

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 Silver
 スールヴァイグ・シュレッタイェル
  /」Solveig Slettahjell & Slow Motion Quintet
 Curling Legs





「Time After Time - Solveig Slettahjell」




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 「マット・ダスク/Matt Dusk」。「21世紀のフランク・シナトラ」と評され、世界的にも活躍する­「イケメン・ジャズシンガー」である。たしかに、艶と華のある歌声、若い時のシナトラを彷彿とさせる歌唱だ。

 「マット・ダスク」。1978年、カナダ・オンタリオ州トロント生まれ。小さい頃から歌手を目指し、7歳の時にトロントの音楽学校に入学。以後11年間通い続けたという。当初は、オペラやクラシック音楽を専攻するも、17歳の時に、「トニー・ベネット/Tony Bennett」や「サラ・ヴォーン/Sarah Vaughan」の曲を聴いて以来、ヴォーカリストとしてのスタイルを転向したという。一度は家業を継ぐ決心をするも音楽への夢を捨てきれず、再度、音楽学校へ入学。そこで「オスカー・ピーターソン/Oscar Peterson」に指導を受け、ジャズやポピュラー音楽の歌唱法を学び、同時に在学中に4枚のCDをリリースするなど音楽家としての才能を現し始めた。  

 2013年のアルバム、「My Funny Valentine: The Chet Baker Songbook」から。「チェット・ベイカー/Chet Baker」の没後25周年の2013年、マットの彼の永遠の憧れである彼に敬意を表し、80人編成ものオーケストラを従えて、「チェット・ベイカー」の代表­曲を大人の魅力でで歌い上げたアルバムである。


MY FUNNY VALENTINE-THE CHET BAKER SONGBOOK-

マット・ダスク / Rambling Records



 サポートするトランペットは、キューバ出身で、ハイノートと、抜群のリズム感で、キューバ音楽、ジャズ、クラシックを自在に行き来する「アルトゥーロ・サンドヴァル/Arturo Sandoval」。

「Matt Dusk - Time After Time」




  
  
by knakano0311 | 2017-12-03 17:29 | 炭焼き小屋から | Comments(0)
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