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大屋地爵士のJAZZYな生活

60歳過ぎたら聴きたい歌(21)  ~人生の贈り物~

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同世代、等身大の日本語の歌にやっとめぐり合えたという感じの歌があります。「沢知恵(さわともえ)」が歌う「人生の贈り物」。しかし、驚いたのは、この歌が日本人の歌ではなく、韓国人「ヤン・ヒウン」が作詞し、「さだまさし」が日本語の訳詩と曲をつけ、韓国にルーツを持つ「沢知恵」のカバーだったということ。まさに日韓合作の、この「人生の贈り物」を沢が日本語と韓国語の素晴らしい歌唱力で歌い上げている。

仕事一筋に歩んできた男、或いは女が、老いを迎え、紆余曲折はあったが、自分が歩んできた人生を、少し悔やみながらも、愛しく想う・・・・。そんな慈愛溢れる眼差しで人生を歌い上げている歌。あの「My Way」に通ずる歌かもしれない。若い人から見れば、美しすぎて、感傷的過ぎる歌かもしれないが、これから老いを迎えていく我々に、「その感傷に浸る」ぐらいのわがままは許されてもいいでしょう。

そして、「沢知恵」の特長は、際立った歌唱力とシンプルな演奏、たとえばピアノの弾き語りというシンプルなスタイル、言い換えれば、シンプルであるが故に、心にじわっと沁みこんでくる歌の力を持っている。まずTVなどに出でてこないので、多くの音楽ファンには知られていない歌手であるが、聴くたびにそのピュアではあるが、自在に変化する声に魅了されてしまいます。

この歌が収録されているのは、アルバム「わたしが一番きれいだったとき」。日本の歌のカバーを中心にしたアルバム。ほかに、茨木のり子の詩に彼女が曲をつけたタイトル曲「わたしが一番きれいだったとき」やカバー曲「さとうきび畑」など。我々世代の女性の皆さんにぜひ聞いて欲しい、本物のシンガーのみが歌うことのできる曲と得られる感動がぎっしり。

わたしが一番きれいだったとき
沢知恵 / / コスモスレコーズ
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「人生の贈り物」と同じように、沢の歌唱力でその歌の存在に気付き、「60歳過ぎたら聴きたい歌(2)」でもとりあげた、もう一つのさだまさし作詞作曲で、沢がカバーする「風に立つライオン」の別テイクも併せて収録されたカバー・ベスト盤「シンガー」がリリースされました。この2曲、さだまさしのオリジナルは聴いてないが、沢によって新しい命、歌の持っている本来の力を吹き込まれたのかもしれない。それこそカバーの本質であろう。JAZZから演歌まで、シンディ・ローパーから松田聖子、美空ひばり、なんと尾崎豊まで、日本語、韓国語、英語で歌う、ジャンルを超えたまさにクロスオーバーな歌手、「沢知恵」のカバー・ベスト盤とよんでもいいだろう。

シンガー
沢知恵 / / コスモスレコーズ
ISBN : B001AHL9YI
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「人生の贈り物 ~他に望むものはない~」  ヤン・ヒウン;作詞/さだまさし;訳詩作曲

歌詞はこちら


「沢 知恵 - 人生の贈り物~他に望むものはない」

          



   
by knakano0311 | 2008-09-23 09:17 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Comments(2)
Commented by VAGA凡 at 2008-09-28 23:42 x
66歳・東京で個人タクシーを営んでます。

 良い詩ですね
 身にしみます

 爪・・もいいです。
 昔誰かに言われた事があったな
 「爪を噛むの悪い癖よ」

 毎回読ましていただいてます。
 素晴しい文書に何時も感心してます。
Commented by knakano0311 at 2008-09-29 00:11
VAGA凡さんコメントありがとうございました。個人タクシーをなさっているそうですが、多分いろいろなお客さんのいろいろな人生の一面をごらんになってきたのでしょう。それこそ人生の贈り物かも知れませんね。
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