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大屋地爵士のJAZZYな生活

カテゴリ:ふるさとは遠くにありて・・・( 100 )

愛でる人なき秋の庭

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半日かかってどうにか実家の草刈を終える。小春日和のため、草刈り機も使ったが、汗だくである。しかし雑草を刈ると、今まで見えにくかった紅葉の赤や、花の黄色が鮮やかに目立つようになった。といっても、愛でる人はもういない庭。少し哀しい。

実家近くをウォーキングしていてその鮮やかな青に目を奪われる。「ヤマブドウ(山葡萄)」に似ているが、我が遊びの山でも見かける「アオツヅラフジ(青葛藤)」でしょうか。

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それにもまして、鮮やかに目に飛びこんで来るのは、どこを歩いていても一望できる北アルプスの峰々。私に登山の趣味はないが、それでも、燕岳、八方尾根、上高地、乗鞍岳 ・・・、数少ないが訪れた山を思い出す。両親が亡くなり、妹も去年他界し、近しい親戚もほとんどいなくなってしまったこの故郷に、後どのくらい訪れるだろうか ・・・。

真っ赤な林檎が鈴生りの林檎畑、その脇に野菊にうもれて道祖神や観音菩薩が微笑んでいた。いつもながらの風景であるが、先祖代々この地に暮らしてきた人たちの心の証でもある。

さて、今宵の故郷ソング、「坂田明」の「家路」。ドボルザークの有名なシンフォニ­ー「新世界」から。メンバーは、坂田明(Alt Saxl)、黒田京子(Piano)、バカボン鈴木(Wood Base)。 どちらかというと 前衛ジャズ的なイメージのある「坂田明」ですが、何の何のこんな叙情的なサックスも吹くのです。

赤とんぼ

坂田明 mii / インディペンデントレーベル



「坂田明 - 家路」
 
          



 
by knakano0311 | 2015-11-18 17:25 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(3)

やはり故郷の空気は澄んでいた

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夏以来の晩秋の帰省。例年のように、冬を迎えるにあたって、実家の冬じまいと庭に生い茂る雑草の草刈のための弾丸帰省である。前日は雨、多分草刈はできないだろうと思っていたが、翌日は晴れ。北アルプスの稜線がはっきりと見渡せる。今年は秋の深まりが早く、一気に冬へと移っていくと思ってたが、ここしばらくは小春日和。歩みも止まってようである。真ん中に聳える三角形をした特徴的な山、「常念岳」。その奥の穂高連峰は雪に覆われているが、常念岳は、冠雪はまだのようである。例年より遅い。とはいえ、遠くまで見通せるこの澄んだ空気は、やはり気持ちがいい。

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冬への歩みがすこし止まっているようだが、やはり朝夕の寒暖差は大きいようで、実家周辺は、夕日を浴びて、真っ赤に染まっている。こんな鮮烈な赤い風景は、今住んでいるところで見たことがない。これも空気が澄んでいるからであろう。

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さて、今宵のピアノ。4ヶ月ぶりの帰省に触発されて、「ヘルゲ・リエン・トリオ/Helge Lien Trio」。アルバムは、日本語のタイトル、「Natsukashii(なつかしい)」。

「ヘルゲ・リエン」。ノルウェーを代表するピアニスト。1975年、ノルウェイ生まれの弱冠40歳。最初に音楽的影響を受けたのが、「ピンク・フロイド/Pink Floyd」だという。16歳でクラシックを志したが、「オスカー・ピーターソン/Oscar Peterson」を聴いて、JAZZの世界に。スタンダードの中にも、野心的なインプロヴィゼーションを展開し、伝統と革新との微妙なバランスにチャレンジするといった試みも好ましく感じられる。

Natsukashii

Helge Lien / Ozella Music



日本の田舎を紹介する映像のバックに流れていたとしても、全く違和感はないタイトル曲、「Natsukashii」。

「Helge Lien Trio - Natsukashii」

          
by knakano0311 | 2015-11-17 13:53 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

サウダージの夏(5) ~ やはり向日葵は夏の花 ~

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青空や里山をバックに、太陽にまっすぐ向いてすくっと立っている「ヒマワリ」を見ると、この暑さのなか健気に感じて気持ちがいい。実家の周りにも多くの「ヒマワリ」が咲いている。やはり向日葵は夏の花である。「ヒマワリ」は、「日回り」と表記されることもあり、また、「ニチリンソウ(日輪草)」、「ヒグルマ(日車)」、「向日葵」を音読みして、「ヒュウガアオイ」とも呼ばれる。

和名の由来は、太陽の動きにつれてその方向を追うように花が回るといわれたことからという。若い「ヒマワリ」の茎の上部の葉は、太陽に正対になるように動き、朝には東を向いていたのが、夕方には西を向く。日没後はまもなく起きあがり、夜明け前にはふたたび東に向く。その運動を飽きもせず繰り返すというが、そこに健気さを感じてしまう。(Wikipedia参照)

そして、映画「ひまわり」や「屋根の上のバイオリン弾き」での息を呑むような「ヒマワリ」の群生のシーンも忘れられない。

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さて、今宵のサウダージは、「芸能山城組」。「山城祥二」氏に率いられたパフォーマンス集団で、日本にブルガリアン・ヴォイスを広め、その後、ケチャのパファーマンスで有名になるなど、世界の民族音楽の多様性を知らしめた集団である。アニメ「アキラ」の音楽を担当した事でも知られている。最近はあまり話題にならなくなったが、一時期、「題名のない音楽会」などによく出ていた。

そんな中で、「輪廻(りんね)交響楽」、「恐山」など、日本や仏教、神道をモチーフにしたアルバムもいくつかあるが、わらべ唄、声明、三味線音楽などを取り入れたアルバム、「やまと幻唱」の中で歌われた「合唱刈干切唄」が忘れられない。宮崎県高千穂地方の民謡で、茅(かや)を刈り取るときの仕事歌。「幻唱」とあるように、もう幻想の中にしか存在しないかもしれないが、古き「ニッポン」の原風景へのサウダージ。

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やまと幻唱
芸能山城組/ビクターエンタテインメント
ASIN: B00004UWXR




サウダージ世界編といってもいいベスト・アルバム「芸能山城組入門」でも聴くことができます。

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芸能山城組入門

芸能山城組 / ビクターエンタテインメント



アルバムからサウダージを感じる彼らの代表曲、「合唱刈干切唄」を ・・・。

「合唄刈干切唄 -芸能山城組」

          
by knakano0311 | 2015-07-31 15:39 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

サウダージの夏(4) ~ 主なき庭の手入れをしながら ~

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今回の帰省の目的(?)の一つは実家の庭の雑草刈り。庭と言っても90坪ほどあり、雑草といっても、前回刈ったのが6月の初め、1ヶ月半近く経っているから、この時期の数や丈は半端じゃないのである。前回同様、「ヘクソカズラ(屁糞葛)」や「ドクダミ(蕺草)」に手を焼きながら、なんとか1日で刈り終えた。その甲斐あって、今は観る人のいない主なき庭ではあるが、花の美しさが際立つようになった。母親が好きだった花々に思いを馳せる夏でもある。

松本地方は、方言や訛りが強い地方ではないと思うが、それでも食材の買出しなどにいく地元のマーケットで耳にする信州弁・松本弁には懐かしさを感じてしまう。方言、お国訛り、言葉がサウダージのベースにあるということは、朝ドラなどの人気をみてもわかるとおりである。

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さて、東北弁でジャズを歌った女性歌手がいる。「伊藤君子」。日本人女性ジャズ歌手では私が最もご贔屓にしている歌手である。わたしは信州で生まれ育ち、仙台で一時期学生生活を送っていたためか、かっては、関西弁より、むしろ東北弁により親近感があった。

ジャズを東北弁で歌う。そんな発想はどこから生まれたのであろうか。彼女はこんなふうに語っている。『きっかけは、青森に毎年お仕事に行かせて頂いていたんですね。そこで伊奈かっぺいさんとお会いできることがありまして、いろんなお話をしているうちに「津軽弁でジャズをやってみたら、おもしろいんじゃないか」とおっしゃって下さって、やってみましょう、ということになりました。 ・・・・だから、かっぺいさんにそのお話を頂いた時「あ、これはおもしろいな、」と思って、(アルバム制作にあたってはジャズのスタンダードを)日本語訳にしなくてはいけないこと、かっぺいさんに考えて頂くこともあるし、かっぺいさん以外の方にも助けて頂きましたし、その準備で1年半くらいかけたかと思います。あのね、聞く人によってはフランス語みたいに聞こえるとか、どこの言葉なんだろう、とか全く日本語に聞こえないというところが面白いんだと思います。」

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「伊藤君子」に「津軽弁でジャズを歌って欲しい!」という「伊奈かっぺい」氏のリクエストに、津軽弁に惹かれていた彼女は喜んで応え、5曲の「津軽弁のスタンダードナンバー」が出来た。それが、アルバム、「ジャズだが?ジャズだじゃ! ~津軽弁ジャズ~」。最初は一部限定のリリースだったが、2009年に一般にもリリースされた。

「伊藤君子」。1946年香川県小豆島町生まれのジャズ・シンガー。4歳のとき、ラジオ番組から流れる「美空ひばり」の歌声に魅了され、歌手を志したという。1982年、ポップ・演歌歌手としてデビューしたが、その後、ジャズ・ピアニストとの出会いをきっかけに、ジャズ・シンガーの道へ進み、1984年には半年間ニューヨークに滞在し、音楽修行した。1989年、アニメーション映画「イノセンス」の主題歌をタイトルとし、日米同時発売されたアルバム、「フォロー・ミー/Follow Me」が米国ラジオ&レコーズ誌のコンテンポラリー・ジャズ部門の16位にチャートイン。その後も幅広い活動を続ける。2000年にリリースしたアルバム「KIMIKO」はスイングジャーナル誌2000年度ジャズディスク大賞受賞。

ジャズだが?ジャズだじゃ!~津軽弁ジャズ~

伊藤君子 / ビデオアーツ・ミュージック



パーソネルは「伊藤君子(vocal)」の他、アレンジとピアノを「大石学」、ベースを「坂井紅介」、ドラムは「海老沢一博」が勤めている。企画者でもある「伊奈かっぺい」が一極だけオリジナルで参加しているのもご愛嬌。

「大石学」の印象的なピアノから始まる冒頭の曲は、「My Favorite Things(私の好ぎなもの)」。

「My Favorite Things - 伊藤君子」

          
by knakano0311 | 2015-07-28 16:52 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

サウダージの夏(3) ~ 茜色の空に ~

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松本盆地の西に聳える北アルプスが朝日に輝く山並みも美しいが、茜色に染まる夕焼けをバックに「常念岳」が、その稜線のシルエットをくっきりと浮き上がらせる風景も美しい。盆地東側の山裾、私の実家があるところであるが、この付近は果樹栽培が盛んで、林檎園、葡萄園が連なっている。一部の早生の葡萄はもう出荷されて店頭に並んでいたが、本格的にはこれからである。もちろん林檎の実はまだまだ青い。

「山辺葡萄」というブランドで知られる葡萄の産地でもあるのだが、これから夏の陽によって、ますます甘い味をその中に閉じ込めながら熟していく。このあたりの葡萄は、米国で生まれた「デラウェア」が主体である。その昔、江戸時代中期、元禄・宝永の頃(1700年ころ)、甲府から甲州葡萄が導入され、家の庭先に植えられたことが、長野県の葡萄の最初とされている。しかし、暖地山梨に比べ気温が低いため、小粒で酸味がきつく、いいものが出来なかったため、大正初期に米国より「デラウェア種」を導入し、いろいろの改良を施して、いまのような大粒で甘い「山辺葡萄」になったという。そして市場に併設して、地区の農協が経営しているワイナリーとしゃれたレストランがあり、手軽な価格で、ワインや料理が楽しめるようだ。

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アルゼンチン、チリといった南米の国もワインの有数の産地である。サウダージを歌う歌手、今宵はアルゼンチンのフォルクローレのギタリスト、歌手、作家、吟遊詩人で、「歩く大地」と呼ばれた「アタウアルパ・ユパンキ/Atahualpa Yupanqui」。

「アタウアルパ・ユパンキ」(1908年1月31日 - 1992年5月23日)の名前は、インカ帝国歴代の皇帝2人の名をつなぎ合わせたものであるという。ブエノスアイレス州ペルガミーノで鉄道員の家庭に生まれ、のち父親の転勤によって北西部のトゥクマンに移る。父はケチュア系先住民の血を受け継ぎ、母親はバスク系移民。1929年、処女作「インディオの小径/Caminito del indio」でデビューし、1930-40年代に多くの作品を発表するが、その活動が反政府的と目されて1950年代初頭にはヨーロッパへの亡命を余儀なくされたこともある。その後アルゼンチンに帰国したが、後年には再び生活の拠点をフランスに移し、死の直前まで世界各国で演奏活動を行っていた。

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左利きであったが、特に左利き用のギターは使わず、「ジミ・ヘンドリックス/Jimi Hendrix」のように右利き用のギターに逆さまに弦を張り、演奏していた。そんな「アタウアルパ・ユパンキ」の代表作が「ツクマン(トゥクマン)の月/Luna tucumana」。「トゥクマン」とは、アルゼンチンの地方都市、「サン・ミゲル・デ・トゥクマン(San Miguel de Tucumán)」のことである。(Wikipedia参照)

私がこの人を知ったのは高校生の時であった。たしか視聴者参加のローカル・ラジオ番組に出演し、「トゥクマンの月」をリクエストをしたこともあった。以来、レコード、CDと50年間にわたり、受け継いでいる曲、アルバムである。(参照拙ブログ「男唄に男が惚れて(2)~アタウアルパ・ユパンキ インディオの魂を聴く~」 )

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アタウアルパ・ユパンキ
アタワルパ・ユパンキ / 東芝EMI
ISBN : B000064TVX


これぞサウダージ、「アタワルパ・ユパンキ」の「トゥクマンの月」と「牛車にゆられて」。

「Atahualpa yupanqui ― Luna tucumana (トゥクマンの月)」

          

「Atahualpa Yupanqui - Los ejes de mi carreta (牛車にゆられて)」

          
by knakano0311 | 2015-07-25 10:17 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

サウダージの夏(2) ~ 想いは今も密やかに ~

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松本盆地の西に聳える北アルプス。我が実家は、反対の東の山裾の住宅地にある。すぐ近くは林檎畑、葡萄畑が斜面を覆い、蔵のある家が立ち並ぶ。そんな古くからある集落の路地を抜けると、「常念岳」が日に輝いてくっきりと見える。こんな地元の人にとっては、なんの変哲もない見飽きた風景も、私には美しいと感じる。そして、この集落の周りには、道祖神、地蔵堂、六地蔵、観音様、忠魂碑、開道碑、筆塚など、この地域の厚い信仰や豊かな歴史を物語る像や碑が多く点在している。そんなものを巡りながらひさしぶりのサウダージ・ウォーキングを楽しむ。

スーパーやお店ではこの時期になると、木の皮を巻いた「(盆)かんば」が並ぶ。「かんば」というのは、白樺(信州では「シラカンバ」とも呼ぶ)の木の皮を乾燥させたもので、8月13日夕刻の迎え火、16日夕刻の送り火として、各家の玄関先でこの「かんば」を燃やす。墓参りでも、墓の前で「かんば」を燃やす。その皮は油脂を多く含んでいるため、真っ黒な煙を大量に出す。これは信州(中北信)独特の風習のようだ。夕暮れの家の前で「かんば」が一斉に燃える。その炎の色と真っ黒な煙、そして独特の匂い。それもサウダージ。一ヶ月もすれば、お盆がやってくる。今年は、母親と妹の「新盆」。一瞬だが「かんば」のあの色と匂いが蘇った。

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さて、「サウダージ」を歌えることのできるもう一人の日本人女性歌手が「吉田慶子」。この人も私がずいぶんとご贔屓にしている「ボッサ唄い」。偶然CDショップで見つけた1枚のCDが彼女を知るきっかけであった。 その時も、これほどの「ボサノヴァ唄い」が日本にいたのかと舌を巻くほどの強い印象を持ったことを覚えている。そのアルバムは、「COMO A PLANTA ~ひそやかなボサノヴァ」(2007年)。ライナー・ノーツによれば、東京都出身。現在、福島県在住だという。幼少の頃からクラシック・ピアノを始め、ブラジル音楽、特にボサノヴァに魅せられてからは、ピアノをギターに持ちかえ、活動を開始。2000年には、単独でブラジルに渡り、半年程の滞在中に現地でレコーディング。それを、2001年にファースト・アルバムの「愛しいひと 〜bem querer」として発表した。(参照拙ブログ「ひそやかなボサノヴァ唄い ~吉田慶子~」

愛しいひと bem querer

吉田慶子 / インポート・ミュージック・サービス



コモ・ア・プランタ~ひそやかなボサノヴァ

吉田慶子 / オーマガトキ



その中から一曲。
  
「Keico Yoshida - Nunca (決して)」 残念なことに歌が途中で終わってしまいますが ・・・。

          

「♪  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    あの日々 
     懐かしい思い出
      これも忘れずに伝えて
       私を眠りへといざなったのはあなた
         静かに暮らせるようにと

            決して  ・・・・・   ♪」    (訳:国安真奈 ライナーノートより)

彼女の歌、YOUTUBEにはほとんどアップされていません。されていても音質が悪いか、多分レコード会社の意向でか、最後が尻切れトンボ。珍しく最新作がフルでアップされていました。「カエターノ・ヴェローゾ/Caetano Veloso」の膨大なレパートリーから厳選した美しい10曲を歌ったアルバム、「カエターノと私/CAETANO e EU KEICO YOSHIDA」から。

カエターノと私

吉田慶子 / コアポート



「Keico Yoshida - Lindeza」

          
by knakano0311 | 2015-07-24 10:20 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

サウダージの夏

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妹の一周忌の法事などで5日間の帰省。かっては真夏に、「信州に帰省します」というと周りから羨ましがられたものだが、最近は信州も日中はうだるように暑く、車の外気温計は35.5℃を示しているのでそれほど有り難みはなくなったかも。いや、故郷も暑くなったものだ。しかし、暑いといっても朝晩は涼しく、湿度も低い。

「七夕人形」、「ホオズキ(鬼灯、酸漿)」、「カブトムシ」 ・・・。松本市内、実家の近所のマーケットなどで見つけた夏のサウダージのいくつか。

「サウダージ/Saudade(サウダーヂあるいはサウダーデともという)」ポルトガル語がある。よくボサノバなどの歌詞で聴く言葉である。一般的には「郷愁」と訳されているが、単なる郷愁(nostalgie、ノスタルジー)でなく、温かい家庭や両親に守られ、無邪気に楽しい日々を過ごせた過去の自分への郷愁や、大人に成長した事でもう失くしてしまったかもしれない感情、古き良き時代への憧憬、懐かしい人への思慕、切なさなど幅広い感情を意味する言葉と言われる。

今年は母と妹の新盆を迎える「サウダージの夏」。

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日本人でこの「サウダージ」を歌えることのできる歌手の一人と言われているのが「松田美緒」。2005年、「アトランティカ/Atlantica」で鮮烈デビューしたポルトガル帰りの歌姫である。秋田県生まれ、九州・京都育ちという。「アマリア・ロドリゲス/Amália Rodrigues」の「ファド/Fado」に出会い、ポルトガル語を独学で学びながら歌い始める。2001年ポルトガルを初めて訪れ、リスボンに住み、ファド・ハウスやレストランで歌い、生きたファドの文化を現地の人々との深い交流を通して学んだという。その後、ヨーロッパの旅やリスボンでの留学を通じ、様々なミュージシャンと交流し、ファドはもちろんポルトガル語圏のさまざまな音楽を歌う。2004年10月、リオ・デ・ジャネイロで1stアルバムをレコーディング。2005年8月、全曲ブラジル録音による「アトランティカ」で日本デビューを果たす。ポルトガルを起点に、ブラジル、世界へと国境を感じない音楽を追い求め、ワールド・ミュージック・シーンで活動する女性シンガーが、「松田美緒」。

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最初に彼女に出会ったのは、ハワイ、沖縄からカリブまで、南のアイランドに寄せる郷愁を集めたコンピレーション・アルバム「リゾート・エア~パシフィカ/Resort Air~Pacifica」(2005)。そこに収録されている「OUTRA LUA/島唄(ポルトガル語バージョン)」 を聴いたとき、見事にこの歌が「ファド」に溶け込んでいると感じた。そして、日本デビュー・アルバム、「アトランティカ」と彼女の繰り広げる「サウダージ」の世界にはまってしまったのだ。元来、フォルクローレ、ファド系、ボッサ系に弱いという私の弱点?を見事に突かれた。

リゾート・エア~パシフィカ

オムニバス 松田美緒 サンディー 夏川りみ ケアリイ・レイシェル オータサン BEGINビクターエンタテインメント



アトランティカ

松田美緒ビクターエンタテインメント



いずれも、残念なことにYOUTUBEにアップされていないようなので、最近のアルバム、「クレオールの花」(2010)からアップしておきましょうか。雰囲気だけでも ・・・。

クレオールの花

松田美緒 / オーマガトキ



「Hugo Fattoruso & Mio Matsuda - Un canto para mamá (de Eduardo Mateo) 」

          
by knakano0311 | 2015-07-23 14:48 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

一日庭師に ・・・

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弾丸帰省。本格的な梅雨の前に、畑と庭に伸び放題になっている雑草を刈り取ることと、家の中の不用品の整理、片付けが目的。まず、「ヒメジョオン(姫女菀)」、「アザミ(薊)」などの背丈が長いものから引っこ抜いていく。「アザミ」は根が太く、先の尖った三角ホーを使わないと抜けない。生垣や「ツツジ(躑躅)」などに絡みついている「カラスノエンドウ(鳥野碗豆)」の黒い尖ったサヤが手に突き刺さる痛さや、「ヘクソカズラ(屁糞葛)」の、臭い匂いを我慢しながら取り除いていく。そのあとは、庭木。松などの剪定はプロでなければ難しいし、怪我をしてもつまらないので、手の届く範囲で茂り放題になっていた木の枝を落とす。

最後は地面一面の雑草。畑と庭、合わせて100坪を超える。これはもう草刈り機を使うしかない。名前のわからない草の可愛い花にも惑わされずにひたすら草刈り機を動かす。 ほぼ一日かかって草刈を終えた。

すっかり雑草が目立たなくなった庭には、その陰に埋もれていた初夏の花、「アジサイ(紫陽花)」、「ホタルブクロ(蛍袋)」などが目立つようになった。一日庭師の甲斐があったというもの  しかし弾丸帰省、花をゆっくり愛で、苦労の結果を楽しむ暇もなく帰り支度。

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さて、美メロピアノです。今宵も「ティエリー・ラング/Thierry Lang」を続けます。前回、紹介したように、1956年生まれのスイス・モントルー出身のベテラン・ピアニストであるが、そのキャリアについてほとんど情報はなく、その多くのアルバムが、入手困難となっている。

「ティエリー・ラング」の日本デビュー・アルバムは、自身の名前をつけた、「ティエリー・ラングの世界/ Thierry Lang」(1997)。日本人好みの美しいタッチとリリカルなソロが評判を呼んだという。

Thierry Lang

Thierry Lang / Blue Note



その中からおなじみスタンダードの「愚かなり我が心/My foolish heart」を。

「Thierry Lang - My foolish heart」

          

そして、アルバム「Private Garden」(1993)。ブレイクするきっかけとなった出世作だという。

Private Garden

Thierry Lang Trio / Elephant



冒頭の曲、「A Star To My Father」。この美しさはどう言うべきだろうか ・・・。

「Thierry Lang Trio - A Star To My Father」

          
by knakano0311 | 2015-06-11 14:23 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

主なき庭にも春は来る

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主なき庭、故郷・松本の実家の庭にも、桜前線と一緒に春は来ていた。「♪ 庭の山茱萸(サンシュユ)の木 ・・・」。花が咲くとともに、小さな昆虫も寄ってきている。

その他にも、「スミレ(菫)」、「スイセン(水仙)」、「ムスカリ」、「ミツバツツジ(三葉躑躅)」がやっと春が来たとばかりに咲いている。そして、まだ花弁がそっくり返ってはいませんが、「カタクリ(片栗)」の花でしょうか、一際目立って薄紫の花が咲いている。昔は、その球根から「片栗粉”(かたくりこ)」を採っていたが、今は100%じゃがいもとさつまいもの澱粉からつくられているという。花が地上に咲くのは、早春の2週間程度と短いため、「スプリング・エフェメラル/Spring ephemeral (春の妖精)」と呼ばれているという。

しかし春は生命力が強く、蔓延ったら厄介な別名「ぺんぺん草」と呼ばれる「ナズナ(薺)」や「タンポポ(蒲公英)」など雑草も花をつける。早速に引っこ抜く作業に精を出した。

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さて、先だってこのブログで「ザーズ/ZAZ」や「コニー・エヴィンソン/Connie Evingson」と「ジプシー・スウィング(マヌーシュ・スウィングとも)」に係わるアーティストを取り上げてみた。(参照拙ブログ「ZAZが聴きたくなって」「60歳過ぎたら聴きたい歌 (91) ~パリの四月~」) 今宵はずばり、ジプシー・スウィングのアーティストです。「ローゼンバーグ・トリオ/The Rosenberg Trio」。

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「ジプシー・スウィング/gypsy swing」とは、「マヌーシュ・スウィング/manouche swing」とも呼ばれ、1930年代のフランスで、ジプシーの伝統音楽と、フランス領であったアメリカ・ニューオリンズから1910年代末頃にやってきたスウィング・ジャズとがミックスして産まれた新しい音楽。そして、それを生み出したのが、天才ギタリスト「ジャンゴ・ラインハルト/Django Reinhardt」なのである。アップテンポのリズム、哀愁と情熱のメロディ、パリで花開いたこの音楽は、「ジプシー・スウィング」というJAZZの一ジャンルともなり、アメリカンJAZZとは別に、現在も根強い人気を保っている。「ジャンゴ・ラインハルト」生誕100周年の2010年に来日した「ローゼンバーグ・トリオ」のコンサートを聴きに行ったことも記憶に新しい。

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現在の「マヌーシュ・スウィング/manouche swing」の最高峰ギタリストと言われる、「ストーケロ・ローゼンバーグ/Stochelo Rosenberg」を中心としたトリオ。滑らかで切れ味鋭い速弾きギターが魅力。ストーケロは、1968年にオランダで代々音楽を受継ぐ名門ジプシー一家に生まれる。10歳からギターを始め、父親と叔父から手ほどきを受け、「ジャンゴ・ラインハルト/Django Reinhardt」の曲を繰り返し聞き練習する。12歳で従兄弟らと出演したオランダのTV番組のコンテストで優勝。1989年に従兄弟の「ノニー/Nonnie」、「ヌーチェ/Nous'che」とともに 「ローゼンバーグ・トリオ」を結成、「SERESTA」でデビュー。以降、マヌーシュ・スウィングを代表するギタリストとして着々とキャリアを積み、現在に至る。

Suenos Gitanos

Rosenberg Trio / Verve



上のアルバムから、「レオナルド・アムエド/Leonardo Amuedo」をフューチャーした「地中海の舞踏/Mediterranean Sundance」。 「アル・ディ・メオラ/Al Di Meola」、「パコ・デ・ルシア/Paco De lucia」でお馴染みですね。

「The Rosenberg Trio - Mediterranean Sundance」

          

「アン・バートン/Ann Burton」の歌伴でも知られている、同じオランダ出身のジャズ・ピアニスト、「ルイス・ヴァン・ダイク/Louis Van Dijk」との共演ライブのCD。「マヌーシュ・スウィング」にノリノリの「ヴァン・ダイク」のピアノが聴きもの。

Rosenberg Trio Live

Van Dijk Louis / Imports



あの「サンタナ/SANTANA」の哀愁の名曲「Moonflower」を。

「Moonflower-Louis Van Dijk&The Rosenberg Trio」

          

「ローゼンバーグ・トリオ」、「マヌーシュ・スウィング」を俯瞰できるベスト・アルバム。

The Best of Rosenberg Trio

The Rosenberg Trio / Universal



「ジャンゴ・ラインハルト」の「Nuages (雲)」を。

「Trio Rosenberg - Nuages」

          
by knakano0311 | 2015-04-09 18:11 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

桜前線は故郷松本まで北上していた

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諸々の用事が残っているため、故郷松本へと車を走らす。3月下旬が暖かかったためか、桜前線の北上も早いようである。道中ずっと雨模様であったが、京都、大津、彦根、関ヶ原と視界から桜が消えることはない。小牧ジャンクションから中央道に入ると、両側が見事な桜並木。まさに「桜ハイウェイ」である。恵那山トンネルを越えても、桜はもう開花していて、結局、いつもはわが街からは2週間くらい遅い桜の開花は1週間程度に縮まっていたようである。薄川(すすきがわ)両岸数キロメートルにわたって植えられている桜並木を見て、今から約1300年前の飛鳥時代、聖徳太子により創建されたと伝わる古刹、「兎川寺(とせんじ)」の境内のしだれ桜が満開であること確認すれば、すぐそこの実家へとたどり着く。

帰りは一転、雨に加えて冬の寒さに戻る。開花をしたと聞いていた伊那、高遠城址の桜を見て帰ろうと思っていたが、この寒さに雨。残念ながら断念せざるを得なかった。

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さて、桜帰省。お供に持っていったのは、「ロドリーゴ・ロドリゲス(ホドリーゴ・ホドリゲス)/Rodrigo Rodrigues」のジャズ・スタンダード集、「フェイク・スタンダード/Fake Standards」(2007)。わたしもよく知らないのですが、2005年、44歳の若さで夭折してしまったブラジル人シンガー・ソングライターで、モダン・サンバ・ユニット「ムジカ・リジェイラ/Musica Ligeira」のリード・ヴォーカルだったそうだ。その彼が遺した唯一のリーダー・アルバムで、スタンダード曲を中心としたカバー・アルバム。「フェイク」という言葉は元来「偽物」という意味であるが、「フェイク・ボッサ」という言葉がある。これは、POPS、ジャズ、ロックなど元々ブラジル音楽でない音楽をボッサ風にアレンジ、演奏された音楽の総称をいうようですが、あえて「フェイク・ボッサ」と言わず、「フェイク・スタンダード」というアルバム・タイトルにしたのは、ジャズへの畏敬、感謝、かの「カエターノ・ヴェローゾ/Caetano Veloso」が、アルバム「異国の香り/A Foreign Sound」(2004年)に込めたものと共通する想いがあるのではなかろうか。(参照拙ブログ「路傍の花、樹々の鳥(47) ~異国の香り、柘榴の実る庭~」など)

本人亡き後、2001年に録音された音源が見つかり、関係者の努力により、追悼盤としてリリースに至ったという一枚。端正なブラジリアン・ギターによる弾き語りが基調であるが、彼はボーカル、コーラスは勿論、ストリングスを除くすべての楽器(ギター、サックス、クラリネット、ハーモニカなど)を演奏しており、そのマルチで豊かな才能に驚かされる。暖かくノスタルジックなサウンド、哀しくも美しい響き。「カエターノ・ヴェローゾ/異国の香り」に匹敵するアルバムである。

Fake Standards

Rodrigo Rodrigues / Rip Curl Recordings



おなじみのスタンダードを4曲。

「Cry Me a River - Rodrigo Rodrigues」

          

「Laura - Rodrigo Rodrigues」

          

「Rodrigo Rodrigues - It's only a paper moon」

          

「My Funny Valentine - Rodrigo Rodrigues」

          
by knakano0311 | 2015-04-08 15:50 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)