「エドワード・ホッパー/Edward Hopper」の絵が好きである。20世紀アメリカの具象絵画を代表する画家の1人。「ホッパー」の絵から着想し、物語を紡いだ短編集、「短編画廊/原題:In Sunlight Or In Shadow」(ハーパーコリンズ・ジャパン、2019年刊)の編者で作家の「ローレンス・ブロック/Lawrence Block」は、「ホッパーの作品のすべてには、物語があり、その物語は語られるのを待っている」と語っている。
1974年、「カーリン・クローグ」、37歳。アメリカ的なジャズではなく、真に自由な表現としてのジャズを求め続けた彼女と、ピアノにおける耽美的表現を求め続けたピアニスト、「スティーヴ・キューン」との出会いがもたらした傑作が、アルバム「ウィー・クッド・ビー・フライイング/We Could Be Flying」(1975)。
そして、2002年、28年ぶりの運命の再開が再び傑作を生んだ。「ニューヨーク・モーメンツ/New York Moments」。このアルバムのジャケットに、「エドワード・ホッパー」の絵、「Hotel Room(1931)」が使われている。カーリンの想いなのか、プロデューサーの想いなのか、このアルバムには、ニューヨークを舞台にした11編の切ないラヴ・ストーリーが収録されている。さらに3年後の2005年、秋深いオスロでの再会から生まれたデュオ・アルバムが「トゥゲザー・アゲイン/Together Again」。ここにも再び「エドワード・ホッパー」の絵、「Automat(1927)」が使われていた。そして、10年後の2015年、二人はコラボ・アルバム、「ふたりの夜明け/Break Of Day」をリリースした。しかし、ホッパーの絵はなぜか使われていない。