さあ「ステイシー・ケント」です。最初にステイシー・ケントを知ったのは、「In Love Again」か「ザ・ボーイ・ネクスト・ドアー」かどっちかのアルバムをジャケ買いしたことが、きっかけだったように思う。だからファン歴は浅いのだが、一躍「我がこころのミューズ」になってしまった。ボーイッシュで、なんとなくコケティッシュで、ルックスは、日本にはいないタイプのJAZZシンガー。
甘い歌声なんだけど、実にすがすがしく爽やかで、洗練された感じでお洒落。それでいて、歌に対する情感の深さと、個性を感じさせてくれる。抑制の効いたヴォイス・コントロールと詩の解釈、それに、なによりにもまして、最愛のパートナーがいつもバックを支えてくれている信頼感、安心感が彼女のどのアルバムにも現れ、上質なJAZZボーカル・アルバムになっている。したがって、どのアルバムも優劣つけがたく、楽しめます。
ただ、リチャード・ロジャースの作品集である、「In Love Again」のジャケットは、輸入版のほうが、写真がはるかに日本発売盤より、素晴らしいので、コチラがおすすめです。
1968年NY生まれであるが、91年ごろロンドンへ移住。夫でもあり、プロデューサー、SAX奏者でもある、ジム・トムリンソンとロンドンで音楽活動を続けている。こんなところに、非USA系(脱ビリー、エラ、サラのような)、ヨーロッパの女性ボーカルとも共通する、柑橘系のJAZZの香りがする理由かもしれない。夫、ジムとのおしどり振りについては、「熟年離婚あるいは夫婦の絆」の章を参考に。
In Love Again
Stacey Kent / Candid
ISBN : B00005V45W
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