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大屋地爵士のJAZZYな生活

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ばば讃歌

はやいもので、今年もほぼ三か月が過ぎようとしています。この間にDVDで立て続けに観た「じじばば映画」に、実際は「ばば映画」ですが、秀作がいくつかありました。テーマは「おひとりさまの老後と誇り」、そしてそれとは真反対のプライドをかなぐり捨てての「サバイバル」。女性の長寿時代を反映してか、なぜか主人公はいずれも女性。誇り高く懸命に生き抜いていく「ばあさん」たちを暖かい目で描いています。

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まずは、2007年のポーランド映画、「木洩れ日の家で」。女性監督「ドロタ・ケンジェジャフスカ」と、この映画の発表当時、なんと90歳を超えていたという主演女優「ダヌタ・シャフラルスカ」が紡ぐ物語。モノクロでありながら、光の温かみや影の美しさがみごとに伝わってくる映像。ワルシャワ郊外の緑に囲まれた木造の古い屋敷。その家で愛犬「フィラデルフィア」と静かに暮らす一人の女性「アニェラ」、91歳。年老いてなお美しく、そして誇り高く生きる彼女は、両親が建てたその家で生まれ、成長し、恋をし、夫と暮らし、一人息子「ヴィトゥシ」を育ててきた。「アニェラ」は今、さほど長くはない自らの余生と彼女が愛する家をどうするか考えていた。やがて彼女が下す人生最後の決断。彼女がただひとつだけ遺そうとしたものとは…。

木洩れ日の家で [DVD]

エプコット



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「ダン・アイアランド」監督の「クレアモントホテル」。英国の女流作家「エリザベス・テイラー」の晩年の小説が原作で2005年年製作のイギリス映画。あわただしい時代から取り残されたようなホテル、「クレアモント」。人生の終着点が近づいた人たちが集うこのホテルに、「パルフリー」夫人がやってきた。ロンドンの古い街角で出会った孤独な老婦人と青年のむつまじい交流の日々…。この3か月ではイチオシの佳作。

クレアモントホテル [DVD]

紀伊國屋書店



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そして、「ルイーサ」。アルゼンチン、ブエノスアイレスの街と地下鉄を舞台に、容赦ない現実の中で何とか必死に生きようとする女性を描く。ブエノスアイレスで猫の「ティノ」と暮らす「イーサ」は、夫と娘を失った過去を引きずりながらも、仕事を掛け持ちして生活している。ところがある朝、「ティノ」が死に、同じ日に仕事を解雇され…。その「ルイーサ」の峻烈なサバイバルに思わず共感、拍手。

『ないない尽くしの初老のおひとりさま。それでも大丈夫、と背中にそっと手を回してくれる。喪失を経験したおとなの映画。』とは「上野千鶴子」氏の評。

ルイーサ [DVD]

TOブックス



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そして日本映画から「デンデラ」。かって「楢山節考」で「姥捨山」の物語を描き、1983年のカンヌでグランプリを受賞した、「今村昌平」監督の息子である「天願大介」が監督。捨てられた老婆たちの「その後のサバイバル」を描いた物語。彼女たちは素直に死んでいくのではなく、逞しく生き抜き、あまつさえ自分を捨てた共同体に復讐しようとする。ただ復讐するという動機がよくわからなかった点が惜しまれる。しかし、雪山という過酷な環境の中で、ボロをまとい、老けメイクで撮影に挑んだ浅丘ルリ子、草笛光子らには女優魂には拍手。

デンデラ [DVD]

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「ばあさん映画ばかりのオンパレ、じいさんはどこへ行った?」と思ったら、こんな「じじい小説」のベストセラーがありました。「阪急電車」の著者「有川浩」の「三匹のおっさん」(文春文庫)。「還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか!」。 「じじいと呼ぶな、おっさんと呼べ」。粋な啖呵を切るのは、定年を迎えて一念発起した剣道の達人・キヨ、経営する居酒屋も息子に任せられるようになってきた柔道の達人・シゲ、遅くできた一人娘を溺愛する町工場経営者で機械をいじらせたら右に出るものナシの頭脳派・ノリの3人。かつての悪ガキ三人組が結成した自警団が、痴漢、詐欺、動物虐待などご町内にはびこる悪を成敗!いや痛快なお話。

三匹のおっさん (文春文庫)

有川 浩 / 文藝春秋



バブル崩壊期の1994年8月31日、当時の東京本社に出張した折、最寄駅のJR田町駅に、派手派手しいボディコン姿の女性たちの大群がたむろしていた。「何か?」と思ったが、夜のニュースでそれは判明した。「ジュリアナ東京」の閉店の日であったのだ。そんなバブル時代を象徴したヒット曲が、「グロリア・ゲイナー/Gloria Gaynor」の「恋のサバイバル/I Will Survive」 。私はバブルの後始末にまわった世代。バブルの再来は決して望まないが、あの狂おしいばかりの熱気や活気はどこへ行ってしまったのだろうか?日本のサバイバルのために今こそ必要と思うのだが ・・・。

I Will Survive: the Very Best of Gloria Gaynor

Gloria Gaynor / Polydor



ライブの観客のほとんどが、かってのディスコでブイブイ言わせたと思しきシニア間近の世代というのも少し哀しい。しかし元気が出ますね、この歌は ・・・。

「♪ ・・・ さあ出て行ってよ。いますぐそのドアから出て行ってよ!アンタなんかに頼らないで生き抜いていって見せるわ ・・・ ♪」

「Gloria Gaynor - I Will Survive (Live) 」

         

    
 
by knakano0311 | 2012-03-24 09:55 | シネマな生活 | Trackback | Comments(2)

夏に観たい「じじばば」映画 ~八月の鯨~

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いやあ暑いですね。こんな日は外出はせずに、エアコンの効いた部屋で映画でも観ようか考えておいでのじじばばの皆さんにオススメの映画があります。おっと何故かDVD化がされてませんので、運がよければTSUTAYAあたりにVHSであるかもしれません。わたしは昔TVからVTRに録画してあったものを見ていますが ・・・。

その映画は、「八月の鯨/The Whales of August 」。「リンゼイ・アンダースン/Lindsay Anderson」監督による1987年公開のアメリカ映画である。主演は「リリアン・ギッシュ/Lillian Gish」、「ベティ・デイビス/Bette Davis」という往年のハリウッド大スター。アメリカ・メイン州の小さな島で暮らす老姉妹の夏の日々を淡々と描く傑作である。撮影当時、「リリアン・ギッシュ」は93歳、「ベティ・デイビス」は79歳であったというから驚き。

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サラ(リリアン・ギッシュ)とリビー(ベティ・デイビス)の老姉妹は60年来、夏になると海辺の小さな島にあるサラの別荘にやって来る。老いても少女のように無邪気で社交的な妹サラに比べ、目の不自由な姉リビーは人間嫌いで毒舌家と対照的な二人。 リビーは、第1次世界大戦でサラの夫が死んだ時、彼女の面倒をみた。しかしリビーは病のため目が不自由になり、今はサラが2人の人生の責任を持つようになる。リビーはだんだんわがままで言葉に棘を持つようになり、他人に依存しなければ生きてゆけない自分に腹を立てていた。 ・・・

物語的には大きな事件も無いが、人生の黄昏を迎えた老姉妹と二人を取り巻く男女のささやかな日常を、老いることへの心理描写も含め、キメ細やかに描き出したドラマ。タイトルの「八月の鯨」とは、毎年2人が別荘を訪れる時期に鯨が水平線に姿を現すらしいという、映画の中で交わされる会話からのもので、「まだ実際この目で見たことはないけれど、今年こそはと楽しみにしているの」というサラの言葉に、このタイトルが、明日への希望や夢の象徴として捉えられていることが分かる。

何にもまして素晴らしいのは、その自然な二人の演技。80歳、90歳の女優の演技とは思えない。しかも、妹サラを演じた「リリアン・ギッシュ」の方が、「ベティ・デイビス」より一回りも年上だなんて ・・・ 。人生の黄昏時にあっても、なお生きる希望や夢、強さを失わず、前向きに生きていくことの素晴らしさを、しみじみ感じさせてくれる傑作。DVD化がなされることが本当に望まれる作品。

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八月の鯨(字幕版) [VHS]

ビクターエンタテインメント





イタリア語で「夏」という意味の「エスターテ/estate」というボサノバの美しい曲がある。多くのアーティスト達にカバーされているが、「夏」のいう言葉の響きの裏側にある哀愁、秋への予感を感じさせる名曲で私の好きな曲の一つ。

説明不要。「ボサノバの法皇」と呼ばれた「ジョアン・ジルベルト/Joao Gilberto」。「Amoroso」と「Brasil」の二枚がカップリングされている。法皇がギターと共に語り、聴かせる、ボサノバの真髄。

Amoroso & Brasil

Joao Gilberto / Warner Bros / Wea



「ファブリチオ・ボッソ/Fabrizio Bosso」。イタリアの若き名手である。古くは、「ニニ・ロッソ」、最近では「ドミニック・ファリナッチ」と、イタリア人には、トランペットの名手が多い。忙しくて暑かった夏の一日の終わりに、ビール片手に聴くのにオススメの一枚。

ニュー・シネマ・パラダイス

ファブリッツィオ・ボッソ / EMIミュージック・ジャパン



「マリエール・コーマンwith ヨス・ヴァン・ビースト・トリオ/Marielle Koeman With Jos Van Beest Trio」。 このブログで何度もとりあげている彼ら夫妻の作品はヨーロッパの知られざるJazzの名盤を発掘することで有名な浪花のJAZZ工房、「澤野工房」からリリースされているアルバムである。
「エスターテ」は、「From The Heart」に収録されているトリオだけの曲だが、いつ聴いても、奇をてらうようなアレンジも超絶的な技巧もなく、甘くなりすぎることもない、さらっとしたさわやかな気持ちよさを味わえる佳作。特にこの「Estate」は、今まで聴いた数ある「Estate」のなかで一番美しいピアノではないかと思う。

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FROM THE HEART  マリエル・コーマン&ヨス・ヴァン・ビースト・トリオ 澤野工房


聴いてみます? 「ジョアン・ジルベルト」の「夏(エスターテ)」。

          

  
by knakano0311 | 2010-07-25 09:41 | シネマな生活 | Trackback | Comments(0)

笑えない話  ~ 映画・人生に乾杯! ~

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じじばば映画の佳作をDVDで観た。年金にはもう頼れなくなった老夫婦が、幸せをつかみ取るために強盗をかさね、その逃避行を描いたハンガリー映画である。ハンガリーで熱い支持を集めたというコミカルでハート・ウォーミングなストーリーの快作。邦題はややベタ過ぎる感があるが、「ガーボル・ロホニ」監督の「人生に乾杯!/Konyec」(2009年日本公開)。

かって運命的な出会いを経て結婚し、今や81歳となった腰痛持ちの夫エミル(エミル・ケレシュ)と、インシュリンが欠かせない70歳の妻ヘディ(テリ・フェルディ)の老夫婦。恋していた頃のことなどはもうすっかり忘れた二人は、年金だけでは暮らしていけず、借金取りに追われる毎日。出会いのきっかけだった思い出のダイヤのイヤリングも借金のカタに取られてしまう始末。高齢者に冷たい世の中に怒りを覚えたエミルは、イヤリングを奪い返すために持病の腰痛を押し、かって共産党幹部の運転手をしていたときの愛車で、ずっと手入れをしていた馬力だけは負けない愛車「チャイカ」を20年ぶりに飛ばし、手に愛銃「トカレフ」を握って、紳士的強盗を重ねていく。一度は警察に協力したヘディだが、奮闘する夫の姿にかつての愛しい気持ちを思い出し、手を取り合って逃げる決心をする。二人の逃避行は、やがて民衆をも巻き込んで、思いもかけない展開に ・・・ 。「ただ息子の墓詣でと海が見たかった」と言い残して警官隊の包囲網に突っ込んでいくラスト・シーン。だが ・・・ 。

じじばば版「俺たちに明日はない」、「テルマ&ルイーズ」のような作品であるが、ソ連共産主義崩壊後のハンガリーの現状に疑問を投げかけるとともに、現在の東欧諸国の実態の一端が垣間見える。この映画はハンガリーだけでなく、旧共産圏東欧諸国で多くの支持や共感を得たという。解決すべき社会問題を浮き彫りにしながら、心温まるストーリーを展開するこの佳作は、現代の日本に通じるテーマ。心温まる一方で、とても笑い話ではすまされない話でもある。日本でも近い将来こんな老夫婦が出てこないとは言えないのだ。

人生に乾杯! [DVD]

東宝



ハンガリー出身のJAZZピアニストといえば「ロバート・ラカトシュ」。澤野工房の最近の収穫であり、いまやレーベルを代表するピアニストとなった。相撲取りのような体格でありながら、そのシャイな人柄と繊細な指先から紡ぎだされる調べは、美メロでありながら、一本しっかりした筋が通っている。「So In Love」、「Allemande」、「Zingaro」など美メロ満載のアルバム。

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So In Love /Robert Lakatos  澤野工房
 
 
  
 
 



 
by knakano0311 | 2010-05-23 09:40 | シネマな生活 | Trackback | Comments(0)

こんなふうに老いたいなぁ・・・ ~最近感動のじじばば映画~

最近感動した「じじばば」映画3作のレポートを・・・。

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最初は、『ミリオンダラー・ベイビー』以来、4年ぶりに「クリント・イーストウッド」が監督・主演を務めた人間ドラマ「グラン・トリノ」。これも面白かったが、監督のみの作品「チェンジリング」に引き続き公開された話題作。

朝鮮戦争に従軍し、過酷な経験を持つ気難しい主人公が、近所に引っ越してきたアジア系移民一家との交流を通して、自身の偏見に直面し葛藤する姿を描く。アメリカに暮らす少数民族を見つめる温かなまなざしと、いまだに気骨を失わないアメリカの男の感動物語。

妻に先立たれ、息子たちともその頑固さの故、折り合いが悪い元軍人のウォルト(クリント・イーストウッド)は、フォードの自動車工の仕事を引退して以来、単調な生活を送っていた。そんなある日、自慢の愛車「グラン・トリノ」が盗まれそうになったことをきっかけに、隣に引っ越してきたアジア系移民の、自己主張が苦手な少年タオと知り合う。やがて二人の間に芽生えた友情は、一家を襲う理不尽な暴力へと立ち向かっていく。イーストウッド演じる主人公と友情を育む少年タオにふんした「ビー・ヴァン」、彼の姉役の「アニー・ハー」などほとんど無名の役者を起用。この辺のキャスティングが実に上手いのだ。フォードの熟練工としてアメリカを支えてきた誇り、気骨、職人魂。今それらを失ってしまったアメリカの凋落、金融経済界の堕落に重なる。過去のアメリカの気骨を象徴したような、この骨太の男のラストシーンに涙を禁じえなかった。異なる価値観や文化を共有しつつも、アメリカの気骨を復活させようというイーストウッドのメッセージにも聞こえた。自らの出演作では「男の肖像」を演じつづける「クリント・イーストウッド」の圧倒的な存在感、演技、脚本、演出。どれをとっても当代随一の映画人といって差し支えない。そして、今年の「じじい」映画に流れるテーマ、「男はエレジー」をこの映画にも感じてしまった。

ラストに流れるエンディング・テーマ曲は、無類のJAZZファンで自らもピアノを弾くイーストウッドのお気に入りなんでしょう、今では希少の男性JAZZボーカル「ジェイミー・カラム/Jamie Cullum」がピアノの弾き語りで歌う「グラン・トリノ/Gran Torino」。(ここをクリックするとエンディング曲が観られるHPへジャンプ

【追記・註】音楽はベーシストの息子のカイル・イーストウッドが担当。

弱冠20歳という若さで異色な存在感を放つ、イギリス発の男性ジャズ・シンガー「ジェイミー・カラム」の2003年、デビュー作「Twenty Something」。スタンダードに加え、「ジミ・ヘンドリックス」、「ジェフ・バックリィ」などのカバーも含む全14曲をピアノの弾き語りにより、多彩な表情で聴かせてくれる。ジャケットでも分かるように、ちょっとワイルドだが童顔。しかしその歌声は独特の太いかすれた歌声で対照的。ピアノもうまく、「ダイアナ・クラール」などに対抗できる男性歌手として、これから大きな期待がもてそう。

Twenty Something

ジェイミー・カラム / ユニバーサルミュージック



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2作目は見た人に勇気を与え、ほのぼのとした暖かい印象残す、「ばば」映画「マルタのやさしい刺繍」。

スイスの谷間の小さな村を舞台に、80歳のおばあちゃんたちがランジェリー・ショップを開くために奮闘する様を描いた人間ドラマ。閉鎖的な村人の冷たい視線や家族の反対を浴びながらも、マルタおばあちゃんと3人の女友だちが、老いてもなお生きがいを見つけ出していく。
夫の死により打ちひしがれたマルタ(シュテファニー・グラーザー)。そんな中、村の男声合唱団の新しい団旗を、仕立て屋だったマルタが作ることに。生地店で美しい生地を見ているうちに、お針子としての昔のプライドを取り戻し、かっての夢であったランジェリー・ショップを開くことを思いつく。
スイス気鋭の女性監督ベティナ・オベルリとスイスを代表する大御所女優たちがコラボレートし、年を重ねることや夢を追うことがそう悪いものではないということを教えてくれる。80才のおばあちゃんが「ランジェリー・ショップを開く」のが夢というストーリーがいい。 おばあちゃんたちひとりひとりの個性が丁寧に描かれていて、おとぎ話と感じさせないし、ユーモアもたっぷり、心温まる素敵な「ばば」映画である。

マルタのやさしい刺繍 [DVD]

CCRE



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3作目は、感動の「じじばば」ドキュメンタリー映画「ヤング@ハート」。(なんと!ドキュメンタリー=記録映画ですよ)
アメリカの老人ホームを舞台にデイ・サービスを利用する平均年齢80歳のお年寄り達で結成されたロックンロール・コーラス隊「ヤング@ハート」の活動を追った音楽ドキュメンタリーである。年に1度のコンサートに向けて、「ジェームズ・ブラウン」や「ボブ・ディラン」、「ソニック・ユース」の曲を練習するメンバーたちの7週間の様子を、ドキュメンタリー作家として活躍するスティーヴン・ウォーカー監督が映し出す。自らの老いや病を見つめ、また仲間の死に直面しながら、日々を生きる老人達が、自分の世界を広げたいからと、歌った事のないパンクやロックに挑戦する姿には本当に感動する。
説明不要!、解説不要!!「生きることは歌うこと、歌うことは生きること」。これぞまさしく「音楽のチカラ」。

「ヤング@ハート 予告編」

          

最近待望のDVDが出ました。音楽ファンの「じじばば」は必見ですぞ!!

ヤング@ハート [DVD]

ポニーキャニオン



コンサートを目の前にしてボブを病気でなくし、ボブと二人で歌うはずだった歌を、本番のステージで、酸素吸入器を傍らに一人で静かに歌いだすフレッド。「♪ ベストを尽くしたと思ったが、上手くいかなかった時/手に入れたいと思っていたものが必要でなかった時/疲れているのに眠れないとき/そんな時は逆風の中に立つ気分 ・・・・・ /この手で君を癒してあげよう ♪」。その心に沁みてくるバラードは21世紀最大のロック・バンドといわれる「コールドプレイ/FIX YOU」。オリジナルが収録されているアルバムは「X&Y」。

X&Y

コールドプレイ / EMIミュージック・ジャパン



注)もちろん映画のオリジナル・サウンドトラックもリリースされています。

ヤング@ハート−オリジナル・サウンドトラック(ライヴCD付2枚組)

サントラ / Warner Music Japan =music=



「Fix You- Young@Heart」  ← リクエストによる埋め込み無効のためクリックして御覧ください。
by knakano0311 | 2009-05-23 14:35 | シネマな生活 | Trackback | Comments(0)

映画の想像力(3)  ~今年イチオシのじじばば映画~

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夏休み?に観た映画から、今年イチオシの「じじばば映画」を。

今から数年前、北アイルランドのラジオからちょっと変わったニュースが流れた。ベルファストの丘で指輪が見つかったという。それは50年以上も前にその丘に墜落死した米軍の航空兵の結婚指輪だったのだ。その指輪はどんな運命を辿ってきたのか?誰の元へ帰るのか?このニュースにそんな想像力と創作意欲をゆすぶられ、ラブストーリーを書き上げた脚本家、ピーター・ウッドワードがいた。

そして、イギリスの誇る名優でかつ名監督、リチャード・アッテンボロー監督が映画化、「あの日の指輪を待つきみへ (原題;Closing The Ring)」。リチャード・アッテンボローといえば監督ではアカデミー賞受賞の「ガンジー」、「コーラス・ライン」、俳優では、かっては「大脱走」でリーダーのイギリス人将校役、最近では、「ジェラシック・パーク」の実業家オーナー役といえばお分かりだろうか・・・・。

前回、「西の魔女が死んだ」でサチ・パーカーのことを激賞したが、蛙の子は蛙、彼女の母親である「シャーリー・マックレーン」主演の半世紀、米英を結ぶ第2次世界大戦の実話から生まれた感動のラブ・ストーリー。そして、じじ役は「クリストファ・プラマー」の2大名優。

アメリカに暮し、夫・チャックを亡くしたばかりのエセル・アン(シャーリー・マックレーン)のもとに、ある日突然、IRAのテロ厳戒体制下のイギリス・北アイルランドからの一つの報せが届く。エセルの名前が刻まれた金の指輪が、ベルファストの丘で発見されたのだ。夫を亡くしても悲嘆にくれないことを娘のマリーに責められ、「私の人生は21歳で終わったのよ。今さら何を嘆くの?」とエセルは、涙ひとつ見せない。マリーは両親と青春の日々を共にしたジャック(クリストファ・プラマー)にその言葉の意味を尋ねるが、彼は瞳に悲しみをたたえるだけで、詮索するなと何も語らない。なぜ、指輪はアイルランドに埋もれていたのか?指輪に刻まれていたもう一つの名前「テディ」とは誰で、今どこにいるのか―?指輪を見つけた青年が、はるばるアイルランドからエセルの家を訪ねてきた時、遂にエセルは決意する。50年前に封印した、運命の愛に向き合うことを。今、2つの時代、2つの国を結ぶ、壮大な愛の旅が始まった。そして運命に導かれてテロに揺れるベルファストに当時の関係者が集まったときに、真相が明らかになるとともに、あたらしい人生の真実も誕生する。

2大名優の抑制されたまさに名演技。若きエセル役のミーシャ・バートンの瑞々しさ。過去・現在と画面は激しく行き来するが、決してストーリーの流れを阻害したり、違和感を感じさせないアッテンボローの演出と脚本。そして最後には、戦争の残酷さ、愛の喪失と哀しみ、人生の封印、新しい愛の発見。運命の愛は一度きりではないという、人生の素晴らしさを描いた深い感動に包まれる。原題は「Closing The Ring」。もちろん結婚指輪にかけているのであるが、人生が、愛が、想いの環が完結するという、もう一つの深い意味も表わしている。CG全盛で時代、場所を越えて何でも映像化できる時代にあっても、このストーリーこそまさに映画の想像力・・・。今年私がイチオシの映画。

エンディングに流れる感動的な熱唱は、エイミー・ピアソン歌う「Lost Without Your Love」。まだ日本盤未発売であるが、輸入盤では出ているようだ。

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Amy Pearson/Who I Am






随所に出てくる音楽は、第2次大戦秘話ということもあって「グレン・ミラー」サウンドの数々が流れる。デヴィッド・マシューズ率いる「マンハッタン・ジャズ・オーケストラ」からスイング・ジャズ時代のレトロな薫りのする一枚。

イン・ザ・ムード~プレイズ・グレン・ミラー~
マンハッタン・ジャズ・オーケストラ / / インディーズ・メーカー
ISBN : B000VOSUFW
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by knakano0311 | 2008-08-12 18:50 | シネマな生活 | Trackback(2) | Comments(0)

じじばば 映画傑作選    ~ 今回だけ?のシネマな生活~ 

このところ、「海外のシニア覚え書」みたいなシリーズのなかで、じじばば映画の紹介を続けてきましたが、いっそ、じじばば映画の傑作をまとめて紹介してしまおうかと思います。
ごめんなさい!。今回は、「シネマな生活」にタイトルを変えたほうがいいかもしれませんね。

まず、ドラマ編。最初は「八月の鯨」。かなり昔にTVで放映され、その後探してみましたが、DVD化はまだされてないみたいで、ビデオ、それも吹き替え版のみが出ている。わたしはTVから録画したものしかありませんが。DVD化が望まれます。(追記;どうやらDVD化されたようです)

リビーとセーラの老姉妹は毎年夏になると、メイン州の岬のこじんまりとした別荘で夏を過ごす。二人が少女のころには、鯨がやってくるのが、岬からよく見えた。姉のリビーは、目が不自由になってからというもの、気むずかしく、わがままな性格になってしまった。しかし、妹のセーラは姉をいたわりながら、かいがいしく身の回りの世話をしている…生きていくことの意味を問いかけながら、ハリウッド黄金時代の二大女優、「ベディ・ディヴィス」、 「リリアン・ギッシュ」の迫真の演技が、静かな感動を呼ぶ、「リンゼイ・アンダーソン」監督の名編。

八月の鯨(吹替版)
/ ビクターエンタテインメント
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八月の鯨 [DVD]

パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン




「A.i.」の名子役「ハーレイ・ジョエル・オスメント」と、「マイケル・ケイン」、「ロバート・デュバル」という老名優が共演したハートウォーミングなドラマ「ウォルター少年と、夏の休日」。父のいない14歳のウォルター少年が、ひと夏の間、母の親類である老兄弟の家に預けられる。デュバル演ずる兄、ケイン演ずる弟によって、閉ざされていた少年の心が、次第に開いていく。そして別れのときがくるが・・・・。老俳優ふたりが、「こんな風に年をとりたい」と思わせる、いぶし銀の名演技を見せる。

ウォルター少年と、夏の休日 コレクターズ・エディション [DVD]

ポニーキャニオン




やっとDVD化がかなった、アカデミー賞作品賞ほか4部門を受賞したあまり知られていない、地味な名作。これが遺作となった、「ジェシカ・タンディ」扮する白人の老女と初老のベテラン黒人運転手との25年の心の交流を描くヒューマンドラマ。彼女はこの作品でアカデミー賞を受賞しました。大事故を起こしかけた、母・デイジーの身を案じた息子のブーリーは、運転をやめさせ、母親づきの運転手を雇うことにするが…。運転手には、アカデミー賞俳優「モーガン・フリーマン」 。
「老いる」ということの哀しさと「老いる」がゆえに得られる心の豊かさとはどのようなものなのかをしみじみと考えさせてくれる作品です。


ドライビングMissデイジー デラックス版
ジェシカ・タンディ / / ジェネオン エンタテインメント
ISBN : B000J4P070
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70歳になった老人は、子に背負われて楢山に捨てられなければならない。いわゆる「姥捨て山伝説」。山奥の村の掟に従い、喜んでお迎えをまとうとする信心深い母と、哀しみとともに母を山へ連れていく息子。2人の姿を通し、自然への畏怖や、掟を受け入れざるを得ない人間の業や宿命といったものを、深沢七郎の原作をもとに描いた、今村昌平監督の名作。ラテン歌手から女優に転じた坂本スミ子の名演技が圧倒。
感動の名作には違いないが、先の米国映画3作に比べいかにも暗い。老いに対する日本人の価値観の違いか。

楢山節考
緒形拳 / / 東映
ISBN : B000066AEQ
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次は、アクション編。
天藤真のベストセラーを映画化した、岡本喜八監督1991年作品。晩年の喜八作品の中では傑作との評価が高い。
刑務所を出所した正義と平太、健次の三人組は紀州一の山林王・柳川とし子刀自を誘拐し、身代金5000万円を家族に請求しようとする。ところが刀自は身代金を100億円にすべく主張。かくして世界が注目する身代金の受け渡しだが、そこには刀自の賢い、したたかな計算が隠されていた。老婆誘拐事件がコメディ・タッチで描かれた作品だが、「北林谷栄」扮する、誘拐される刀自の巧みな演技が最高で、この映画の誘拐という深刻な側面を、コメディタッチな作風に感じさせてしまう最重要なキャラを見事に演じている。「こんなおばあちゃん最高!」と皆さん思いますよ。

大誘拐 RAINBOW KIDS
北林谷栄 / / 東宝
ISBN : B000CFWN6M
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「太田蘭三」原作の同名ミステリーを「犬童一心監督」が映画化。高級老人ホームで悠々自適な日々を過ごしていた老人たちは、死んだ仲間が記していた「死に花」なるノートを発見。そこには、穴を掘って、銀行から17億円を強奪する計画が記されていた。その銀行が、かつて仲間のひとりを理不尽にリストラした銀行であったことも手伝い、老人たちはこの計画を実行しようと決意するが…。ボケる寸前の頭脳を駆使して、計画を作り、ガタガタの身体を駆使して、銀行までのトンネルを掘っていくじいさん達に共感。バイアグラ使ってまでナンパしたり、介護のお姉さんにセクハラしたり、おおボケの爺さんなど個性豊かな爺キャラがほんとに笑える。
これを演ずる俳優陣が凄い。山崎努、故・青島幸男、谷 啓、長門勇、故・藤岡琢也、宇津井健・・・・・。もう故人になってしまった人もいるが、公開当時平均年齢73歳のダテに年はとっていないベテランの役者たちが、完全犯罪を目指す金庫破りに命を燃やす男たちに扮する。これだけでもぞくぞくしてしまうが、金だけが目的の犯罪ではないが、ラストは、「老い」からはどうしても逃れられないことをやっぱり認識してしまう「落ち」になってます。


死に花
山崎努 / / アミューズソフトエンタテインメント
ISBN : B0002UOR6G
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次はアメリカ版「死に花」といえる「スペース カウボーイ 」。咲かせるターゲットは、宇宙。その昔、「猿」に宇宙飛行の栄誉を奪われた元・宇宙飛行士たちのチームが、地球に危機をもたらす衛星システムの修理に挑むため、チームが再結成される。監督兼主演の「クリント・イーストウッド」のほか、「トミー・リー・ジョーンズ」、「ドナルド・サザーランド」、「ジェームズ・ガーナー」 などこちらもベテラン老優が大活躍。ラストシーンの挿入歌は「Fly Me To The Moon」と「落ち」にぴったりの歌で粋。

スペース カウボーイ 特別版
クリント・イーストウッド / / ワーナー・ホーム・ビデオ
ISBN : B000HCPVGY
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最後に、私の大好きな「じじばば」映画を!
「ヘンリー・フォンダ」、「キャサリン・ヘップバーン」の晩年の代表作であり、ふたりに、アカデミー主演賞をもたらした「マーク・ライデル監督」の名作「黄昏」。「ヘンリー・フォンダ」にとっては、これが遺作となった。ストーリーは、毎年、老夫婦が夏を過ごすニューイングランドの別荘に、彼らの娘一家が訪ねて来る。疎遠だった娘とは心が通じ合わない父だが、孫の存在によって親としての愛情を甦らせる。娘を演じるのは、ヘンリーの実の娘「ジェーン・フォンダ」。私生活でも、実父、「ヘンリー・フォンダ」と、ぎくしゃくしていたという。もうあまり時間の残されていない実父ヘンリーのために本作を企画、和解のきっかけとしたという。そのエピソードが本作をいっそう奥深い作品にしている。

黄昏
ヘンリー・フォンダ / / ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
ISBN : B000HT2MQY
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このように、年輪を経てきた「じじばば」を題材にしてこそ、アクションであれ、サスペンスであれ、コメディであれ、ドラマであれ、深い感動や示唆に富む映画もできるというもの・・・。

ざっと思いつくままあげてみたが、まだこの「じじばば映画」の分野は、テーマやストーリー、マーケティングに開拓の余地が多分に残されていると思うし、これからも続々この年代にターゲットをあてた映画が出てきますよ。楽しみがまた増えますな!

朝日新聞の選んだ年間ベストテンを再上映する「2007朝日ベストテン映画祭」。連日、シニアのお客さんで一杯でした。
by knakano0311 | 2007-02-04 01:16 | シネマな生活 | Trackback | Comments(0)