「ローレン・ヘンダーソン/Lauren Henderson」。1986年 マサチューセッツ州生まれの39歳、いま絶頂期。カリブにルーツを持ち、マイアミとニューヨークを中心に活動を続けるヴォーカリスト。かの「寺島靖国」氏が、「近頃のベスト・フェイバリット」と絶賛した歌姫である。ラテンタッチで叙情的、ややダークで妖艶。「寺島好み」と言えよう。アルバムは「魔女」を意味する「La Bruja」(2022)から。同じアルバムに、元々のタイトルの別バージョン、「Veinte Años (feat. Nick Tannura)」、「Veinte Años II (feat. Nick Tannura)」も収録されている。
ベースとピアノのデュオも聴いてみましょう。当代きってのデュオの巨匠、ベースの「チャーリー・ヘイデン/Charlie Haden」が、これまたピアノの御大、「ケニー・バロン/Kenny Barron」と組んだデュオの名盤、「ナイト・イン・ザ・シティ/Night And The City」(1996年)である。かって、私も一度だけ訪れたことがあるブロードウェイ近くのジャズ・クラブ「イリジウム/Iridium」でのライブ盤である。クラブで録音された音を聴いているとは気づかないかもしれないほどの静かな緊張感。聴いているだけでマンハッタンの夜景が目の前に現れてくるようである。ニューヨークへの二人の想いが溢れ、とにかくバロンの宝石のようなピアノのタッチには魅了される。ベースとピアノ。この最小限の編成のユニットから紡ぎ出される音には、不必要な音やフレーズは一つもない。夜ふけに静かに耳を傾け、静かな緊張感と都市がもつ哀愁に浸るには最高の一枚であると思う。