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大屋地爵士のJAZZYな生活

夭折のミューズたち ~盂蘭盆に偲ぶ~ 

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若くしてこの世を去った夭折のミューズたちを偲ぶ、お盆の特別企画。

「エヴァ・キャシディ Eva Cassidy」。33歳という若さで、癌による急死。最初にこの歌手のCDを聞いたときは本当に驚いた。アン・バートン以来の衝撃。即、はまってしまった。まずそのレパートリーのひろさ。彼女のルーツはカントリーではないかと思うのだが、JAZZ、ブルース、POPS、カントリーとその守備範囲の広さには驚かざるを得ない。声質、私が評するより、エディターの評を引用しよう。
「Eva Cassidyの歌はいつでも聴覚の敏感な部分を刺激してくる。ハイトーンの領域にさしかかって声がかすれかけるあたりから、さらに高い領域まで昇っていくことがEvaには可能だ。歌の軌跡は途切れずに、しかも勢いを失うことなく、のびていく。・・・・エヴァ・キャシディのボーカルには、アレサ・フランクリンのソウルとビリー・ホリディのくすんだメランコリーとジャニス・ジョプリンの生々しい情熱がひとつに溶けあっている。」

1996年1月にジャズクラブ、ブルース・アレイで行われたこのライヴ盤、「Live at Blues Alley」。ジャズをメインとしたスタンダード・ナンバーで構成され、ブルース調のJAZZナンバーとバラードが交互に演奏される。「Cheek to Cheek」、 「Bridge over Troubled Water」、 「Fine and Mellow」 、「Blue Skies」、「Fields of Gold」(Stingの名作)、「Autumn Leaves」など。
この年の暮れに彼女は急逝した。生前4枚のアルバムを残しているが、このライブ版がまぎれもなく、最高傑作である。

Live at Blues Alley
Eva Cassidy / Eva Music
ISBN : B000009PO2
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Time After Time
Eva Cassidy / Blix Street
ISBN : B00004SYOP
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Eva by Heart
Eva Cassidy / Liason
ISBN : B000009PO3
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「Eva Cassidy - Fields of Gold」

          

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「べヴァリー・ケニー Beverly Kenney」。レコード数枚を残して、寝たばこが原因のホテル火災で焼死したと伝えられる幻の女性歌手。ジャケでお分かりのように「金髪、白人、美人」、女性JAZZシンガーの条件をすべて備えている。ハスキーとはちょっと違った味わいの声。良く言われる「病みつきになる軽さと可憐さ」。本アルバムでは「センチメンタル・ジャーニー」が最高。
’50~60年代の懐かしい雰囲気が立ち上ってくる。

ライク・イエスタデイ
ベヴァリー・ケニー エディ・ハート アル・クリンク ジョニー・レイ スタン・フリー チャック・ウェイン ビル・ペンバートン エド・ショーネシー / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00003Q49V
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彼女が残したアルバムはDECCAに3枚、他のレーベルに3枚の6枚のみ。現在入手できるベヴァリーのCDの中では一番渋目の作品であるが、ジャケを含めて、彼女の魅力が一番満喫できるアルバムではないだろうか。

ボーン・トゥ・ビー・ブルー
ベヴァリー・ケニー / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00003Q49T
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そうそう、この夏、女性におくるボーナス、女性Jazzファンのためぜひとも偲ばねばならない、イケメンのアーティストがいます。「泣かせのトランペッターにして、恋唄唄いのチェット・ベイカー」。 1988年5月、滞在中のアムステルダムのホテルの窓から謎の転落死をした。享年59歳(夭折のミューズではないが・・)。生涯ドラッグのスキャンダルから抜け出すことは出来なかったが、彼のスタイルに影響されたJAZZアーティストは数多い。また、甘くハスキーな高音でささやくように歌うその魅力、魔力にとりつかれた女性も数知れず。アストラッド・ジルベルトですらインスパイヤーされたと聞く。
アデージョ(艶女)たちよ!一夜の「真夏の世の夢」に痺れること請け合い。ただ彼の毒はよく効くのでご用心。「ちょいワルおやじ」ども、かれのアルバムを口説きの小道具に使ってはゆめゆめなりませんぞ!「Sings」大傑作、「Sings Again」もオススメ。アストラッド・ジルベルトがはまったのは「My Funny Valentine」、私がはまったのは「I Fall in Love Too Easily 」。
   
Chet Baker Sings
Chet Baker / Pacific Jazz
ISBN : B000005GW2
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晩年の大傑作、「ラヴ・ソング」。晩年ドラッグがらみの喧嘩に巻き込まれ、ペット吹きの致命傷ともいえる前歯を折ったそうであるが、その息の漏れ具合が、さらに泣かせ節に磨きをかけたようです。彼は晩年アムステルダムが大のお気に入りだったそうであるが、その理由は、何もヨーロッパの魅力に取り付かれたなどというロマンチックな話ではないと思う。私の知っている限り、アムステルダムはヨーロッパで一番ドラッグに対し、規制の緩い(確か合法化さえされている?)寛容な街のはず、それが理由ではなかったかと思う。(事実そうだったらしいが。) まっ、最後の無頼派・イケメン・女蕩し・ジャンキー・破滅型Jazzアーティストか。こんなJAZZアーティストはもう絶対に、出てこないだろうな。女性ファンが増えるような健康的なJazzはもちろん大歓迎であるが、私たちオジサンにとっては、ちょいワルぶってJazzを聞きかじりだした青春時代には彼のようなJazz Manが一種憧れだったことは間違いない。「I'm A Fool To Want You」はいつ聞いても最高。

ラヴ・ソング
チェット・ベイカー ハロルド・ダンコ ジョン・バー ベン・ライリー / BMG JAPAN
ISBN : B000FWGTVM
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2004年は「チェット・ベーカー生誕75周年」だったそうだ。生存していれば今年は77歳か。フェイ・クラーセン らオランダのチェット・ベイカーゆかりのJAZZアーティスト達が、生誕75周年のトリビュートアルバムを企画した。インポート盤は2枚組、日本版はなぜかVol1、Vol2の別売り??(セコ!)。できばえは別にして、彼らの心意気やよし!としよう。  

フェイ・クラーセン・シングズ・チェット・ベイカーVol.1
フェイ・クラーセン / 3Dシステム
ISBN : B000FDEZWQ
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合掌・・・・・・・
by knakano0311 | 2006-08-10 08:20 | ミューズたちの歌声 | Trackback | Comments(0)
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