前作「Travelling Miles」につづいてリリースされたが、一変してアコースティックで、濃厚な味わいのブルース・アルバム「ベリー・オブ・ザ・サン/Belly Of The Sun」。直訳すると「太陽の腹」?誰か意味を知っていたら教えてください。
ミシシッピ州ジャクソン生まれのカサンドラにとってデルタ・ブルースは、彼女自身のアイデンティティそのもの。録音へのこだわりもすごかったらしく、エディターノーツによると、「ミシシッピ州クラークス・デールにある旧駅舎に機材を持ち込み、録音を行なった」という念の入れよう。
ブルースアルバムであるが、アントニオ・カルロス・ジョビンなどのボサノバ曲をいくつか取り上げている。しかし、そこはカサンドラのこと、彼女ならではという仕立てになっている。伝統的なアコースティックな楽器と、実に効果的なパーカッション、抑制の効いたカサンドラの声、もうボサノバとは別物の彼女の世界になっている。本作は、ブルースという彼女のルーツへの回帰、或いは再確認のアルバムというべきか。
ベリー・オブ・ザ・サン
カサンドラ・ウィルソン / 東芝EMI
ISBN : B00005Y151
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力が入りすぎて、少し肩が凝ったかな。一転して「ロバータ・フラック/やさしく歌って」。英語の題名「Killing Me Softly With His Song」のほうがいいですね。この一曲で買いを決めたアルバム。元はコーヒーのCMソングではないのだ。かって大ヒットしたナンバーで、一時ピアノバーに来るカップルが、皆この曲をリクエストすると弾き語りピアニストが、根を上げていたくらい大ヒットした。この唄が超有名すぎてしまった感があるが、その実力や相当なもの。この曲以外にも、押し付けがましくなく優しい声で語りかけるように歌う。あの「FEEL LIKE MAKIN' LOVE」、「The First Time Ever I Saw Your Face(愛は面影の中に)」も彼女の作品といえば、その歌唱力も納得できるだろうか。
やさしく歌って
ロバータ・フラック / イーストウエスト・ジャパン
ISBN : B00005HEGZ
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再び個性派 「マリーナ・ショウ」の登場。「フー・イズ・ジス・ビッチ・エニウェイ」。オリジナルは75年に発表。この時代にこんなにも垢抜けていて、セクシーで、かっこいいアルバムがあったのかと感心してしまう。「ストリート・ウォーキング・ウーマン 」からはじまる、映画のストーリー仕立てを思わせるようなアルバム作りもおしゃれ。前掲、ROBERTA FLACKの名曲「FEEL LIKE MAKIN' LOVE」のカバーなどを含む全10曲。 デイヴィッド・T.ウォーカー、ラリー・カールトン、デニス・バドミアという3人のギタリストが絶品の歌伴ギターを聴かせる贅沢な内容。