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大屋地爵士のJAZZYな生活

カテゴリ:ふるさとは遠くにありて・・・( 100 )

冬へと向かう

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今年最後の信州弾丸帰省。母親のケア、主治医との相談、先日の地震の影響のチェックと冬支度、親父の命日の墓参りなどのためであった。地震の影響もなく、また母親も弱っては来ているが、明日にも ・・というような状況でもなく、ひと安心。前半は、松本はポカポカ陽気、後半は一転、真冬の寒さ。帰りの中央道、駒ケ岳SAの付近は、積もりこそしなかったが、横殴りの雪が舞う荒れ模様の天気であった。外気温は1.5℃、故郷はこれから厳寒の季節へと入っていく。ふるさとを離れて50年、昔は寒さはそれほど苦にはならなかったが、今ではあの寒さは多分耐えられないであろう。そのくらい柔になっているのだ。急なことがない限り、しばらくはこの弾丸帰省も、春めいてくる時まではしばらくお休み。

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この寒さ相当応えますね。今宵のお久しぶり女性歌手でちょっと温まっていただきましょうか。引っ張り出してきたのは、「リズ・ライト/Liz Wright」。「カサンドラ・ウイルソン/Cassandra Wilson」の後継者なんてささやきもあるが、1980年、米南部、ジョージア州生まれ。父は教会の牧師で、音楽監督を務め、母はオルガン奏者だったという。その影響で、幼少よりゴスペルに親しんできたため、彼女の音楽の原風景はゴスペルにあるという。ハイ・スクール時代は聖歌隊に参加、やがてブルース、ジャズに開眼する。その後進学したジョージア州立大学では本格的なバンド活動をスタート。 シンガーとしての頭角を現した彼女は、卒業後の2002年、「ジョー・サンプル/Joe Sample」のアルバム、「ザ・ピーカン・トゥリー/The Pecan Tree」に参加、「No One But Myself To Blame」と「Fool's Gold」の2曲でヴォーカルをとり、「ジョー・サンプル・バンド」のメンバーとして初来日、「ブルーノート東京」のステージに立った。

Pecan Tree

Joe Sample / Pra Records



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翌2003年、「ヴァーヴ/Verve」レーベルと契約、アルバム、「ソルト/Salt」でデビュー。2005年には「クレイグ・ストリート/Craig Street」をプロデューサーに迎え、2ndアルバム、「ドリーミング・ワイド・アウェイク/Dreaming Wide Awake」をリリース。ゴスペルで培った深みと憂いのあるスピリチュアル・ヴォイスで、独自のR&B/ブルースの世界を創り上げている。(Wikipediaなどより)

寡作である。その後、「オーチャード~禁断の果実/The Orchard」(2008年)、「フェローシップ/Fellowship」(2010年)とデビュー10年にしてわずか4作を数えるのみである。そのためか人気もイマイチの感がある。この独特のスピリチュアルな世界観、ただものではない。もっともっと評価されていい歌手。

 

Salt

Lizz Wright / Verve



「Lizz Wright - Salt」

          

中でも私が好きなのは、「リズ・ライト」の2ndアルバム「Dreaming Wide Awake」、2004年ニューヨークでの録音。本作ではオリジナル曲を始め様々なジャンルの音楽が取り上げられており、「リズ・ライト」のスピリチュアルな個性にくわえ、その奥にある暖かさも前面にでてきている。

ドリーミング・ワイド・アウェイク

リズ・ライト Toshi Reagonユニバーサルクラシック



そんなお気に入りから3曲、「Dreaming Wide Awake」、「Stop」、「Hit The Ground」。

「Lizz Wright - Dreaming Wide Awake」

          

「Lizz Wright - Stop」

          

「Lizz Wright - Hit The Ground」

          

そしてYOUTUBEからの動画。パーカッションだけをバックに歌う「Nature Boy」も魅力的。

「Lizz Wright - Nature Boy」
 
          
 


 
by knakano0311 | 2014-12-05 09:53 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

主なき庭の秋 (続き)

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別名、「アキサンゴ(秋珊瑚)」と呼ばれるくらい見事な赤に輝いている「サンシュユ(山茱萸)」の実。カエデ科の樹木で、その名の通り、枝が垂れるように紅葉する「ヤマモミジ(山紅葉)」の代表的な品種、「ベニシダレ(紅枝垂)」の見事な赤。そして、「花水木」。いずれも今年も主なき庭に訪れた秋の光景 ・・・。そんな緊張の赤の中で、ホッとするのが、「フジバカマ(藤袴)」の淡い紫紅色である。また来年も ・・・。

さて、今宵の「眼ヂカラ美女シンガー」は、「リサ・ロッティ/Lisa Roti」。アルバムはというと、これもいつであったか、CDショップの店頭でこの眼に出会い、衝動的にジャケ買いをしてしまった「Comes Love」(2005)。くわえて、アルバム・タイトルが、例の症候群が発症させてしまったに違いない。

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「リサ・ロッティ」。生年は不詳であるが、イリノイ州シカゴで活躍してるジャズ・ボーカリスト。父親はテノール歌手、祖父はサックス奏者という音楽一家に育ったという。そして、「シカゴ・ジャズ」とはなんたるかを彼女に教えたサックス奏者、「フランツ・ジャクソン/Franz Jackson」のバンド・シンガーとしてキャリアをスタートさせた。そしてバンド・ツアーで世界中を回った経験が、彼女の音楽スタイルに大きな影響を与えたという。

さて、アルバム、「Comes Love」である。彼女の声、唱法、かなりユニークである。千変万化、ロリータ・ヴォイスかと思えばオーソドックス、アンニュイらしさを見せたかと思うとダイナミックに ・・・。ちょっと捕えどころがないと言ってしまえばそれまでだが ・・・。ギター、サックス、ピアノ、バックのサポートも素晴らしく、「the Joy of Jazz」に満ちていることは間違いない。

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Comes Love

Lisa Roti / CD Baby.Com/Indys



師匠でもある「フランツ・ジャクソン」をフューチャーしたスタンダードから、「I'm Confessin」。

「I'm Confessin - Lisa Roti feat. Franz Jackson」

          
  


 
by knakano0311 | 2014-11-04 10:14 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

主なき庭の秋

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「ツワブキ(石蕗、艶蕗)」である。「ツワブキ」の名は、「艶葉蕗(つやばぶき)」、つまり「艶のある葉のフキ」から転じたという。母親が好きだった花で、斑入りの葉も面白く、この時期に黄色い花を咲かせる。食用や薬用としても用いられ、「キャラブキ」や九州名産の「佃煮キャラブキ」は、この「ツワブキ」の葉っぱで作られるという。

2泊3日の弾丸帰省。今回はこの夏の豪雨や台風で実家が傷んでいないかどうかのチェックと、庭の草刈り、母親のケアである。台風での家の傷みもなく、前回、草刈り機で刈り取った畑の部分は、ありがたいことにほとんど伸びていなかったため、刈らなくてもすみ、今回は、築山になっている庭の草抜きと素人ながらの樹木の剪定。

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主なき庭にも秋は変わりなく訪れていて、「ツワブキ」、「フジバカマ(藤袴)」、「シュウメイギク(秋明菊)」、「ノギク(野菊)」などが咲き、「サンシュユ(山茱萸)」の実、そしてこの地方では、「ミネゾ」と呼んでいる「イチイ(一位、櫟)」、「アララギ」の実が真っ赤に輝いている。この「ミネゾ」の実(写真はNETより拝借)、食べると甘く、子供の頃、学校帰りや遊びの途中、多くが垣根に使われている「ミネゾ」から摘んで食べたことを思い出した。

一日頑張った結果、かなり庭も綺麗になったが、この日は信州でも一番の冷え込みの日。油断したため、しっかりと風邪をひいてしまった。もう信州から離れること50年、気候についていけなくなっているのも無理からぬこと。

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さて、今宵の「眼ヂカラ熟女シンガー」は、「ローラ・フィジィ/Laura Fygi」。「ローラ・フィジィ」は、1955年、アムステルダム生まれのオランダの女性シンガー。ちょっと中近東系のエキゾティックな顔立ちを持つ。それもそのはず、オランダ人の父親と元・ベリー・ダンサーでエジプト人の母親との間に生まれ、幼少期の8年間は、父親の海外派遣勤務に伴い、南アメリカ・ウルグァイで、ラテン音楽やジャズに親しんで育ったという。

オランダに帰国後芸能界入りし、20歳の時に「Terra」という名の多国籍グループで、プロ生活の第一歩を踏む。29から36歳の間には、オランダのお色気系3人組女性ポップス・ユニットの「センターフォールド/Centerfold」のメンバーとなり、挑発的なコスチュームで歌う彼女らは、ヨーロッパ各国での多くの人気を得た。

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その後、1991年、ファースト・ソロ・アルバム、「Introducing "Laura Fygi"」でジャズ・デビュー。先ずヨーロッパでブレーク、世界各国でもリリースされる。ベルギー出身のジャズ・ハーモニカの巨匠、「トゥーツ・シールマンス/Toots Thielemans」や「クラーク・テリー/Clark Terry」、「ジョニー・グリフィン/Johnny Griffin」らの一流ミュージシャンに支えられ、重厚なストリングスによってフィーチュアされたこのアルバムは、日本では「瞳のささやき」というタイトルでリリースされたが、廃盤となり、Bewitched」のタイトルで再プレスされた。

その後、「ミシェル・ルグラン/Michel Legrand」等との協演、スタンダード・ナンバーからシャンソン、ラテンの名曲まで、20年間に15枚の多彩なアルバムを発表、30を超える国でリリースされている。思うに彼女の良さは、ソフトでハスキーな声だけではなく、エンターテイメントに徹したその歌唱が世界で人気を得ている所以ではないだろうか。

Bewitched

Laura Fygi / Polygram Records


デビューアルバムから、タイトル曲でスタンダードの「Bewitched(魅せられて)」。


「Bewitched - Laura Fygi」

 
          

かって現役時代、中国のCDショップで買い求めたアルバムに何枚かの彼女のアルバムがあったことも懐かしい。しかし、未だにコピー品か、本物かの判別がつかないこともご愛嬌 ・・・。

Song Book

Laura Fygi / Universal



ロンドン・ソホーの老舗ジャズ・クラブ、「ロニー・スコッツ/Ronnie Scott's」でのライブ盤に収録されている、小粋なスイングの「シェルーブールの雨傘」。

Laura Fygi at Ronnie Scott's

Laura Fygi / Verve



「I Will Wait For You - Laura Fygi」

          

ラテンのスタンダード集、「The Latin Touch」。彼女のラテンは、エンターテイメントに徹していて本領発揮、本当に楽しませてくれる。

The Latin Touch

Laura Fygi / Mercury



「Laura Fygi - Quizas, Quizas, Quizas」

          
by knakano0311 | 2014-10-31 17:19 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(2)

ただただ懐かしさが ・・・

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1ヶ月くらい前のことだった。突然かかってきた一本の電話。番号を登録しているので、それ以外の知らない電話には基本的には出ないようにしているのだが、市外局番が「0263」、ふるさと松本からの電話だったので訝しいとは思いながら出てみた。

「俺、俺、Sだよ。わかるかな」 その名前も声にも覚えがないので、最初はてっきり「オレオレ詐欺」かなと思ったが、話していくうちに相手は中学の同級生ということがわかった。しかし、もう50数年前のことである。会話に同級生の名前が出てくるにつれ、その面影がすこしづつ頭に浮かんできたが、肝心の電話をくれたS君はどうしても思い出すことができない。私の消息が、なにかの機会に分かったので、毎年お盆の頃開いている同級会へお誘いしようという電話であった。とうとう最後までS君のことは頭に浮かんでこず、彼は相当がっかりしていたようだ。後日、名簿が送られてきたが、案の定物故者も結構多い。中学校の卒業写真を引きずり出して名簿と比べてみたが、ただただ懐かしさがこみあげてくるばかり。機会があったら同級会出てみようかな ・・・。

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ただただ懐かしく癒される、そんな歌い手を「癒し姫」と勝手に名付けていますが、その一人が、「ジーナ・ロドウィック/Jheena Lodwick」。xrcd仕様のCDを数枚リリースしているためか、オーディオ・ファンの間では、「ジャシンサ(ジャシンタ)/Jacintha」とならべれて語られるることが多い歌手である。オーディオ・ファンではありませんが、私もその歌声に惚れ込んだ一人である。懐かしさが余韻として残る。そんなアルバムがあります。「All My Loving ・・・」。

彼女、このブログにも何回か登場しているが、写真や記事もライナーノーツから程度でほとんどなく、正直プロフィールなどもよく分かっていない。(参照拙ブログ「アジアの癒し姫たち」「アンパンマンとプレスリー」 など)

そんな乏しい情報からのプロフィール。「ジーナ・ロドウィック」は、フィリピン出身の歌手で、香港のホテルを中心に活動している。自身のショーでは、ピアノを弾き語るそうだ。6歳から音楽の勉強を始め、大学在学中にプロの歌手兼ピアニストになったが、デビューはミュージカルだったという。その後、香港を中心に音楽活動をしていたが、2004年、「The MusicLab」レーベルから初アルバム「All My Loving ・・・」をリリースした。その素晴らしい歌声は、xrcd仕様ということもあって、瞬く間にオーディオ・ファンの間に人気が拡がったという。

All My Loving ...

Jheena Lodwick / Jvc / Xrcd



上のアルバムから、「ただただ懐かしい ・・・」という余韻が残る往年のPOPSを4曲ほど ・・・。

まずは「シーカーズ/The Seekers」の1960年代のヒット曲で、ベートーベンの第九交響曲をアレンジした「エメラルド・シティ」。クラシックなどをPOPS化するということが流行った時期がありましたね。

「Emerald City - Jheena Lodwick」

          

言わずとと知れた「ナットキングコール/Nat King Cole」のエバーグリーン、「Too Young」。

「Too Young - Jheena Lodwick」

          

さて、お待ちかね「エルヴィス・プレスリー/Elvis Presley」のカバーで、「Are You Lonesome Tonight」。

「Are You Lonesome Tonight - JHEENA LODWICK」

          

「デビー・レイノルズ/Debbie Reynolds」。1950年代に活躍したこの人を知っている人は、よほどの洋楽ファンか、先輩シニアではないでしょうか? 最後の曲は、「タミー/Tammy」。

「Tammy - Jheena Lodwick」
 
          




 
by knakano0311 | 2014-10-16 15:41 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(2)

残された庭で ・・・

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法事で二泊三日の弾丸帰省。いつものように中央高速長野道、塩尻インターを出た頃から、ものすごい雨に見舞われた。「短時間集中豪雨」とは、きっとこんな雨のことを言うのであろう。あまりの激しさに、実家に入ることもできず、ひとしきり車の中で待つ始末。雨が止んだあとはうっすらと薄日も射し、山からは一斉に水蒸気が立ち上ってゆく。

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さて翌日は、晴れ。今年は雨が多いためか、実家の庭が大変なことになっている。前回帰省の7月末に刈ってはおいたのだが、そんな効果はもう跡形もなく、庭一面に雑草が生え放題、しかも相当な丈まで伸びている。親父が生前、菜園として楽しんでいた畑、そして丹精込めていた枯山水風の庭、あわせて相当な広さである。業者に頼むという選択肢もあるが、自分でやろうと思って前回から買った刈払い機をもちだし、法事に行く前と帰ってから、そして翌日の数時間、草刈と草抜きに汗を流した。いや、子供に広い庭を残すのも考えものであることを素直に実感 ・・・。

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さて、今宵は「ティチィアン・ヨースト・トリオ/Tizian Jost Trio」。ドイツはミュンヘンで活躍しているピアノ・トリオ。「澤野工房」が売り出しに力をいれ、たしか4枚ほどのCDをリリースしている。

「ティチィアン・ヨースト」。1966年、ドイツのカッセルに生まれ、ミュンヘンの郊外で育った。チェロとオルガンのレッスンの他に、6歳で最初のピアノのレッスンを受けたという。13歳から14歳の時に、ジャズに強い関心を持つようになり、18歳の時には、もうジャズ・ピアニストとして初のプロ契約をし、ミュンヘンに移った。

日本でのデビューは、2005年、「Our Reflections」。今は亡き、「クラウス・ヴァイス/Klaus Weiss」がプロデューサーとなり、澤野工房からデビューし、たちまち人気を博するようになった。今宵は、その3枚目のアルバムで、ジャケットがとりわけ印象的な2008年リリースの「The Night Has A Thousand Eyes(夜は千の眼を持つ)」。メンバーは、一作目からおなじみの、「ティチィアン・ヨースト(piano)」、「トーマス・ /Thomas Stabenow (bass)」、「クラウス・ヴァイス(drums)」である。ラカトシュのコンサートでもそうであったが、とりわけ、「クラウス・ヴァイス」のピアノのバックに徹した端正なドラミングが印象的。(参照拙ブログ
『「クラウス・ヴァイス」急逝の報に接して・・・』
「もしもピアノが弾けたなら(9) ~至福のハンガリアン・ナイト~」

THE NIGHT HAS A THOUSAND EYES

ティチィアン・ヨースト・トリオ / 澤野工房



「The Summer Knows - Tizian Jost Trio」

          
  




  
by knakano0311 | 2014-09-08 10:09 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

母の作りし七夕雛を仕舞う

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昨日は8月7日、旧暦の七夕である。TVのニュースでは「仙台の七夕祭り」の模様を放映していた。一度だけ、七夕祭り見たさに仙台に残り、夏休みの帰省を遅らせたことがあったが、もう45年近くも前のことであるが、その豪華さは今でも記憶に残っている。さて、明けて今日は、新暦の七夕から飾ってあった「七夕雛」を仕舞った。この「七夕雛」、故郷松本独特の行事である。。(参照拙ブロブ「七夕びなを今年も飾る」ふるさとエレジー(18) ~歌姫、みぃつけた~」「ふるさとエレジー(2) ~七夕人形がつなぐ想い~」

そして、松本には「松本手鞠(まり)」とならんで、「押し絵雛」という江戸中期頃から伝わる手工芸品があり、写真は、それを趣味としていた母親が作った「七夕雛」である。今はもうそんな趣味を持っていたことも、「七夕雛」をつくったこともすっかり母親の記憶からは欠落してしまっているだろうが、母の作りしこの「七夕雛」を松本の人形屋で買い求めた大きな「七夕雛」と一緒に、毎年、飾ることにしている。また来年もきっと ・・・。

さて、「積ん読」状態を解消すべく、せっせと読んでいる本の中から、少年時代の郷愁を誘う本をまた探し出した。「いしい しんじ」著、「ぶらんこ乗り」。

私は女子高校生。ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意な男の子。声を失い、でも動物と話ができる、つくり話の天才。もういない、わたしの弟が残した古いノートには、不思議な話の数々が書かれていた ・・・。そんな中で胸がじんとなった話が、サーカスの空中ぶらんこ乗りの夫婦の話。

・・・・ 「おたがいにいのちがけで手をつなげるのは、ほかでもない、すてきなこととおもうんだよ」 ・・・・。

サーカスといえば、私にとっては「木下大サーカス」。小学校の夏休みだったろうか、親に連れて行ってもらって、手を握り締めながら、夢中で観ていた。そんな記憶に重なった。

ぶらんこ乗り (新潮文庫)

いしい しんじ / 新潮社


 
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そして長くタンスの肥やしになっていたピアノ弾きの再発見。今宵は、またまた北欧・スウェーデンのピアニストになってしったが、「ベント・エゲルブラダ・トリオ/Berndt Egerbladh」。彼らが1988年に録音し、ファンの間では、長く「幻の名盤」と称されてきた一枚がある。そのジャケットのデザインから、「子供」と呼ばれてきた「A Boy Full Of Thoughts」。知ったのは、200年澤野工房からCDで再発され、「Jazz Bar 2001」でも紹介されたからだったと思う。

「ベント・エゲルブラダ」。1932年、スウェーデン生まれのジャズピアニスト、作曲家。私も訪れたことがある北緯60度の街、「ウメオ」に育ち、1967年まで、地元の教師として働いていたという。その後、音楽活動に転じ、1985年には自分のレーベルを設立し、リリースされた一枚が今回取り上げたアルバム。2004年、71歳で死去。

A BOY FULL OF THOUGHTS

ベント・エゲルブラダ・トリオ / 澤野工房



美しいピアノの旋律と躍動感溢れるリズム、そして北欧ピアノに共通する陰影に満ちたタッチ。「少年、その胸いっぱいの想い」とでも訳しましょうか ・・・。


A Boy Full Of Thoughts - Berndt Egerbladh」


          

もう一枚、「ムースとショコラ/MOUSSE AU CHOCOLAT」(2001)も切なく響く ・・・。


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MOUSSE AU CHOCOLAT
ベント・エゲルブラダ・トリオ/澤野工房
Berndt Egerbladh : piano
Sebastien Dube : bass
Sten Oberg : drums

 


 
by knakano0311 | 2014-08-08 22:54 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

故郷のあじさい寺で

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あじさいの寺。おそらく、どこの地方にもあるであろう紫陽花が名物の寺のひとつ。松本での葬儀に参列した帰り道、塩尻ICへと向かう東山山麓線にある、「あじさいの寺、法船寺」という看板が目に付いた。何回となく通ったこの道、いつもは、看板に特に気に止めることもなく通り過ぎていた。今回は、「ちょっと心を休められるかな」と寄ってみた。

松本平、北アルプスを一望に望む、なだらかな斜面にあるこの寺、永禄4年(1561年)の開山と言い伝えられている真言宗智山派の寺である。境内全域には、約80種・約1500株の色とりどりの紫陽花が咲くことから、「あじさい寺」として市内外から大勢の人々が来山、親しまれているという。関西よりひと月くらい遅れで、今が満開。心が少し和んだところで、塩尻ICへと向かった。

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夏の定番、ピアノ・アルバムのひとつはこの人、「ビル・チャーラップ/Bill Charlap」率いる「ニューヨーク・トリオ/New York Trio」の演奏の「The Things We Did Last Summer(過ぎし夏の想い出)」(2002)。波の音が聴こえる渚で、或いは山稜に沈む夕日を眺めながら、グラスを片手に、じっくりと夏の夜に聴くには最高のアルバム。「i-POD」がない時代、海外出張の鞄には、いつもこのCDが入っていた。

1966年、ニューヨーク生まれ。父親はブロードウェイのミュージカル作曲家、母親は歌手という音楽一家に育った。ピアノを始めたのは、3歳の時だという。クラシックから始め、ほどなくジャズに興味を持ち、「ジェリー・マリガン/Gerry Mulligan」、「ベニー・カーター/Benny Carter」、「トニー・ベネット/Tony Bennett」などの大物とも共演したという。2001年には、「ピーター・ワシントン/Peter Washington(b)」、「ケニー・ワシントン/Kenny Washington(ds)」と「ビル・チャーラップ・トリオ」を結成する一方で、「ジェイ・レオンハート/Jay Leonhart」、「ビル・スチュアート/Bill Stewart(ds)」と「ニューヨーク・トリオ」を組んで活躍している。

歌心溢れる普通よりはゆっくりとしたテンポで、特にスタンダードな歌ものをたっぷりと聴かせてくれる。

過ぎし夏の想い出

ニューヨーク・トリオ ビル・チャーラップ ジェイ・レオンハート ビル・スチュアートヴィーナスレコード



2曲続けて ・・・。パーソネルは、「Bill Charlap (Piano)」、「Jay Leonhart (Bass)」、「Bill Stewart (Drums)」。 

  
「Bill Charlap/New York Trio - The Things We Did Last Summer/How Long Has This Been Going On」 

         
 




 
by knakano0311 | 2014-07-28 09:51 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

おかひじき(陸鹿尾菜)を頂く

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弾丸帰省中の実家で見たローカルのニュース。松本平で葡萄の「デラウェア」が初出荷されたという。実家の周辺には、林檎畑と並んで葡萄畑がたくさんある。両親が健在な頃は、毎年いつも粒が大きくて甘い地元の「デラウェア」を送ってきた。葡萄の中では「デラウェア」が一番と思っている。散歩の途中に見た葡萄は、まだまだ青かった(写真はたぶん巨峰)。帰りにいつも覗いてみる市場によって見たが、ニュースのものは、ハウスものでまだ店頭には並んでいない。市場に出るまでには、もうしばらくかかりそうだ。

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葡萄は青いし、西瓜もまだ早い。「さて、故郷から仕入れて帰る故郷特産の果物や野菜がないなあ」と思っていたら、実家の隣の方が、「畑で採れたからもっていって!」とくださった。珍しや「オカヒジキ(陸鹿尾菜、岡鹿尾菜、岡羊栖菜)」である。聞いたことはあるが、手にするのは初めてである。こんな地元の物を頂くのがなにより嬉しい。

もともとは、日当たりの良い海岸の砂地や砂礫地等に自生する野草で、日本全国の海岸で自生し、古くから若葉を食用されてきたと言われている。しかし、今では海岸の開発などによる環境の変化で自生も減っているという。「おかひじき(陸鹿尾菜)」の名前は、葉の見た目が多肉質で海草の「ひじき」に似ていて、陸上(おか)に生育することに由来している。(参照Wikipediaなど)

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山形県が産地として有名らしいが、長野県でも、「おかひじき」は結構栽培されているらしく、そんな背景があって、お隣さんの家庭菜園でも栽培されていると思われる。野菜として売られている「おかひじき」は、やわらかい若い茎葉を摘んだもので、5~6月頃が旬だという。

「おかひじき」の美味しさは、なんと言ってもシャキシャキとした歯触りと瑞々しさ。さっとゆでるのがポイントと教えてもらって、家に帰って食してみた。初めて食べてみたが、そのシャキシャキとした食感、爽やかな美味しさは想像以上であった。しばらくは「おかひじき」が我が家の食卓に並ぶことになる。

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シャキッとして、梅雨時のをうっとうしさをぶっ飛ばすのは、トランペット。まずは、「リー・モーガン/LeeMorgan」を信奉しつつ、21世紀を牽引するトランペッターで、NYの香りがたっぷりの「ライアン・カイザー/Ryan Kisor」。

1973年アイオワ州生まれ。最初は父親からトランペットを習い、10歳でローカルなダンスバンドで演奏を始めたという。クラシックの本格的なレッスンを始めたのは12歳の時。サマー・ジャズ・キャンプの世話をするジャズ・トランペット奏者「クラーク・テリー/Clark Terry」との出逢いによって、ジャズにインスパイアーされたのが15歳。1990年、17歳の時、「モンク・コンペティション/Thelonius Monk Institute's trumpet competition」で優勝し、その実力を認められた。その後は自身のコンボを組み、数々のCDを世に送り出し、現在に至る。

親しみやすく、単純明快で歯切れのいいファンキー・バップ。こんな梅雨の時期にぴったりなことは請け合いましょう。自作3曲以外は、「リー・モーガン」がらみの曲を演奏しているワン・ホーン・カルテットのアルバム。バックは通常のピアノ・トリオではなく、オルガン、ギター、ドラムというピアノレス&ベースレスの異色で新鮮な編成。

ザ・サイドワインダー

ライアン・カイザー サム・ヤヘル ピーター・バーンスタイン ウィリー・ジョーンズ3ビデオアーツ・ミュージック



「Ryan Kisor - Mr. Kenyatta」

          

ドラマーが代わったが、編成自体は前作と同じ。先日亡くなったばかりの「ホレス・シルヴァー」や「ナット・アダレイ」、「ケニー・ドーハム」のヒット曲とオリジナル曲からなるファンキー・ジャズ・アルバム。

ドナ・リー

ライアン・カイザー サム・ヤヘル ピーター・バーンスタイン グレッグ・ハッチンソンビデオアーツ・ミュージック



有名な「チャーリー・パーカー/」のタイトル曲は、カイザーと「グレッグ・ハッチンソン/Greg Hutchinson(ds)」による異色のデュオ。

「Donna Lee - Ryan Kisor」
 
          
 
by knakano0311 | 2014-07-05 09:49 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(4)

蕎麦の花を眺めながら

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一面の「蕎麦の花」である。6月になって3回目の「弾丸帰省」。私は帰省の時はいつも「中央高速長野道」を「塩尻IC」でおり、東山山麓線を松本へと向かう。このコースが一番便利だからである。松本平を一望のもとに収め、雄大な北アルプスを眺めながら走るこの道が好きである。その西に開けた斜面に「蕎麦の花」が満開であった。あいにく北アルプスは雲に覆われていたが、もし見えていれば絶景である。車をしばし止め、懐かしい景色に見入った。

種まきをしてから、70-80日程度で収穫でき、痩せた土壌や酸性土壌でも蕎麦は育つところから、火山灰土壌であるこのあたりでも、古くから蕎麦が栽培されていたと思われる。日長反応の違いから、一般的な種類として、4-5月の春に種蒔きをし、7-8月に収穫する「夏蕎麦」と、7-8月の夏に種蒔きをし9-11月に収穫する秋蕎麦とがある。従って、このあたりの蕎麦は、「夏蕎麦」であろう。私の実家すぐ近くの蕎麦畑では、驚くことにもう刈入れが終わっていた。

信州人は皆「蕎麦っ喰い」である。亡くなった親父も、入院した母も、もちろん私も親戚一同も皆「蕎麦っ喰い」である。かって実家に親戚一同が集まっての酒席の締めは蕎麦と決まっていたし、結婚披露宴の最後も蕎麦というのが多かった。この地方の蕎麦はといえば、太くて黒く、蕎麦の香りも味も強い、野趣あふれる蕎麦である。私も、美味い蕎麦屋があると聞くとどこまでも車を走らせたものである。そんなことを思い出しながら、一面に花が咲く蕎麦畑を眺める。

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人にそれぞれのストーリー。そんなことを想起させるタイトルのアルバムは、珍しやオーストラリアのピアノトリオ、「ビル・リスビー/Bill Risby Trio」である。「弾丸帰省」の実家での宵、CDラジカセで音質を想像力で目いっぱいカバーしながら聴くのは「Stories」。透明で澄んだ音と静寂な余韻に酔う。キャリアなど詳しいことは分からないが、「寺島レコード」から毎年年末ににリリースされる「Jazz Bar」シリーズ、「Jazz Bar 2013」で取り上げられていたピアニスト。デビューアルバムだという。そうそう、「エンリコ ピエラヌンツィ/Enrico Pieranunzi」の最新作も同じタイトルでしたね。

Stories

Bill Risby / CD Baby.Com/Indys



上記アルバムのラスト曲、ピアノソロは、「The Way You Look Tonight」。

「The Way You Look Tonight - Bill Risby」

          
by knakano0311 | 2014-07-01 22:26 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(2)

母を待ちわびて咲くカルミア

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今は主なき実家の庭に今年もまた花が咲く。施設に入居して3年になる母が好きだった「カルミア」。別名、「アメリカ石楠花(しゃくなげ)」。ツツジ科に属する常緑の低木である。家族の顔の見分けも怪しくなってきた母親、もうこの花の名前などすっかり忘れてしまったに違いない。

時期を過ぎたので、写真では分からないが、蕾は金平糖(コンペイトウ)のような形をしているが、花が開くと、花弁に模様が入って西洋皿のような形になり、華やかな印象となる。何も手入れなどはできず、放ったらかしになっているが、もう帰ってこないかもしれない母を待ちわびて今年も咲いたカルミア。

さて、前回は、「スザンナ・マッコークル/Susannah McCorkle」を紹介したが、1970年代、80年代、LP時代最後の頃の女性ジャズ・シンガーをもすこし続けてみましょうか。「カーメン・ランディ/Carmen Lundy。「カーメン・ランディ」の歌声は、10年ほど前に、車のCMフィルムで流れていたので、ご存知の方も多いかもしれません。

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「カーメン・ランディ」。1954年生まれのアメリカ人ジャズ・シンガーで、作曲家、編曲家、作詞家、そして、女優、画家という多彩な才能を持つ。「ビリー・ホリデイ/Billie Holiday」、「エラ・フィッツジェラルド/Ella Fitzgerald」、「サラ・ヴォーン/Sarah Vaughan」等が築きあげてきたジャズ・ヴォーカルの王道を継承する実力派という評価を得ている。

フロリダ州、マイアミ生まれの彼女は、幼い頃からゴスペル・グループで歌い、10代の頃にジャズ活動を開始。1985年にファースト・アルバムを発表し、「マーカス・ミラー/Marcus Miller」、「ロン・カーター/Ron Carter」ら数多くの有名ミュージシャンと共演を重ねてきた。その一方で作曲家、女優、画家としても多彩に活動、「They Were All Gardenias」では、主人公「ビリー・ホリデイ」役を演じたという。  

風のささやき

カーメン・ランディ / ビクターエンタテインメント

 


「女性ボーカル特定曲衝動買い症候群」(参照拙ブログ「持病がまた出た・・・・・」など)という多分完治はしない発作で買ってしまったアルバムから、タイトル曲の「風のささやき/Windmills Of Your Mind」。

「Carmen Lundy - Windmills Of Your Mind」

          
by knakano0311 | 2014-06-17 10:23 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)