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大屋地爵士のJAZZYな生活

もしもピアノが弾けたなら(12)  ~人魚姫のとまどい~

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デンマークの首都、コペンハーゲンに有名な観光名所ともなっている「人魚姫の像」がある。そう、あの童話作家のアンデルセンによって生まれ、彫刻家エドワード・エリクセンによってその優雅な姿を彫られた「人魚姫の像」の像である。コペンハーゲン港の埠頭の脇にひっそりと座っている。

コペンハーゲンから海峡を隔て、指呼の距離にあるスエーデン、マルモ(マルメ)市に関連会社があった関係で、コペンハーゲンには度々訪問したことがある。現在は海峡に橋が架かって、コペンハーゲンとマルモは鉄道で40分程度で結ばれているが、それまでは船、フェリーであった。休日などにフェリーでコペンハーゲンに遊びに行くと、船の到着する桟橋から「人魚姫の像」がよくみえたものだ。
マー・ライオン、小便小僧とあわせて、「世界三大がっかり」の一つと揶揄されたりもしているが、私はこの像が大変好きである。大きさも、想像していたより小作りで、高さ120cmほどの小さい像ですが その肩先の細い線や、左手の指先のラインなどに優美さや哀愁が感じられ、中宮寺や広隆寺の弥勒菩薩・半跏思惟像とどこか通ずるような、繊細さ、儚さ、可憐さが漂っているのである。

ところが、この像を、2010年の上海万博に出展させるという計画を政府が提案したところ、市民から猛反対の声が上がり、いま大騒動になっているそうだ。ヨーロッパを訪れる観光客数では近年日米を抜いてNo1となった中国人観光客をデンマークにも呼び込むための目玉と政府は考えただろうが、地元紙なども首都のランドマークの他国への貸し出しには反対しているようだ。いままでに何回も修復されているらしいが、1913年から100年近くバルト海を見つめ物思いにふけってきた人魚姫も、きっと当惑しているに違いないだろう。

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コペンハーゲン。チボリ公園などで有名なこの美しい北欧の王国・デンマークの首都には、数多くのJAZZ CLUBがあるジャズの街でもある。もう10月のこの時期はコートが必要なほど朝夕は冷え込むが、色づいた街路樹、公園の木々と石造りの建物、石畳のコントラストの美しさ、もう季節を終え、ハーバーに舫われたヨットたち。旅情を                  誘う北欧の詩情あふれる街。
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しかし、「水清くしてJAZZ?住まず」。パリ、アムステルダムなどと同様、コペンハーゲンは裏の顔を持っている。ゲイおよびレズビアンの旅行者にとって人気のある目的地になっており、毎年八月はじめに行われるコペンハーゲン・プライド(かつてのマーメイド・プライド・パレード)は彼らのための最大のお祭りである。またコペンハーゲンは不夜城都市であり、最大の繁華街ストロイエを、散歩しさえすれば、特に午後から夕方にかけては、音楽家、マジシャン、ジャグラーなどの大道芸人たちによって繰りひろげられているパフォーマンスを観ることが出来る。

毎年7月上旬に行われ、今年で30周年を迎えた「コペンハーゲン・ジャズ・フェスティバル」は、ヨーロッパで有名なジャズ・フェスティバルの一つである。1960年代はじめにアメリカのジャズ・ミュージシャンたち、ベン・ウェブスター、タッド・ジョーンズ、リチャード・ブーン、ケニー・ドリュー、エド・シグペンなどが出演してから大きく発展したといわれる。コンサート・ホールだけでなく、市内の小さなクラブ、カフェ、ストリート、歴史的な場所や広場、運河など街中のいたるところででジャズが楽しめる。仙台、神戸、御堂筋など日本でもよく行われる「街ジャズ・フェス」の原型ではないだろうか。

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そして、北欧を代表する哀愁・可憐派ピアノ・トリオは貴公子「ヤン・ラングレン・トリオ/Jan Lundgren」。1966年生まれ、スエーデン南部地方出身で現在はマルモに住み、マルモとコペンハーゲンを行き来しているそうだ。ヨーロピアン・ジャズ・トリオに通ずる典雅さ、ジーン・ディノヴィに通じるよく歌うピアノと華麗なメロディとスイング感、明るさと華やかさがあり、まさにヨーロピアン・ジャズのテイストを持つ。
わずかな夏を追って足早に迫りくる北欧の長い冬の季節。その間の短い秋。まさに「Fall」と呼ばれる秋の夕暮れに聴くにはあまりにもうっとりするロマンティックな「ヤン・ラングレン・トリオ」。


ロンリー・ワン
ヤン・ラングレン・トリオ / / エム アンド アイ カンパニー
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シャレード
ヤン・ラングレン・トリオ / エムアンドアイカンパニー
ISBN : B000063C43
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パーフィディア
ヤン・ラングレン・トリオ / / エム アンド アイ カンパニー
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「The Lonely One - JAN LUNDGREN」

          


仕事ではあったが、何度となく訪れた北欧コペンハーゲンとマルモの街。その思い出のために・・・・・・・。
by knakano0311 | 2008-10-03 16:46 | もしもピアノが弾けたなら | Comments(0)
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