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大屋地爵士のJAZZYな生活

<   2014年 11月 ( 20 )   > この月の画像一覧

いよいよ台場クヌギの伐採を始める

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いよいよシーズン到来である。年が明けたら、すぐに始まる炭焼きのための準備作業を始めた。この炭焼きであるが、太閤秀吉の時代よりこの地に伝わる美しい菊炭作りの技を伝承するために、山の手入れを行っている、我々ボランティア・グループが毎年行っているグループ最大の行事である。

まず炭材となるクヌギの伐採である。なぜこの時期に伐採するのか? それは、葉が枯れ、もう水分を上げなくなったこの時期が一番伐採に適しているし、高温で炭を焼くのは寒い冬が適しているからである。前回、調査した区域の伐採に早速取り掛かる。台場クヌギを伐る位置は、古来より台場の株から「一寸」と言われており、其の位置にチェーンソーを入れて伐採する。伐採した幹は、枝を払い、我々の窯の大きさに合わせた約80cmの長さに玉切り(輪切り)する。これが、「窯木(かまぎ)」とよばれる炭の材料となる。我々の窯で、太さにもよるが、だいたい窯木が1回の炭焼きで400本ぐらい入るのである。

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払った枝はさらに細かく切り、50cmほどの長さにして束ね、柴木にする。これが「バイタ」と呼ばれ、窯木の炭焼きの初期の段階で、窯内の温度を上げ、熱の廻りをよくするために窯木の上に詰め込むものである。1回の炭焼きで80~100束ほど必要とする。まず2日間の作業を終えたが、ほぼ予定の半分ほどの伐採を終えることができた。残りは来週以降の楽しみ。今回の炭焼きは2回を予定しているが、炭焼きの終わる2月初旬までのこれからの約3ヶ月間、炭焼き三昧の日々となる。

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今宵は少しレトロな女性シンガーを引っ張り出してきました。「アナ・マリア・アルバゲッティ/Anna Maria Alberghetti」。1936年、イタリアのペーザロ(Pesaro)生まれだそうです。キュートな美人で、クラシカルな歌唱のシンガーだと紹介されることが多い歌手。ペーザロは、オペラ作曲家の「ロッシーニ」の生まれた街で、「ロッシーニ音楽祭」が催されていることで有名だという。父親はオペラ歌手でありコンサート・マスター、母親はクラシック・ピアニストというから、彼女の唱法がクラシカルであることは無理からぬところ。アルバゲッティは、なんと6歳の頃から歌手としてヨーロッパをツァーしていたという。そして13歳の時に渡米し、「カーネギー・ホール」にデビュー。映画にも出演をしたそうだ。さらに、1961年にはブロードウェイでミュージカルに出演し主役を演じ、「トニー賞(主演女優賞)」まで受賞したという。今年で御歳78歳、2007年にはまだ舞台に出演していたという。

その13歳で「カーネギーホール」へ出演したあと、映画に主演した時のクリップがある。門外漢の私でも感じるその驚異のソプラノ ・・・。

「Anna Maria Alberghetti ー Caro Nome」

          

その彼女がどういういきさつか、ジャズのスタンダードを歌っている。あのハイノートでクラシカルな声は、スタンダードでもキュートで可愛らしい。節回しが丁寧で上品でだんだん耳に馴染んでくるから不思議。代表アルバムは次の2作か。それも含めていくつかの復刻版がリリースされている。

ウォーム・アンド・ウィリング(紙ジャケット仕様)

アナ・マリア・アルバゲッティ / EMIミュージックジャパン



アイ・キャント・レジスト・ユー(紙ジャケット仕様)

アナ・マリア・アルバゲッティ / EMIミュージックジャパン



「Too Young - Anna Maria Alberghetti」

          


「I Concentrate On You - Anna Maria Alberghetti」

 
          
 



 
by knakano0311 | 2014-11-15 16:55 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(2)

路傍の花、樹々の鳥(52) ~ 孤高の大輪 ~

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強風に色とりどりの葉が舞踊っている。紅葉も今が盛りか ・・・。これからは、紅葉が消え、モノトーンの冬へと向かう。ウォーキングの道筋にある庭に、3mぐらいはあろうか、他を圧倒するようにスックと聳えて、大輪の花が咲いている。「皇帝ダリア」。別名、「木立(こだち)ダリア」とよばれるメキシコあたりが原産地のキク科の花である。成長すると3~6mにもなる事から、「皇帝」と名付けられたという。このご近所では、ほとんど見かけない花である。10月ごろから咲き始め、ずっと大きな花を咲かせつづけている孤高の姿は凛としている。

実は、お隣の家でも、何年か前に一度植えていたが、その聳えんばかりの背の高さ、他を圧倒する突出した孤高ぶりが、他の草花や木々と調和せず、庭になじまないので、抜いてしまったようだ。また風などで倒れると始末に困るともいう。それなりに人気はあるらしいが、そんなところが、ご近所でもあまり見かけない所以かも知れない。こんなに大きいのに、「皇帝ダリア」は寒さに弱く、霜に当たると一夜にして枯れるという。どうも「なんとかの大木」の類のようであるが、最盛期、その迫力は満点。

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さて、前々回アメリカのジャズ歌手が歌うシャンソン・アルバムとして、「ディー・ディー・ブリッジウォーター/Dee Dee Bridgewater」の「J'ai Deux Amours(二つの愛)/フランスへのオマージュ」を取り上げた。今宵取り上げる「お久しぶり女性シンガー」は、それとは逆に、2000年代初頭には、フレンチ・ポップのヴォーカリストとしてアイドル的人気を誇ったという歌手が、「ブリッジウォータ」に影響を受け、ジャズ・デビューをしたアルバムである。「ガブリエル・デュコンブル/Gabrielle Ducomble」。ベルギー出身で現在はロンドンを中心に活躍しているという。アルバム・タイトルもブリッジウォーターのそれと同じ「J’ai Deux Amours(二つの愛)」。ジャズ・ヴォーカル・デビュー・アルバムだという。
 
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「ガブリエル・デュコンブル」。ベルギーで生まれ、幼い頃から音楽的環境に恵まれ、歌い始めたという。地元や国内のコンクールで勝ちを収め、最終的には、2003年のフレンスの「ポップ・アイドル」コンクールの決勝まで進んだ。やがてレコード・デビュー、成功を収めたが、それで満足できなかったようだ。、「ディー・ディー・ブリッジウォーター」のアルバム、「Dear Ella」を聴いて衝撃を受け、直ちにジャズへの転向を決意したという。ロンドンに移った彼女は音楽学校でジャズを学び、「J’ai Deux Amours(二つの愛)」(2011)でのデビューに至ったという。

ヴィジュアル的には可憐な印象も与えながらも、魅力あふれる澄んだ声質で、シャンソン、スタンダード、ポップス、フレンチ、ボサノヴァからタンゴまで、数々の有名曲を聴かせてくれる。多分、フレンチ版「ジャズを歌わせてみたい女性歌手No.1」だったではなかったでしょうか。

春のタイトルが入った曲も入っているが、秋の夜長に聴くもまた良し、冒頭をかざる「ケニー・ランキン/Kenny Rankin」のカバー、「Haven’t We Met」が逸品。「ぼくたちどこかで会ったことない?」という、なんともロマンチックなタイトルの曲で、いきなりノックアウト。

J’ai Deux Amour

Gabrielle Ducomble / Rip Curl Recordings



残念ながら、「Haven’t We Met」がアップされていませんので、バンドネオン奏者、「アストル・ピアソラ/Astor Piazzolla」の名曲「リベルタンゴ」を ・・・。

「Gabrielle Ducomble band - Libertango (recording session)」

          
  



  
by knakano0311 | 2014-11-14 00:05 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

路傍の花、樹々の鳥(51) ~ となりのトトロが ・・・ ~

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ウォーキングをしている私の前に突如現れたのは、「となりのトトロ」?、それとも「クマモン」? やはり「トトロ」でしょうか。玄関脇の植木を刈り込んで、巨大な「トトロ」に仕立てている。子供用の自転車が2台置いてあったところから察すると、お父さんと子供たちとの合作だろうか。お父さん、一生懸命に刈り込みをしたんでしょうね。いいアイデアに感心するとともに、このご家庭のあったかい雰囲気も伝わってくる。ご近所のこんな刈込みひとつで、ほっと心が和む。12月にはイルミネーションも飾られるのでしょう。ところで、「トトロ」のキャラクターでは、私は「まっくろくろすけ」が好きですが ・・・・。

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「となりのトトロ」といえば、「宮崎駿」監督。アメリカ・ハリウッドで8日、「アカデミー賞名誉賞」の授賞式があり、「宮崎駿」監督ら3人に贈られた。日本人の同賞受賞者は、1990年に贈られた黒沢明監督以来、2人目となる。同賞は、生涯を通じての映画への貢献に贈られるが、記者会見した宮崎氏は、トロフィーを手に「賞で何も変わらない。黒沢さんももらいたくなかったんじゃないかな。映画を作るのはもっと生々しい。」などと、過去の実績で評価されても、嬉しさ半分みたいな、照れともジョークとも取れる感想を言っていたが、いかにも彼らしい。

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宮崎監督の長編アニメのテーマ音楽や挿入歌のいくつかが、JAZZバージョンで出ていることはご存知でしょう。野の中で、なんといっても「ジョバンニ・ミラバッシ/Giovanni Mirabassi」の鴛鴦する「ハウルの動く城/Howl's Moving Castle」のテーマをあげなくてはならないでしょう。「ハウルの動く城」は、2006年のアカデミー賞長編アニメ部門にノミネートされている。また、「人生はメリーゴーランド」というタイトルでも歌われている。最近レーベルを移籍したが、日本では、澤野工房より1999年にデビューしたミラバッシ、その柔らかく美しい旋律とタッチで、たちまち多くのファンを獲得した。「ハウルの動く城」が収録されているアルバムは、澤野工房、ビデオアーツ、双方からリリースされている「プリマ・オ・ポワ/PRIMA O POI」。トランペット、フリューゲル・ホルンの「フラビオ・ボルトロ/Flavio Boltro」をゲストに迎え、その音の柔らかさ優しさは一層際立っている。

プリマ・オ・ポワ

ジョバンニ・ミラバッシ・トリオ with フラビオ・ボルトロ / ビデオアーツ・ミュージック



「Giovanni Mirabassi - Howl's Moving Castle」
 
          
by knakano0311 | 2014-11-12 09:58 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

雨の舗道には

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雨の日曜日。雨が止んだのを見計らって、ウォーキングに ・・・。雨上がりの舗道には色づいた落ち葉がいっぱい。そこだけを見ると、まるでパリの舗道のようだ。10年ほど前であろうか、10月に訪れた小雨のパリを思い出した。

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ジャズ歌手のフランスへのオマージュを込めたアルバムがある。おひさしぶり「眼ヂカラ女性シンガー」の「ディー・ディー・ブリッジウォーター/Dee Dee Bridgewater」。かなり個性的で、「眼ヂカラ」というよりも、全身からオーラが迸っている。

「ディー・ディー・ブリッジウォーター」。1950年生まれのアメリカ・テネシー州、メンフィス出身のジャズ歌手・俳優。ミシガン州で育ったが、父がジャズ・トランペッターで、高校の教師をしていたため、早くからジャズを歌い始めたという。大学で学んだあと、ジャズ・バンドに加わり、1972年から音楽家としてのキャリアをスタート。この時期に、有名なジャズ・マンである「ソニー・ロリンズ/Sonny Rollins」、「ディジー・ガレスピー/Dizzy Gillespie」、「デクスター・ゴードン/Dexter Gordon」、「マックス・ローチ/Max Roach」といったジャズの巨人たちと共演する。

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歌うスタイルが独特で、「歌って踊る」という彼女のパフォーマンスは、アメリカでなかなか受け入れられず、一時期は、ミュージカルに活動の主軸を移したという。そんなためか、ツアー公演で賛辞を受けたフランスへ1986年に移住。「ビリー・ホリデイ/Billie Holiday」を題材としたミュージカル、「Lady Day」に主演した。

やがて、次第に彼女のパフォーマンスが受け入れられ、1990年に「モントルー・ジャズ・フェスティバル」で歌ったことを皮切りに、「ヴァーヴ・レコード」から多数のアルバムを発表し、1990年代以降において「ダイアン・リーヴス/Dianne Reeves」、「カサンドラ・ウィルソン/Cassandra Wilson」、「ダイアナ・クラール/Diana Krall」らと共に最も成功したジャズ歌手の一人といわれている。(Wikipediaより)

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米国のJAZZシンガーである彼女が、10年間ほどパリに定住して音楽活動をした「フランス」。その「オマージュ」で、全編フランス語で歌われたアルバムが「J'ai Deux Amours/フランスへのオマージュ」である。JAZZ風シャンソン・アルバムであるかといえば、そうは言いがたいし、ましてシャンソン風JAZZアルバムでもない。「ディー・ディー」風シャンソンとしか言い様がない。おなじみのシャンソンが、アフロ、ラテン、フラメンコの要素も取り入れたJazzyでソウルあふれる独自のアレンジで歌われる。タイトル曲、「J'ai Deux Amours(二つの愛)」、「Que Reste-t-il De Nos amours(愛のわすれもの)」、「Ne Me Quitre Pas(行かないで)」「Et Maintenant(そして今は)」などが、しみじみ聞き惚れる歌いっぷり。

フランスへのオマージュ
ディー・ディー・ブリッジウォーター / ユニバーサルクラシック
ISBN : B000793BA0


冒頭は、アメリカとフランスへの想いを重ねたタイトル曲、「J'ai Deux Amours(二つの愛)」。アコーディオンが印象的。

「Dee Dee Bridgewater / J'ai Deux Amours(二つの愛)」

          

定番、「枯葉」。

「Les Feuilles Mortes / Autumn Leaves(枯葉) - Dee Dee Bridgewater」

          

ジャズのスタンダードとばかり思っていた「The good life」。元はシャンソンの「La belle vie(麗しき人生)」だという。

「La belle vie (麗しき人生) / The good life - Dee Dee Bridgewater」

          

「ニーナ・シモン/」、「越路吹雪」の名唱も忘れがたい「Ne me quitte pas(行かないで)」。

「Dee Dee Bridgewater: Ne me quitte pas (Don't leave me/行かないで) 」

         

英語タイトルは「I Wish You Love」。これもスタンダードとばかり思っていました。

「Dee Dee Bridgewater - Que reste-T-Il De Nos Amours(愛の忘れ物)」

          
by knakano0311 | 2014-11-10 23:48 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

4年目の感謝

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孫娘の4歳の誕生日が近づいたので、今日は我が家でお誕生日会。すぐご近所にあるケーキ屋さん、「ファレース/Falaise」に頼んでいた誕生日ケーキとお魚屋さんの寿司がこの日のメインのメニュー。私はどちらかというと、和菓子派である。特に粒餡(つぶあん)が好きであるが、ここのケーキは、甘さの後味がさっぱりしていて、和菓子派の私でも大のお気にいり。ローソクを消し、ケーキを食べ、寿司でお祝いをするというお定まりのコース。しかし、そんな家族揃って祝うという、なんの変哲もない出来事が、かけがえのないことのように思える。

誕生してから、1年も経たないうちの母親の長期入院、まさかの息子の「イクメン」ぶりにも驚かされた。そして双方の「イクジジ」、「イクババ」など。そんな支えもあって、もうあれから4年がたち、孫もすっかり「アイカツ」(「アイドル活動」の略らしい)ゲームに夢中の普通の女の子に成長した。 感謝 ・・・。

4年前、誕生した時に聴いた曲は、「Hushabye Mountain(お山の子守歌)」。「ステイシー・ケント/Stacey Kent」のアルバム「Dreamsville」から再録 ・・・。

Dreamsville

Stacey Kent / Candid Records



【 Hushabye Mountain (お山の子守歌) 】 
                   作詞・作曲:R.B.Sherman/R.M.Sherman

「♪   ねんねん山から柔らかな風が
     ララバイ湾をこえて優しく吹いてくるよ
     その風は帆を一杯に膨らますの
     悩みを吹き飛ばす航海へ旅立つ船のね
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
     さあ目を閉じておやすみ
     今日一日にさよならをして

     夢の中で船をごらんよ
     ララバイ湾から遠くへ旅立って行くんだよ ♪」


 
「Stacey Kent - Hushabye Mountain」

          
  
by knakano0311 | 2014-11-09 21:20 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(2)

もみぢ ふた色

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遊びの山の「イロハモミジ(いろは紅葉)」である。ほとんど同じ場所に在るのに、ちょっとした日当たりの差か、個体差か、色がまるで違う。不思議なものである。山全体が赤や黄色に染まりだした中で、年が明けたら本番を迎える、今シーズンの炭焼きの一連の作業も、この日スタートした。

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ほぼ10年前に伐採した「クヌギ(櫟、椚、橡)」が、「台場クヌギ」として適当な太さに成長してきたので、いよいよ今年から10年サイクルで、伐採区域を回していこうという試みを始める。そのためにも、まず伐採予定区域にどのくらいの数の台場クヌギが育っていて、どのくらいの量の窯木が採れそうかを調べなくはならない。伐採予定区域の台場クヌギの数をナンバリングし、一本一本の太さ、樹高を記録してゆく。その結果、「台場クヌギ」でおおよそ一窯分、さらに新たに高木を伐採することでもう一窯、計二窯分のクヌギを確保できると思われる。一応の目途を得て調査を終え、いよいよ来週より伐採を始める。老体にはきつく、しんどい作業ではあるが、あの菊炭の美しさを見たいばかりに、今年もまた楽しき3K作業に挑戦する。

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さて、今宵のお久しぶり歌姫は、「カトリーヌ・レガー/Cathrine Legardh」。デンマークの女性歌手である。とりたたてて美人というわけではないし、特筆するような歌唱テクニックがあるわけではない。強いて言えば、まるで絵本に出てくるピノキオみたいな高い鼻が個性的。しかし、聴いていると、自然に心が和んでくるジャズ向きの渋めの落ち着いた声が気に入っている歌手。

「カトリーヌ・レガー」。1973年、スウェーデン、ノルウェー、デンマークの血を引く両親のもとに生まれる。元々は音楽教師を目指し、童謡アルバムも2枚リリース。しかし、その音楽の勉強の途中でジャズに出会い、英国で「アニタ・ワーデル/Anita Wardell」、米国では「シーラ・ジョーダン/Sheila Jordan」に師事したという。 スタンダード・ジャズをメインに歌う彼女は、上海万博でデンマークを代表して歌い、母国やアイスランドなどで多くの音楽賞に輝いているという実力派でもある。

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その「カトリーヌ・レガー/Cathrine Legardh」の2008年のデビュー・アルバムが、「Gorgeous Creatures(華麗なる生き物たちの意?)」である。知名度もほぼない新人ながら、このスタンダード集、結構ヒットしたという。古くは「ナット・キング・コール/Nat King Cole」、そして最近では、「ホリー・コール/Holly Cole」、「ジャネット・サイデル/Janet Seidel」などのボーカル・トリオと同じ、ドラムレスで、ギターとベース、ピアノをバックにした編成である。時折アコーディオンも混じるこの古き良き時代を感じさせる編成に共通しているのは、穏やかで、レトロで、スローで、ロマンチックな空気。

Gorgeous Creature

Cathrine Legardh / Storyville


 
その中から、レトロな雰囲気を感じさせるスタンダードを2曲 ・・・。

「Cathrine Legardh - Once upon a summertime」

          

「Cathrine Legardh - I'm old fashioned」

          

デビュー作でも参加したピアノの「ブライアン・ケロック/Brian Kellock」とのデュオ・アルバムが、「Love Still Wears A Smile」(2013)。たった2人ということを感じさせない多彩な音空間も、穏やかで暖かみだけでなく変化も演出する彼女の歌唱と、端正でロマンティック、しかしダイナミックに鍵盤を行き来するケロックのピアノならではの作り出せる空間であろうか。冒頭の「チャーリー・ヘイデン/Charlie Haden」の「First Song」からひきこまれてしまう。バラードだけではなく、全ての曲に穏やかではあるが個性的な表情が漂うスタンダード集。

Love Still Wears A Smile [輸入盤]

Cathrine Legardh-Brian Kellock / Storyville



「Cathrine Legardh - A Time For Love」

          


「Cathrine Legardh & Brian Kellock - The Party's Over」


          
by knakano0311 | 2014-11-07 16:37 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

終う覚悟

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アメリカで、末期がん(脳腫瘍)で余命半年と告知され、みずから死を選ぶと宣言していた女性が、医師から処方された薬物を服用して、宣言通り11月1日に家族に見守られながら息を引き取ったということがニュースで報じられ、日本でも「尊厳死」、「安楽死」やその是非について大きな話題と議論なっているという。

このニュースを見ながら、2ヶ月ほど前に見た映画(DVD)が頭に浮かんだ。「ステファヌ・ブリゼ/Stephane Brize」監督作品のフランス映画「母の身終い(みじまい)」(原題:Quelques Heures De Printemps 直訳;春の数時間)。病で余命わずかとなり尊厳死を決意した年老いた母親と、そんな母の覚悟を受け止められずに葛藤する息子の姿を静かに見つめた人間ドラマである。

麻薬の密売に手を出し、服役していたアランは、出所後、闘病中の母イヴェットの家に身を寄せ、人生の再出発をしようとあがいていた。ふたりの間には長年にわたって確執があり、心は簡単には解け合わない。そんなある日、アランは、母の薬が入った引き出しの中の書類を手に取り、愕然となる。そこには、「尊厳死の表明」「スイスの施設で尊厳死」「人生の終え方を選択する」といった文章が書かれ、母のサインがあったからだ。アランの心は激しく揺り動かされる。ふたりに残された時間は、あまりにも少ない。そしてついに母が旅立つ日の朝がやってきた・・・。(NETより)

重いテーマの映画であったが、実に爽やかな感動が残った映画であった。そして、ここで描かれたテーマが現実となってニュースで報じられてのだ。

母の身終い [DVD]

TCエンタテインメント



「映画「母の身終い」予告篇」



一般には、「安楽死」と「尊厳死」の使い方も混同されているようだが、、日本国内では、回復の見込みがなくなった人の死期を、医師が薬などで早めることを「安楽死」とし、患者の意思を尊重して延命治療をやめることを「尊厳死」として定義づけしていることも今回知った。しかし、「安楽死」を認める法律は国内にはないし、「尊厳死」にしてもそれを裏付ける法律もないという。「安楽死」を認めていると言う国はアメリカのオレゴン州、ワシントン州、モンタナ州、バーモント州、ニューメキシコ州、オランダ、ベルギー、スイス、ルクセンブルクだけだという。

私もそんなに遠い将来ではないはずの「身を終う覚悟」ができているとは到底言い難い。「延命治療」は拒否したいし、「尊厳死」を望みたいと思って、妻にも話しているが、実際にその状態になった時に果たしてどうなるかは自信がない。まして、「自殺」といってもいいような今回のような「安楽死」までは、とても覚悟はつかないだろう。しかし、必ずいつかは「終わり」は来るのである。終わらねばならないのである。いずれにせよ、「身をどう終うかという覚悟」の選択から逃げるわけにはいかないのだ。

事故で四肢麻痺となった主人公が、法律では認められていない尊厳死を求めて裁判をおこすという「アレハンドロ・アメナーバル/Alejandro Amenábar」監督のスペイン映画、「空を飛ぶ夢」、下半身不随になった女ボクサーが主人公の「クリント・イーストウッド/Clint Eastwood」監督のアカデミー受賞作、「ミリオン・ダラー・ベイビー」、「周防正行」監督の「終の信託」もおなじテーマを扱った作品として、深く心に刻まれている。

海を飛ぶ夢 [DVD]

ポニーキャニオン



ミリオンダラー・ベイビー [DVD]

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終の信託【DVD】(特典DVD付2枚組)

東宝



もし私が仮に「安楽死」を選択するとして、その時に聴きながら眠りにつきたいと思うアルバムの一つは、「エンリコ・ピエラヌンツイ/Enrico Pieranunzi」の「Racconti Mediterranei /地中海物語」であろうか ・・・。「エンリコ・ピエラヌンツイ」のピアノ、ダブルベース、「マーク・ジョンソン/Marc Johnson」とクラリネット、「ガブリエル・ミラバッシ/Gabriele Mirabassi」という編成の、エンリコのオリジナル曲によるアルバム。アルバム・タイトルどおり、穏やかな春の地中海をほうふつとさせる美しいメロディと演奏が淡々と続いてゆく。通常のピアノトリオとは少し違って、クラリネットが明るい日差しを感じさせる。中でも、3曲目「Canto Nacosto (秘められた歌)」、9曲目「Un’alba Dipinta Sui Muri (壁に描かれた夜明け)」 の美しさは特筆。

Racconti Mediterranei

Enrico Pieranunzi / Egea



「Enrico Pieranunzi - Canto Nascoto」

          
by knakano0311 | 2014-11-05 13:38 | シネマな生活 | Trackback | Comments(2)

主なき庭の秋 (続き)

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別名、「アキサンゴ(秋珊瑚)」と呼ばれるくらい見事な赤に輝いている「サンシュユ(山茱萸)」の実。カエデ科の樹木で、その名の通り、枝が垂れるように紅葉する「ヤマモミジ(山紅葉)」の代表的な品種、「ベニシダレ(紅枝垂)」の見事な赤。そして、「花水木」。いずれも今年も主なき庭に訪れた秋の光景 ・・・。そんな緊張の赤の中で、ホッとするのが、「フジバカマ(藤袴)」の淡い紫紅色である。また来年も ・・・。

さて、今宵の「眼ヂカラ美女シンガー」は、「リサ・ロッティ/Lisa Roti」。アルバムはというと、これもいつであったか、CDショップの店頭でこの眼に出会い、衝動的にジャケ買いをしてしまった「Comes Love」(2005)。くわえて、アルバム・タイトルが、例の症候群が発症させてしまったに違いない。

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「リサ・ロッティ」。生年は不詳であるが、イリノイ州シカゴで活躍してるジャズ・ボーカリスト。父親はテノール歌手、祖父はサックス奏者という音楽一家に育ったという。そして、「シカゴ・ジャズ」とはなんたるかを彼女に教えたサックス奏者、「フランツ・ジャクソン/Franz Jackson」のバンド・シンガーとしてキャリアをスタートさせた。そしてバンド・ツアーで世界中を回った経験が、彼女の音楽スタイルに大きな影響を与えたという。

さて、アルバム、「Comes Love」である。彼女の声、唱法、かなりユニークである。千変万化、ロリータ・ヴォイスかと思えばオーソドックス、アンニュイらしさを見せたかと思うとダイナミックに ・・・。ちょっと捕えどころがないと言ってしまえばそれまでだが ・・・。ギター、サックス、ピアノ、バックのサポートも素晴らしく、「the Joy of Jazz」に満ちていることは間違いない。

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Comes Love

Lisa Roti / CD Baby.Com/Indys



師匠でもある「フランツ・ジャクソン」をフューチャーしたスタンダードから、「I'm Confessin」。

「I'm Confessin - Lisa Roti feat. Franz Jackson」

          
  


 
by knakano0311 | 2014-11-04 10:14 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

里山まつりは雨で中止に

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本来ならば、今日2日は、「日本一の里山」といわれている黒川地域の町興しの行事、「黒川里山まつり」の開催日。我々のクラブも参加の予定であった。しかし、雨が予想されたため、早々と30日に中止の決定がなされた。この3連休、各地で多くの行事が予定されていたであろう。昨日から雨気味、本番の今日も、一時的ではあるが、激しい雨とそのあとの寒気。やはり天気予報は当たったのである。6月ころから準備を始めた関係者のご苦労が水の泡となってしまったが、お天気ばかりはどうしようもない。

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私の住む地域の自治会が主催する地域の文化祭も例年この時期に行われているが、屋内での展示やパフォーマンスが多いため、雨天でも実施している。雨の止んだのを見計らって、ちょっと覗いてみた。菊の展示や、私がかって関わっていた子供を対象とした木工遊びなどは、屋外なのでこの雨ではどうしようもなかったようだ。一方、絵画、工芸、写真、彫刻など、シニアの趣味の力作が展示された室内は多くの人で賑わっていた。

さあ、また来年 ・・・・。

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さて、今宵の「目ヂカラ女性シンガー」は、「リャンビコ/Lyambiko」。これぞ「眼ヂカラ」というジャケットである。ちょっと変わった名前の歌手であるが、「リャンビコ」は、1978年、タンザニア人の父親とドイツ人の母親の間に生まれたドイツ出身のJAZZ女性歌手である。1930年代にすでにジャズ・コンボのメンバーだった祖父、教会の聖歌隊のメンバーであった父親という音楽的にアクティブな家族の中で育った。2枚のCDをリリースした後、メジャー・デビューは2005年、「LYAMBIKO」。スキャットをまじえたオーソドックスなジャズ・ヴォーカルとボサ・ノヴァが話題となった。

LYAMBIKO

リャンビコ マーク・ローウェンサル ロビン・ドラガニック トルステン・ツィンゲンベルガー ジョルジオ・クロブ ヘルマー・マルチンスキーソニーミュージックエンタテインメント



こんな寒い日には、「The nearness of you (あなたのおそばに)」でしょうか ・・・。

「LYAMBIKO - The nearness of you」

          

「Love... and then」(2006)、「Inner Sense」(2007)と続き、2008年2月にリリースされたCDは、彼女によってインスパイアされ、ジャズシンガーへの道を歩みだしたという、「リャンビコ」が最もリスペクトする、「ニーナ・シモン/Nina Simone」へのトリビュート・アルバム、「Saffronia」。

Saffronia

Lyambiko / Sony Japan



そのなかから、「ニーナ・シモン」の代表曲を2曲、「悲しき願い」と「フィーリング・グッド」を ・・・。

「Lyambiko-Don't Let Me Be Misunderstood」


          

「Lyambiko - Feeling good」

          
by knakano0311 | 2014-11-03 17:27 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

御嶽山と私 ・・・

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弾丸帰省の帰り道、中央高速の恵那峡SAから、噴火からちょうど1ヶ月経つあの「御嶽山」が見えた。信州人、特に中南信地域の人間にとっては、長野県のもうひとつの有名な火山である「浅間山」などより、はるかに馴染みがある火山である。松本周辺のすこし高い山に登れば、あの孤高の「御嶽山」が見える。

「♪ 木曽のナー 中乗りさん/木曽の御岳(おんたけ)さんは ナンジャラホーイ/夏でも寒い ヨイヨイヨイ ・・・ ♪」 と地元の盆踊りでは必ず謡い踊られる「木曽節」や、小学校の頃から県歌として慣れ親しんでいる「信濃の国」にも、「♪ 御嶽、乗鞍、駒ヶ岳、浅間は殊に活火山 ・・・ ♪」と歌われている山である。

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また、古くから信仰の山として地元の人々の畏敬を集めてきた山で、たしか松本にもいくつかの「御嶽教」の道場というか、教会みたいな建物があったと記憶している。また、「御嶽山」への集団登山の「講(こう)」があり、近所の人が、揃いの白衣姿に菅(すげ)笠を身にまとい、「六根清浄」と書かれた杖を持って参加していったという記憶もある。それほど、我が故郷では、一般の人にもなじみの深い山である。

私は「御嶽山」には登ったことはないのであるが、私とのつながりといえば、「御岳百草丸(ひゃくそうがん)」である。御岳の麓、王滝村の「長野県製薬」が製造販売する和漢胃腸薬であるが、これが普段薬を飲まない私になぜか合っているのである。胃腸の具合がちょっとでも悪い時はこれを飲めば、ほほ即座に治るので、海外出張には欠かせない常備薬であった。

「百草丸」は、ミカン科の落葉高木「キハダ」の内皮から抽出される「オウバクエキス」を主成分というが、690年頃、畿内に疫病が流行した折、修験道の開祖、「役小角(えんのおづぬ)」が、大和国葛城の寺の境内に大きな釜を据え、「キハダ(黄檗、黄膚、黄柏)」を煎じて煮詰めた薬を多くの病人に飲ませ、救済して以来、「オウバクエキス薬」は山岳修験者の間で常備薬として用いら れるようになったという。その修験者の間で伝えられた秘伝が江戸時代に「御嶽山」の麓の村人に伝えられ、「百草丸」の起源となったという。(Wikipedia による)

久しぶりに「百草丸」を取り出し、パッケージに描かれている雪を被った「御嶽山」を見つつ、「百草丸」の起源にも思いを馳せてみた。

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さて、今宵のお久しぶり歌姫は、「ローリー・ウィーラー/Laurie Wheeler」。アルバムは「トワイライト/Twilight」。たしか、「ジャケ買い」したアルバムだったが、あの「ラリー・カールトン/Larry Carlton」が全面参加のアルバムと知って、納得したアルバムでもあった。

彼女、テネシー州「ナッシュビル/Nashville」を拠点に、もう20年以上も活動している大ベテランで、ダウンビート誌の読者人気投票、世界の女性ジャズボーカル部門で、2年連続トップ10入りをしているという。その割には、知名度もほとんどなく、リリースされたCDも4枚ほどといたって寡作である。しかし、調べてみると、そのアルバムには、素晴らしいハーモニーと、ビ・バップ風のスキャットと印象的なアレンジ、そしてなによりも彼女のジャズに対する愛と素晴らしい歌唱テクニックがぎっしりと詰まっているという評が載っていた。

たしかに大人の雰囲気。そして、声をまるで楽器のようにコントロールしている。高速スキャットになると、それがさらに際立ってくる。しかし機械的でなく、伸びやかで暖かい声なのだ。そしてバラードもいい。いろいろな温度の声を持っているようだ。

「Killer! This girl sings jazz. (いやあ参ったね!彼女まさにジャズっているね)」とは、彼女を評した「ラリー・カールトン」の言葉。(参照拙ブログ「美ジャケに恋して」より)

Twilight

Laurie Wheeler / 335 Records



アルバムにも収録されている「Easy To Be Happy」がYOUTUBEにアップされている。何回か行ったなつかしのニューヨーク「Blue Note」での「ラリー・カールトン」とのコラボ・ライブ。(再録)

「Laurie Wheeler & Larry Carlton - Easy To Be Happy - at NYC Blue Note」

          
 
by knakano0311 | 2014-11-02 10:32 | サウダージ | Trackback | Comments(2)