
(写真 朝日新聞より)
「ピエール・バルー」。私がBOSSA NOVAに魅せられたのは、クロード・ルルーシュ監督の映画「男と女」からである。劇中、ヒロイン「アヌーク・エーメ」のかっての夫で、命を落とすスタントマン役が「ピエール・バルー」であった。バルー自ら劇中で歌う、ダバダバダ・・・で始まる有名な「男と女」のテーマ曲、ボサノバとその創始者への「讃」でちりばめられた「サンバ・サラヴァ(男と女のサンバ)」。映画の素晴らしさは勿論、当時初めて聴くボサノバ、その新鮮な衝撃は今でも憶えている。それほど魅かれながらも、その後あまりバルーの歌を聴くことはなかった。
その「ピエール・バルー」の9年ぶりの新作が発売されるとの朝日新聞の記事。9年間の間にポツポツと作り溜めたものを17曲収めてあるという。録音はパリ/ヴァンデ/東京で1999年から2006年に渡って断続的に行われ、ようやく1枚の作品として完成。タイトルは「ダルトニアン」。
テーマは特にないらしいが、73歳になる老境を迎えたバルーが過去を追想する曲が目立つという。「私は散歩者。世界中を漂い、歌で物語をつむぐ」と語るバルー。
アルバムタイトルの「ダルトニアン」は色覚異常の意味。バルーも色覚異常で、「だから、肌の色で人種差別はしない」と彼は語る。実は私も「ダルトニアン」。「赤緑色弱」という色覚異常。そのことでいじめや差別を受けたことはないが、小中学校のころの身体検査で例の色覚検査表で、いつも引っ掛かっていた。他人には見えるものが私には見えず、見えないものが見えるので自分でもいつも不思議であった。私の場合、モノトーンの世界ではないので、運転免許も取れたし、日常生活にはまったく意識もしないし、不自由もなかった。ただ、大学受験のとき、色彩を扱う美術、建築系、薬などの色の見分けが必要な、化学、医学、薬学系の入学には制限があった。
新聞のバルーのコメントに強く惹かれ、アルバムを聴いてみる気になった。
ライナーノーツをみてびっくりした。かれの夫人は「あつ子さん」という日本人であり、ここ10年ほどは、パリの自宅とヴァンデの別荘と東京の自宅の3ヵ所を行き来しているという。
また娘のマイアは日本で演奏活動をしている、ミュージシャンで、素性はよく分からないが、「ちんどんプラス金魚」という変わった名前のバンドでサックスとボーカルを担当しているという。そのバンドもアルバムの録音に参加しているので、なぜ東京で録音?という疑問も氷解した。
ウクレレ7人編成のグループ「ウクレレ・クラブ・ド・パリ」との快適なスウィング・ナンバー「ア・クーダ・・・」に始まり、「冬、深夜、街」などをモティーフにした愛のバラード「夜更けに」。あつ子夫人に捧げたジョビンの名作「コルコヴァード」の仏語カヴァー、愛し合う男女でも同じ経験への記憶がまったく違うことを唄った「記憶」。彼の生き方をタイトルとして表わした「ダルトニアン」。作曲は愛娘マイアでデュエットも披露。最近では「マデリン・ペルー」によって取り上げられ大ヒットしたナンバーで、ビリー・ホリディが唄ったJAZZスタンダード「ケアレス・ラブ」に自身が仏語詩をつけ、ホリディに捧げた「ビリー」。チャップリンの「モダンタイムズからの「ティティナ」、そして自身のカバー「ラスト・チャンス・キャバレー」。前半、日本語で唄っているのは、彼の盟友で、シャンソン歌手にして作家、クラブ「青い部屋」のオーナー、「戸川昌子」。
17篇の珠玉の人生がつまった、少年のような目を持つ73歳のピエール・バルーの最新アルバム。
ダルトニアン(DVD付)
ピエール・バルー / オーマガトキ
「Billie ( Careless Love ) - Pierre Barouh」
1960年代ブラジルに渡り、生まれたばかりのボサノバをフランスに紹介し、「男と女」、アルバム「サラヴァ」に結実した。「映画監督になりたかった。でも小さいときは無理だったから、14歳のとき、紙とペンとギターを持って旅に出た。・・・・・」
ピエール・バルー監督が過去、現在、未来をつなぐ美しきブラジル音楽へのオマージュを、ロードムービー的に描いたドキュメンタリー。40年近い時空を超えた音楽の連鎖。
SARAVAH 「時空を越えた散歩、または出会い」 ピエール・バルーとブラジル音楽1969~2003~
/ オーマガトキ
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