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大屋地爵士のJAZZYな生活

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我が青春のジャズ・グラフィティ(1)  ~一冊のスコアブック~

我が青春のジャズ・グラフィティ(1)  ~一冊のスコアブック~_b0102572_1431233.jpg
年末に部屋を整理していたら、古いスコアブックが出てきました。40年ぐらい前のものでしょうか。たしか就職して、職場のバンドに加わってギターを弾いていた頃に買い求めたものです。プロのミュージシャン向けだと思いますが、出版社や著者などの記載が一切無く、殆どが手書きのスコアを印刷した手作り出版みたいなもので、500曲くらいのJAZZのスタンダード曲がぎっしりつまった、それはバイブルみたいなスコアブックです。当時JAZZのスコアブックなど殆ど出版されていなくて、初任給3万円の頃、確か千円ぐらいしたのではなかったのでしょうか。スコアを眺めているうちに、青春時代に聴いたいくつかのJAZZとそれをめぐるシーンや思い出が脳裏に甦ってきました。

このブログで「JAZZの巨匠」、「JAZZ史に残る名盤・名演」などといわれるミュージシャンやアルバムをあまり紹介してこなかったことに読者でお気づきの方もいるかもしれません。それには理由がいくつかあります。

その一つ目は、コンテンポラリーな、いま息づいている「旬」のミュージシャンの演奏を聴いていたいと思っている事。
二つ目は、ある時期から、襟を正して聴くジャズが苦手で、特に「○○の巨匠」、「孤高の・・・」などという冠がつくとそれだけで聴く気が萎えてしまうのです。その点で、私は「リアル・ジャズ・ファン」ではないといっていい。若い時代にジャズ喫茶、この「ジャズ喫茶」なるものは、日本独特のもので外国でその類を見たことがないのだが、そこでの体験の影響が大きいかもしれない。 

三つ目は、自分の稼ぎでアルバムやオーディオ装置を買えるようになってからは、「ジャズ喫茶」のような「聴く作法」を要求される非日常的JAZZ空間がちょっと窮屈になって、日常生活のシーンの中で普通に、カジュアルに聴くジャズ、JAZZYな音楽に徹してきたといえる。最近はそれが「ピアノトリオ」と「女性ボーカル」に収斂されてきています。自分でいうのも変ですが私は、「JAZZは人生のBGM」と公言してはばからない「軟弱ジャズ・ファン」といっていいでしょう。

しかし、同じ年齢のハードボイルド作家である「原尞(はら りょう)」氏の自伝的エッセイ「ミステリオーソ」 「(読むJAZZ(6) ~ジャズ・ピアニストのハードボイルド~)参照」 をよんで、ジャズ喫茶のあの時代があるから今の自分がある、いちど記憶をたどって整理してみようと思い始めた。
題して「我が青春のジャズ・グラフィティ」。

たぶんシニアの読者の皆さんは、若かりしころ、一度くらいJAZZを耳にしたり、JAZZ喫茶などに足を踏み入れたことがあるでしょう。もう一度JAZZを聴いてみようかなと思っている、そんな方々には、最近各レーベルからJAZZ入門編やベスト盤、なつかしのJAZZエイジ編としていくつかのアルバムが出ているのでそんなアルバムを聴いてみるのをJAZZをもう一度聴くきっかけにしてもいいかもしれない。

ところでNHKで放映している「美の壺」という番組があるのをご存知でしょうか?『美の壷』は、有数のJAZZトロンボーン奏者でもある「谷啓」がナビゲーターを務める美術番組で、テーマは「くらしの中の美」。古伊万里や盆栽、アールヌーボーの器など、人の暮らしを彩ってきた美のアイテムを取り上げ、選び方・鑑賞法を、いくつかの「ツボ」に絞ってわかりやすく解説している番組です。目指すは実際に使える「美術の鑑賞マニュアル」。早朝か深夜の放送(たとえば、1月8日木曜日 翌日午前0:45~翌日午前1:10 教育/デジタル教育1 「美の壺「絵馬」」、1月10日土曜日 午前5:15~午前5:40 総合/デジタル総合 「美の壺「絵馬」」)ですのリアルタイムで見るのは少ししんどいのですが、日本の伝統美を鑑賞するツボを身に着ける絶好の番組だと思います。もちろん焼き物ばかりでなく最近は、「文房具」、「蔵」、「かるた」、「錦鯉」、「釣り鐘」、「江戸の古地図」などにジャンルが拡がっています。この番組のオープニング、BGMによく流れている曲がJAZZなのです。日本の伝統美、古典とJAZZの相性がこんなにいいものかとびっくりします。


第1弾『NHK「美の壺」ブルーノート・コレクション』は、オープニング・ナンバー「モーニン」をはじめ、番組で使用された名曲を名門レーベル「ブルーノート」のオリジナル音源で厳選収録し、ロングセラー中で6千枚超のヒットだそうだ。

NHK「美の壺」ブルーノート・コレクション

オムニバス / EMIミュージック・ジャパン



第2弾は、「ブルーノート・バラードコレクション」。番組のオープニング・ナンバー「モーニン」と、番組で使用されたブルーノート・レーベルから、ジョン・コルトレーン、マイルス・デイビス、セロニアス・モンク・・・・番組の雰囲気を決める、美しく印象的なジャズバラードの名曲を選曲。

NHK「美の壺」withブルーノート~バラード・コレクション~

オムニバス / EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)



リスナーのレビューを読むと、この番組がきっかけとなってJAZZを聴いてみようと思った人も多いようです。
by knakano0311 | 2009-01-06 23:17 | 我が青春のジャズ・グラフィティ | Trackback | Comments(0)

JAZZY生活白書2008  ~マーケッターとしてのシニア考(14)~

「寿命は引き算、楽しみは足し算」。定年後はそんな感じで日々を送っていますが、そんな「わが楽しみ」の今年の総決算をしてみたいと思います。(12月26日現在時点で)

・まず、ほぼ日課として定着したこの「JAZZYブログ」ですが、本稿を含めて今年132本(開始からの総数では372本)の駄文を書き連ねました。付き合っていただいている読者の皆さんには本当に感謝いたします。ある読者からの知らせですが、驚いたことにexciteブログの団塊世代ブロガーの部で、アクセス数No1だったそうです。来年もよろしくお付き合いください。

・健康、ダイエットということで、定年後からはじめた「夫婦楽しみウォーキング」は205日を数えました。大体50分~1時間ほど、4~5kmくらいでしょうか。従って800~1,000km位(Waooo~~~!)歩いたことになります。歩き始めてから15kgもやせて、その体重を維持できていますので、ダイエットの効果もめでたく得られたということになります。そして、さらに週1日のGym通いを続けていますが、こちらは年間41日でした。

・定年後、劇的に増え、またそれが大きな楽しみとなった「シネマな生活」は、映画館へ足を運んだ回数は、26回、DVDによる映画鑑賞は50本(旧作を含む)にのぼっています。夫婦で2,000円。この企画に本当に感謝しています。 

・これまた、定年後に増えた楽しみの一つですが、「アートな時間」。コンサートは4回、芝居は2回、展覧会5回というライブや本物の芸術に直に触れた感動の回数です。コンサートや芝居の料金の高さが何とかなれば、もっと足を運ぶと思いますが・・・。

・そして本、CDなどは、カウントしていないから数はわかりませんが、聴いたCDは相当な数で、TSUTAYAさんなどにはずいぶん通いましたね。子供達が全部家を出たので、やっと自分の部屋が持て、特に音楽環境は相当改善されそうです。やはりCDの値段の高いことを考えると気楽にはとても買えません。当分TSUTAYAさんが頼りになります。また音楽ダウンロードが「違法化」というNEWSもあり、この問題は少し考えてみたいと思います。

・温暖化防止、CO2排出防止に抵抗したわけではないですが、「気まぐれドライブ」。足の向くまま気の向くまま、ずいぶんハシっていろんなところにいきましたね。帰省も含めてですが、約12,500km走っています。行動半径に比例して世界も拡がりました。

・そして、私にとってこれからますます大事になる「地域に根ざした暮らし」ですが、地域の行事、ボランティア活動への参加は20日ほどでした。これからもっと多くしていかなければならない活動です。

・生活の糧という面もあるが、定年で責任や権限など肩の荷がなくなって、むしろリアルタイムで経済社会とかかわり、刺激を受ける楽しみとなった「仕事」ですが、138日の労働日。これはもう「ちょこっと仕事」の域を超えていますね。これ以上増やさないようにしないと、他が出来なくなりますね。

以上、大雑把に総括してみましたが、最後の2項を除いて、いずれも「お金」の裏づけが必要な活動です。特にドライブに関しては、高速料金、高騰したガソリンで今年は一番お金がかかった楽しみだったと思います。来年は全体を通して、もっと智恵とアイデアを出し、お金を出来るだけかけない「楽しみ方」を創造していかなければ・・・と思っています。

「楽しみは日々の積み上げ」と思う一方で、一日で劇的に変わるハプニングがあってもいいかなと、まだ心のどこかで思っている私がいます。
そんな想いで、選んだ曲は、いずれもスタンダードから、「Day By Day/アストラッド・ジルベルト」と「What A Difference A Day Made/ニッキ・パロット」

「アストラッド・ジルベルト」。もともと「Joao Gilberto」の奥さんで、彼女がキッチンか何かで、鼻歌を口ずさんでいるのを、夫のJoaoがきいて、「これはいける」というんで、主婦から歌手になったという。まさに劇的な変化。軽快にはずむように「Day By Day」を歌っているが、あんな風に軽やかに生きていけたらいいなあ。

いそしぎ
アストラッド・ジルベルト / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00008KKUZ
スコア選択:

「Astrud Gilberto-Day By Day」

          

「What A Difference A Day Made」。「縁は異なもの」と訳されているが、その歌詞の内容は、「たった一日でこんなに変わってしまうなんて」と、恋に落ちた女性の心境を歌った歌である。シニアの我々にもまだこの先、心がときめいたり、劇的に何かが変わるようなハプニングがあってもいい。
「ニッキ・パロット/Nicki Parrott」。金髪をなびかせ、ベースを弾きながら歌うディーバ。秘密の花園からの登場である。

JAZZY生活白書2008  ~マーケッターとしてのシニア考(14)~_b0102572_9472892.jpg
ムーンリバー/ニッキ・パロット /ヴィーナス・レコード
by knakano0311 | 2008-12-26 09:01 | マーケッターとしてのシニアから | Trackback | Comments(0)

60歳過ぎたら聴きたい歌(26)  ~ 君をのせて ~

ご近所の奥さんが「小田和正のコンサートに行ってきまあ~~す」と、おめかしをして、嬉々として出かけていく。一人だったので、たぶん友達とでも待ち合わせて行くのであろう。思わず「楽しんでらっしゃい」と声をかけた。

この一年、CDの売り上げは減っている反面、音楽コンサートの入場者は増えているという。音楽を愛する人は減っていないのだ。むしろ生の音楽に触れるほうが望ましいところである。また、今年は、シニアに手が届くミュージシャンたちの活躍、充実が目立った一年でもあった。

「小田和正」、怪我を押してのコンサート・ツアー完遂、そしてベスト盤のオリコン上位ランキング入り。「沢田研二」、なんと6時間80曲を歌う還暦コンサートを3日連続敢行。そして、新ベスト・アルバムと全国コンサート・ツアーの「井上陽水」、「矢沢永吉」など。
2回目のカーネギー・ホールでのコンサートを果した「高橋真梨子」。彼女のコンサートはいまだなお最もチケットが手に入れにくいコンサートといわれている。 自ら選んだ名曲カバーアルバムをリリースした「加藤登紀子」、「森山良子」。「加藤登紀子」は、デビュー40周年、毎年行なわれる「ほろ酔いコンサート」には多くのシニア・ファンで満員になる。アポロ・シアターで念願の40周年リサイタルをかなえたのは「和田アキ子」。そのほかの多くの熟年歌手が活躍していることに多くの元気をもらっている人も多いだろう。そして、1947年生まれ、61歳にして紅白初出場の「秋元順子」。大人のラブ・ソングを歌う歌手として口コミで人気が広がったという。


「聴きたい歌」は、今年最も衝撃と勇気を与えた還暦アイドル「ジュリー」が、かって歌った「君をのせて」。
類まれな日本語感覚で詩を紡ぎだす岩谷時子の作詞。いうまでもなく越路吹雪にすべてを捧げ、彼女との二人三脚で人生を歩んできた代表的なヒットメーカーである。作曲は宮川泰。そうそう「恋のバカンス」もこのコンビでしたね。

「君をのせて」  作詞;岩谷時子 作曲;宮川泰

歌詞はこちら。 

「君をのせて - 沢田研二」

          

還暦「ジュリー」の「君をのせて」をカバーするのは、1950年生まれの「モンロー・ウォーク」などが代表作である「南佳孝」。南のかすれたしゃがれ声がこの歌を、若い世代のラブ・ソングから熟年世代のカップルの歌へと変えてくれたような気がする。ゆったりとしたシンプルな歌声を味わいたい。

近年ボサノバに傾倒している南が、ボサノバ・ユニットのRio Novoと組んだ、アルバム「Bossa Alegre(ボッサ・アレグレ)」のトップに収録されている。そのほかにGSのヒット曲「花の首飾り」、「シーサイド・バウンド」やスタンダード・ジャズなどを洒落たアレンジで取り込み、すっかり南の歌としている。

Bossa Alegre(ボッサ・アレグレ)p>

南佳孝 with Rio Novo / ビクターエンタテインメント



「君をのせて 南佳孝」 ちょっと音質が悪いですが ・・・。

          

このブログを書きながら、「ブラザーズ・フォア」の東京国際フォーラムでのコンサートをBS2でみている。メンバーは変わっているが、相変わらずのブラフォー・スタイル、ほとんどが歌えるなつかしい曲の数々、そして清潔感あふれるハーモニーとすがすがしさ。
当時のアメリカを代表する彼らのカレッジ・フォーク、アイビー・ルックにあこがれて、ギターを手にした若者が何人いたことだろうか。 ベトナム戦争が泥沼化していく直前の時代の、きらきらと輝くあこがれの国「アメリカ」の歌。オバマの顔が一瞬眼に浮かんだ・・・・。

追記)
「君をのせて」は6時間80曲をフルコーラスで歌いきった還暦コンサート「人間60年 ジュリー祭り」でも歌ったという。還暦ジュリーがどう歌ったのか興味があるところではありますが・・・。

追記;ここをクリックしてください。
by knakano0311 | 2008-12-23 09:25 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Trackback | Comments(0)

マーケッターとしてのシニア考(11)    ~デジタル・デバイド再考~ 

定年後3ヶ月経った2006年6月からスタートしたこのブログ、早いもので、この6月で丁度2年経ち、駄文の記事は300記事に達した。読者の皆さんに御礼申し上げます。

ところで、総務省情報通信政策研究所の報告書によれば、インターネットで公開されている国内のブログは08年1月末で約1690万あり、国内のネット利用者(約8811万人)の約2割が利用し、記事総数は約13億5000万本と、単行本約2700万冊の情報量に匹敵することが分かった。報告書は米国の会社による世界の情況調査も報告されており、ブログは世界に約7000万あり、使用言語別では日本語が約37%と、2位の英語約36%、3位の中国語約8%を抑えてトップとなり、インターネット人口では、前述と逆の結果であるが、、(今年2月に2億2000万人と米国を超えて世界1位に・・・)あらためて日本人のブログ好きが浮かび上がった格好だ。しかしながら、国内ブログのうち、一ヶ月以内に1回以上記事を更新するブログは全体の2割程度の約300万。開設はしてみたが・・・というような情況も窺える。
年代別に見れば、19歳以下9%、20代28%、30代27%、40代20%、50代11%、60歳以上5%、60歳以上で言えば85万人、と中高年が予想以上に開設していることも分かった。

ここで、シニアを中心である自分の周辺のPCに関するリテラシー(読み書き能力)を情況を観察みた結果をレポートすると、

1)同じ時期に退職したOB仲間たちは業務でパソコンを使っていたため、100%PCメールと
  インターネットが可能である。むしろ携帯でのインターネット利用はキー操作がまどろっこし
  くてダメという声がほとんどである。
2)先輩退職OBについては、年賀状などにPCメールアドレスが書いてあるのが80%、URLは
  10%くらいか。ブログどころかホームページを開設している先輩もいる。 
3)高校の同級生。同窓会の例会の案内はPCメールでくるので、このメンバーについては
  100%近くPCメールが可能である。
4)妻とその友達については、友人とは携帯メールで連絡を取り合っているので100%近い率
  で可能。ただし、PCに関してはかなり低くなり、妻の周辺では、ほんの数人。
5)子供世代は言うまでもなく携帯、PCとも100%。ただモバイル性重視のためか、すべての
  機能を携帯に集中させているため、携帯利用の場合が多いようである。
6)私の親世代は、PCは言うに及ばず、携帯その他一切ダメである。

こんな情況で、私の周辺は、会社の仕事の延長上でPCを主体とするネット利用、妻の周辺は、コミュニケーションのツールとしての携帯電話からさらに一歩進んだメール、ネットサービス利用という実態と思われる。あの携帯のいらいらするキー操作も妻は、ほとんど苦にならないようである。ここにもまだ会社の延長で生きている男性諸君、ご同輩たちがいる。

7月11日(金)にアップルから「i-Phone G3」日本版がいよいよ発売される。聴けば買うためにもう徹夜で並んでいるそうだ。液晶大画面のタッチパネル操作方式で、電話、インターネット、音楽端末、映像再生、GPS・・・などもう携帯電話と呼べるのかと思われるような機能が満載の次世代携帯電話。価格からして多分若者中心に人気が集中することは間違いないだろうが、わたしなんぞは生活のすべてをあんな小さなブラックボックス一つに頼りたくないし、左右されたくないが、ソフトバンク以外の携帯電話各社、家電メーカー各社、サービス業界などは戦々恐々としているし、新たな副作用が発生するだろうが、またひとつ世の中を変えていくテクノロジーが世に出されたことは間違いない。しばらく目が離せないことだけは間違いない。

ところで、私が読んでいるメールマガジン「All-in-One INTERNET Magazine」(発行:株式会社インプレスR&D/株式会社インプレスコミュニケーションズ)の発行人井芹昌信氏の「ネットの風を読む」というコラムにこんな記事が載っていた。すばらしいシニアの話なので、少し長いが引用しよう。

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「実録、ハッピー・ケータイライフ! ―パソコンなくてもネット達人」

(略)私は十数年前から武道をたしなんでおり、ありがたいことに今でも尊敬する師匠の教えをいただいている。師匠は、還暦を過ぎて久しいお年だが、いまだに私など足元にも及ばない達人である。
ところでその師匠から、3年ほど前に「ケータイを始めたいので教えてほしい」という依頼を受け、iモードケータイをお勧めした。その際、必要最低限のことをと思い、メールの操作と天気予報や交通情報などを見られるように設定してさしあげた。
以来、師匠はケータイの利便性に気付かれ、自分でマニュアルを読んだり、私に質問したりしながら、いろいろな機能を使いこなされている。師匠のケータイの使い方を脇で見聞きしていると、現在のケータイがいかにすばらしい機能を持っているかを再認識させられる。
たとえば、デジカメ搭載機に機種変更されてからは、季節の便りが山々の写真付きのメールで届くようになったし、車での移動の前にはかならず渋滞情報をチェックされている。また、ウィキペディアをお教えしたら、すぐ「731部隊」のことを調べられ、「これまで辞書に載ってなかったようなことまで載っていて、すごい!」と感激されていた。さらに、グーグル検索を覚えられてからは、電車の乗り継ぎ情報、昔の武道家のこと、ケータイ会社が次にどんな新機種を発売するかなど、様々な情報をケータイから得るというデジタル・ライフスタイルが定着したとのことだ。
一番驚いたのは、ケータイで撮った写真をSDカード経由で、自宅のテレビに写し出して鑑賞していると聞いたときだった。その方が大きく見えるし、色も目にやさしく見やすいそうだ。それに、プリンターの必要性は特に感じないとのことだ。友達に見せる時は、ケータイ画面をそのまま見せるか、メールで送ればいいと。さらにその写真は、家庭用のDVDレコーダーで、静止画として1枚ずつ保存されている。「すでに2000枚以上を保存したが、まだ半分以上は空いている」とのことだが、これはたった1枚のDVD-RAMでの話だ。つい最近、師匠のケータイの待ち受け画面を覗いたら、ダウンロードされたアニメキャラを背景に、時計、カレンダーが配置されており、上段にはグーグル検索窓が開いていた。私は、黎明期からパソコンと付き合ってきたので、これまではデジタルライフをエンジョイするには、どうしてもパソコンが必要だと考えてきた。だが、師匠のケータイライフを拝見していると、そろそろパソコンがなくても大丈夫なほどケータイ
が進化してきたと実感できる。もちろん、仕事や高度なクリエーティブワークでは今でもパソコンは必需品だが、一般のデジタルライフはケータイだけで十分だと思えるようになってきた。
前回のコラムで書いたように、最近はケータイによる子供への害が問題になっているが、このようにケータイがご高齢の方の楽しみを作り出しているという面も合わせて知っておく必要があると思う。

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携帯を使いこなせるその能力もさることながら、前向きに楽しんでチャレンジし、自分の楽しみを大きく豊かにするために携帯を使っている、こんな人生の達人もいるんだ。そのことに感心、同感。師匠は今度の「i-Phone」はどう思っているのだろうか?チャレンジするのだろうか、聞いてみたい。
よし!!わたしもほったらかしてある二足歩行ロボット作りを頑張って始めよう。


CDでなく、わたしが初めて、アップルの音楽ストアから、配信でダウンロードしたアルバムは上原ひろみのソロが素晴らしい、映画「オリヲン座からの招待状」オリジナル・サウンド・トラック。メインテーマ「PLACE TO BE」であった。彼女の奏でる美しいピアノは、映画のシーンにふさわしく、心のそこからゆっくりとあがってくるような感動を呼び起こす。

映画「オリヲン座からの招待状」オリジナル・サウンド・トラック
サントラ / / ユニバーサル ミュージック クラシック
ISBN : B000V3PRAO
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「HIROMI UEHARA - Place To Be (上原ひろみ - オリヲン座からの招待状)」

        
by knakano0311 | 2008-07-10 23:33 | マーケッターとしてのシニアから | Trackback | Comments(0)

いま、子供たちが危ない  ~ IT悲観論?それとも楽観論? ~

今年も地域の子供たちを中心に、「遊び」を教えるボランティア活動が始まリました。第一回は「凧と羽子板づくり」、第二回目は節分にちなんで「鬼の面づくり」、そして第三回の今日は、近畿地方大雪の中で、「雛人形づくり」と回を重ねています。今年も元気一杯の子供たちの笑顔が観られる事が喜びです。

ところで、昨年末のNHK「クローズアップ現代」で大変気になるテーマをとりあげていました。子供の運動能力が低下し、怪我が急増しているらしいのです。「木登り」、「鬼ごっこ」、「ブランコ」・・・など子供たちが普通に遊んでいる遊びの中で、36の基礎運動能力が身につくらしいのですが、それが著しく低下しているというのです。例えば、つまずいて転びそうになった時、普通なら手をついて自然に身をかばうのですが、それが出来ずに顔面から倒れこんでしまう子が増えてきてるというのです。それは子供が遊びから遠ざかり、今までなら遊びの中で、自然に身についていた運動能力が欠如しているからだそうである。

子供を対象にした犯罪が多発したり、遊具での事故が起こったのが原因で、子供たちだけで、外で遊ばせなくなり、その結果ではないかという推測であった。勿論、そのほかの原因として、塾通い、TVゲーム、インターネットなども当然影響していると思われる。大変ショッキングな話で、パソコンや携帯を操る能力だけが長けた、やがて大人になる子供を想像したら怖い話です。たしかに、ボランティア活動のなかでも今の子供に対し、「道具が使えない」、「集中力が極めて短時間でとぎれる」、「大人への依存度が高く、積極性に欠ける」などの気がかりな点を感じています。

昔も、TVの急速な普及の功罪としての「罪」の部分で、いろいろなことを言われたことがあったが、その後さらに、TVゲーム、パソコン、携帯電話、インターネット・・・・とIT、コミュニケーション技術の進化のよって、はっきり因果関係を立証は出来ないにしろ、直感的に子供だけでなく大人の行動・人格にも大きな影響を与えていると思われる。

まえに「60歳過ぎたら聴きたい歌(4) ~ When I'm 64 ~」でもとりあげた、藤原智美著「暴走老人!」(文芸春秋刊)でも、キレル「危ない」大人がふえてる原因は、ITの進展によって、「待つ」という時間が極端に排除された結果、「待たせられる」ことに対する許容度が低下したこと、ネットワークなどの発展によって自分のペースで時間を使える「自己中心文化」がいっそう確立したことなどの変化が、高齢者たちが疎外しているのではないかと警告していることともつながっていると思われる。

大人・子供を問わず、人格形成に影響を及ぼしているのは間違いないと思われる「IT」の功罪をどう観るか?現時点での評価はなかなか難しく、意見の分かれるところだろうが、悲観論・楽観論、対照的な2冊の本を読んだ。

悲観論の代表は「柳田邦男著/壊れる日本人―ケータイ・ネット依存症への告別 」。柳田邦男氏といえば、「マッハの恐怖 (新潮文庫)」、「続・マッハの恐怖 (新潮文庫)」、「ガン回廊の朝 上・下(講談社文庫)」など巨大技術の進展に警鐘を鳴らしてきた人である。急激なITの進展が我々から奪ったものを検証し、多少不便でも非効率でも人間として手放してはいけない大事なものを大切にしよう。そのために、「ノー・ケイタイ・デイ、ノー・ネットデイ」を提唱している。確かに電車の中を見渡せば、まるでケータイに操られているかのごとき人の群れ・・・。


壊れる日本人―ケータイ・ネット依存症への告別 (新潮文庫 や 8-20)
柳田 邦男 / / 新潮社
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楽観論の代表は、この前例のない混沌した時代を生き抜いていくにはどうしたらいいのか?NETを「善」として信じて、「好き」を貫いて「知的」に生きていくことで、情報を共有する新しい時代が開けると語る「梅田望夫著/ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか」。「この前例のないほどの面白い時代に、ネット上の支援を受け、自分にしか生み出せない価値を創出できる時代になった」と時代を前向きに捉え、自身の経験に裏打ちされた仕事論、人生論が展開される。



ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)
梅田 望夫 / / 筑摩書房
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私自身、どちらに組すべきか悩んだまま、いまだに結論を出せずにいる。

とはいえ、子供たちは「時代の宝」。ゆっくりとピアノ・トリオでも聴きながら考えるとしよう。
選んだCDは、「ウラジミール・シャフラノフ・トリオ/Kids Are Pretty People」。伝説のアルバム「White Nights」が澤野工房よりリリースされてから、すっかり日本でもファンが増えたウラジミール・シャフラノフ・トリオ。「聴きやすい、万人に愛されるJAZZ」という音楽として、一番基本の魅力を備えているからだ。このアルバムも、スタンダード、ボッサ、クラシック、オリジナルと期待を裏切らない魅力に満ちたアルバム。ほほえましいジャケットの子供たちの未来が豊かであるように・・・・・。


いま、子供たちが危ない  ~ IT悲観論?それとも楽観論? ~_b0102572_2343192.jpg
Kids Are Pretty People/Vladimir Shafranov Trio/澤野工房



「Vladimir Shafranov Trio - O Que Tinha De Ser」

          
by knakano0311 | 2008-02-09 23:48 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

検定ブームにのせられて  ~マーケッターとしてのシニア考(7)~

世の中、「検定」ブームだそうだ。確かにYahooやGoogleで検索してみても、驚くべき数の「検定」に関する記事やHPが出てくる。特に趣味の分野では、「映画」、「コーヒー」、「時刻表」、「世界遺産」、「漢字」、「世界の麺」、「自動車」、「エンタ!」などに加え「京都」、「アロハ」などのご当地検定など、こんなものまでと驚くカテゴリーが検定対象となっている。少し昔までは、いろいろな分野に「国家認定・検定」という制度があって、業界団体、天下りというマイナス面もあったが、主に技能系を中心として、一定の基準をクリアした技能スキル保有者を送り出していた。その後、「行政改革」の一環として必要最低限の資格を残して、かなりの部分が「国家検定」から「民間検定」に移行した。しかし最近は、趣味の多様化、高齢化社会、生涯学習の普及を反映してか、先にあげたような各種の「検定」がブームである。

かくいう私も、そのブームにまんまと乗せられて、検定を受けた一人である。レコード検定協議会のCD検定である。協会のHPにはこんなことが書いてありました。

『日本のレコード文化は世界にまれにみる発展を続けてきました。エジソンが発明した音を記録する技術は世界中に広がりましたが、レコードを文化として日本ほど高めた国はありません。
それは世界からクラシック・ロックなど西洋音楽を取り入れると共に日本固有の伝統的な音楽と融合させ新しい日本の音楽を創りだしてきたからです。日本人の豊かな感受性と共に世界をリードしてきた録音やオーデイオ機器の技術が世界に誇れるレコード文化を形成してきたことに違いありません。
音楽CD検定は 日本初の音楽CDの総合分野を対象とする検定試験です。熟年~団塊~の世代が経験、体験してきた音楽を題材として検定を設け、マスターディプロマ認定取得者が、レコード文化を通じて社会貢献や熟年起業できることを目指します。・・・』

熟年起業は、さておいても、40年間、「人生のBGM」として、私が聴いてきたJAZZとはどのような音楽であったのかということを、少し系統だって勉強したくなったこと、40年間の蓄積が、客観的にどの程度のレベルのものかを知りたくなったこと、この二つが検定を受けた大きな動機でした。検定試験は結構難しかったのですが、結果は「ジャズ部門 1級ディプロマ合格」ということで、家族への面目も一応保てました。

これを、金銭的な側面からみると、まずテキストが上下巻で5,000円、葉書による2級検定合格のあと1級を受験するのであるが、サブテキストが上下巻で3,200円、受験料5,000円、合格語の登録料が10,500円と、受験のための交通費は別で、ここまでに23,700円の投資をしているのである。このあと講座開講などが出来るマスター認定を取得、(財)日本余暇文化振興会の会員資格を得ようと思えば、さらに70,000円程度の費用が必要である。
この費用が、高いか安いかは別の議論を待つとしても、単に、シニア層を購買層としてのみ捉えるのでなく、その知識・経験に一定の客観的評価を与え、社会的活動や起業を促すという趣旨には大いに賛同できると思う。このような多方面にわたるキャリアやノウハウを持ったシニアたちをNETWORKとして組織化し、地域でのいろいろな活動や、シニア層へのマーケティングに活かせることが出来るなら何か新しいものが生み出せるようにも思えるがどうだろうか。


1級検定試験に出るかもしれないジャズ歴史的名盤、マイルス・デヴィスの軌跡から。
ハードバップと呼ばれるジャズのスタイルを確立させた歴史的アルバム、「'Round About Midnight」。この曲の作曲でセロニアス・モンクの名も不滅のものとなった。

ラウンド・アバウト・ミッドナイト

マイルス・デイビス / ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル



「Miles Davis Quintet - 'Round Midnight (1956 Columbia Records Version)」  Personnel: Miles Davis (trumpet), John Coltrane (tenor sax), Red Garland (piano), Paul Chambers (bass), Philly Joe Jones (drums)

          



彼が確立し、ジャズの中心的なスタイルとなったハードバップに飽き足らないものを感じた、マイルス・ディヴィスは、音楽の一新を計るべく、ジャズの演奏原理に「モード」と呼ばれる新しい音楽理念を導入した。そのときに作ったのがこのアルバムである。この「モード」奏法が今日のいわゆるJAZZの演奏スタイルである。

Kind of Blue

Miles Davis / Sony International



前衛芸術のようなアルバムで、一般的音楽感覚の人は聴いているのが辛いかも知れないが、エレクトリック楽器や機材を多用し、ロックともJAZZともとれる新しい世界を創出したアルバム。

Bitches Brew

Miles Davis / Sony Jazz


by knakano0311 | 2007-11-01 15:04 | マーケッターとしてのシニアから | Trackback | Comments(0)

マーケッターとしてのシニア考(4)    ~前略 馬場俊英様~   

馬場 俊英 様

前略
私は現在61歳、昨年3月に37年間働いた会社で定年を迎え、現在は、年金を受給する傍ら、過去の経験を活かしながら、コンサルなどをして「半労・半遊」の生活をしています。
先日、「能勢町浄瑠璃シアター」でのコンサートを聴きました。「ザ・サンデー」、NHKなどのTV番組で馬場さんを知り、一度コンサートを聴きたいと思っていたところに、隣町の能勢町でコンサートがあったからです。あいにくの大雨の中、そんなに広くはないホールを満員にした聴衆の皆さんの年齢層は、10代から60代と広い層でしたが、20代後半、30代、40代の方が中心で、ごく普通のひと、どちらかといえば地味目のお客さんが多かったと思います。

馬場さんの声質は、クリアーなので、初めて聴く私にも、その歌詞が明瞭で、メッセージははっきり伝わってきたと思います。挫折をした人への暖かなまなざし、悩める人への励まし、迷える人の共感を感じ取れるからこそ、コンサートの後半、お客さんは総立ちになって盛り上がっていたと思います。馬場さんの歌によって癒されている、私より2,3世代あとのごく普通の人達への共感を覚えている自分を感じながら、コンサートを楽しむことができました。

「団塊の世代の我々には聴く歌がない」とよく言われます。昨年、多くの団塊世代が訪れたという、「吉田拓郎/かぐや姫」の「嬬恋コンサート」、再びのヒットを昨年末、記録した「寺尾聰/リ・クール・リフレクションズ」もおなじく青春への回帰現象。馬場さんやZARD・故坂井泉水さんがいる世代とは違って、今現在、励まされ、癒される歌がもてないことがないのがわれわれ団塊の世代であるような気がします。

そこで、お願いがあります。
かって、30、40代、高度成長の中で必死に働いて日本を支え、バブル破綻以後はリストラの波を受け、人生の中で、挫折もし、傷つきもし迷いもしたが、今は乗り越えてこの歳を迎えている我々。今後平均寿命80歳の中で、老いや孤独や病や死と直面しながらも、家族や仲間や地域とともにあと20年は生きていく我々。そんな我々団塊の世代が、自分を残された自分の未来を、再認識し、再スタートできる歌を、今40歳の馬場さんに歌って欲しいと思うのです。
癒される歌が「千の風になって」だけでは、淋しすぎます。
非常に勝手なですが、かってGS、フォークやロック、エレキ、JAZZに夢中になった音楽好きのシニアたちを代表してお願いいたします。

7/25発売のNew Single 「スタートライン 4 Songs」と、大阪フェスティバルホールでのコンサートの成功、また今後の活躍をお祈りいたします。

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馬場俊英 (40歳);
30歳を大分過ぎてブレークした、遅咲きのシンガーソングライター。
長い間売れず下積みが長かったが、日本TVの「The・サンデー」やNHKなどで取り上げられてブレークし、大阪城野外音楽堂でのコンサートを果たし、大阪フェスティバルホールでのライブツアーが決定している。



人生という名の列車
馬場俊英 / / フォーライフミュージックエンタテインメント
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by knakano0311 | 2007-07-26 16:30 | マーケッターとしてのシニアから | Trackback | Comments(0)

じじばば 映画傑作選    ~ 今回だけ?のシネマな生活~ 

このところ、「海外のシニア覚え書」みたいなシリーズのなかで、じじばば映画の紹介を続けてきましたが、いっそ、じじばば映画の傑作をまとめて紹介してしまおうかと思います。
ごめんなさい!。今回は、「シネマな生活」にタイトルを変えたほうがいいかもしれませんね。

まず、ドラマ編。最初は「八月の鯨」。かなり昔にTVで放映され、その後探してみましたが、DVD化はまだされてないみたいで、ビデオ、それも吹き替え版のみが出ている。わたしはTVから録画したものしかありませんが。DVD化が望まれます。(追記;どうやらDVD化されたようです)

リビーとセーラの老姉妹は毎年夏になると、メイン州の岬のこじんまりとした別荘で夏を過ごす。二人が少女のころには、鯨がやってくるのが、岬からよく見えた。姉のリビーは、目が不自由になってからというもの、気むずかしく、わがままな性格になってしまった。しかし、妹のセーラは姉をいたわりながら、かいがいしく身の回りの世話をしている…生きていくことの意味を問いかけながら、ハリウッド黄金時代の二大女優、「ベディ・ディヴィス」、 「リリアン・ギッシュ」の迫真の演技が、静かな感動を呼ぶ、「リンゼイ・アンダーソン」監督の名編。

八月の鯨(吹替版)
/ ビクターエンタテインメント
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八月の鯨 [DVD]

パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン




「A.i.」の名子役「ハーレイ・ジョエル・オスメント」と、「マイケル・ケイン」、「ロバート・デュバル」という老名優が共演したハートウォーミングなドラマ「ウォルター少年と、夏の休日」。父のいない14歳のウォルター少年が、ひと夏の間、母の親類である老兄弟の家に預けられる。デュバル演ずる兄、ケイン演ずる弟によって、閉ざされていた少年の心が、次第に開いていく。そして別れのときがくるが・・・・。老俳優ふたりが、「こんな風に年をとりたい」と思わせる、いぶし銀の名演技を見せる。

ウォルター少年と、夏の休日 コレクターズ・エディション [DVD]

ポニーキャニオン




やっとDVD化がかなった、アカデミー賞作品賞ほか4部門を受賞したあまり知られていない、地味な名作。これが遺作となった、「ジェシカ・タンディ」扮する白人の老女と初老のベテラン黒人運転手との25年の心の交流を描くヒューマンドラマ。彼女はこの作品でアカデミー賞を受賞しました。大事故を起こしかけた、母・デイジーの身を案じた息子のブーリーは、運転をやめさせ、母親づきの運転手を雇うことにするが…。運転手には、アカデミー賞俳優「モーガン・フリーマン」 。
「老いる」ということの哀しさと「老いる」がゆえに得られる心の豊かさとはどのようなものなのかをしみじみと考えさせてくれる作品です。


ドライビングMissデイジー デラックス版
ジェシカ・タンディ / / ジェネオン エンタテインメント
ISBN : B000J4P070
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70歳になった老人は、子に背負われて楢山に捨てられなければならない。いわゆる「姥捨て山伝説」。山奥の村の掟に従い、喜んでお迎えをまとうとする信心深い母と、哀しみとともに母を山へ連れていく息子。2人の姿を通し、自然への畏怖や、掟を受け入れざるを得ない人間の業や宿命といったものを、深沢七郎の原作をもとに描いた、今村昌平監督の名作。ラテン歌手から女優に転じた坂本スミ子の名演技が圧倒。
感動の名作には違いないが、先の米国映画3作に比べいかにも暗い。老いに対する日本人の価値観の違いか。

楢山節考
緒形拳 / / 東映
ISBN : B000066AEQ
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次は、アクション編。
天藤真のベストセラーを映画化した、岡本喜八監督1991年作品。晩年の喜八作品の中では傑作との評価が高い。
刑務所を出所した正義と平太、健次の三人組は紀州一の山林王・柳川とし子刀自を誘拐し、身代金5000万円を家族に請求しようとする。ところが刀自は身代金を100億円にすべく主張。かくして世界が注目する身代金の受け渡しだが、そこには刀自の賢い、したたかな計算が隠されていた。老婆誘拐事件がコメディ・タッチで描かれた作品だが、「北林谷栄」扮する、誘拐される刀自の巧みな演技が最高で、この映画の誘拐という深刻な側面を、コメディタッチな作風に感じさせてしまう最重要なキャラを見事に演じている。「こんなおばあちゃん最高!」と皆さん思いますよ。

大誘拐 RAINBOW KIDS
北林谷栄 / / 東宝
ISBN : B000CFWN6M
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「太田蘭三」原作の同名ミステリーを「犬童一心監督」が映画化。高級老人ホームで悠々自適な日々を過ごしていた老人たちは、死んだ仲間が記していた「死に花」なるノートを発見。そこには、穴を掘って、銀行から17億円を強奪する計画が記されていた。その銀行が、かつて仲間のひとりを理不尽にリストラした銀行であったことも手伝い、老人たちはこの計画を実行しようと決意するが…。ボケる寸前の頭脳を駆使して、計画を作り、ガタガタの身体を駆使して、銀行までのトンネルを掘っていくじいさん達に共感。バイアグラ使ってまでナンパしたり、介護のお姉さんにセクハラしたり、おおボケの爺さんなど個性豊かな爺キャラがほんとに笑える。
これを演ずる俳優陣が凄い。山崎努、故・青島幸男、谷 啓、長門勇、故・藤岡琢也、宇津井健・・・・・。もう故人になってしまった人もいるが、公開当時平均年齢73歳のダテに年はとっていないベテランの役者たちが、完全犯罪を目指す金庫破りに命を燃やす男たちに扮する。これだけでもぞくぞくしてしまうが、金だけが目的の犯罪ではないが、ラストは、「老い」からはどうしても逃れられないことをやっぱり認識してしまう「落ち」になってます。


死に花
山崎努 / / アミューズソフトエンタテインメント
ISBN : B0002UOR6G
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次はアメリカ版「死に花」といえる「スペース カウボーイ 」。咲かせるターゲットは、宇宙。その昔、「猿」に宇宙飛行の栄誉を奪われた元・宇宙飛行士たちのチームが、地球に危機をもたらす衛星システムの修理に挑むため、チームが再結成される。監督兼主演の「クリント・イーストウッド」のほか、「トミー・リー・ジョーンズ」、「ドナルド・サザーランド」、「ジェームズ・ガーナー」 などこちらもベテラン老優が大活躍。ラストシーンの挿入歌は「Fly Me To The Moon」と「落ち」にぴったりの歌で粋。

スペース カウボーイ 特別版
クリント・イーストウッド / / ワーナー・ホーム・ビデオ
ISBN : B000HCPVGY
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最後に、私の大好きな「じじばば」映画を!
「ヘンリー・フォンダ」、「キャサリン・ヘップバーン」の晩年の代表作であり、ふたりに、アカデミー主演賞をもたらした「マーク・ライデル監督」の名作「黄昏」。「ヘンリー・フォンダ」にとっては、これが遺作となった。ストーリーは、毎年、老夫婦が夏を過ごすニューイングランドの別荘に、彼らの娘一家が訪ねて来る。疎遠だった娘とは心が通じ合わない父だが、孫の存在によって親としての愛情を甦らせる。娘を演じるのは、ヘンリーの実の娘「ジェーン・フォンダ」。私生活でも、実父、「ヘンリー・フォンダ」と、ぎくしゃくしていたという。もうあまり時間の残されていない実父ヘンリーのために本作を企画、和解のきっかけとしたという。そのエピソードが本作をいっそう奥深い作品にしている。

黄昏
ヘンリー・フォンダ / / ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
ISBN : B000HT2MQY
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このように、年輪を経てきた「じじばば」を題材にしてこそ、アクションであれ、サスペンスであれ、コメディであれ、ドラマであれ、深い感動や示唆に富む映画もできるというもの・・・。

ざっと思いつくままあげてみたが、まだこの「じじばば映画」の分野は、テーマやストーリー、マーケティングに開拓の余地が多分に残されていると思うし、これからも続々この年代にターゲットをあてた映画が出てきますよ。楽しみがまた増えますな!

朝日新聞の選んだ年間ベストテンを再上映する「2007朝日ベストテン映画祭」。連日、シニアのお客さんで一杯でした。
by knakano0311 | 2007-02-04 01:16 | シネマな生活 | Trackback | Comments(0)

魂萌え! 

毎月1日は映画が安くなる日。近くのシネ・コンへ行くと、ウイークディとあって、結構、女性やシニアのカップルで一杯。日本映画に隆盛と活気が戻ってきたと最近の新聞にもあったが、全く実感。本日の映画は、阪本順治監督、風吹ジュン主演の「魂萌え!(たまもえ)」。ごくごく普通の世間知らずともいえる、59歳の専業主婦の主人公「敏子」。定年退職した夫が、3年後に急死、愛人の発覚、フリーターの娘、子供たちとの遺産相続問題、友達とのいさかい・・・など、次々と、シニアだったら、誰もが直面するであろういろいろな出来事の中で、「女」として変わりたい、「女」でありたい、という欲求に目覚め、自立していくという、まさに「魂が芽ぐんでいく」様を描いた作品である。原作はいつも意欲的な問題作を書く「桐野夏生」。小説で読んでいたときから面白いと感じていたが、映画も原作の意図をよく反映した作品になっていて、風吹ジュンはじめ、脇の三田佳子らが、「平凡な主婦」が直面せざるを得なくなった現実を、リアリティのある演技で好演。愛人を演じる三田佳子が線香を手向けるために、敏子を訪れてくる初対面の場面で愛人はペディキュアをしている。敏子は女として負けたと感ずる。このあたりの感覚、その後の対決の場面は男の私にも、「迫真の演技」と感ずる演出であった。音楽は「Coba」が担当、これも敏子のこころの揺れを映すようなちょっと不思議な音楽。

魂萌え! _b0102572_1893059.jpg


魂萌え!〈下〉
桐野 夏生 / / 新潮社
ISBN : 4101306346
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映画が原作と違うのはラストシーン。あのビットリオ・デ・シーカ監督、ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ主演の名画「ひまわり」のラストシーンと「ヘンリー・マンシーニ」作曲の、あまりにも有名となった、その美しいテーマ曲がスクリーンに流れる。

ひまわり《デジタルリマスター版》
/ ビデオメーカー
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ひまわり
サントラ / / ビクターエンタテインメント
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また、私は見逃してしまったが、この小説は、「NHK土曜ドラマ」でもドラマ化された。

NHK土曜ドラマサウンドトラック「魂萌え!」
Spanish Connection / / ビクターエンタテインメント
ISBN : B000HXE34E
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by knakano0311 | 2007-02-01 17:41 | シネマな生活 | Trackback(1) | Comments(0)

ふるさとの正月

二日から、信州の実家で過ごした正月。

清冽な北アルプスの山並みを見ながら、蕎麦、りんご、お焼き、野沢菜漬けなどの我がソウル・フード(Soul Foods)を堪能した正月でした。

ふるさとの正月_b0102572_16291024.jpg


最近はあまり見かけないが、以前はインドネシアのケチャで有名になり、「題名のない音楽会」などによく出演していた、山城祥二氏率いる「芸能山城組」。「地の響~東ヨーロッパを歌う」や「恐山」などの合唱組曲、映画音楽史上に名を残す名盤として語り継がれている、アニメ劇場版、大友克洋監督「Akira」の音楽サウンド・トラックでも有名。合唱団というより、「肉声によるパフォーマンス集団」といったほうが正しい。こんな故郷ののどかな風景に包まれると、その「芸能山城組」が、「刈干し切唄」、「長持唄」などの懐かしい日本の民謡をパフォーマンスする「やまと幻唱」を聴いてみたくなった。

やまと幻唱
芸能山城組 / / ビクターエンタテインメント
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by knakano0311 | 2007-01-06 13:29 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)