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大屋地爵士のJAZZYな生活

JAZZ的トリビア(5)  ~JAZZとアナザー・ワールドとの微妙な関係~

かって「読むJAZZ」でとりあげた奥泉光著「鳥類学者のファンタジア」は、主人公、ビ・バッパーを自認する「フォギー」こと池永希梨子が、ドイツで亡くなった祖母・霧子に導かれて1944当時のナチスドイツのベルリンという、異次元世界へトリップし、さらに1945年のニューヨークのハーレムでビ・バップの誕生を目撃し、振り出しの現代日本へ戻るというオカルト色の濃いファンタジーであった。(「読むJAZZ(4) ~鳥類学者のファンタジア~」参照)  自身もJAZZバンドでフルートを吹く作者の奥泉氏はこんなストーリーをどこから着想したのであろうか。主人公「フォギー」が敬愛してやまないビ・バップJAZZピアニスト「バド・パウエル」の代表作「クレオパトラの夢」が収録されている「ザ・シーン・チェンジズ」のジャケットを見て、はたと気がついた。 ほら、パウエルの横に子供の背後霊が寄り添っているではありませんか・・・・・。

ザ・シーン・チェンジズ+1
バド・パウエル / / EMIミュージック・ジャパン
ISBN : B000XAMEVA
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そんな不思議世界、アナザー・ワールドとの関係を暗示させるジャケットを納涼特集トリビアとしてとりあげてみました。

さて、次なるジャケットをとくとごらんあれ。ピアノとギターのデュオの名盤といわれる「ビル・エヴァンス&ジムホール」の「アンダーカレント」。解説不要、不思議なジャケットですね。この写真からは、死の凄惨さなどは一切感じられず、むしろ、静けさや、ある種の諦観、死生観さえ漂ってきます。私は、このジャケットを見るといつも、「黄泉比良坂(よもつひらさか)」という言葉が浮かんできます。

アンダーカレント
ビル・エヴァンス&ジム・ホール / / EMIミュージック・ジャパン
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古事記によれば、太古の日本には黄泉路が存在し、黄泉比良坂(よもつひらさか)で、根の国=黄泉の国とつながっているとされる。イザナギは死んだ妻・イザナミを追ってこの道を通り、根の国に入ったという。ところが妻との約束を破り、あんなに美しかった妻がうじ虫に食われたように変わり果ててしまったのを見たイザナギがイザナミに恐れをなし、黄泉の国から必死で逃げ帰ってくる・・・・。一般的に言って、黄泉の国は地下にあるものと考えている。しかし、「黄泉」の「泉」という文字が持つ「水底」のイメージが、単純にあのジャケットに「黄泉比良坂」を私に想起させたのかもしれない・・・・。


「オー・パーツ(OOPARTS/Out Of Place Artifacts)」という言葉がある。「場違いな工芸品」という意味で、それが発見された場所や時代とはまったくそぐわない物品を指し、例を挙げると、アステカの遺跡で発見されたとされる水晶髑髏(ドクロ)。先ほど公開された映画「インディ・ジョーンズ」シリーズの新作「クリスタル・スカルの王国」でジョーンズ博士がロシア軍と争奪をめぐって死闘を繰り広げるお宝・・・。しかしながら、その一つを所有しているパリの国立ケ・ブランリ美術館では、展示に先立ち、お宝は、19世紀のドイツで機械彫りした偽物と驚愕の発表した。そのほか、コロンビアの黄金スペースシャトル 、限りなく真球に近いとされているコスタリカの花崗閃緑岩の石球、当時未発見の南極大陸の海岸線が書き込まれているとされるピリ・レイスの地図などが有名である。「なぜそのようなものが存在するのか?、またどのようにして作ったのか?」といったことが未だに解明されていないとされ、現代科学の水準を越えるような超古代文明の存在や古代宇宙飛行士説の証拠、かっては存在したが失われてしまった技術(ロストテクノロジー)である、などの説がある。火付け役となったのはスイスの実業家「エーリッヒ・フォン・デニケン」で、1968年著書「未来の記憶」の日本語訳が発行されるや否や、私もすっかりその虜になってしまったことも懐かしい。

さて、「ジム・ホール」。いわずと知れた、かっての「デイブ・ブルーベック・カルテット」のギタリストにして、ジャズ・ギタリスト中のギタリスト。パットメセニー、ジョン・スコフィールドらもジムからこうむった深い影響を口にするという。1975年にリリースされた「アランフェス協奏曲」はCTIレーベルの全作品中、最大の売り上げを記録したという。多分ジャンルを超えたジャズ以外のファンに支持されたのであろう。そのジャケットはまさしく「オー・パーツ」が多数存在する中南米は古代アステカの石像がジャケット。

アランフェス協奏曲
ジム・ホール ローランド・ハナ ロン・カーター スティーブ・ガッド チェット・ベイカー ポール・デスモンド / キングレコード
ISBN : B00005F7CP
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最後は、素顔の役者・松田優作と接していたJAZZ BAR「LADY JANE」のオーナー大木氏が語る「納涼ばなし」をひとつ・・・・・。

1989年11月6日は、享年40歳松田優作の命日であるが、。「LADY JANE」にはいまも松田優作の「Early Times」のキープボトルが残されていて、そのボトルナンバーは「116」。彼を偲んでつけたのではなく、ずっと最初から「116」であったという。

松田優作が愛したJAZZ
オムニバス チャールス・ミンガス オーネット・コールマン 古澤良治郎とリー・オスカー ニーナ・シモン ローランド・カーク 浅川マキ / ワーナーミュージック・ジャパン
ISBN : B000IJ7IV2
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このCDは、素顔の松田優作と接していたLADY JANEのオーナー大木氏が、優作が好きだった音楽を選び、とっておきのエピソードとともにコンパイルした、まさに、松田優作という男のサウンドトラックである。取り上げられた曲、アーティストもまた渋いが、原曲は恋人の死体をSt.ジェームズ病院に引き取りに行く男の歌を、鬼気迫る調子で歌う「浅川 マキ/セント・ジェームス病院」が収録されているのも、何かの因縁を感じさせる。ほらサングラスに何かが・・・・・・・・。

「浅川マキ - セント・ジェームス病院/St. James Infirmary」

          
by knakano0311 | 2008-07-05 00:30 | JAZZ的トリビア | Trackback | Comments(0)
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