最近年のせいで、理屈っぽくなったかな。何かにつけて定義づけをしたくなったり、黒白をつけたくなる。むしろまだまだ青いか?Jazzの世界でも最近よく分からないままつかっている言葉がある。まずその代表のひとつ、「スムース・ジャズ」。「スムースに耳に入ってくるほど聴きやすい」くらいの意味か?それなら「イージー・リスニング・ジャズ」とどう違うのか?また「フージョン」とはどう違うのか?かってはジャズロック、ラテンジャズなんて言葉もあった。聴きやすいか聴きにくいかはその人の拠ってきた音楽的基盤がどうかによって、その人が決める話。まあレコード会社がファンの裾野を広げるためのマーケティング用語と考えればいいだけの話かもしれない。Jazzボーカルもよく考えれば、このブログでも分かるように、融通無碍、何でもありの世界。
ボサノバはなんかさらに貪欲で、それこそ何でもかんでもボサノバに仕立て上げてしまう。
でも音楽なんてそんなもので、オリジナル曲を手を変え、品を変え、何人もの人がいろいろなスタイルで演奏しつづけてきたからこそ古典、スタンダードたりうるわけで、むしろ音楽の持っている時代や地域を超える生命力なればこそである。
それでは正統派??のFusion??からおすすめを。
まず「テオダード」。本当に才人である。スタンリー・キューブリック監督の名作「2001年宇宙の旅」の冒頭でも使われた古典「ツァラトゥストラはかく語りき」。当時のLPジャケットが抜群にカッコよかったCTIレーベルから発売されたアルバム。ブラジリアンとしての個性を生かしたサウンドが今でも新鮮である。まさしく「FUSION」の名盤。
ツァラトゥストラはかく語りき
デオダート レイ・バレット ロン・カーター スタンリー・クラーク ジョン・トロペイ ジェイ・バーリナー マービン・スタン ヒューバート・ロウズ ビリー・コブハム アイアート・モレイラ / キングレコード
ISBN : B00005F7D6
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つぎは「ハービーマン」。「カミン・ホーム・ベイビー」で一躍有名になり、一時はどこのJAZZ喫茶へ行ってもこればっかりであった。しかし、次に紹介する「メンフィス・アンダーグラウンド」がリリースされたときは驚いた。本作は、いわゆるジャズ・ロック的な色彩の強い作品。ソニー・シャーロック&ラリー・コリエルというその後ジャズ・ロックを代表するギタリストをフィーチャー。雑音ともいえるようなシャーロックのアドリブが大変話題になったが、たまらなくかっこいいアルバム。
Memphis Underground
Herbie Mann / Atlantic
ISBN : B000002I5L
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「Herbie Mann - Memphis Underground & New Orleans」
懐かしいジャズロックから「ラムゼイルイス/The In Cloud」。いまどき「ジャズロック」なんて言葉使うんかしら?当時このアルバムから使い出したと思う、ジャズロックの名盤。
エディター評にいわく、「ソウル、ファンク、ブルースやゴスペルなんかがごゃまぜになったジャズ。その新鮮さは、今聞いても少しも失われていない。このアルバムは当時のビルボード「ポピュラーチャート」で2位まで上昇。この年のジャズチャートのアルバムとして、コルトレーンの「至上の愛」などを抑え、堂々グラミー賞に輝いている。ラムゼイ・ルイスはこの頃からフュージョン音楽の先駆者だった。」
そのとうりですね。
ジ・イン・クラウド+2
ラムゼイ・ルイス エルディ・ヤング レッド・ホルト / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00008KKTN
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この3枚を、LPで聴いていたなつかしい時代を思い出すにつけ、つくづく、時の流れは速いものだと思う。感慨と嘆息しきり。
「Ramsey Lewis Trio - In Crowd」