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大屋地爵士のJAZZYな生活

秋の夜長の大人の時間 (2) ~穏やかな夜に~  

♪ 昔より愛が足りない 君はぼんやり呟いた ・・・・・
       One More Day また一日 おだやかなれば それでいい・・・・・ ♪
                                     (来生たかお/Goodbye Day)

【穏やかな夜 コース】

穏やかなる夜の幕開けに、穏やかならざる映画(DVD)でもみようか。

恋にゆれる中年女性を見事に演じた「メリル・ストリープ」、「クリント・イーストウッド」監督・主演の「マディソン郡の橋」。夫と家事と子供の世話に明け暮れるが、なに不自由なく、平凡に、幸せに暮らしている田舎町の主婦。ふと訪れた橋を撮りにきた写真家。都会に匂い、異世界の男。魅かれあった二人は、夫と子供が出かけている4日間だけの恋に落ちる。自分の世界に飛び込んでくることを誘う男。切羽詰った決断。できない。・・・・・。さあ、どうする。どうなる。
こんなストーリーで世の女性のハートをつかんで、大ヒットしたラブストーリーを映画化した作品なんだ。僕でも、この映画に魅かれる女性の心は、よくわかるんだ。しかし、「日本のビジネス・マンでは、どうしようもない」と多少の反省と自嘲をこめて、強がりを言うしかないのだが、あっさり「すみませんね。ほったらかしで。」と、あやまりますか・・・・。

クリント・イーストウッドは、JAZZ大好き人間で、自身の映画でもJAZZをテーマにした作品をつくったり、作品の中で、JAZZを効果的に使うのがうまい監督として知られているんだ。この映画でも、実に効果的に、「ジョニー・ハートマン」や「ダイナ・ワシントン」などのレトロなJAZZバラードを重要なシーンの背景として使っているね。サントラ盤のCDも、これ一枚で十分に「ラブ・バラ-ド・コンピレーション・アルバム」として評価できるくらいだよ。

マディソン郡の橋
/ ワーナー・ホーム・ビデオ
ISBN : B000HCPVH8
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マディソン郡の橋
サントラ ダイナ・ワシントン ジョニー・ハートマン / ワーナーミュージック・ジャパン
ISBN : B00005HGTG
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もう少し映画にちなんだ話を続けようか。僕が最初にJAZZを意識したのは、フランス映画、ルイ・マル監督、ジャンヌ・モロー主演の「死刑台のエレベーター」ってこと、いつか話したと思う。さっきの「マディソン郡の橋」とはちょっと違うが、不倫の男女が殺人にかかわり、男がエレベーターに閉じ込められたことによって、完全犯罪の破綻を食い止めるために、女は決断を迫られるサスペンスなんだが、全編「マイルス・ディビス」が即興で、音楽を担当したと言う映画。映画のストーリーもすばらしいが音楽も、当時大変話題になったんだ。そこにクインテットで参加していた、SAXの「バルネ・ウィラン」が、年を経て見事にカムバックし、フランス映画音楽をジャズで優美に演奏して、大ヒットとなった、元は「フレンチストーリー」と言うタイトルだった作品の新装盤がいい。当時は映画といえば、ヨーロッパ映画、フランス映画か、イタリア映画と相場が決まっていた。ハリウッド映画?「鉄砲撃つだけしか能がない、粗野な映画さ」なんて、いっぱしの文化人を気取るの映画ファンは嘯いていたもんさ。そんな、シニア世代の映画&映画音楽ファン当て込みの、ミエミエのアルバムであるが、これにはのせられても一向に構わないよ。


記憶の中のフランス映画
バルネ・ウィラン=マル・ウォルドロン・カルテット バルネ・ウィラン マル・ウォルドロン スタッフォード・ジェイムス エディ・ムーア / エムアンドアイカンパニー
ISBN : B00005IX3T
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「バルネ・ウィラン」と同じように、年輪を重ねてから、再び輝くアーティストたちがいるが、その一人が、「エディ・ヒギンス」と並ぶピアノニスト、「ケニー・バロン」だ。「ジェーン・モンハイト」や「シェリル・ベンティーン」のアルバムでバックを担当して、いぶし銀の味を出していたが、自身がメインを張るアルバムがなかなかなかったんだが、今はもうない老舗のNYのJAZZクラブ「ブラッドレイズ」でのライブが数少ない彼のピアノ・トリオ・アルバムの「ピカ一」だろうと思う。何回聴いても飽きない、鋭角的なひっかかりのない、穏やかな演奏の中に、端正さ、さりげない技巧、音のキレ、ドライブ感などがすべて盛り込まれ、本当に年輪に磨かれて光る「いぶし銀」という表現があてはまるピアニスト。好きなんだな。こういう渋めのピアノトリオが。今晩の「締め」の一枚として選んでみたが・・・・・。どうだろうか?

ライヴ・アット・ブラッドレイズ
ケニー・バロン・トリオ / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00005HSYS
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「blue moon - kenny barron trio live at bradley's」

         

今日は、いつになく饒舌で、すこし疲れたかな・・・・・・。



注)登場人物のキャラクター等一切架空の人物につきお間違えのなきよう。
by knakano0311 | 2006-09-15 23:27 | 音楽的生活 | Comments(2)
Commented by wadaikohien at 2006-09-15 23:16
昔より愛が足りない 君はぼんやり呟いた ・・・・・
       One More Day また一日 おだやかなれば それでいい・・・・・ ♪
昔、欲のみに言ったときによく歌ってましたね、この曲。伊藤
Commented by knakano0311 at 2006-09-16 09:00
そんな時代もありましたね。めっきり酒席も少なくなりましたが、秋になるとネオンが恋しくなるかもしれません。
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