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大屋地爵士のJAZZYな生活

「女だてらに・・・・」

「自転車の二人乗りを、警官に注意された中三女子生徒が、注意した警官にけり、唾吐きなどの暴行を加え、公務執行妨害の現行犯で逮捕された。」とのニュース。決して容認できる行為ではないが、むしろその勇気というか、怖いもの知らずの行為にびっくりしてしました。多分、とても私には出来ませんね。このニュースを聞いて、かって母親が新聞やTVのニュースを観てよく言っていた「女だてらに・・・・」という言葉を思い出しました。「女だてらに・・・・」、この言葉、いまではすっかり死語になりましたね。いろいろの事件、ニュースで次々と主役となって登場する女性たち、街を勇ましく闊歩する若い女性たちを観ていると、まだ私たちの世代の頭の片隅に残っている、「女だてらに・・・・」という価値観はすっかり過去のものになったと感じます。

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JAZZの世界でも、「女だてらに・・・・」という価値観を時代遅れにしてしまうような流れが、大分前から、はっきりと見えてきています。勿論、もともと音楽に性別による区別けなどあるはずもない訳ですが、JAZZの場合は、黒人音楽にルーツをおき、かっては、酒、麻薬、女などにおぼれるプレイヤーが多く、退廃芸術の象徴とみなされてきた側面があったことも、この世界に女性がなかなか近づけない理由の一つだったかも知れない。しかし、昨今の女性のJAZZファンの増加を見ると、むしろ音楽のジャンルとして健全な成長を遂げていると思えるし、そのことは喜ばしいことである。日本でも、新人女性JAZZアーティストの相次ぐ登場は、ブームに拍車をかけているようにも思える。ピアノやボーカルは当たり前、ヴァイオリンの寺井尚子でもかなりポピュラーとなり、綾戸智恵は、いまや「おばさんたちの星」である。

ウッド・ベースを弾きながら金髪をなびかせ歌う「ニッキ・パロット」(師走に見つけたBeauty On Bass ~Nicki Parrott~」参照 )にも驚嘆したが、毎週金曜日の夜、NHK神戸放送局がニュース枠の中で、ライブでJAZZを放映しているが、ローゼンバーグ風ジプシー・スイング・トリオで女性がウッド・ベースを弾いているのを先日観て、私のほうが認識が遅れているとしらされた。

さて、日本で今後期待される、非ボーカル、非ピアノの若い「じゃじゃ馬ならぬ、JAZZウーマン」を紹介してみよう。まずは、アルト・サキソフォンの矢野沙織。
小学校のブラスバンドでアルトサックスを吹いていたが、6年生でチャリー・パーカーを聞いてJAZZに目覚め、14歳で「ビリー・ホリデイ」の伝記を読み、同じ年齢でビリーがすでに生活のため、ライブハウスに出演していたことを知ってから、都内のライブハウスに片っ端から出演したいと電話をかけた交渉したという。そのガッツ、根性に感心するが、音楽性に関しても、彼女は、20歳にして正しいビ・バップの継承者に思えるのだ。

Groovin’High
矢野沙織 / / コロムビアミュージックエンタテインメント
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トランペッターの「市原ひかり」。 2005年のデビュー時は若冠22歳。2ndアルバムは、名うてのミュージシャン、ルイス・ナッシュ(D)、グラント・スチュアート(Sax)、ドミニク・ファリナッチ(Tp)らとコラボしたニューヨーク録音の「サラ・スマイル」。CDのレビューを読むと「完全に対等に渡り合っている」という絶賛する評価と、「彼女のトランペットには何ものってない。まるで練習を聴いてるよう」という最悪の評価とが混在する。評価は各人好き好きに任せればいいのだが、20歳代の女性が、これほどのビッグネームと渡り合いながら、JAZZに挑戦していくその生き方には共感を覚え、拍手したくなる。

サラ・スマイル
市原ひかり / / ポニーキャニオン
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そして、浪花の熱血ギター娘、「安達久美」。兄の影響で11歳のときにギターを手にしてから、のめりこんだという。元T-スクエアの則竹ら手練れからなる「クラブ パンゲア」を従えての2ndアルバムは、「WINNERS!」。米国の音楽学校に留学したり、大物バンドのライブで押しかけセッションをしたり、こちらもその突貫振りはたいした物。この新作アルバムは、サンタナの「哀愁のヨーロッパ」も収められており、ロックおやじも、JAZZオヤジも釘付けのパワフルなサウンドに満ちている。

WINNERS!

安達久美クラブパンゲア / ビデオアーツ・ミュージック



「Winners ! - Adachi kumi club Pangaea」

          

それにしても、若手男性JAZZスターの不作が叫ばれてから久しいが、「男だてらに・・・」なんて言葉がまさか復活しないでしょうね・・・。

男顔負けのスーパー・アクション・ヒロイン。これは映画の世界ではよくあること。日本では、昭和40年代前半の「緋牡丹博徒」シリーズの「矢野竜子」こと、「お竜さん」の「藤純子」(いまの富司純子)や「極道の妻たち」シリーズなどがその代表格か。洋画では、「イーオン・フラックス」、「キル・ビル」、「ツーム・レイダース」、 「バイオハザード」、「ウルトラ・ヴァイオレット」など枚挙に暇がない。しかし、そのルーツはエイリアン・シリーズ、特に「エイリアン2」にあるのではないかと思う。「シガニー・ウィーパー」扮するリプリーが、パワーアシスト・スーツに乗り込み、「カムオーーーーーーーン!!」と叫んでエイリアンに立ち向かっていく様は惚れ惚れするほどカッコよかったなあ。

エイリアン2 完全版
/ 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
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by knakano0311 | 2008-04-16 15:30 | おやじのジャズ | Comments(0)
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