ということで、今宵の曲は、なつかしい「Seasons of the Heart」。1982年にリリースされたシンガー・ソングライター、「ジョン・デンバー/John Denver」の曲。同名のタイトルのアルバムに収録されている。
【 Seasons of the Heart 】 by John Denver
「♪ Of course we have our differences 僕たちの間に違いはあるさ
You shouldn't be surprised そんなに驚くべき話じゃない
It's as natural as changes 変化なんてごく自然なこと
In the seasons and the skies 季節の中で、そして空の中で
Sometimes we grow together 時には一緒に成長し
Sometimes we drift apart 時には別々に押し流されることもある
A wiser man than I might know 僕より賢い男は知っているかも知れないよ
The seasons of the heart シーズン・オブ・ハートを
And I'm walking here beside you 君と一緒に夕暮れのひんやりとした空気の中を
In the early evening chill 連れ立って歩いている
A thing we've always loved to do ずっとしたいと思ってきたひとつのこと
I know we always will それをこれからもしたいと思っている
We have so much in common 僕たちに共通する多くのことがある
So many things we share 僕たちが分け合ってきた多くのこともある
That I can't believe my heart きみはもうそこにはいないとほのめかされても
When it implies that you're not there 僕には信じられない
Love is why I came here in the first place 愛はなぜ僕が最初にここに来たかという理由
Love is now the reason I must go そして今、愛は僕が行かねばならない理由
Love is all I ever hoped to find here 愛はここをみつけたいと願った理由の全て
Love is still the only dream I know そして愛はまだ僕のたった一つの夢
今、ジャズが熱いというポーランド。「アナ・マリア・ヨペック」と共に、ポーランドを代表する現代感覚溢れる女性シンガーとして、更に世界から注目される存在。「Looking Walking Being」から、「For the New Year, 1981」を ・・・。
前回取り上げた「カレン・ソウサ/Karen Souza」の歌う「New Year's Day」のオリジナルは、アイルランドのロックバンド、「U2」が1983年に発表したアルバム「WAR(闘)」に収録され、ポーランド民主化運動に捧げられたもの。それに続く今回のこの歌のタイトルの「1981年」は、ポーランド民主化運動のなかで、非合法化された「連帯」を合法化した民主化の出発点とも言える年。「For the New Year, 1981」は、これらのことを踏まえたうえでの曲のタイトルであり、内容であろうと思われ、アガがこの歌に込めた心意気が感じられる。
【 For the New Year, 1981 】 Lyrics: Denise Levertov; Music: David Doruzka
「♪ I have a small grain of hope - 私はささやかな希望を抱いている
one small crystal that gleams その透明な結晶から澄んだ色を光らせる
clear colours out of transparency. 小さな水晶のかけらのような
I need more. もっと欲しい
I break off a fragment to send you. その水晶を割ってかけらをあなたに届けたい
Please take どうぞ受け取ってね
this grain of a grain of hope このささやかな希望のそのまたかけらを
so that mine won't shrink. そうしても、私の希望が小さくなることはないわ
so that yours will grow. そしてあなたの希望が大きくなるように
Only so, by division, ふたりで分け合うことで
will hope increase, 希望はさらに大きくなるの
like a clump of irises, 株分けしないかぎり
which will cease to flower やがては咲くのを止めてしまう
unless you distribute 群生するアイリスのように
the clustered roots, unlikely source - 複雑に絡みあう根っこ、
clumsy and earth - covered 不格好で想像もできないような源
of grace. そして気品に満ちた大地 ♪」
さて、押し迫ってきた今年。「Save the Best for Last」なんかどうでしょうか。「一番大切なものは最後に取っておく」というような意味ですが、「カーラ・ヘルムブレヒト/Carla Helmbrecht」の「Here's to Love」(2004)の歌唱が好きですが、アップされていませんので、「ヴァネッサ・ウィリアムス/Vanessa Williams」の歌唱で ・・・。アルバムは同名のタイトル、「Save The Best For Last」(1992)から。
【 Save the Best for Last 】
by Philip Galdston,Jon Lind,Wendy Waldman-Parker
「♪ Sometimes the snow comes down in June 6月に雪が降ることだってあるわ
Sometimes the sun goes 'round the moon 太陽の方が月を回ることだってあるかも
I see the passion in your eyes あなたの瞳の奥に情熱を感じるわ
Sometimes it's all a big surprise すべていつもは起こらないサプライズよ
Cause there was a time あなたは私が望んでいることだと思って
when all I did was wish, 全てやってきたという
You'd tell me this was love これこそが愛なんだと言ったけど
It's not the way I hoped or how I planned それは私が思ったり願ったことではないの
But somehow it's enough そのときは満足していたけど
And now we're standing face to face いまこうして顔をつきあわせて立っていると
Isn't this world a crazy place? 世の中っておかしいところと思わない?
Just when I thought a chance had passed もうチャンスはないと思っていたけど
You go and save the best for last 一番大切なものを最後に残してくれたわ
さて、今宵はちょっとなつかしいディスコ・サウンドを。「スライ&ザ・ファミリー・ストーン/Sly & The Family Stone」の「ファミリー・アフェア/Family Affair」。「家族の問題」とでも訳しましょうか。
バンド・リーダーは、1960年代から1970年代にかけて、ソウル・ファンク・サイケデリック音楽の発展に大きな貢献を果たしたと言われる「スライ・ストーン/Sly Stone」。この曲が発表されたのは、1971年、ベトナム戦争真っ只中。この頃、アメリカのヒッピーは、「フラワー・チルドレン/Flower Children」と呼ばれ、あの「ウッドストック・フェスティバル/Woodstock Music and Art Festival」が開催されたのが、2年前、1969年8月であった。そのころの世相を反映してか、過激で強烈な歌詞が込められている。そして、「電子リズム・マシーン/programmed rhythm machine」が録音に使われた最初の曲でもあったと言う。
【 Family Affair 】 by Sly Stone(Sylvester Stewart)
「♪ It's a family affair それは家族の問題さ
It's a family affair それは家族の問題さ
It's a family affair それは家族の問題さ
It's a family affair それは家族の問題さ
One child grows up to be ある子は成長して
Somebody that just loves to learn 学ぶことが好きになる
And another child grows up to be また、ある子は
Somebody you'd just love to burn 人を傷つけることに快感を覚えるようになる
Mom loves the both of them 母親はどちらの子も愛しているさ
You see, it's in the blood それは血を分けた子供だから
Both kids are good to mom どちらの子も母親にとっては甲乙つけがたいのさ
Blood's thicker than the mud 「血は泥よりも濃い」って言うだろ
わたしの好きな曲、もう症候群的といってもいいが、その一つに、「Moon and Sand」という曲がある。邦題「月と砂」。作曲家、「アレック・ワイルダー/Alec Wilder」と、彼と40年間に渡ってコンビを組んだ作詞家、「ウィリアム・エングヴィック/William Engvick」の作品。ワイルダーは、ボストンで銀行を経営する資産家の跡取りでありながら、自ら実家とは縁を切り、ニューヨークに飛び出してきて、作曲に一生を捧げた男。人付き合いが嫌いで、生活もホテル住まい。ずっと独身を通したというちょっと変わり者。エングヴィックが、唯一といってもいい気の許せる相手だったらしく、全ての作詞を彼に託し、エングヴィックもまた、ワイルダーの曲にしか詩を付けていないというこちらもちょっと変わり者だったらしい。
【 Moon and Sand 】
「♪ Deep is the midnight sea 真夜中の海は深く感じ
Warm is the fragrant night かぐわしい夜は暖かく感じる
Sweet are you lips to me 口づけられた君の唇は甘い
Soft as the moon and sand そしてやわらかい 月と砂のように
Oh when shall we meet again いま再び会えるのだろうか
When the night has left us この夜が二人を置き去りにしてしまっても
Will the spell remain この魔法がずっと効いていて欲しい
The waves invade the shore 波は浜辺に絶え間なく打ち寄せては引いていく
Though we may kiss no more たとえ僕たちがもうキスをしなくなったとしても
Night is at our command 夜は僕たちのもの
Moon and sand 月も砂も
The waves invade the shore
Though we may kiss no more
Night is at our command
Moon and sand ♪」
去年も「十五夜」に聴いたのは、JAZZYな月と星のラヴ・ソングがぎっしりつまった「ダイアナ・パントン/Diana Panton」のアルバム、「ムーンライト・セレナーデ~月と星のうた(原題:If The Moon Turns Green)」(2007)。
「ジョニー・マーサー」 (1909年 – 1976年)。アメリカの作詞家・作曲家で、「キャピトル・レコード」を共同設立したことでも知られている。「ヘンリー・マンシーニ/Henry Mancini」とのタッグで数々のヒット曲、例えば、「ムーン・リバー/Moon River」(1961)、「酒とバラの日々/Days of Wine and Roses」 (1962)、「シャレード/Charade」(1963)を飛ばし、アカデミー音楽賞にノミネートされること19回、そのうち4回は受賞。外国語曲にも作詞し、最も有名なのは、「枯葉/Autumn Leaves(フランス語:Les Feuilles Mortes)」。生涯、1500曲以上書きたと言われる。
【 Dream 】 by Johnny Mercer
「♪ Dream when you’re feelin’ blue ブルーな気持ちの時は夢を見ることね
Dream that’s the thing to do 夢を見ることがするべき方法よ
Just watch the smokerings rise in the air タバコの煙の輪が浮かぶのを見れば
You'll find your share of memories there きっとなにか思い出すわ
So dream when the day is thru 一日ずっと夢を見ていようよ
Dream and they might come true 夢を見てさえいればきっとかなうから
Things never are as bad as they seem 考えているほど物事は悪くないよ
So dream, dream, dream だから、夢を、夢を見ようよ ♪」
さて、空模様が怪しいが、織姫と彦星のみる夢、「Dream」は、好漢、「マイケル・ブーブレ/Michael Bublé」の歌唱。オーソドックスでシンプル、しかし、エモーショナルにうたわれる。アルバムは、「Call Me Irresponsible」から。
ところで、失恋や片思いなどを歌った歌、「トーチ・ソング/Torch Song」の代表曲に、「恋は愚かというけれど」という邦題が付けられている 、私の好きな「I'm Fool To Want You」という歌がある。その一節に「神のみぞ知る(誰も知らない)」をもじった「the Devil has known」というフレーズがあるので、苦し紛れでこの曲を選んでみた。
「♪ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・
I'm a fool to hold you こんなにあなたを抱きしめたいと思う愚かな私
Such a fool to hold you そう、あなたを求める愚かな私
To seek a kiss not mine alone 私だけのものにならない口づけを求める私
To share a kiss the Devil has known 口づけしたいと思っていることさえ誰も知らない
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・ ♪」
かってこの曲についてこんなふうに書いたことがある。
この「I'm a fool to want you」を聴いたら「鳥肌もの」というアルバムがある。「ビリー・ホリディ/Billie Holiday」。アルバムは「レディ・イン・サテン/Lady in Satin」(1958)。このアルバムも、亡くなる前年の1958年の録音。体はぼろぼろで、声は衰え痛々しいほどだが、気力をふり絞って歌う。これはもう執念としかいいようがない。死を目前した超新星のような一瞬の輝きか残照か。しかし、「恋は愚かというけれど」という邦題では、この歌の持つ深いせつなさや哀しみは表わせない。(参照拙ブログ「60歳過ぎたら聴きたい歌(41) ~ I'm A Fool To Want You ~ 」)