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大屋地爵士のJAZZYな生活

カテゴリ:サウダージ( 36 )

失われた空間 ~映画「ミステリー・オブ・サンバ」を観て~

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「マリーザ・モンチ/Marisa de Azevedo Monte」(1967年~)というブラジルの女性歌手がいる。ロックからジャズのスタンダード、ブルースから伝統的なサンバ、ボサノバといった幅広いレパートリーで、若いロックファンから年配のジャズやサンバのファンにまで支持されている人気歌手である。たしか2年ほど前、日本へも来たはずである。

その歌姫「マリーザ・モンチ」が、歴史の波に消えた伝説のサンバを探す旅を描いたドキュメンタリー映画(DVD)を見ました。「ミステリー・オブ・サンバ~眠れる音源を求めて」(2009年日本公開)。

彼女の父親は、「ポルテーラ/Portela」地方の出身で、有名なサンバ・チーム「エスコーラ・ジ・サンバ・ポルテーラ(G.R.E.S.Portela)」の監督を務めた人物。幼少より多くのブラジル音楽に囲まれて育った彼女は、やがて「マリア・カラス」に憧れるようになり、オペラの勉強をするが、留学中に「ビリー・ホリディ」やロックのアーティスト達に強く惹きつけられている事に気付き、ブラジルに帰国しポピュラー音楽の道を進むことを決意したという。

そんな「マリーザ・モンチ」が、1940年代から50年代に作られ、今まで録音されたことがないサンバを後世に残そうと、故郷「ポルテーラ」の、日本でいえば民謡酒場のような店、「ポルテーラ」でかって歌っていた人気歌手たち、「ヴェーリャ・グアルダ」(大御所、年長者たちのこと)を訪ね、サンバの歴史を紐解いていくという音楽ドキュメンタリー映画。

サンバを聴き、ともに飲み、歌い、踊るために「ポルテーラ」に集まってくるお客と音楽の送り手との濃密な交流、そして、それを支える妻や家族たち。なぜサンバが世代を超えて受け継がれていくのかが見事に伝わってくる。そして、「ヴェーリャ・グアルダ」と尊敬をこめて呼ばれる年老いた歌手達の顔のすばらしいこと、歌の見事なこと。あんなにも陽気で色気のある爺さんになれたらと思う。当時、サンバだけでは食っていけないので、別の仕事をする傍ら、サンバに情熱を傾けていた彼ら達の生活。楽譜なんかもちろん残っていないのであるが、次第に記憶の中から浮かび出てくる50年前の「サンバ」の数々と「サンバ唄い」、「ポルテーラ」の姿。「サンバが人生・生活のすべて」というあんなにも濃密な交流があふれる音楽空間を日本で探すとすれば、沖縄の民謡酒場ぐらいだろうか。かって日本のあちこちにあった「民謡酒場」もそうであったし、「歌声喫茶」もそうであったかもしれない。日本ではもう失われた空間。映画「ミステリー・オブ・サンバ ~眠れる音源を求めて~」は、そんなサウダージ(郷愁)にも似た思いを、私に呼び起こした。

ミステリー・オブ・サンバ~眠れる音源を求めて [DVD]

アップリンク



「ミステリー・オブ・サンバ~眠れる音源を求めて 予告編」をちょっぴり ・・・。

          

「♪ 新しい一日が今日も訪れる/私が世界を通るのはたった一度だけ
   新しい一日が今日も訪れる/月日と共に私は老いていく
   世界は毎日私を通り過ぎるのに/私が世界を通るのはたった一度だけ ・・・ ♪」

やがて、「カスキーニャ」のカセット・テープが大量に発見される。マリーザが、「ヴェーリャ・グアルダ」の一人、「パウリーニョ・ダ・ヴィオラ/Paulinho da Viola」と歌う発見された名曲「新しい一日」。なんという深い歌であろうか。「Marisa Monte e Paulinho da Viola - O Mundo É Assim」。映画のシーンとともに。

          

キューバのハバナにある「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」。このクラブを中心に、150年の歴史のある「ソン」というキューバ音楽を、革命の荒波をくぐって守り続けてきたが、今はもうすっかり老いてしまったミュージシャンたち。そのドキュメンタリーであるこの映画にも、同じ感動を受けたことを思い出した。

ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ [DVD]

バップ


by knakano0311 | 2010-11-12 09:32 | サウダージ | Trackback | Comments(0)

遠い花火

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夕食を終えてお茶を飲んでいると、遠くから花火の音が聞こえてきた。そうだ、今日は猪名川花火大会の日だったのだ。この近辺では、この夏、最後の花火大会である。近くの高台へあがる階段に腰を掛けて、5、6km先の遠くの夜空に浮かぶ花火を見ていた。近くで見るように頭上で大きく花開くのではなく、はるかな闇に小さくふっと浮かぶ花火。微妙に遅れて聞こえてくる、頼りないようなかぼそい音もなんだかいい感じに聞こえる。近くで見る大音響の花火より、遠くで見る花火のほうが落ち着けるのも年齢のせいだろう。そして、もうひと辛抱、この暑かった夏ももうすぐ終わるのだ ・・・。

子供のころも花火は好きだった。人ごみのなかで、親の手をしっかり握り締めながら、打ちあがる花火を飽きもしないで見つめていた。そんな光景が頭に浮かんだ。そんなサウダージ(郷愁)を誘うのも花火のせいだろうか。ぱっと華麗に咲いて、さっと散る花火。華麗ではあるが、どこか儚い。桜にも似て花火には、日本人の感性、美意識に訴えて、奥にしまいこんでいた懐かしさを引き出してくるものがある。だから見た人それぞれにいくつもの遠き思い出や郷愁が胸をよぎるのであろう。

        「遠花火 一呼吸して 爆ぜにけり」 孤礁

        「遠花火 窓に見し夜の 別れかな」 小坂順子

        「遠花火 開いて消えし 元の闇」  寅彦 


遠い花火が一瞬思い出させた少年時代。「銀河鉄道の夜」を最後に読んだのはいつだっただろうか? 「宮沢賢治」の生誕百年に「久石譲」が描いたアルバム「銀河鉄道の夜」。その宇宙的でもある賢治のメルヘンの世界に、西欧的な世界への憧れより、なぜか日本的な古きよき時代への郷愁を感じてしまう。 

銀河鉄道の夜

サントラ / コロムビアミュージックエンタテインメント


 
聴いてみます? アルバム『銀河鉄道の夜』より「プリオシン海岸」。

          
 
 
 
by knakano0311 | 2010-08-23 09:21 | サウダージ | Trackback | Comments(0)

ボサノバはお好き?(7) 増補~ 忘れちゃいけない ~

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(写真左より;チアォン・ネット、ジョビン、スタン・ゲッツ、ジョアン・ジルベルト、ミルトン・バナナ カーネギー・ホールにて 青土社発行;「アントニオ・カルロス・ジョビン~ボサノヴァを創った男」より)




JAZZボッサのカテゴリーで、何人かのアーティストを紹介するのを忘れていました。ボケの始まりですかねぇ・・・。

ボサノバがアメリカへ渡って花開いた1960年代は、JAZZでは「ビ・バップ」の全盛期。黒人ミュージシャンを中心とした「ハード・バップ」が主流のイーストコースト派が人気を集めていた。これに対し、西海岸、カリフォルニアの白人JAZZマンを中心としたウエストコースト派は、その白人好みのソフィスケートされたJAZZボッサにとびついたのである。ボサノバを持ち込んだ、「チャーリー・バード」や「ハービー・マン」、JAZZボッサの創始者「スタン・ゲッツ」、「デイヴ・ブルーベック」、「ポール・デスモンド」、「ジェリー・マリガン」、「ゲイリー・マクファーランド」、「ズート・シムズ」などが相次いでJAZZボッサ・アルバムを発表した。

その中で、ウエストコースト・ジャズを代表するジャズ・サックス奏者の一人が「ポール・デスモンド/Paul Desmond(1924年11月25日-1977年5月30日)」。「デイヴ・ブルーベック・カルテット」在籍時に作曲した「テイク・ファイヴ/Take Five」などでよく知られるJAZZミュージシャンである。

その「ポール・デスモンド」のJAZZボッサアルバム「テイク・テン/Take Ten」を聞き出してから40年ちかくになるかなあ。確か、学生時代によく通っていた、グリル「B軒」のマスターのMさんが好きだったアルバムのひとつだった。「ポール・デスモンド」とギターの「ジム・ホール」がフィーチャーされたアルバムで、タイトルは「デイブ・ブルーベック・カルテット」の大ヒット作、5/4拍子で演奏される「Take Five」に引っ掛けたもの。粋ですね。「Alone Togather」のほか、「エル・プリンス」、「埠頭」、「黒いオルフェ/カーニバルの朝」、「オルフェのサンバ」など軽やかであるが、哀愁漂う名演がいっぱい。40年間聴いても、いまなお飽きない名盤。

Take Ten

Paul Desmond / RCA



オリジナル曲中心の全編ボサ・ノヴァのアルバム。前作同様、聴けば、コパカバーナの夕暮れの海岸に一人佇む気分。心の底から癒される一枚、「ボッサ・アンティグア」。そのほかのアルバム、「サマータイム」、「デスモンド・ブルー」などもお薦め。

ボッサ・アンティグア

ポール・デスモンド / BMG JAPAN Inc.(BMG)(M)




アルバム「テイク・テン」から「黒いオルフェのテーマ/Theme From Black Orpheus」 を「Paul Desmond Quartet」の演奏で。ギターは「ジム・ホール」。




同じくウエスト・コーストを代表するひとりが「ジェリー・マリガン/Gerry Mulligan」(1927年4月6日 - 1996年1月20日)。ジャズ界では数少ないバリトン・サックス奏者であり、ピアニストしても知られる。豪快なバリトン・サックスのソロで有名になった「ジェリー・マリガン」だが、ここで繰りひろげるスマートで上品な夜のイメージ。ボサノヴァ曲「カーニヴァルの朝」、ショパンのクラシック曲「プレリュード:ホ短調」、それにスタンダード。イージーリスニング的だけど、イージーリスニングとはひと味違う極上のジャズ。なんと冒頭のタイトル曲ではピアノを弾いているのだ。

Night Lights

Gerry Mulligan / Verve




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そして、わがJAZZミューズ、「ダイアナ・クラール」を忘れてはいけませんね。1990年代以降に最も成功したジャズ歌手の一人が、「ダイアナ・クラール/Diana Krall (1964年11月16日 - )」。カナダ生まれの女性ジャズ・ピアニスト、歌手。15歳の時、レストランでピアノ演奏を始め、17歳になってからは奨学金を得て、ボストンにあるバークリー音楽大学に入学、卒業した。 バークリー音楽学院では、同級生に「小曽根真」がいたという。その後、クラールの演奏を聞き興味を持った著名なベース演奏者、「レイ・ブラウン」と出会い、ロサンゼルスへと旅立ち、1990年からはニューヨークを中心に活動している。
2003年12月にイギリス生まれのロック・ミュージシャン、「エルヴィス・コステロ」と結婚し、ファンを落胆させた。2006年12月には双子の男の子を出産し、一時音楽活動を休止したが最近復活した。

デビュー・アルバムは、「ステッピング・アウト/Stepping Out」。サード・アルバム、「オール・フォー・ユー~ナット・キング・コール・トリオに捧ぐ/All for You: A Dedication to the Nat King Cole Trio」(1996年)は、グラミー賞にノミネートされ、また70週間もの間、ビルボード誌のジャズ・チャートに上がっていた。「ホエン・アイ・ルック・イン・ユア・アイズ/When I Look In Your Eyes」(1999年)では「ジョニー・マンデル」によるオーケストラ・アレンジのバックもあり、再度グラミー賞にノミネートされ、クラールはその年の最優秀ジャズミュージシャンとして表彰された。2001年9月にクラールはワールドツアーを開始し、フランス・パリのパリ・オリンピア劇場でのライブは彼女の初めてのライブ・アルバムとしてリリースされた。これにより彼女は二つ目のグラミー賞(最優秀ジャズボーカル)を受賞したのだ。

その代表的なアルバムから「ザ・ルック・オブ・ラヴ/The Look Of Love」。スローなボッサのけだるさが、オジサンにはたまらない。

ザ・ルック・オブ・ラヴ

Diana KrallUniversal Music =music=



彼女の好みなのか。マーケティングなのか、多分その両方なんでしょう、アルバムには必ずといっていいほど、ボサノバ・テイストの曲を入れている。このアルバムはタイトルでも分かるように、「イパネマの少年」を含む、エレガントかつロマンティックなボサ・ノヴァ&バラード。まさに大人のための極上ミュージック。

クワイエット・ナイツ

ダイアナ・クラール / UNIVERSAL CLASSICS(P)(M)



リード・トラックの「レッツ・フェイス・ザ・ミュージック・アンド・ダンス/Let's Face The Music And Dance」でいきなりノックアウトされてしまう。

ホエン・アイ・ルック・イン・ユア・アイズ

ダイアナ・クラール / ユニバーサル ミュージック クラシック



スタンダード中のスタンダード、「I've Got You Under My Skin」をはじめ、「The Look of Love」、「 Fly Me To The Moon」などがボッサ・テイストで・・・。

ライヴ・イン・パリ

ダイアナ・クラール / ユニバーサル ミュージック クラシック



もちろんベスト盤にもこれらの曲は入っているので、これからダイアナを聴いてみようという人にはお薦め。

ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ダイアナ・クラール(初回限定盤)(DVD付)

ダイアナ・クラール / UNIVERSAL CLASSICS(P)(M)



パリでのライブから、「DIANA KRALL」の「I've Got You Under My Skin」




蕎麦屋でも流れているほどの昨今のボサノバブーム、ボーカルといえば殆ど女性ボーカルが中心。かって「アスラット・ジルベルト」や2人の女性リード・ボーカルを擁した「セルジオ・メンデスとブラジル’66」がボサノバの一つスタイルを創った。そのことが、50年後の今、ボサノバが、なじみやすい、癒し系の音楽として世界的に発展し、女性ボーカル全盛の時代を迎えたのであろう。

さあ、日本のJAZZボーカルもあげておかなければいけませんね。ボサノバに似合うスモーキーな声の持ち主といえば、「鈴木重子」でしょうか。癒し系の代表みたいになっていますが、ちゃんとしたJAZZ歌手だとその実力を私は評価しています。誰かが言っていたように「自然派のヴォーカリスト」というのが正しい評価でしょう。いくつものアルバムでボサノバを歌っているが、ここでは、ボサノバが多く収録されているベスト盤をあげておきましょう。

プレゼンサ~ザ・ベスト・オブ・鈴木重子

鈴木重子 John Lennon Paul McCartney A.Menken Stephen Schwartz Eric Clapton Will Jennings Antonio Carlos BMG JAPAN



ボッサ・アレンジではありませんが、そのナチュラル・ボイスをお聞きください。 「鈴木重子」のうたう「シェルブールの雨傘」。


 

ながながと、「ボサノバ語り」にお付き合いくださいましてありがとうございました。 

では、最後に、「ボサノバ」という素晴らしい音楽を創り出してくれた「アントニオ・カルロス・ジョビン」に感謝と敬意を表して、「マイケル・フランクス」が、「ジョビン」に捧げた米国製ボサノバの名曲、「アントニオの唄/ANTONIO'S SONG」を ・・・・ 。
「マイケル・フランクス/Michael Franks」は、ジャズやボサ・ノヴァなどの要素をとりいれ、都会的でおしゃれなポップ感覚の歌と演奏を聴かせるアメリカのシンガー・ソングライター。



 
by knakano0311 | 2010-03-08 09:28 | サウダージ | Trackback | Comments(0)

ボサノバはお好き?(6) ~ 続・フェイク・ボッサこそワールド・ボッサ ~

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(続き)

さて、セルメン以後、長い間、フェイク・ボッサを聴いていなかったオジサンの私の耳を奪ったのが、「ベレーザ/Beleza」であった。ささやくような、くすぐるようなロリータ・ボイス、その容姿とあいまって、オジサンの心をつかんだのは、「Beleza」の歌姫、「ガブリエル・アンダース」。ボサノヴァ、ジャズ、ポップス、サルサ、レゲエ、ファンクなど多くのジャンルをミックス・ブレンドし、彼女独自のボサノヴァ・カラーに染め上げてしまうのが特長である。「フェイク・ボサノヴァ」の正統ともいえる系譜?に属するユニット「ベレーザ」。1997年にインディー・レーベルからリリースされ、大ヒット・アルバムとなったが、長らく廃盤だった「ジョビン・トリビュート・アルバム」は、ジョビン誕生80周年の去年、待望の再リリースがされた。タイトルはジョビンへのトリビュートだが、ジョビン以外の作品、「シンディー・ローパー」の「Time After Time」や、「This Masquerade」、「Besame Mucho」など有名曲を収録、これぞフェイク・ボッサのヒット・アルバム。

ジョビンに捧ぐ

ベレーザ / アルファレコード



ファンタジア

ベレーザ / アルファレコード



ボッサ・ユニット「Beleza」の歌姫、アルゼンチン出身の美しきシンガー、「ガブリエラ・アンダース/Gabriela Anders」。「ベレーザ」で耳を奪われた私は、今度は眼を奪われてしまった。最初の彼女のソロ・アルバム「Waiting」は、楚々とした全身の遠景のショットが気に入り、思わずジャケ買い、秘密の花園入り。2枚目は美形の顔のアップ、猫科の動物を思わせるような目に魅かれて、これもジャケ買い、またも秘密の花園入り。そして3枚目も成熟した女性の色気に魅かれて、またもやジャケ買い。3枚もジャケ買いしたのは彼女くらいである。

ウォンティング

ガブリエラ・アンダース / ダブリューイーエー・ジャパン



Last Tango in Rio

Gabriela AndersNarada



ボッサ・ベレーザ

ガブリエラ・アンダース / ビクターエンタテインメント




ともあれ、短いですが「ガブリエラ・アンダース」の美形振りとロリータ・ボイスをご賞味ください。
 



ガブリエラと同時期、病み付きになりそうな独特のロリータ・ボイスと楚々とした美形に、またもや魅かれてしまったのが、北欧・ストックホルムの妖精「リサ・エクダール/Lisa Ekdahl」。JAZZボーカルといっていいのかどうかよく分からないが、アルバムの中で、ボサノバ・アレンジのスタンダードをいくつか歌っている。

Back to Earth
Lisa Ekdahl Peter Nordahl Trio / RCA
ISBN : B00000IFUZ
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アルバム・タイトルの原題は「Sings Salvadore Poe」。旦那でもある「サルヴァドール・ポー」の詩を彼のギターで歌う、ボサノヴァ・テイストの心地よい一枚。

デイブレイク

リサ・エクダール / BMGインターナショナル



上のアルバムから、 「Lisa Ekdahl 」の歌う、まったりボッサ「Only You」。 なお、画面の女性はリサではありませんので ・・・。




さて、オーストラリア出身の女性ヴォーカリスト、「ポーラ・テリー」をリード・ボーカルに迎え、多国籍メンバーで結成された、アメリカ西海岸発のボサノバ・ユニット「SONIA」は、奥さんのお気に入りです。ボサノバはやっぱり心地よいリズムだそうで、「SONIA/ウィスパーズ・ザ・ファイネスト・ソングス・オン・ボサノヴァ(ザ・ベスト・オブ・ソニア)」、「ソニア・シングス・スタンダーズ」などをよく聴いてますね。


ウィスパーズ・ザ・ファイネスト・ソングス・オン・ボサノヴァ(ザ・ベスト・オブ・ソニア)
ソニア / コロムビアミュージックエンタテインメント
ISBN : B0006B9YQE
スコア選択:

ソニア・シングス・スタンダーズ

ソニア / コロムビアミュージックエンタテインメント




コンピレーション・アルバムですが、奥さんお気に入りのアルバムをもう一つ。「ミルク・ボッサ」。「ドント・ノー・ホワイ」、「バードランドの子守歌」、「素顔のままで」、「君の友だち」とくれば、これはもう極めつけのフェイク・ボッサ・コンピ・アルバムである。そして、このアルバムは、ボサノバの創始者の一人でもある「ロベルト・メスカネル」と娘のマルセラ、そして彼のレコード・レーベルのミュージシャンたちによって作られた。「ベレーザ」や「ソニア」などのような、西海岸発の洗練されたお洒落なボッサとちがって、ブラジル録音の、かってのボサノバらしい本物のボサノバの雰囲気を感じさせるフェイク・ボッサ・アルバムです。分かってます、ちょっと変な表現ですね・・・。

ミルク・ボッサ
オムニバス / フレイヴァー・オブ・サウンド
ISBN : B000GLL2MI
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少しマニアックですが、一時期話題になり、最近はその名を聴かなくなった「木村恵子」と「窪田晴男」のユニット「ケルカン」をフェイク・ボッサ・ユニットの日本代表としてあげておきましょうか。もちろん「小野リサ」は十分フェイク・ボッサ・アーティストです。

チ・ケーロ!チ・ケーロ!

ケルカン / コロムビアミュージックエンタテインメント



「ケルカン」の歌うせつないボッサは、映画音楽「シェルブールの雨傘」「ひまわり」を ・・・。 (埋め込みに対応してませんのでクリックしてごらんください。)


お隣の韓国からは、「WINTERPLAY/Songs Of Colored Love」。「クール・ビューティ、ヘウォンの透き通る歌声が、心地よい風を運んでくる・・・。この「WINTERPLAY/ウインタープレイ」、実は韓国JAZZチャート第一位にランキングされた韓国発の人気ジャージー・ポップ・ユニットで、これは日本デビュー・アルバムである。透明感に溢れる美声を持つ歌姫、「ヘウォン」とプロデュース/ソング・ライティングも手掛けるトランぺッター、「ジュハン・リー」による韓国人デュオ・グループ。ミディアム・テンポのボサノバのリズムにのって流れてくる「ソングス・オブ・カラード・ラヴ」は、日本のJAZZデュオ、「Ego-Wrappin' (エゴ・ラッピン)」の「色彩のブルース」のカバー。

ソングス・オブ・カラード・ラヴ

WINTERPLAY / ユニバーサル ミュージック クラシック



「WINTERPLAY」の歌姫「ヘウォン」の歌う「ソングス・オブ・カラード・ラヴ ~色彩のブルース~」。 (埋め込みに対応してませんのでクリックしてごらんください。)


最後に、南米へ戻り、最近お気に入りのアルゼンチン女性歌手のフェイク・ボッサ・アルバムをあげておきましょう。アルゼンチンの大草原パンパを吹きわたってきた爽やかな風のような、「リヒア・ピロ/Ligia Piro」。1971年生まれで、もうデビュー後10年の中堅といってもいいブエノス・アイレス出身の美形女性ジャズ&ボサノヴァ・シンガーである。アルバムは「ソー・イン・ラブ~ジャズ・アンド・スタンダーズ」で、原タイトルは「Trece Canciones De Amor(13曲のラブソング)」。タイトルどおり、「コール・ポーター」、「アーヴィング・バーリン」、「ビル・エバンス」などのスタンダードから、「ビートルズ」、「レオン・ラッセル」、「エリック・クラプトン」のナンバーまで幅広いジャンルのラブ・ソングをシンプルなギターとのデュオによる甘くさわやかに歌う。

ソー・イン・ラブ~ジャズ・アンド・スタンダーズ

リヒア・ピロ / インディーズ・メーカー



「Ligia Piro」が「Ricardo Lew」のギターでうたう「So in love / Mais que nada」のメドレーをどうぞ。




さあ、ボサノバの魅力と懐の広さと、「フェイク・ボッサこそが、ワールド・ボッサである」ということが、実感していただけたでしょうか?

寄せ集めの知識と私の数少ないCDコレクションや音楽体験から、駆け足で辿ってきたボサノバ・ワールドの俯瞰ですが、まだ私が知らないアーティストやアルバムが山のようにあると思います。読者の皆さんで、紹介したいアーティストなどあれば、ぜひ教えてください。

さて、このシリーズを続けている間に、季節は一気に春へ ・・・・ 。ボサノバが似合う季節の始まりへ。

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                  万博公園・梅林の見事な枝垂れ梅
by knakano0311 | 2010-03-06 10:18 | サウダージ | Trackback | Comments(0)

ボサノバはお好き?(5) ~ フェイク・ボッサこそワールド・ボッサ ~

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この地上で樹が切り倒されるごとに、その樹はきっと別の場所で、
どこか他の世界で再び成長するのだと、私は信じている。
だから、死んだら、
私はそこへ行きたい。
森たちが平和に暮せるその場所へ。
     アントニオ・カルロス・ジョビン
(青土社刊;アントニオ・カルロス・ジョビン~ボサノヴァを創った男 より)



わたしが勝手に分類したボサノバの4つのカテゴリー、最後は、「フェイク・ボッサ/Fake Bossa」です。聴きなれない言葉かもしれませんが、「fake」とは、「偽の、偽造の、でたらめな、いんちきの」というような意味です。ちゃんとした定義は分かりませんが、ブラジルで生まれた正統派のボサノバ、クラシック・ボッサ以外の音楽、スタンダードJAZZ、シャンソン、POPS、歌謡曲・・・などをボサノバ・アレンジで演奏された音楽の総称を言うようです。従って、大変範囲も広く、懐も深く、カフェ・ブーム以降、ボサノバ人気が続いているといわれますが、巷に流れるボサノバやヒットしたアルバムの殆どが、そしてJAZZボッサもフレンチ・ボッサまでもが、この範疇に入ってしまいますが、JAZZプレーヤーやフランス人アーティストの演奏するボサノバは、どうも特別に分けているようです。

この「フェイク・ボッサ」、その歴史は古く、ボサノバが世界に広まった60年代に起源があると私は考えていて、そしてその元祖は、当時一世を風靡した「セルジオ・メンデスとブラジル’66」だろうと思っています。
「セルジオ・メンデスとブラジル’66/SERGIO MENDES & BRASL'66」。1966年に発表したデビュー・アルバム「マシュ・ケ・ナダ~セルジオ・メンデスとブラジル’66/HERB ALPERT PRESENTS SERGIO MENDES & BRASIL'66」は全世界に衝撃を与えた。

「セルジオ・メンデス/Sérgio Santos Mendes(1941年2月11日 - )」はもともとジャズピアニストであり、「ブラジル’66」結成以前は、「ワンダ・ジ・サー」をリード・ボーカルにした「ブラジル’65」というグループを率いて、従来からの素朴なボサノバを演奏していた。こんな経歴の持ち主であるセルジオが1966年、「ブラジル’66」と言うグループを結成、大変身をし、デビュー・アルバムに収められた「マシュ・ケ・ナダ/Mas Que Nada」が世界的に大ヒットした。まさに天才的ヒラメキのアレンジで世界中にその名を知らしめたのである。このアルバムに収められた10曲のうち、「ビートルズ」の「デイ・トリッパー/DAYTRIPPER」など4曲が ボサノバ・テイストのポップスであり、原曲よりビートを利かせ歯切れよく、二人の女性ボーカルがクールに歌うという「セルジオ・メンデス」独特のフェイク・ボッサ・スタイルがここから始まったのだ。

マシュ・ケ・ナーダ

セルジオ・メンデス&ブラジル’66 / ユニバーサル ミュージック クラシック

 

その後も第2集、「分岐点/EQUINOX」(1967)では、JAZZスタンダードの「ナイト・アンド・デイ/NIGHT AND DAY」を、初めてオーケストラの入った第3集、「ルック・アラウンド/LOOK AROUND」(1968)では、バカラックの「恋のおもかげ/THE LOOK OF LOVE」など3曲、1969年の第4集、「フール・オン・ザ・ヒル/Fool On The Hill」では、タイトル曲に加え、「スカボロー・フェア/SCARBOROUGH FAIR」など3曲が収録されている。 ビートルズの「フール・オン・ザ・ヒル」や「デイ・トリッパー」といった曲をボサノヴァ風にアレンジしたカバーなど、欧米の音楽市場にとって親しみやすいボサノヴァをつくり、世界中での支持につながった。このことからも「セルジオ・メンデス」が、「フェイク・ボッサ」の元祖と考えていいと思う。ブラジル生まれというところが面白いが、故国の音楽ボサノバを知り尽くしていたからこそかもしれない。

その後、40年以上に長きにわたり、ブラジル音楽のトップに君臨する「セルジオ・メンデス」ですが、69歳の現在も活動は衰えない様で、2008年のボサ・ノヴァ誕生50周年には、ニュー・アルバム「モーニング・イン・リオ」をリリースしている。リード・トラックは、かって「マシュ・ケ・ナーダ」と並んで大ヒットした「ルック・オブ・ラヴ」。世界中から色々なミュージシャンが参加しているが、日本からは「DREAMS COME TRUE」が参加。彼らが参加した「ルガール・コムン」は、ポルトガル語コーラスとのかけあいで、「吉田美和」の日本語ヴォーカルがとても印象的。

モーニング・イン・リオ(期間限定特別価格)

セルジオ・メンデス / UNIVERSAL CLASSICS(P)(M)



それでは、なんといっても一世を風靡した「マシュ・ケ・ナダ」の演奏を ・・・。




「セルジオ・メンデスとブラジル’66」がPOPS的にアプローチしたのに対し、同時期JAZZ的にアプローチしたのは、「ゲイリー・マクファーランド/Gary Mcfarland」であった。私は彼も「フェイク・ボッサ」の元祖の一人だと考えている。「ゲイリー・マクファーランド」といえば、かって「渡辺貞夫」がバークリー音楽院を卒業後、所属していたのが、彼のバンドであり、ここでナベサダはボサノバと出会ったのだ。ジャズ・ヴィブラフォン/マリンバ奏者で、作編曲家でもあるゲイリーは、ブラジル’66デビューのすでに一年前、1965年3月に「ソフト・サンバ/Soft Samba」というアルバムをリリースしている。後の「スムース・ジャズ」を暗示させるような秀逸のタイトルもさることながら、収録されている曲とアレンジが極めて斬新であった。「シー・ラヴズ・ユー」、「ハード・デイズ・ナイト」、「アンド・アイ・ラヴ・ハー」、「抱きしめたい」と、当時絶頂期の「ビートルズ」の曲が4曲、映画音楽「ロシアより愛をこめて(007危機一発)」 、「モア(世界残酷物語)」、スタンダード 曲「グッド・ライフ」、シャンソン「ラ・ヴィ・アン・ローズ(バラ色の人生)」といった選曲とJAZZ風の洒落たボサノバ・アレンジ。なんと、45年も前のことなのである。

ソフト・サンバ

ゲイリー・マクファーランド / ユニバーサル ミュージック クラシック



そのアルバムから「A Hard Days Night」を ・・・・。




多くの大ヒット曲を持つ世界的なアイドルだったためだけでなく、その音楽性が極めて優れていたため、フェイク・ボッサの初期からビートルズの曲の採用が多いようです。その傾向は今でも変わらず、多くのビートルズ・フェイク・ボッサ・アルバムが作られています。そのなかの私のお気に入りの一つを紹介しましょう。ムタンチスのリード・ヴォーカルであり、ブラジル・ロック界のカリスマ、「リタ・リー/Rita Lee」の「ボッサン・ビートルズ/Bossa'n Beatles」。「A Hard Day's Night」、「Michelle」、「I Want To Hold Your Hand」などおなじみのビートルズ曲が軽快なBOSSAのノリで歌われる。何故か数曲がポルトガル語なのもご愛嬌。

ボッサン・ビートルズ
リタ・リー / ワードレコーズ
ISBN : B0007WADLW


「リタ・リー/Rita Lee」が歌う「ミシェル/Michelle」。




「ビートルズ」だけではなく、色々のミュージシャンのヒット曲もボサノバ化されています。あの「ローリング・ストーンズ」、「ボブ・マーレー」、「マイケル・ジャクソン」なども・・・。手当たり次第といっては失礼かな。まあ、ストーンズも「毒気」はすっかり抜けて、甘くかったるくなってしまっていますが。なに、本当は「ジャケ買い」だろうって?

Bossa n' Stones, Vol. 2
Various Artists / / Music Brokers
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(次回に続く)
by knakano0311 | 2010-03-05 09:16 | サウダージ | Trackback | Comments(0)

ボサノバはお好き?(4) ~ フレンチ・ボッサ、そしてワールド・ミュージックへ ~

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さて今回は、世界各国に飛び火し、その地で根付いた、いわばワールド・ミュージックとしてのボサノバという側面について、三つ目の流れとして触れてみたいと思います。

アメリカは別として、それ以外でボサノバが盛んな国、ボサノバ大国はどこでしょうか?それは、フランスではないかと思います。「フレンチ・ボッサ("bossa francaise")」といわれるくらいですから・・・。そして、それはブラジルの政治体制と大きなかかわりがあったのです。1964年、クーデターによって軍事独裁体制を確立したカステロ・ブランコ将軍は、親米反共政策と、外国資本の導入を柱にした工業化政策を推進したが、驚異的な経済成長を遂げる一方で、人権侵害も大きな問題となった。そんな厳しい時代が1985年に民政移管が実現するまで続くのである。自由で新しい音楽ボサノバを生み出した若者たちや芸術家たちは当然のごとく反政府的活動を展開していく。そんな時期、堂々と自由を求め、ブラジル政府批判を繰り返した女性シンガーがいた。ボサノバ創生期、学生たちの間でミューズ、女神と呼ばれた、「ナラ・レオン/Nara Leão (1942年1月19日 - 1989年6月7日)」である。ナラは軍部に徹底的に目をつけられ、結局、1968年ナラは「カエターノ・ヴェローゾ」、「ジルベルト・ジル」等と同様パリに亡命し、ボサノバと決別した。

しかし、自身の出自と向き合いボサノバとの和解を決意し、1971年、堰を切ったように全編ボサノバのアルバム「Dezanos Depois(美しきボサノバのミューズ)」を録音する。シンプルなギターの伴奏で、ボサノバの定番をうたう。陰影に富んだ、深みのある歌唱。その歌声はいま聴いても瑞々しさを失わず、心に染みる。多分女性BOSSAファンにオススメするのにこのアルバム以上のものが見当たらないくらいの名盤。モノクロのジャケット、雨のパリだろうか? 47歳の若さで夭折したボサノバのミューズ、「ナラ・レオン」。

美しきボサノヴァのミューズ
ナラ・レオン / ユニバーサルインターナショナル
ISBN : B0000677LE


彼女を始めとして、パリには亡命するブラジル人音楽家たちを受け入れる素地があったと思われる。フランスへサンバを紹介した男、1957年に「Dans mon ile」を発表し、「アントニオ・カルロス・ジョビン」に影響を与え、ボサノヴァの誕生に貢献したといわれる「アンリ・サルヴァドール/Henri Salvador」がいたし、放浪の果てにボサノバに出会い、フランスに戻って、ボサノバを広めた「ピエール・バルー/Pierre Barouh」などがいたのだ。1964年のクロード・ルルーシュ監督の映画「男と女」の音楽は、「フランシス・レイ」と並んで、「バーデン・パウエル」が担当し、「ピエール・バルー」は「アヌーク・エーメ」の夫役で出演し、ボサノバ讃歌を歌った。こうして、フランスで広まっていったボサノバは、ロック界の「セルジュ・ゲンズブール」などにも大きな影響を与え、「フレンチ・ボッサ」と呼ばれるジャンルを築いていくまでになる。

2001年、84歳で発表した「アンリ・サルバドール」の遺作アルバム「サルバドールからの手紙」から「こもれびの庭に/Jardim d'hiver」。彼は2008年、90歳で亡くなってしまった ・・・。

サルヴァドールからの手紙

アンリ・サルヴァドール / EMIミュージック・ジャパン



サルバドールの歌う「こもれびの庭」のYOUTUBE こんな爺様のような老い方に、私は憧れてしまいます。




代表的なフレンチ・ボッサ歌手といえば、「クレモンティーヌ/Clémentine」であろうか。「カフェ・アプレミディ~クレモンティーヌが歌うボサノヴァ」をあげておこう。「クレモンティーヌ」のボサ・ノヴァ・テイストの人気曲ばかりを贅沢にセレクトした本盤は、まさにフレンチ・ボッサの傑作集。


カフェ・アプレミディ~クレモンティーヌが歌うボサノヴァ

クレモンティーヌ / ソニーレコード



一方、「ナラ・レオン」とは、犬猿の仲であったらしいが、ブラジルに残り、軍事独裁政権を批判したもう一人のボサノバ・ミューズがいた。「エリス・レジーナ/Elis Regina (1945年3月17日 – 1982年1月19日)」である。1960年代から1970年代にかけて、ブラジルで最も人気のある国民的女性シンガーであった。彼女のヴォーカルは、心躍らせる歌声と、優れた抑揚を持ち合わせており、特にアップテンポなナンバーに卓越していた。1974年には、「アントニオ・カルロス・ジョビン」とのコラボレーション作品であるアルバム「エリス・アンド・トム/Elis & Tom」を発表。このアルバムを、最も優れたボサノヴァ・アルバムの一つといわれている。そしてこのアルバムに収録されたジョビン作の「三月の水("Águas de Março")」を最も優れたボサノヴァ・トラックの一つであると考える人も多い。

エリスは、彼女と同世代のブラジルのミュージシャンたちを、迫害し追放していた当時の独裁政権を時々批判することがあった。1969年のインタビューでは、「ブラジルはゴリラに支配されている」という見解を述べたこともあった。しかし彼女は人気があったがゆえに牢獄に入れられることはなかったが、それでも圧力を受け、やむをえずスタジアムのショーでブラジル国歌を歌わされることになり、左翼的思想の人々から反感を買うことになる。そして、そんな失意や苦悩のなか、エリスは、コカイン中毒によって1982年に36歳の若さで亡くなってしまった。

残されたジョビンとの最高の名盤「エリス・アンド・トム/Elis & Tom」。

エリス&トム

エリス・レジーナ&アントニオ・カルロス・ジョビン / ユニバーサル インターナショナル



「三月の水」をうたうエリスのYOUTUBE。




そして、「エリス・レジーナ」にトリビュートを捧げるポスト・レジーナともいえるその後の歌姫は「ジョイス/Joyce Moreno」。ジョビンの「三月の水」をはじめ、「バーデン・パウエル」、「エドゥ・ロボ」、「ミルトン・ナシメント」、「ジルベルト・ジル」等々が書いた名曲ばかりのエリス・ソング・ブック「宇宙飛行士〜ソングス・オブ・エリス」。

宇宙飛行士〜ソングス・オブ・エリス

ジョイス / オーマガトキ




さて、日本です。なんと言っても「長谷川きよし(1949年 - )」であろうか。全盲のシンガー・ソングライター&ギタリストである。もともとシャンソンを志していた彼がボサノバを始めた理由は分からないが、当時のフランスの音楽情況と何か関係があるかもしれない。シャンソン、JAZZ、カンツーネ、オリジナルと彼の音楽の幅は広く、本人は「ボサノバ唄い」ではないと否定するかもしれないが、なんと言ってもデビュー時のあの「別れのサンバ」(1969年)のインパクトが大きかった。
これが収録された最初のアルバムは「一人ぼっちの詩」ですが、入手しがたいので、ベスト盤の一つをあげておきます。

長谷川きよし/ベスト・セレクション

長谷川きよし / テイチク



別れのサンバ」のYOUTUBE ・・・ 。 パーカッションは「仙道さおり」。




その後、ボサノバをレパートリーとして歌う日本人歌手は多くいたが、「ボサノバ唄い」といえるのは、「小野リサ」の登場まで待たなければならなかったとおもう。

「小野リサ/Lisa Ono (1962年7月29日 - ) 」。ご存知、ブラジル生まれの日本人ボサノヴァ歌手である。ブラジル音楽が好きな父がライブ・ハウスを経営しようと渡伯。サンパウロで店を営んでいた両親の下、ブラジルで生まれ、その後10歳の時に日本に帰って来た。日本に帰って来てから、15歳からギターを弾きながら歌い始め、1987年ごろには曲を作り始めたという。初期の頃は、ブラジル色の強いアルバムであるが、その爽やかさが大変人気を呼んだ。やがて、ボサノバを彼女自身の音楽表現手段と考えるようになったのか、JAZZスタンダード、ラテン、ソウル、POPS、ハワイヤンなど多くの音楽をボサノバ・アレンジしたアルバムを発表し、最新作では「テレサ・テン」などのアジアの歌も。かの中国では最も人気のある日本人歌手の一人で、中国でも多くのCDが発売されている。私も北京のCDショップで何枚か求めたことがある。日本におけるボサノバの第一人者であり、日本から世界に羽ばたいていっている「ボサノバ唄い」なのだ。数多くのCDがリリースされているので選ぶのに困るが、ここではジョビンへのトリビュート・アルバムと最近のJAZZスタンダード・アルバムをあげておこう。

アントニオ・カルロス・ジョビン生誕80周年を記念してジョビンの代表曲を録音したボサノヴァ・スタンダード作品集「The music of Antonio Carlos Jobim」。

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The music of Antonio Carlos Jobim

小野リサ / エイベックスイオ





デビュー20周年を迎えた「小野リサ」、1999年最大のヒットアルバムとなった「DREAM」以来となる10年ぶりJAZZスタンダードアルバムは、RIOセッションとL.A.セッションの2枚同時リリース。RIOセッション盤はブラスサウンドを強く打ち出した本格的なボサノバ・アレンジによるブラジル色が色濃く出ている。

Cheek To Cheek-Jazz Standards from RIO-

小野リサ / エイベックスイオ



ジョビン生誕80周年を記念してジョビン・ファミリーをバックに「小野リサ」が歌う、ジョビン・トリビュート「Corcovado」のライブ。




ユーミンこと「荒井由実」のカバー、「あの日にかえりたい」を歌う。 実は彼女、ユーミンのベスト集で初回ボーナストラックとして、このユーミン・ボッサのギター歌伴をしたことがあります。




そして、これぞ、「ボサノバ唄い」という歌手がいます。「吉田慶子」。ふとしたことからボサノバと出会い、その魅力にとりつかれ、2000年には単身ブラジルへ渡り、1stアルバム「愛しいひと bem querer」を制作したという。2作目は、「コモ・ア・プランタ~ひそやかなボサノヴァ」。このアルバムには、「ジョビン」、「モライス」、「カルロス・リラ」、「エデゥ・ロボ」などボサノバ黎明期の巨匠の曲、クラシック・ボサノバが収録されているが、「サウダージ」をこれほど心象風景として、表現できている日本人「ボサノバ唄い」も他にいない。そして、「長谷川きよし」がギターで参加し、ポルトガル語で歌う「別れのサンバ」のカバーも収録されている。帯にいわく「ささやき声で始まって、ただ終わる美しいひととき」。

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コモ・ア・プランタ~ひそやかなボサノヴァ

吉田慶子 / オーマガトキ






1970年代には日本の歌謡曲シーンにボサノバが定着していた証拠ともいえる、極め付きのアルバムがある。「東京ボサノヴァ・ラウンジ」。「浅丘ルリ子/シャム猫を抱いて」(なんと・・・)、「寺尾聰/風もない午後のサンバ」、「森山良子/雨上がりのサンバ」、「トワ・エ・モワ/白い波」(たしかオリジナルは「ヒデとロザンナ」)など、どちらかといえば、マニアックな曲が並ぶ日本人よる和製ボサ・ノヴァのコンピレーション・アルバム。

東京ボサノヴァ・ラウンジ

オムニバス / テイチク




それでは最後に、北欧スエーデンへ。スエーデンは北欧では最もJAZZが盛んな国であり、数多くのJAZZアーティストを輩出している。スウェーディッシュ・ジャズは、静謐な空気に満ちた北欧の風土の中で育まれた、アメリカのJAZZとはちょっと違うオトナのJAZZ。ABBAなどを生んだPOPS王国らしく、スタイリッシュで聴きやすいJAZZが多い。

そんなスカンジナビアン・ボッサを歌う、スエーディッシュ・ビューティの一人が「ミラ/Mirra」の「ミラ・ボッサ」。タイトル通りボサノバを基調とした作品集で、女性に人気のアルバムらしい。アコースティック・アレンジを施された名曲の数々を歌うミラの透明感あふれる声は、ナチュラルな風となって心を癒してくれる。昨今の若い女性の間のボッサ・ブーム、そんな一端を彼女が担っているといっていいかもしれない。

ミラ・ボッサ

ミラ / スパイス・オブ・ライフ








 
by knakano0311 | 2010-03-03 09:16 | サウダージ | Trackback | Comments(0)

ボサノバはお好き?(3) ~ はい、JAZZボッサが大好きです ~

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このブログを書くために、CDを次々と引っ張り出して聴いていたら、気分がよくなり、もうすこしジャズ・ボッサのアルバムの紹介を続けたくなってきた。

そうそう、その前に、1960年代の初頭に、ブラジルから米国にもたらされたボサノバは、JAZZだけでなく、POPSの世界にも同時に大きな影響を与えたことにも触れておきましょう。この時期、1963年にリリースされた「イーディ・ゴーメ/Eydie Gorme」の「恋はボサノヴァ/Blame it on The Bossa Nova(ボサノバのせいよ)」は全米チャート最高7位を記録した大ヒットとなり、日本でもヒット曲となりました。たしか、あのプレスリーすら「ボサノヴァ・ベイビー」とか言う曲を歌っていたと思う。このころ、ダンスでも、「ゴーゴー」、や「ツィスト」と並んで、パートナーがいなくても踊れるボサノバが流行ったように思う。それともう一つ、「恋はボサノヴァ」と並んで彼女が歌った曲で大ヒットしたボサノバの曲があります。「ザ・ギフト(リカード・ボサノバ)/The Gift (Recado Bossa Nova)」です。この曲はジャズメンやジャズ・シンガーが大好きな曲のようで、本当に多くのカバーがあります。わたしのi-Podを覗いてみると、「ハリー・アレン」、「ハンク・モブレー」、「ハロルド・メイバーン」、「マンハッタン・ジャズ・クインテット」、「鈴木重子」、「グレース・マーヤ」などずらっと出てきます。この2曲が収録されているヒット名盤は「Blame It on the Bossa Nova(恋はボサノヴァ)」。

Blame It on the Bossa Nova

Eydie Gorme / Gl Music Co.



「Eydie Gorme」のうたう「The Gift!(Recado Bossa Nova)」を。




少し寄り道しましたが、さっ、それではJAZZボッサの紹介に戻りましょう。

まずは、アメリカにボサノバをもたらしたミュージシャンの一人である「チャーリー・バード/Charlie Bird」のアルバム「ブラジリアン・バード」。大々的にストリングスやホーンなどを従えて録音したジョビン作品集である。華やかなアレンジとバードの心地良い生ギターが聴きどころ。あのゲッツとの共作の歴史的アルバム「ジャズ・サンバ」から約3年後の1965年の作品である。

ブラジリアン・バード

チャーリー・バード / ソニーミュージックエンタテインメント



アルトサックス、「リー・コニッツ/Lee Konitz」の「ブラジリアン・セレナーデ」もおすすめ。スタイリッシュで哀愁漂う演奏はすこし、じんとくる。「リカード・ボサノバ」も収録。「トム・ハレル」のトランペットも泣かせる。

ブラジリアン・セレナーデ(紙ジャケット仕様)

リー・コニッツ&ザ・ブラジリアン・バンド / ヴィーナス・レコード



わがミューズ「ステイシー・ケント/Stacey Kent」の私生活でのパートナーでもあるテナー・サックス奏者「ジム・トムリンソン/Jim Tomlinson」によるボッサ・アルバム。「ステイシー・ケント」との3曲の絡みもゴージャスで、クールさとモダンさを併せ持つ名盤「ソー・ナイス~ブラジリアン・スケッチ~」。

ソー・ナイス~ブラジリアン・スケッチ~

ジム・トムリンソン / キングレコード



ボッサのリズムでテナー・サックスとくれば、「ハリー・アレン」を再びあげない訳にはいかない。アレンとボサノバ、なんと相性がいいのであろうか。彼にはこのボサノバの柔らかなリズムが本当に合っている。自然体だ。ボッサのリズムに乗りながら、メロディを豊かにふくらませ、その歌心で私たちの心に潤いを与えてくれるのだ。

ドリーマー

ハリー・アレン / BMGインターナショナル



サマー・サンバ

ハリー・アレン / BMG JAPAN



「ジョン・ピザレリ/John Pizzarelli」のずばりアルバム・タイトルは、「ボサ・ノヴァ」。イケメンで人気ジャズ・ヴォーカリスト&ギタリストの全編ボサ・ノバ・アルバム。本作では本業のギターは控えめ、あくまでも歌で勝負している。名人「ドン・セベスキー」のアレンジも素晴らしい。

ボサ・ノヴァ

ジョン・ピザレリ / ユニバーサル ミュージック クラシック



ヨーロッパ・ジャズ・ピアノの人気トリオ「ヨーロピアン・ジャズ・トリオ/Europian Jazz Trio (EJT)」。そのEJTが、「アントニオ・カルロス・ジョビン」の曲を中心に、「ルイス・ボンファ」や「ポール・マッカートニー」の曲まで収録したボッサ・アルバム「黄昏のサウダージ」。相変わらずの心休まるピアノに全身を委ねる・・・。

黄昏のサウダージ

ヨーロピアン・ジャズ・トリオ / エム アンド アイ カンパニー



「ジョー・ベック・トリオ/Joe Beck Trio」。フュージョン・ギタリストの名手「ジョー・べック」の、ベース、ドラムスとのギター・トリオによるアルバム。テクニックと歌心あふれるフレーズを駆使し、ブラジルの名曲に新たな生命を吹き込む。なんといってもヴィーナス・レコード得意のエロ・ジャケもいい。

ブラジリアン・ドリーミン

ジョー・ベック・トリオ / ヴィーナス・レコード



「ヴァルター・シュトラート/Walter Strerath」 、ドイツのボッサ・ピアノ・トリオ。これは珍しい澤野レーベルからのジャズ・ボッサ・アルバム「Fly To Brazil」。60年代中ごろ、その全盛期を迎えジャズ・ボッサがどうやって'75年のドイツまで伝承されていったか不思議であるが、やはり澤野、期待を裏切らないピアノ・トリオ。

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Fly To Brazil ; Walter Strerath Trio ; 澤野工房



そう、ナベサダこと「渡辺貞夫(1933年 -)」をあげておかなくてはいけませんね。ナベサダといえばボサノバ、日本のJAZZシーンに最初にボサノバを持ち込んだミュージシャンである。1962年、ちょうどアメリカにボサノバが輸入された頃に、彼はボストンのバークリー音楽院に留学し、その後アメリカで演奏活動をしていた。ちょうどそのころ、ボサノバに出会ったのである。1965年、帰国した彼は1967年「ジャズ&ボッサ」を発表、日本にボサノバ・ブームを巻き起こしたのだ。その後、 「BOSSA NOVA '67」、「JAZZ SAMBA」、「BOSSA BEAT COLLECTION」 、「SADAO MEETS BRAZILIAN FRIENDS」など立て続けにボサノバ・アルバムをリリースし、「ナベサダ=ボサノバ」の評価がすっかり定着してしまった。

ボサノバ’67(K2HD/紙ジャケット仕様)

渡辺貞夫 / ビクターエンタテインメント



ジャズ・ボッサの巨匠「ワルター・ワンダレイ/Walter Wnderley」。クールなオルガン・サウンドが魅力のブラジルNo.1オルガニストの大ヒット・ナンバー「サマー・サンバ」を収めたインスト・ボサの傑作アルバム「サマー・サンバ」。66年にアメリカでレコーディングされたアルバムで、その新鮮に響く独特のサウンドのボサ・ノバは、ジャズにおける「ジミー・スミス」のようなものか。

サマー・サンバ

ワルター・ワンダレイ / ユニバーサル ミュージック クラシック



「イリアーヌ /Eliane Elias」。ピアニストとして1980年代に頭角をあらわしたブラジル出身の「イリアーヌ・エリアス」。やがてピアノと共に、ボサ・ノヴァの歌手としても有名になっていく。1998年にヒットしたボサ・ノヴァ集「海風とジョビンの午後」は母国語(ポルトガル語)の歌唱でのジョビン集。ジョビンが生んだ不滅のメロディにストレートにアプローチしていて、囁くようなちょっとアンニュイな歌い方もナイス。テナーサックスの「マイケル・ブレッカー」のサポートも光る。このアルバムを聴いていると、さわやかなイパネマ海岸の風が吹いてくる。これは春ではなく、夏に似合う一枚なのだ。

アルバム「私のボサ・ノヴァ」は、クールで芯のある独特の低音を持ボサ・ノヴァ歌手つの魅力が十分に発揮されたもの。曲目もお馴染みばかりで、誰にでも親しめる。ピアノプレイは必要最小限にとどめ、お洒落なストリング入り。

海風とジョビンの午後

イリアーヌ / EMIミュージック・ジャパン



私のボサ・ノヴァ

イリアーヌ / EMIミュージック・ジャパン



「イリアーヌ・イリアス/Eliane Elias」は多才だ。歌も、ピアノも、そして大変な美人・・・。アストラッド・ジルベルトとよく比べられるが、「イリアーヌ」のほうが、ずっと美人で、しかも歌が上手いこと。そしてピアノを弾けること。そのピアノの才を発揮した最近のアルバムに、彼女が敬愛したビアノの巨匠をトリビュートした「サムシング・フォー・ビル・エバンス」がある。それもそのはず、彼女のご主人は「ビル・エバンス」のラスト・ベーシストだった「マーク・ジョンソン」なのだ・・・。

さっ、また最後にYOUTUBEをいくつかお楽しみいただきましょう。


渡辺貞夫&ワルター・ワンダレイのコラボで「Summer Samba(So Nice)」をお聞きください。




「Eliane Elias」のうたうご本人?のセクシー・フォトも楽しめる「サマーサンバ(So Nice)」 と 2009年7月に行われたマルセイユのライブでの「Chega de Saudade/想いあふれて」のYOUTUBEを続けてどうぞ。






1960年3月生まれ、もうすぐ50歳のイリアーヌ。すこしもその美貌と妖艶さは衰えていないようだ・・・。



「アンリ・サルバドール/Henri Salvador」のフレンチ・ボッサの名曲「Jardin d'hiver (こもれびの庭に)」を「Stacey Kent & Jim Tomlinson」で・・・。 この曲は、フランスでリリースされたアルバム「ジム・トムリンソン/The Lyric featuring Stacey Kent」に収録されている。




続いて「Close Your Eyes」を・・・。


 
 
おまけに、 「スザンヌ・ヴェガ」とのデュエットで歌う「三月の水」 ・・・。


by knakano0311 | 2010-03-01 09:22 | サウダージ | Trackback | Comments(0)

ボサノバはお好き?(2) ~ジャズ・ボッサからスムース・ジャズへ~

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ボサノバ語りを続けましょう。

さて、二つ目の流れは、ブラジルのボサノバ・ミュージシャンやブラジルを訪れたJAZZミュージシャンらとともにアメリカに渡り、JAZZミュージシャン達に大きな影響を与え、さらにもっと洗練され、進化して行ったJAZZボッサの流れである。1961年に訪れたブラジルでボサノバの魅力を体験したJAZZフルートの「ハービー・マン/Herbie Mann」は、彼流にJAZZと融合させて「ジャズ・ボッサ」の源流とも言うべき「カミン・ホーム・ベイビー/Comin' Home Baby」を1962年に大ヒットさせた。

ヴィレッジ・ゲイトのハービー・マン

ハービー・マン / Warner Music Japan =music=


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1962年、「チャーリー・バード(g)/Charlie Bird」もブラジルから持ち帰ったボサノバを、スタン・ゲッツ(ts)に伝え、2人がレコーディングし発表した「デサフィナード」(ジョビン作で「ジャズ・サンバ」に収録)が大ヒットした。こんなこともあって、新しいJAZZのマーケットを探していたレコード会社は、「これは売れる」とふんで、ボサノバに飛びついていった。ポルトガル語ではなく、英語の歌詞をつけ、大物JAZZミュージシャンと組ませたり、JAZZYで洒落たアレンジをつけ、A&M、CTI、ヴァーヴ、ユニバーサルといったレーベルから次々とリリースされたボサノバは、アメリカにおけるブームに火をつけ、 すぐに世界にひろまっていった。あの「フランク・シナトラ」さえも1967年ジョビンとの共演によってシナトラ初のボサノバ・アルバム「シナトラ&ジョビン 」をリリースしているのだ。この動きは、1960年代から70年代にかけてのことであった。

「A.C.ジョビン」がオーケストラをバックにしたアルバム「イパネマの娘」を米国でリリースしたのが1963年。「スタン・ゲッツ/Stan Getz」が「ジョアン・ジルベルト」とコラボし、「ゲッツ/ジルベルト」をリリースしたのも1963年のことである。ジョアンの歌うポルトガル語を英訳するため、アメリカに同行していた妻のアストラッドがひょんなことからこのアルバムで、「イパネマの娘」を歌い、大ヒットさせ、その後のボサノバの行方を変えることにもなるのである。原詞ポルトガル語で歌うのはジョアン、続いて英詞をアストラットが歌っている。

ジャズ・サンバ

スタン・ゲッツ&チャーリー・バード / ユニバーサル ミュージック クラシック



イパネマの娘

アントニオ・カルロス・ジョビン / ユニバーサル ミュージック クラシック



ゲッツ/ジルベルト

スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト / ユニバーサル ミュージック クラシック



おいしい水
アストラッド・ジルベルト アントニオ・カルロス・ジョビン ジョアン・ドナート / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00008KKT0

私の最初のJazzミューズは、「アストラッド・ジルベルト/Astrud Gilberto」。狭くて汚い学生アパートで安物のプレーヤーで飽きるほどに聴いたのは40年前であった。抑揚のあまりない、淡々としたささやくような歌声は新鮮であり、私の耳をJazz Vocalにむけるのに十分なほど魅力的であった。それから20年ほどたって、たまたまNew Yorkに出張した折、彼女のステージを今はもうないジャズクラブ「Fat Tuesday」で観たことがあります。感激しましたね。

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こうして、「A.C.ジョビン」、「アストラッド・ジルベルト」、「タンバ4」などあまたのブラジリアン・アーティストたちがアメリカ経由で世界的に売り出し、有名になっていった。私たちの世代のJAZZファン、ボサノバ・ファンはこの辺りから、ボサノバに魅せられていったのではないだろうか。そして、その流れは、当時は「イージー・リスニング・ジャズ」と呼ばれた「スムー・スジャズ」という新しいジャンル、潮流をも作り出したのである。JAZZファンからすれば、「軟弱でエッジがない」、ボサノバ・ファンからすれば、「コラソン(魂)がない」といわれるかもしれないが、たしかに心地良いことこの上もないボサノバは、もはや現在「JAZZ」、「スムース・ジャズ」にとって、なくてはならない欠かせない音楽表現のジャンルとなったのである。そんなコンテンポラリーなJAZZボッサから私のお気に入りをいくつかあげておきましょう。


まずサックス&ボサノバといったら、「ハリー・アレン/Harry Allen」を真っ先にあげます。98年の「アイ・ウォーント・ダンス」に始まり、ハリーはいくつかのボサ・ノヴァ・アルバムをリリースしているが、いかにもジャズメンによるボサノヴァ・アルバムといった感が強い。ゲッツを意識したようなジャズ色濃厚なボサ・ノヴァからスムース・ジャズ的なボサ・ノヴァまで千変万化なスタイルを見せるが、けっしてイージーには流れない。

アイ・キャン・シー・フォーエヴァー

ハリー・アレン ギルヘルム・モンテリオ ジェイ・バーリナー ロン・カーター グレディ・テート ジョー・アシオンBMG JAPAN



リカード・ボサノヴァ

ハリー・アレン / カメラータ東京



「イーデン・アトウッド/Eden Atwood」。モデルの仕事もしてたことがあるという、かなりの美貌の持ち主のジャズ・シンガー。「Waves: Bossa Nova Session」。ジョビンの作品を中心としたボサノバのスタンダード集であるが、Smooth Jazzなどのボサノバアルバムとはちょっと一味切れ味が違う。

Waves: Bossa Nova Session

Eden AtwoodGroove Note Records



トロンボーンを吹きながら歌う北欧スエーデンの美人姉妹は「スライディング・ハマーズ/Sliding Hammers」。ボッサ&バラードのベスト盤。

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来日記念盤 プレイズ・ボッサ&バラード

スライディング・ハマーズ / スハ゜イス・オフ゛・ライフ/アミュース゛






それでは、いくつかのボサノバ演奏をYOUTUBEでお楽しみください。

まず、Stan Getz カルテットの演奏する - Desafinado, Girl from Ipanema を。ウエストコーストJAZZの特長「クール」さがよく出た演奏。





続いては、ひょんなことからボサノバの女王になっていった「アストラッド・ジルベルト」が歌う「イパネマの娘」。




ニューオリンズのジャズ・フェスティバル。とあるビストロでの「ハリー・アレン」。演奏するは「How Insensitive」。




  
 
by knakano0311 | 2010-02-27 00:31 | サウダージ | Trackback | Comments(0)

ボサノバはお好き?(1) ~クラシック・ボッサはサウダージ(郷愁)~

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(散歩道の途中でにあるほころび始めた梅の花)

春は曙、すこし春めいてきましたね。爽やかなボサノバで目覚めを迎えられれば、どんなにか素晴らしい朝でしょうか。ボサノバはどんな季節にも似合いますが、私はとりわけ春が一番似合う季節だと思っています。シニアの皆さんには「ボサノバ好きが多い?」と聞きますが、もちろん私もその一人です。そんな春風に誘われて、リクエストもあった「ボサノバ語り」をはじめましょうか・・・。とはいえ、私はあまりボサノバには詳しくはないので、又聞き、寄せ集めの知識ですが、ご容赦ください。

ボサノバ創立の歴史については、ここではあまり詳しく述べませんが、もう少し詳しく知りたい方はウィキペディア(Wikipedia) http://ja.wikipedia.org/ やGoogleなどで「ボサノバ(ボサノヴァ)」と検索すれば、色々な記事が出てきますので、そちらを参考になさってください。また、「ボサノバ誕生50周年」を記念して製作された映画「ディス・イズ・ボサノヴァ」では、ボサノバが生み出された過程が、創始者の一人でもある「カルロス・リラ」と「ホベルト・メネスカル」によってドキュメンタリー風に語られています。これもファンには必見、お薦めの映画だと思います。(参照ブログ記事音楽の誕生~ボサノバのルーツを知って~」)

ディス・イズ・ボサノヴァ [DVD]

ビクターエンタテインメント



そうそうこんな本もでていますね。「アントニオ・カルロス・ジョビン―ボサノヴァを創った男」。ジョビンの実妹が語るジョビンの繊細かつダイナミックな世界観のすべて。これもファン必読の書・・・。

アントニオ・カルロス・ジョビン―ボサノヴァを創った男

エレーナ ジョビン / 青土社



1950年代後半、リオ・デ・ジャネイロのコパカバーナやイパネマといった海岸地区に住む中産階級の学生やミュージシャンたちが、従来のブラジル音楽に飽き足らず、JAZZのコードに影響を受け、生み出したのがボサノバである。特に1958年に「アントニオ・カルロス・ジョビン/Antinio Carlos Jobim」と「ヴィニシウス・ジ・モラエス/Vinicius de Moraes」が作曲し、「エリゼッチ・カルドーゾ/Elizete Cardoso」が歌った、「Chega de Saudade(シェガ・ジ・サウダージ、邦題:想いあふれて)」がボサノバ第1号とされ、2008年は「ボサノバ誕生50周年」を記念して、色々なイベントが催され、CDなども多くリリースされた事も記憶に新しいところです。

心地よく洗練されたサウンド、「新しい感覚」のサンバの一種として成立したボサノバは、瞬く間にブラジルの若者の間に拡がった。ボサノバとはポルトガル語で「新しい傾向」というような意味であり、それまでのブラジル音楽の流れを変えたといわれる。そしてまた、このボサノバは、ブラジルだけでなく世界の音楽にも大きな影響を与えたのである。たとえば、ジョビンの「イパネマの娘」はとれほど多くのカバーがなされたのであろうか? 多分「ビートルズ」の楽曲に匹敵するか、いやそれ以上かも知れないのだ。

そして、世界へ踏み出していったその後のボサノバは、大きく分けると四つの流れになるのではないかと、私は勝手に考えているのである。そんな四つの流れについて、私の好きなアーティストやアルバムの紹介をしながら、ゆるりと語っていきたいと思いますが、さて、どうなりますやら・・・。

一つ目の流れは、ジョビンらによって創始された、いわば「クラシック・ボッサ」といってもいいボサノバが、母国ブラジルで発展し、今日まで至っている流れ。そんな「クラシック・ボッサ」を今回はとりあげてみました。囁くような、語るような歌声とギター、そんなボサノバ・スタイルを確立したのが、「ジョアン・ジルベルト/Joao Gilberto」。そんな「クラシック・ボサ」の完成されたスタイルを、アルバム「ジョアン 声とギター」に見ることが出来る。全盛期をすぎ、70歳近い、2000年発表の作品であるが、まさにタイトル通り、ジョアンの声とギターのみで奏でている逸品のアルバム。

JOAO VOZ E VIOLAO
Joao Gilberto / / Universal



共にボサノヴァを生み出した詩人「ヴィニシウス・ヂ・モライス」へのジョビンのトリビュート・アルバムが、「ジョビン、ヴィニシウスを歌う」。「イパネマの娘」などボサノバの名曲の数々。そして、すべてのボサノバ・ファンを心酔させるモライスのメロディの美しさと彼へのジョビンの想い。

ジョビン、ヴィニシウスを歌う

アントニオ・カルロス・ジョビン / スリーディーシステム



没後20年経っても未だ人気の高いブラジルの歌姫「エリス・レジーナ/Elis Regina」の楽曲の魅力28曲がたっぷりと詰まったベスト・アルバム。ボサノバは癒し系音楽というイメージが少し変わるかも・・・。

カフェ・アプレミディ~エリス・レジーナ

エリス・レジーナ / ユニバーサル インターナショナル



そして、ボサノバにおけるギターのスタイルを確立したといってもいいバーデン・パウエルのベスト盤。

黒いオルフェ~ベスト・オブ・ボサノヴァ・ギター

バーデン・パウエル / ユニバーサル インターナショナル



ボサノバ創始者の一人「ホベルト・メネスカル」は、「今はもう、ブラジルではボサノバを聴く人は、めっきり少なくなってしまった」と嘆いていたが、「ボサノバは過去の音楽ではない、進化し続けている」と気を吐くのが、ジョビン亡き後のボサノバ界のトップに立ち、ボサノバをここまで広めてきた巨匠「オスカー・カストロ・ネヴィス/Oscar Castro-Neves」。「アイアート・モレイラ」、「レイラ・ピニェイロ」などの実力派ミュージシャンを「東京ブルーノート」に集め、熱いライブを展開したアルバム「Live At Blue Note Tokyo」。ブラジルの空気や街のにおいが熱気とともに伝わってくるコンテンポラリーなボサノバ。

ボサノヴァ・セレブレーション・オールスターズ ライブ at ブルーノート東京!

オスカー・カストロ・ネヴィス / スリーディーシステム



その後のブラジルのミューズ、歌姫もあげておきましょう。まず「ジョイス/Joyce」。’70年ごろ盛んに活動していたが、結婚後、音楽生活から遠ざかり、復活し、再び「自然派」として脚光を浴びたのは、’80年代である。そのころの名盤2枚、「フェミニーナ」、「水と光」がカップリングされ、再発された。

フェミニーナ、そして水と光

ジョイス / EMIミュージック・ジャパン



「ベベウ・ジルベルト」。「ジョアン・ジルベルト」の娘という毛並みの良さ。アコースティックな音と、多分ミュージック・シーケンサによってプログラムされた電子音が、うまくバランスをとって、違和感をもたらさずに融合されている。今までのボサノバにはない新鮮な感覚があじわえる今世代のボサノバ。

タント・テンポ
ベベウ・ジルベルト / キングレコード
ISBN : B00004U2TA



さて、最後にクラシック・ボッサの名曲を映像でお楽しみいただきましょう。

ボサノバ第一号といわれる、「Chega de Saudade(シェガ・ジ・サウダージ、邦題:想いあふれて)」をジョビンとジョアン・ジルベルトの唄と演奏で。




ジョピンのピアノによる名曲「波(Wave)」。




ジョアン・ジルベルトの声とギターによる「Estate(夏)」。




バーデン・パウエルの超絶ギター「tristeza(悲しみ)」。



このように、初期のボサノバはブラジル色の強いサンバの一種ということがよく分かると思います。
by knakano0311 | 2010-02-25 09:24 | サウダージ | Trackback | Comments(0)

音楽の誕生   ~ボサノバのルーツを知って~

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映画を観ました。タイトルは「This is Bossa Nova(パウロ・チアゴ監督)」。アクションでも恋愛でもホラーでもなく、1950年代後半にブラジルで生まれ、世界中に広がった音楽「ボサノヴァ」の歴史を描いたドキュメンタリー映画。現在も活躍し、最近この映画のプロモーションのために来日した巨匠カルロス・リラとホベルト・メネスカルが発祥の地、リオ・デ・ジャネイロを訪れ、ボサノヴァ誕生当時のエピソードや魅力を語り、その歴史をたどる映画である。カルロス・リラとホベルト・メネスカルが誕生に関わるエピソードや曲が出来たいきさつなどを語り、実際その曲を演奏したり、立役者となったミュージシャンたちの映像が流れ、全編をとおし、ボサノヴァの名曲の数々が心地よく、ファンにはたまらない映画だ。

1950年代の終わり、当時の重い暗いブラジル音楽の枠から逃れようと、自由な音楽を希求するギター好きの学生たちが、今まで聴いたことのない、JAZZに影響を受けた新しいコード(和音)を耳にするところから始まる。その新鮮なコードとコード進行、軽やかなリズムによる新しい音楽は瞬く間にリオの若者の間に広がっていき、ミューズ「ナラ・レオン」のアパートに集まるようになっていく。ボサノバという言葉は、リオの学生ホールで初めてボサノバのコンサートが開催され、出演者の名前の分からない主催者が「ボサノバ/新傾向」という出演者名をつけたところに由来するという。やがて天才的なシンガーソングライター「アントニオ・カルロス・ジョビン」があらわれ、ブラジルを代表する詩人で外交官の「ヴィニシウス・ヂ・モライス」と出会い、二人は美しいものを愛する最高のパートナーとなり、ここにボサノバが決定的に完成される。ジョビンの息子パウロが語り、奏でる父の想い出のシーンは感動的である。

ディス・イズ・ボサノヴァ [DVD]

ビクターエンタテインメント



This is BOSSA NOVA

サントラ / ビクターエンタテインメント



予告編を ・・・。 「This is Bossa Nova (Coisa Mais Linda - História e Casos da Bossa Nova) 」

          


あのささやくような歌い方の特長も、ナラのアパートの隣人からの苦情でどんどん声を落としていき、あのような「ウィスパー・ボイス」スタイルになったというからおどろく。ジョビンは多分ビートルズに匹敵するくらいの影響を世界中の音楽に与えた。「イパネマの娘」はカバーされた回数は世界一かもしれない。 やがて、「ジョアン・ジルベルト」が登場し、あのギターと声が一体となった独特の彼の小宇宙が形作られる。

「ボサノバはJAZZではない。サンバだ。」と創始者たちは言う。確かに「サウダージ(郷愁)」がボサノバの根底を支えていると魂だとしたら、まさしくそれはサンバをルーツとする音楽に違いないであろう。この映画、東京と大阪しか上映予定がないらしいが、全編心地よいボサノバにより体中の血がブラジル化したような気になる、その音楽のルーツと歴史を知るうえでもボサノバ・ファン必見の映画。

「ボサノバの父」称される、ジョビンの初期の代表曲を自ら演奏した傑作アルバム。

イパネマの娘
アントニオ・カルロス・ジョビン / / ユニバーサルクラシック
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映画でも描かれているが、ボサノバ創世期の若い音楽家の間でまさしく「ミューズ」であった「ナラ・レオン」。その後、軍事政権となったブラジル政府批判を繰り返した彼女はボサノバと決別して、パリへ亡命。しかし、自身の出自と向き合いボサノバとの和解を決意し、1971年、堰を切ったように全編ボサノバの本アルバム「Dezanos Depois(美しきボサノバのミューズ)」を録音する。シンプルなギターの伴奏で、ボサノバの定番をうたう。陰影に富んだ、深みのある歌唱。その歌声はいま聴いても瑞々しさを失わず、心に染みる。多分女性BOSSAファンにオススメするのにこのアルバム以上のものが見当たらないくらいの名盤。モノクロのジャケット、雨のパリだろうか? 47歳の若さで夭折したミューズ。

美しきボサノヴァのミューズ
ナラ・レオン / ユニバーサルインターナショナル
ISBN : B0000677LE
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独自の「ボサノバ小宇宙」を作り上げたジョアン・ジルベルト。アストラッド・ジルベルトのかっての旦那でもあり、ベベウ・ジルベルトの父でもあり、「ボサノバの法王」と称されている。その小宇宙を最もシンプルに、プリミティヴに感じさせるアルバム、「ジョアン 声とギター」。

JOAO VOZ E VIOLAO
Joao Gilberto / / Universal
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「ボサノバ」という言葉はまだ私は知らなかったが、高校時代にみて魅了された映画「黒いオルフェ」。ギリシャ神話のオルフェウス伝説を基にしたブラジルの詩人「ヴィニシウス・デ・モラエス」の戯曲を、マルセル・カミュ監督がリオ・デ・ジャネイロに舞台を置き換えて描いた映画。市電の運転手オルフェと美少女ユリディスとの運命的な恋を、リオのカーニバルの熱気と印象的なボサノバをバックに描いた悲劇のドラマ。ジョビンと作曲家で名ギタリストのルイス・ボンファとが音楽監督を手がけ、カンヌ国際映画際グランプリ受賞作品。「カーニバルの朝」、「オルフェのサンバ」、「フェリシダージ」は今でも多くのアーティストにカバーされている色あせない名曲。

黒いオルフェ(ポルトガル語版)
/ アイ・ヴィ・シー
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この映画「This is Bossa Nova」の原題は「Coisa Mais Linda/最も美しいもの」。
ジョビン、モライス、ボスコリ、ナラ、パウエル、エリス・レジーナ、シルヴィア・テリス・・・・みんな鬼籍に入ってしまった。
今はもう、ブラジルではボサノバを聴く人は、めっきり少なくなってしまったとホベルト・メネスカルは嘆く。
by knakano0311 | 2007-08-30 16:18 | サウダージ | Trackback(1) | Comments(0)