「観るJAZZ」第2弾は、JAZZ映画特集。映画音楽としてのJAZZではなく、JAZZアーティスト、プレイヤー、ショービジネスに身をおく人物が、主人公になっている私のお気に入り映画を特集してみました。すこし懐かしい時代の映画ばかりです。
まず、ハリウッドきってのJAZZフリーク、クリント・イーストウッド監督の「バード」。クリント・イーストウッドといえば、「マディソン郡の橋」で全編JAZZのラブ・バラードをBGMとして最高に効果的に使って見せた監督。この「バード」は、バードというニックネームで知られ、40年代に活躍し、麻薬が原因で死亡したジャズ界の伝説、天才アルトサックス奏者「チャーリー・パーカー」の伝記を映画化。彼の壮絶な生涯を描く。
クリント・イーストウッドが作り上げた時代のムードと雰囲気。そして、フォレスト・ウィッテカーによる力強く感情あふれる演奏。
バード [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ
あのスタンダード中のスタンダード「ラウンド・ミッドナイト」と同名の映画。ベルトラン・ダベルニエ監督、サックス・プレイヤーのデクスター・ゴードンが主演。ヨーロッパを放浪するJAZZプレイヤーとフランスの若者の心の交流を描いた作品。パリのジャズクラブ"ブルー・ノート"。そこへニューヨークからテナー・サックスの名手、デイル・ターナーがやってきた。デクスター・ゴードン演じるデイル・ターナーは、腕は一流だが酒癖の悪いジャズプレイヤーで、アメリカを後にしてヨーロッパを放浪する。大物ミュージシャンとして、ジャズ界に君臨してきたデイルも、酒とドラッグに溺れ、破滅へと向かっていた。そんな彼を支える貧しいデザイナーのフランシスと娘ベランジェ-ル。彼らは言葉を超えた、深い絆で結ばれていくのだったが…。実際のモデルは「バド・パウエル」といわれている。
監督は映画に出てくるバンドをハービー・ハンコック、フレディ・ハバード、ウェイン・ショーター、ロン・カーターなど超一流のジャズ・ミュージシャンによって構成しており、またハービー・ハンコックが音楽監督を担当、'86年度アカデミー賞オリジナル作曲賞を受賞している。
ラウンド・ミッドナイト
デクスター・ゴードン / / ワーナー・ホーム・ビデオ
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スティーブ・グローブス監督、ミシェル・ファイファー, ジェフ・ブリッジズ 主演「恋のゆくえ」。
冴えないホテルばかりを渡り歩いてきたピアノデュオ「ベイカー・ボーイズ」のフランク&ジャック兄弟。長年つきあいのあったホテルからもクビにされ、これをきっかけに女性ヴォーカルを入れることになる…。女性ヴォーカル、スーザンを起用するのが転機になって大成功をおさめることになる彼ら…。
フランク&ジャック兄弟を演ずるのは、実際の兄弟俳優でもある、ボー・ブリッジス、ジェフ・ブリッジス兄弟。兄弟に波紋を投げかける、女性ヴォーカル、スーザンを演ずるのは、吹き替え無しで官能的な声を披露したミッシェル・ファイファー。音楽監督は、この映画で、アカデミー最優秀映画音楽賞を受賞した、かのデイヴ・グルーシン。彼はジェフ・ブリッジス演ずるジャックのピアノの実際の演奏を担当している。
ファイファーが歌う、想い入れたっぷりの「マイ・ファニー・バレンタイン」。魅力的なその歌声によるスタンダードナンバーの数々は、グラミー・ベストアルバム賞、映画音楽部門賞を受賞した。
オシャレで切なくて、JAZZの調べに酔える第一級の大人の恋愛映画。
恋のゆくえ ~ファビュラス・ベイカー・ボーイズ~
ミシェル・ファイファー / / ハピネット
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恋のゆくえ~ファビュラス・ベイカー・ボーイズ
デイヴ・グルーシン / / ユニバーサルクラシック
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次は「ジョーズ」で有名な「ロイ・シャイダー」の才能にびっくりした、ボブ・フォッシー監督、ジェシカ・ラング共演の「オール・ザット・ジャズ」。ブロードウェイ・ミュージカルのベテラン振り付け兼演出家(ロイ・シャイダー)の生きざまを主軸に、ショービジネス界に生きる人々の姿を描いたヒューマンドラマ。ストーリーが仲々見えてこないので少し我慢を要するが、死を目前にした主人公が「BYE BYE LOVE」を熱唱するクライマックスは圧巻。
オール・ザット・ジャズ
ロイ・シャイダー / / 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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さあ、ぐっと時代をさかのぼりましょう。オットー・プレミンジャー監督、フランク・シナトラ、キム・ノヴァク主演「黄金の腕」。アメリカ社会問題でもあった麻薬の恐ろしさを映画化した話題作。レキシントンの連邦麻薬対策病院で6ヵ月もすごしてきて、シカゴに舞いもどったフランキーは、車椅子に坐ったままの美しい妻ザッシュに会う。フランキーは妻にレキシントンの病院で習ってきたドラムで生活しようと語る。ところが彼女はそれを喜ばず、トランプ賭博では「黄金の腕をもつ男」といわれているほどの名うてのくばり手の腕を使えとすすめる・・・・。この映画のテーマ曲も一世を風靡した。
黄金の腕
/ ファーストトレーディング
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どうもJAZZ映画となると、酒、麻薬、ばくちが絡むストーリーとなってしまうのが問題。次は健全な?JAZZ映画を2作。最初はアンソニー・マン監督、ジェームズ・スチュワート主演の「グレン・ミラー物語」。
代表作「真珠の首飾り」は、後に妻になる大学時代の同級生ヘレンに贈った真珠のネックレスに由来するなど数々の名曲の生まれた秘話や、独自の演奏スタイルを 貫くために、自分のオーケストラを持つという試みなどが語られるグレンミラーの実話映画。
グレンミラー物語
/ ファーストトレーディング
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上記2作は500円でDVDが買えるというから、たまらない。
スティーブ・アレン主演、バレンタイン・デイビス監督「ベニー・グッドマン物語」。
『グレン・ミラー物語』の大成功に刺激されて製作されたものだが、スウィング・ジャズの黄金時代を築いたクラリネット奏者ベニイ・グッドマンの半生を描いた音楽自伝映画。ベニーの音楽をたっぷり聴かせることに重点を置きながら作られている。。テディ・ウィルソンやライオネル・ハンプトンなど当時有名なジャズメンの共演も見所。
ベニイ・グッドマン物語 [DVD]
ジェネオン・ユニバーサル
日本映画にもJAZZをテーマとする映画はあるんですよ。
「おいらはドラマー、やくざなドラマー、おいらが怒ると・・・・」で始まるあの歌がテーマ曲の井上梅次監督、石原裕次郎主演「嵐を呼ぶ男」。
石原裕次郎を一躍国民的スターにした大ヒット作。型破りなドラマーが次第に有名になって行く様子を中心に、裕次郎が唄って暴れてぐっと泣かせる。笈田敏夫と演ずるドラム合戦は見る人を魅了する見所。ストーリーはたわいもないが、ドラム合戦など当時の日本人が、洋楽に熱狂した有様がよく描かれて懐かしい。
嵐を呼ぶ男
石原裕次郎 / / 日活
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最後は、我が愛する岡本喜八監督、古谷一行主演「ジャズ大名」。
江戸時代末期、駿河の国の小藩に3人の黒人が漂着した。地下牢に閉じ込められた3人が演奏する4ビートのジャズに、音楽好きの藩主の血が騒ぎ始め、次第に…。筒井康隆の短編が原作で、大名がジャズにはまるという、はちゃめちゃなただそれだけの話であるが、音楽とギャグを全編に織り交ぜた作品。小さなギャグを積み重ねてストーリーを展開する、低予算のいわゆる「B級作品」であるが、監督のサービス精神あふれる、かっての岡本イズムを髣髴とさせる作品。
ジャズ大名
古谷一行 / / ジェネオン エンタテインメント
ISBN : B00005V2LG
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脇役としてのJAZZは映像になりやすいし、良くマッチすると思っていたが、主役としての「観るJAZZ」も結構多くの作品があるもんですね。
そうそう今田村正和、伊東美咲共演で夢を失ったサックスプレイヤーが、年下の若い女性と出会ったことで再び情熱を取り戻す姿を描いたラブストーリー「ラストラブ」が上映されていますね。ニューヨークを舞台に団塊世代のオヤジJazzマンが若い女性にもてるという話らしいですよ。もう一度楽器はじめてみようかな・・・。