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大屋地爵士のJAZZYな生活

<   2019年 07月 ( 26 )   > この月の画像一覧

小さなストレス

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 腕時計を替えた。時間が大幅に狂い出し、信用できなくなったからである。腕時計の時間が狂う。定年後、そんなに時間に縛られてはいない生活とは言え、ボランティア活動などに腕時計は必須、時間が狂うことは、私にとって、結構ストレスであることに気がついた。
   

 重いし、手間ではあるが、学科が精密工学科卒業ということもあって、機械巻き腕時計が好きで、結婚祝いに義父からもらったR社の機械巻き腕時計を、何回かメンテをしながら、40年近く愛用し続けていたが、故障したので、3年くらい前、国産大手のS社の、機械巻きの腕時計に替えた。ところがこの時計、当初から調子が悪く、5分/日程度狂うが、我慢して使っているうちに、ここ1年くらいは1分/日くらいの狂いに落ち着いていたので、安心して使っていた。しかし、梅雨に入ってからである「10気圧防水」なのに、結露し、水滴どころか、はっきりわかるほど水が溜まりだした。こうなると、もういけません、15分/時間と大幅に狂い出し、動かなくなってしまった。
    

 「たった3年で?」とメーカに問い合わせると、「生産は終了しているし、保証期間は1年、修理には時間と結構な修理代がかかる」という。そこで、考えてみると、たいした理由もなく、今まではちょっと敬遠していた、「クォーツ、ソーラー、電波時刻合わせ」の機能を持つC社の腕時計に替えた。結果、軽くて快調、日に1秒の狂いもなく極めて快調である。「メイド・イン・ジャパン」に対する不信感と失望は残ったが、とりあえず小さなストレスは解消した。しかし、取り替えることができない隣国との軋轢によるストレスは一向に解消する気配を見せない。
   

 さて今宵の曲、古いスタンダード曲で、「Just In Time」。1956年のミュージカル、「ベルズ・アー・リンギング/Bells Are Ringing」の挿入歌として作られた曲である。「ちょうどいい時にあなたと出会った」、そんな意味。一方、「Just On Time」は、トヨタ発祥のいわゆる「カンバン方式」で、メーカで働いていた現役時代は、随分とこれに振り回された思い出がある。
   

【 Just In Time 】    By Jule Styne, Adolph Green, Betty Comden
    

「♪ Just in time        ちょうどいい時に  
  I found you just in time  ちょうどいい時にあなたと出会った
  Before you came my time   君に会うまでは
  Was running low       落ち込むばかりの日々だった
  I was lost          投げたサイコロは
  The losing dice were tossed  どこかへいってしまうし
  My bridges all were crossed  架けたはずの橋は渡れず
  Nowhere to go         どこへも行けないし
   

  ・・・・・・・・・・・・・・・
   

  For love came just in time  ちょうどいい時に恋に落ちた
  You found me just in time  ちょうどいい時にあなたと出会った 
  And saved my lonely life   君は私の寂しい人生を
  That lovely day         素晴らしい日々に変えてくれたんだ ♪」
    

 シナトラを始め、いろいろなカバーがありますが、今宵は御贔屓、「カーラ・ヘルムブレヒト/Carla Helmbrecht」、アルバム「One for My Baby」(2003)から。
   
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 One for My Baby
 Carla Helmbrecht/カーラ・ヘルムブレヒト
 Heart Music

        




「Just In Time - Carla Helmbrecht」

          

 カナダ・ケベックの生まれの異色のシンガー・ソングライター、「テレス・モンカウム/Térez Montcalm」。アルバム「Here's to You: Songs for Shirley Horn」(2011)から。

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 Here's to You: Songs for Shirley Horn
 Terez Montcalm/テレス・モンカウム
 Verve





        
「Just In Time - Terez Montcalm」
          

 演奏からも。美脚ジャケとしても有名な、「マーティ・ペイチ/Marty Paich」、「The Broadway Bit」(1959)から。

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 Broadway Bit
 マーティ・ペイチ/Marty Paich
 ワーナーミュージック・ジャパン





        
「Just In Time - Marty Paich」

         

 東欧・ハンガリーのピアニスト、「サチ・ジュニア・トリオ/Szakcsi Jr Trio」。アルバムは、「プサルムス/Psalms」(2008)。「賛美歌、聖歌」という意味だそうである。この「サチ・ジュニア」というピアニスト、本名を「ベーラ・サチ・ラカトシュ・ジュニア/Bela Szakcsi Lakatos Jr.」といい、父は、ハンガリー・ジャズ・ピアノの大御所、「ベーラ・サチ・ラカトシュ/Bela Szakcsi Lakatos」、弟はいまや「澤野工房」の看板ピアニストの一人、「ロバート・ラカトシュ/Robert Lakatos」であるピアノ・ファミリーの一員である。

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 Psalms
 Szakcsi Jr./サチ・ジュニア
 X Produkcion





        
「Just in Time - Szakcsi Jr. Trio」

          

    
    
   


by knakano0311 | 2019-07-31 15:16 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

庭先の愛の語らい

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 庭先の「ヤツデ(八つ手)」の葉に見つけたのは、「アブ(虻・蝱)」の番(つがい)。「八つ手」というが、普通は、7つまたは9つ(奇数)に裂けており、8つに裂けることは稀だという。「○○ハエ(蝿)」という名の「アブ」、「○○アブ」という名の「ハエ」があって、言葉には厳密な分類の概念などがないようで、単に見た目の感じで使い分けられたものであるという。「虻蜂取らず」なんてことわざもあるが、今年も「虫めづる爺」の好奇心はまだまだ健在。

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 さて、今宵のアルバムは、イタリア出身の、「ちょいワル」風ピアニスト、「ステファノ・ボラーニ/Stefano Bollani」の「愛の語らい/Falando de amor」(2003)。
   
 1972年、ミラノ生まれというから円熟の47歳。もともと歌手になることを夢見てピアノを始めたというが、プロ・デビューはなんと若干15歳。イタリア独特の雰囲気というか、隠せないラテンの気質というか、「恋唄」やバラードのプレイにはそれが随所に表れるような気がする。2002年10月に発売されるやいなや話題となったのが、日本デビュー盤「ヴォラーレ/Volare」。
  
 カンツォーネやポピュラー・ソングを中心にした選曲で、低音でささやくかのように、口説くかのように弾き語るアルバム、「けれど恋は/Ma L'Amore No」(2004)や、イタリア・ジャズを代表する大御所トランペッター、「エンリコ・ラヴァ/Enrico Rava」とのデュオ・アルバム、「The Third Man」(2007)など、彼の音楽の幅の広さ。その後のクラッシックからポップ、ロック、ジャズにわたる多様なジャンルのミュージシャンとのアルバムやコンサートにおけるコラボレーションには目を見張るものがある。

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 さて、「愛の語らい」。表題曲を始めとする「アントニオ・カルロス・ジョビン/Antonio Carlos Jobim」曲集であるが、軽快でノリのいいといった、いかにもといったボサノヴァ・アルバムではない。ちょっとひねったアレンジの硬派のJAZZテイストに溢れている。
  
 しかし、アルバム・タイトル曲をはじめ、「君なしではいられない」、「アンジェラ」、「ルイーザ」、「ガブリエラ」、「もっと愛の歌を」といったスタンダード・ボッサではない選曲を見ると、まるで「A.C.ジョビンに捧げるイタリア式恋愛術」といったサブ・タイトルをつけてもいいと思う感じ。サポートは、「アレス・タヴォラッツイ/Ares Tavolazzi (bass)」、「ウォルター・パオリ/Walter Paoli (drums)」



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 愛の語らい/Falando de amor
 ステファノ・ボラーニ・トリオ/Stefano Bollani Trio
 ヴィーナス・レコード

          




 「白と黒のポートレイト//Retrato em Branco e Preto」、「ガブリエラ/Tema de Amor de Gabriela」、「アンジェラ/Angela」を。

「Stefano Bollani - Retrato em Branco e Preto」

          

「Tema de Amor de Gabriela -Stefano Bollani Trio」

          

「Angela - Stefano Bollani」

          

   
   
   


by knakano0311 | 2019-07-30 14:47 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

人混みが苦手なので ・・・

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 今宵は団地自治会主催の「サマー・カーニバル」。夜店や学生のバンドなども出演する盆踊りを中心とした、2日間の地域の夏まつり。昨日は、台風の余波で中止となったが、今日は天気も回復して、その分を埋め合わせるような人出で、盛大に行われた。妻は地域の「盆踊りクラブ」に所属しているため、揃いのTシャツ、豆絞りで参加している。帰りは歩いて帰ってくるというので、人ごみが苦手な私は、妻を会場まで送って行ったあとは、ビールを片手にエアコンのきいたリビングで、TVでYOUTUBEの音楽を楽しむ。いつもは2FのパソコンかCDデッキで楽しむのだが、今宵は、WiFiに接続されているTVで ・・・。

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 久しぶりに聴いてみようかと思ったのが、「バディ(バジ)・アサド/Badi Assad」。 1966年生まれのブラジルのシンガー・ソングライターで、ギタリスト。 サンパウロで生まれ、リオデジャネイロで12歳まで育ったという。父はレバノン出身の マンドリン奏者、そして彼女の2人の兄も、共にギタリストで「デュオ・アサド/Duo Sergio &amp; Odair Assad」の名で知られている「セルジオ・アサド/Sergio Assad」と「オダイル・アサド/Odair Assad」だという。
    
バディは、「リオデジャネイロ大学」でクラシックギターを学んだあと、キャリアを積み、1987年、彼女は「国際ヴィラ・ロボス(Villa Lobos)フェスティバルで、「ベスト・ブラジル人ギタリスト」に輝いている。アルバム・デビューは 1990年中ごろらしいが、現在までに10枚を超えるアルバムがリリースされている。

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 なぜYOUTUBEで聴くのか? その理由は演奏スタイル。見ればわかるように、独特な個性を発揮している。手でギターの胴を叩いてまるでパーカッションのような効果をだし、もう一方の手はフレットを抑えながら弦を奏でる。そのギターの腕も、ソロを聴けば分かるように卓越している。
   
そして、頬を叩いてパーカッショニングしながら、同時にメロディを声に出す。楽器に近い声質で歌を歌い、口笛ともため息ともつかない電子音効果処理をされた声を交えたパフォーマンスを繰り広げる。体全体で音楽表現するこのスタイル、演奏を目で見るまではわからない。これはまさしくジャズである。
   
 その代表的なパフォーマンス、「波/Ondas」をライブ映像で。アルバム、「波/Danca Das Ondas」(2000)から。

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 Danca Das Ondas/波
Badi Assad/バディ(バジ)・アサド
Gha





        
「Badi Assad - Waves」

          

 「Vrap」と「Joana Francesa」。アルバム、「Solo」(1994)から。

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 Solo
 Badi Assad/バディ(バジ)・アサド
 Chesky Records





        
「Vrap - Badi Assad」

          

「Badi Assad - Joana Francesa」

          

 「Between Truth and Luck」。アルバム、「Between Love &amp; Luck」(2013)。ギターを放して、自由に歌い踊るバディとストリングスとのコラボの動画がアップされていました。

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 Between Love & Luck
 Badi Assad/バディ(バジ)・アサド
 Quatro Ventos





        
「Badi Assad/StringShot - Between Truth and Luck (Official Video) 」

          

 最後は、再びソロ演奏で、「Zoar」。アルバム、「WONDERLAND」(2006)に収録されていますが、アップされているのは、別バージョンのようです。

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 WONDERLAND
 Badi Assad/バディ(バジ)・アサド
 Import Music K.K.





        
「Zoar - Badi Assad (Clipe oficial) 」

          

 そうそう、私のご贔屓のミステリー作家、「ジェフリー・ディーヴァー/Jeffery Deaver」の著書、「人間嘘発見器」と異名をとる尋問の天才、「キャサリン・ダンス/Kathryn Dance」が主人公のミステリー、「ロードサイド・クロス/Roadside Crosses」 (文春文庫)にこんなくだりがあった。『電話を切ったあと、ダンスはiPod touchの音量を上げた。このときはブラジルの美しいギタリスト兼シンガー、バディ・アサドを聴いていた。運転中にヘッドフォンで音楽を聴くのは違法だが、公用車のスピーカーでは、原音とはほど遠い音しか鳴らせない。 ・・・』(訳;池田真紀子)
  
   
   
  


by knakano0311 | 2019-07-29 17:43 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

路傍の花、樹々の鳥(350) ~ 抜け殻を見て ~

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 今宵は、ピアニスト兼コンポーザー、フランスの俊英ピアニスト、「セバスチアン・パンデストル/Sebastien Paindestre」率いるトリオの演奏、「Metamorphose」から。1973年生まれ、 教鞭もとる傍らフランスのコンサートのオーガナイザーを努める多才の人らしい。現代的なアレンジと内省的な美しさが評価され、アルバム、「Parcours」(2008)に収録されたこの曲は、「寺島靖国プレゼンツ JAZZ BAR 2008」にピックアップされた。パーソネルは、「Sebastien Paindestre(piano)」、「ジャン・クロード・オレクシアク/Jean-Claude Oleksiak(bass)」、「アントン・パガノッチ/antoine paganotti(drums)」。

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 寺島靖国プレゼンツ JAZZ BAR 2008
 オムニバス
 ディスクユニオン

        



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 Parcours
 Sebastien Paindestre
 DISK UNION (原盤:JAZZSEB)





        
「Métamorphose - Sébastien Paindestre」

          

   
 次は御贔屓、ノルウェイの俊英ピアニスト、「トルド・グスタフセン/Tord Gustavsen」率いるトリオの演奏、「Tears Transforming」。アルバム、「The Ground」(2005)からですが、ライブで。

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 The Ground
 Tord Gustavsen Trio/トルド・グスタフセン・トリオ
 Ecm Records





        
「Tord Gustavsen Trio - Tears Teansforming (live) 」

          
  
   
    


by knakano0311 | 2019-07-28 09:53 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

きっと明日は筋肉が ・・・

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 今日の作業はこたえましたね。梅雨明けで朝から気温はうなぎのぼり。作業を開始する頃には気温は、もう30℃近くあったのではないだろうか。こんな急斜面での作業 ・・・。安全と熱中症には十分気を配っているが、アイゼンを使って体のバランスを保ちながらの作業。明日は、きっとあちこちの筋肉が悲鳴を上げているだろう。作業を終えて、ワークショップに戻ったら、エアコンの涼しさとアイスコーヒーという天国が待っていた。
   

 今宵の曲。残念ことに、2014年7月11日に亡くなってしまったが、私が最高のベーシストと思っていた、「チャーリー・ヘイデン/Charlie Haden」の作品に、「Beyond The Missouri Sky」(1997)、「American Dreams」(2002)、「Land Of The Sun」(2004)などのように、自然への憧れやノスタルジーをコンセプトとし、そのジャケットに美しい景観を配したアルバムがある。その中でもお気に入りの一枚が、「ゴンサロ・ルバルカバ/Gonzalo Rubalcaba」らキューバのミュージシャン達とコラボしたアルバム、「Land Of The Sun」。
  
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 ヘイデンとルバルカバは1990年代から何度も共演し、私も大のお気に入りで、2000年に録音され、グラミー賞の最優秀ラテン・ジャズ・アルバムを受賞したボレロ・アルバム、「ノクターン/Nocturne」(2001)も有名だが、この「Land Of The Sun」は、その翌年に続いて録音された。メキシコの作曲家「ホセ・セブレ・マロキン/Jose Sabre Marroquin」の楽曲が中心で、アルバム・タイトルには、「La Tierra Del Sol = 太陽の地」という意味のスペイン語、収録曲はそれぞれスペイン語とその英語訳が表記されている。
  
 前2作のアメリカ讃歌とはちょっと趣きが違って、明るい陽光と土の香がむせかえるようなメキシコの大地、そこに、有史以前から暮らしてきた原住民、インディオたちの歴史や血を感じさせるような、ノスタルジックで温かみのあるアルバム。鋭角的なところや引っかかるところがひとつもなく、聴いているといてるとゆったりと優しい気持ちになれる、本当に傑作と言えるアルバムだろう。そのアルバムからいくつか。

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 LAND OF THE SUN
 ゴンサロ・ルバルカバ & チャーリー・ヘイデン/Gonzalo Rubalcaba & Charlie Haden
 EMARR





        
「Charlie Haden & Gonzalo Rubalcaba ― Cancion De Cuna A Patricia(Lullaby For Patricia)」

          


「Charlie Haden - Solamente Una Vez(You Belong To My Heart)」

          


「Esta Tarde Vi Llover (Yesterday I Heard The Rain) - Charlie Haden」

          


「Sueno Solo Con Tu Amor (I Only Dream Your Love) - Charlie Haden」

          

    
    
    


by knakano0311 | 2019-07-27 10:24 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

「遊び場」という名前のカフェで

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 関東に引き続き、近畿地方も梅雨が明けたそうだ。朝から真夏のようなカンカン照り。急な気温の上昇は老いの身にはこたえる。
    
 妻の用事で出かけたが、「涼しくて緑に囲まれたところでお茶を飲もう」と寄ったところは、イタリア語で「遊び場」という意味のカフェ、「Parco giochi(パルコ・ジョッキ)」。「花卉の街」、宝塚にある大きな植木屋さんの一角にあるカフェ。コーヒーとブルーベリー・ワッフルで美味しく涼しい時間を過ごした。
    
 「遊び場」。森林ボランティア活動の拠点としている山の公園にも、「森の遊び場」という広場があり、休日には子供たちの笑い声が絶えない。そういえば、子供たちの笑い声が入る「ビル・エヴァンス/Bill Evans」の演奏がありました。「Children's Play Song」。アルバムは、「From Left to Right」(1970)。
   
 タイトルの「From Left to Right = 左から右へ」は、多分デザインでしょうが、ジャケットの写真を見てもわかるように、左と右に配置された「スタンウェイ/Steinway &amp; Sons」のアコースティック・ピアノと「フェンダー・ローズ/Fender Rhodes」のエレクトリック・ピアノを交互に弾くということを意味している。エヴァンスのアルバムの中でも、このアルバムは異色とも言えるようで、当時エヴァンスが興味を持ち始めたエレクトリック・ピアノを使用したこと、おもちゃの楽器のような音色のイントロ、子供の笑い声などが入っていることから、実験的とも評価されたようだ。しかしやはりエヴァンス、その美しい響きは変わりようがない。

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 FROM LEFT TO RIGHT
 ビル・エヴァンス/Bill Evans
 VERVE





        
「Bill Evans - Children's Play Song」

          

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 この演奏をトリビュートしたのが、ノルウェイを代表するジャズ・ヴォーカリスト、「ヒルデ・ヘフテ/Hilde Hefte」。1956年生まれというから、もう相当なベテラン。 学生時代には、ピアノ、そしてギター、アルト・サックス、クラリネットをマスター、さらに作詞・作曲・編曲までもこなすという才女。
  
 1980年代半ばから舞台や映画の作曲家、シンガー、俳優として数多いキャリアを積み、1991年には、初ソロ・アルバムで「チェット・ベイカー/Chet Baker」をトリビュートした「'Round Chet's Midnight』を発表、評価を得たという。その後、2001年には「ビル・エヴァンス/Bill Evans」のナンバーで自己の世界観を作り上げたと今なお評価の高い「Playsong – The music of Bill Evans」を発表。
   
 取り上げたアルバムは、「Memory Suite」(2014)。過去5作の中から選曲したコンピ・アルバムである。全17曲のうち、「Waltz For Debby」を含むエヴァンスのトリビュート・アルバム、「Playsong – The music of Bill Evans」から5曲、「Telephone Song」などのボッサ・アルバムからの4曲が中心を占め、そのほかスタンダード、POPSカバーなどが収録されている。
   
 いや、結構なお年なのに、その声はまるで少女のよう。澄みきった透明感と気品とその上品な軽みには癒されてしまう。

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 Playsong-The Music Of Bill Evans
 Hilde Hefte/ヒルデ・ヘフテ
 CD Baby





        
「Children`s Playsong - Hilde Hefte」

          


 エヴァンス作曲の「My Bells」。

「My Bells - Hilde Hefte」

          


 「Waltz For Debby」、「My Bells」などのライブがアップされていました。

「Hilde Hefte - Waltz For Debby,My Bells ...」

          
   
    
    
   


by knakano0311 | 2019-07-26 10:53 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

路傍の花、樹々の鳥(349) ~ 気品あふれる佛の花 ~

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 買い物に出かける道筋にあるご近所の小さな泥池に咲く「ハス(蓮)」の花。今年はちょっと遅いなと思っていたら、やっと咲きました。やはり、気品あふれる佛の花。

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 今宵のテーマは、気品とレトロ。ピックアップしたのは、「アナ・マリア・アルバゲッティ/Anna Maria Alberghetti」。1936年、イタリアのペーザロ(Pesaro)生まれだそうだ。キュートな美人で、クラシカルな歌唱のシンガーだと紹介されることが多く、完全なるクラシック畑のシンガーではないということらしい。時代は違うが、「サラ・ブライトマン/Sarah Brightman」と同じカテゴリーのシンガーのようだ。
   
 生まれ故郷のペーザロは、オペラ作曲家の「ロッシーニ」の生まれた街で、「ロッシーニ音楽祭」が催されていることで有名だという。父親はオペラ歌手でありコンサート・マスター、母親はクラシック・ピアニストというから、彼女の唱法がクラシカルであることは無理からぬところ。
   
 アルバゲッティは、なんと6歳の頃から歌手としてヨーロッパをツァーしていたという。そして13歳の時に渡米し、「カーネギー・ホール」にデビュー。映画にも出演をしたそうだ。さらに、アメリカ市民となった1961年にはブロードウェイでミュージカルに出演し主役を演じ、「トニー賞(主演女優賞)」まで受賞したという。
  
 今年で御歳83歳、2007年にはまだ舞台に出演していたという。驚異とも言えるハイノートでクラシカルな声を聴いていただこうか。おなじみのカンツォーネ「帰れソレントへ/Torna A Surriento」。





「Come Back to Sorrento (Torna A Surriento) - Anna Maria Alberghetti」

          

 その彼女がどういういきさつか、ジャズのスタンダードを歌っているアルバムがある。いくつかの復刻版がリリースされているが、代表作は、23歳の時の作品、「ウォーム・アンド・ウィリング/Warm And Willing」(1959)。このソプラノの声が、スタンダードとどうマッチするのか? 答えは、スタンダードでもキュートで可愛らしい。抜群に可愛らしい容姿で、「ネルソン・リドル・オーケストラ/Nelson Riddle Orchestra」をバックに可憐なソプラノでスタンダードを歌うが、節回しが丁寧で上品でだんだん耳に馴染んでくるから不思議。風呂で聴いていたら間違いなく眠りに落ちてしまいそう。ジャズかどうか? それは置いておいて間違いなくゆったりします。

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 ウォーム・アンド・ウィリング(紙ジャケット仕様) /Warm And Willing
 アナ・マリア・アルバゲッティ/Anna Maria Alberghetti
 EMIミュージックジャパン






 アルバム・タイトル曲、「Warm and Willing」ほか、「I'm In The Mood For Love」、「煙が目にしみる/Smoke Gets In Your Eyes」、「夜の静寂の中で/In The Still Of The Night」、スタンダード4曲を ・・・。

「Warm and Willing - Anna Maria Alberghetti」

          

「In the Still of the Night - Anna Maria Alberghetti」

          

「I'm in the Mood for Love · Anna Maria Alberghetti」

          

「Smoke Gets in Your Eyes · Anna Maria Alberghetti」

          
   
   
   
   

by knakano0311 | 2019-07-25 15:13 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

ビオトープに集まるのは ・・・

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 時間があったので、今日は山作業ではなく、一庫公園をウォーキング。梅雨の晴れ間、わずかな日差しも差し込んでいる。梅雨明け間近なんでしょう、「ニイニイゼミ(ニイニイ蝉)」の大合唱。そして、公園のビオトープに集まっているのは、つがいの「シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)」、「アメンボ(水黽、水馬、飴坊、飴棒)」。蛙の種類は分からないが、「オタマジャクシ(御玉杓子)」など。


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 早春に花をつけた「コブシ(辛夷)」。その名の謂れとなった実が大きくなっているのが分かる。去年伐採した「クヌギ(椚、櫟)」の高木に台場クヌギに育つように、鹿除けの金網を6月に設置したが、こちらは見事功を奏して鹿に食べられることもなく、順調に育っている。約1時間、チェックも兼ねて、公園を一回りした。

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 再び雨が降り出した今宵は、ちょっとレトロで、BGM的女性ボーカルを聴きたい。レトロで、BGM的といっても、決して古臭いわけではなく、懐かしさの中で心癒され、ずっと聴いていても飽きない、そんなボーカルである。ピックアップしたのは、「カラブリア・フォーティ/Calabria Foti」。年齢不詳ですが、その優しい歌声に加え、育ちの良さ、品のいい色気を感じさせる美形は、かっての「ジュリー・ロンドン/Julie London」を思わせる。
    

「カラブリア・フォーティ」。ニューヨーク生まれ。音楽一家に育ち、幼い頃から身の回りには音楽があふれていたという。「家族でクラシックのコンサートやジャズクラブにもしょっちゅう行っていたし、初めて習った楽器はジャズギターとベースだった」と彼女は語る。12歳になる頃には、もう両親たちとホテルやナイトクラブのステージにたっていたともいう。「エラ・フィッツ・ジェラルド/Ella Fitzgerald」、「ペギー・リー/Peggy Lee」、「フランク・シナトラ/Frank Sinatra」、「サミー・デイビス・ジュニア/Sammy Davis Jr.」 ・・・などの大物シンガーの歌をよく歌っていた。この頃すでに「どうすれば彼らと同じように観客の心を掴めるのか」ということを意識して歌っていたというから、末恐ろしい12歳であったようだ。
  
 やがて認められ、2005年、「When A Woman Loves A Man」でデビュー、それに続くセカンド・アルバムになったのが、「恋に過ごせし宵/A Lovely Way To Spend An Evening」(2007)。私は、このアルバムで彼女を知ったが、リリースされているのが、たった4作という寡作ということもあって、そのあとしばらく聴いていなかった。10年近く間が空いていたのだが、最近2つのアルバムを続けて聴く機会を得た。久しぶりに聴く「カラブリア・フォーティ」は、やはり私を癒してくれる。
   

 YOUTUBEから削除されてしまっていたので、私が知った最初のアルバム、「A Lovely Way To Spend An Evening」は、プロモーション・ビデオから。

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 恋に過ごせし宵/A Lovely Way To Spend An Evening
 カラブリア・フォーティ/Calabria Foti
 Quicksilver





        
「Calabria Foti - A Lovely Way To Spend An Evening」

          

 10年ぶりのアルバム、「夜の静けさに/In The Still Of The Night」(2017)から、「Just One of Those Things」。

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 夜の静けさに/In The Still Of The Night
 カラブリア・フォーティ/Calabria Foti
 MOCO RECORDS / King International




        
「Just One of Those Things - Calabria Foti」

          

 最新作は、ストリングス・オーケストラをバックのラブソング・バラード集、「Prelude To A Kiss」(2019)から、「The Man With the Horn」。このアルバムには、「ビル・エヴァンス/Bill Evans」の名曲「ワルツ・フォー・デビー/Waltz For Debby」も収録されている。

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 プレリュード・トゥ・ア・キス/Prelude To A Kiss
 カラブリア・フォーティ/Calabria Foti
 MOCO RECORDS / King International




        
「The Man With the Horn - Calabria Foti」

         
   
   
   
   


by knakano0311 | 2019-07-24 10:15 | 炭焼き小屋から

こんな日は隠れBGM名盤でも聴いて

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 朝からまた雨。ウォーキングもできない。腕時計の文字盤が結露して、読みにくい。10年近く愛用しているコンデジの調子がどうもおかしい。そこへ追い打ちをかけるように、TVはニュースと朝ドラくらいしか見ないので、ほとんど毎日観ている映像配信サービス用のAmazonの端末がWiHiとつながらない。つながったと思ったら。こんどはHuLuが立ち上がらない。そんなトラブル・シューティングに1時間以上かかってしまった。テンションが上がらない一日。

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 天気も体も生活もかったるかった今宵、軽めの音楽がいいだろうと思って引っ張り出してきたのは、ジャズとして聴けば、甘っちょろいベタな作品だが、BGMとしてなら、なんとなくまた聴きたくなる、そんな隠れBGM名盤と呼んでもいいようなアルバム、「Stories」(1994)。オーストラリア・シドニーを活躍の拠点とするピアノ・トリオ、「ビル・リスビー・トリオ/Bill Risby Trio」である。人にそれぞれにあるストーリー。そんなことを想起させ、スムース・ジャズと簡単に切って捨てられないような、透明で澄んだ音と静寂な余韻、抒情性がある。キャリアなど詳しいことは分からないが、「寺島レコード」から毎年年末にリリースされる「Jazz Bar」シリーズ、「Jazz Bar 2013」で取り上げられていたピアニストだと記憶している。録音は、1994年3月、シドニーにて。メンバーは、「Bill Risby(p)」、「クレイグ・スコット/Craig Scott(b)」、「サイモン・ベイカー/Simon Barker(ds)」。
  

 そのアルバムからの曲、「When Photogen Met Nycteris」。辞書によると、「Photogen」は「発光生物」、「Nycteris」は「闇夜」という意味らしいが、タイトルとしての意味がわからない。そこで、好奇心が頭をもたげ、ちょっと調べてみたら、「指輪物語」の作者の「J・R・R・トールキン/J. R. R. Tolkien」などにも大きな影響をあたえた「ファンタジーの父」と呼ばれるスコットランド出身の作家、「ジョージ・マクドナルド/George MacDonald(1835-1905)」の小説に関する「The History of Photgen and Nycteris:A Day and Night Mährchen/フォトジェンとニュクテリスの物語」(1879)という論文があった。
   

 あらすじはこう。魔女「ワトー/Watho」に城に呼び寄せられた、貴婦人と未亡人の二人の妊婦。未亡人は女の子を出産し、「ニュクテリス/Nycteris」と名づけられ、墓場に幽閉されて育つ。暗闇で育った彼女は、この世に太陽があることも知らなかった。一方、貴婦人は男の子を出産し、「フォトジェン/Photogen」と名づけられた。彼は太陽の光だけを浴びて育つ。林や森に行くことを禁じられ、太陽が落ちる前に眠りにつくように育てられ、この世に影があることも夜の闇があることも知らなかった。そんな二人が夜の闇で出会った ・・・。 (参照 ジョージ・マクドナルド『フォトジェンとニュクテリスの物語』――昼と夜のメルヘン解読――山田 敦子日本大学大学院総合社会情報研究科)
 
 「この小説なんだ、この曲は、この小説にインスパイアされたんだ」と合点がいった。私は、「J・R・R・トールキン」の本や映画はもちろん、かなりのファンタジー好き。しかし、「ジョージ・マクドナルド」は、全く知りませんでした。「曲のタイトルから、新しい世界の入口を発見することもあるんだ」と妙に納得。

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 The Day Boy and the Night Girl(The Romance of Photogen and Nycteris)
 George MacDonald
 Independently published









 その、きっかけとなった曲、「When Photogen Met Nycteris」を。
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 Stories
 Bill Risby
 CD Baby





      
「Bill Risby - When Photogen Met Nycteris」

          
   

 YOUTUBEで見つけた動画もアップします。アルバム、「Blue Azure」(2008)から、お馴染みの「Moon River」を。
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 Blue Azure
 Bill Risby
 CD Baby





      
「Moon River - Bill Risby」

          
   
   
   


by knakano0311 | 2019-07-23 00:19 | 音楽的生活

笑顔が一番

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 今日は月に一度の森のクラブ主催のイベントの日。すっきりしない天気だったが、なんとか雨は降らずに持ちこたえた。丘の駐車場は午前中にはもう満車で、空き待ちの車列ができるほどの来園者。目当ては「丘の流れ」での水遊び。
 

 さて、今日のイベントのメニューは、木工細工と手作りうどん。親子フクロウを作った男の子の得意満面な笑顔。家族で思い切り笑顔で粉を振って、捏ねて作った手打ちうどん。出来たのは、野菜いっぱいの、打ちたて、切りたて、湯がきたての夏カレーうどん。そんなイベントでの今日一番の笑顔のショット。
   

 さて、今宵に曲、月並みですが、「スマイル/Smile」。北欧デンマーク出身の「クラーラ・ヴースト/Clara Vuust」、アラスカ育ちだという「ヘイリー・ロレン/Halie Loren」、シンガポールで活躍、アジアの癒し姫「ジャシンサ(ジャシンタ)/Jacintha」、貫禄の大姉御「リン・スタンレー/Lyn Stanley」、4人の歌姫のそれぞれの味わいをお楽しみください。

 「Clara Vuust」、「Here's to Love」(2013)から。
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 Here's to Love
 Clara Vuust/クラーラ・ヴースト
 STORYVILLE RECORDS





      
「Smile - Clara Vuust」

          
   
「Halie Loren」、「Heart First」(2012)から。
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 Heart First
 ヘイリー・ロレン/Halie Loren
 Justin Time Records




        
「Halie Loren - Smile」

          
    
 「Jacintha」、「Lush Life」(2002)から。
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 Lush Life
 Jacintha/ジャシンサ
 Groove Note Records





        
「Jacintha - Smile」

          
     
 「Lyn Stanley」、「The Moonlight Sessions Volume 2」(2017)から。
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 Moonlight Sessions 2
 Lyn Stanley/リン・スタンレー
 CD Baby





        
「Smile - Lyn Stanley」

         

   
   
   


by knakano0311 | 2019-07-22 11:04 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)