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大屋地爵士のJAZZYな生活

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父が残した二冊の本

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実家の本棚を整理していたら出てきた二冊の本。多分父親の愛読書だったんでしょう。何回も読んだのか、相当の年期を感じさせる。一冊は、「伊藤正徳」著、「連合艦隊の最後」(文藝春秋新社 昭和31年再版)、もう一冊は、吉村昭著「戦艦武蔵」(新潮文庫 昭和48年五刷)である。

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敗戦を迎えた日本帝国連合艦隊。損害は、沈没艦410隻、喪失機26,000機、戦死者409,000人。終戦時はたった駆逐艦を中心に、49隻しか残っていなかった。

父親は、連合艦隊の重巡洋艦「愛宕」に通信兵として乗船し、開戦から、シンガポールなどの南方攻略、マレー沖海戦、ミッドウェー海戦、ソロモン海戦を戦った後、昭和18年に、海軍通信学校の教員を命ぜられ、船を降り終戦を迎えた。その後「愛宕」は、翌昭和19年(1944年)10月23日、米潜水艦の放った魚雷により沈没し、父親の戦友の多くは亡くなってしまった。父は戦争についてあまり語らなかったが、そんなことが戦争について寡黙だった理由だったのだろう。

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「連合艦隊の最後」は、国民の財力と智力を結集してつくりあげた第一級の連合艦隊は、どのように戦い、滅びたのかを綴る連合艦隊物語。そして、「戦艦武蔵」は、「戦艦大和」と並ぶ不沈の戦艦。厖大な人命と物資をただ浪費するために、人間が狂気的なエネルギーを注いだ戦争の本質とは何かを突いた記録文学の傑作。しかし、私には当時「世界一」の戦艦建造へ向け、難問に挑戦した技術者魂も切々と伝わってくる。父親は、痛恨、無念、鎮魂や思い出、あるいは自分の参加した戦争の意味を見出そうとして読んでいたのかもしれない。この二冊、いずれも文庫本などで再版、重版されている。(「連合艦隊の最後」「戦艦武蔵」

フィリピン・シブヤン海沖で撃沈され、1,000mの海底に眠るという「戦艦武蔵」が発見されたというニュースが駆け巡った。さて、父親が生きていたらどんな思いで、このニュースを聞いただろうか。

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さて、今宵のボーカル。スタンダードから「My Ship」。歌うは「ビロードの声」と呼ばれた「ジョニー・ハートマン/Johnny Hartman」。

「ジョニー・ハートマン/Johnny Hartman」。1923年7月生まれ、1983年9月没、60歳であった。ビロードのような独特の甘い声の持ち主。初めて知ったのは、学生時代のよく行ったグリルのマスターのすすめであった。今では私が癒される数少ない男性ボーカルである。しかし、「フランク・シナトラ/Frank Sinatra」や「ペリー・コモ/Perry Como」、「アンディ・ウイリアムス/Andy Williams」、「ビング・クロスビー/Bing Crosby」、「ナット・キング・コール/Nat King Cole」のように世界的に有名になることは決してなかった。監督「クリント・イーストウッド/Clint Eastwood」は、映画「マディソン郡の橋」で、多くの重要なシーンのバックに彼の歌声を流した。その理由を聞かれて、「私が彼を選んだのは、彼がメインストリームに受け入れられたことはなかったが、とても優れた歌手だったからだ」と ・・・。(参照拙ブログ「男唄に男が惚れて(3) ~ジョニー・ハートマン ビロードの声に包まれて~」「60歳過ぎたら聴きたい歌(18) ~Sunrise、Sunset~」

グリルで、最初に「ジョニー・ハートマン」を知ったアルバムは、「ザ・ヴォイス・ザット・イズ/The Voice That Is!」 (1964)。ミュージカル、「屋根の上のバイオリン弾き」の中で歌われる美しい唄「サンライズ・サンセット/Sunrise Sunset」が収録されているアルバムである。

Voice That Is

Johnny Hartman / Apo



「My Ship」は、1941年のブロードウェイ・ミュージカル、「Lady in the Dark」のために書かれた曲で、作曲「クルト・ワイル/Kurt Weill」、作詞「アイラ・ガーシュウィン/Ira Gershwin」。

「♪ My ship has sails that are made of silk,  きっと私の舟の帆は絹ででき、
   The decks are trimmed with gold,     デッキの縁は金で飾られ、
   And of jam and spice                ジャムやスパイスがいっぱい積まれ
   there's a paradise in the hold.         まるでパラダイスのようでしょう

   My ship's aglow with a million pearls    私の舟は無数の真珠で煌き
   And rubies fill each bin,              木箱にはルビーがいっぱい
   The sun sits high in a sapphire sky     太陽がサファイア色の空に輝くとき
   when my ship comes in.              私の舟は港に入ってくるのです

   I can wait the years                 いつまでも待ちます
   Till it appears                      その舟が現れるまで
   One fine day one spring,              晴れた日あるいは春の日でしょうか
   But the pearls and such               でも真珠なんかいくら積まれていても
   They won't mean much                何の意味もないでしょう
   if there's missing just one thing.        たった一つのものを乗せてなければ
 
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  
   If the ship I sing doesn't also bring      もし私の舟が
   My own true love to me.              私を愛する人が乗せてないなら  ♪」


「ジョニー・ハートマン」の歌う「マイ・シップ」。素直でビロードの肌触りのバラードが、レトロだが心地よい。

「Johnny Hartman / My Ship」

          

さて、もうひとりあげましょうか。「カサンドラ・ウィルソン/Cassandra Wilson」とピアニスト、「ジャッキー・テラソン/Jacky Terrasson」とのコラボ・アルバム「テネシー・ワルツ/原タイトル;Rendezvous」(1997)から。こちらはひねりの効いた味のある「カサンドラ節」。

テネシー・ワルツ

カサンドラ・ウィルソン&ジャッキー・テラソン カサンドラ・ウィルソン ジャッキー・テラソン ロニー・プラキシコ ケニー・デイヴィス ミノ・シネル ロニー・ブラキシコ東芝EMI



「Jacky Terrasson & Cassandra Wilson - My Ship」

          
by knakano0311 | 2015-03-25 10:17 | 想うことなど・・・ | Trackback | Comments(0)