大屋地爵士のJAZZYな生活

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欧州JAZZY紀行(4)  ~北ヨーロッパ シニア事情~ 

かって、シニアの皆さんを対象としたシステム事業に関っていたことがあります。そのため、かれこれ10年以上前ですが、オランダ、ドイツ、イギリス、北欧など北ヨーロッパの国々へ、システムの市場・技術調査などに出張したことがありました。そのときの印象はかなり強烈で、「成熟した国、ヨーロッパは、シニア問題についても先進国だなあ」とつくづく感じたものでした。

いくつか例を挙げますと、認知症(アルツハイマー、その当時は痴呆症といっていた)のお年寄りが暮らしている、スエーデンの「グループ・ホーム」を訪問したことがあります。今の日本でこそ、「グループ・ホーム」はかなり定着していますが、当時は「認知症」といえば、いわゆる「特養」に入れるのが当たりまえの時代。びっくりしたのは、そのグループホームに暮らすお年寄りたちは、どう観ても認知症とは思えなかった。男性はジャケットを、女性は髪を整え、お化粧もして、ドレスを着用していたのです。話してみると、やはり「認知症」なんですが、従来、家にいたときと出来るだけ同じような生活をしてもらうことが、「認知症」を進行を遅くすると聴きました。

「緊急通報システム」。これも、一人暮らしのお年寄りが多い、北欧などではかなり普及していました。欧州の多くの国がそうなんですが、市内通話は電話料金がタダという制度を利用し、お年寄りの家に置いた端末機と、電話回線を利用した「緊急通報システム」。ナースコールの電話版を想像していただいたらいいか。このシステムは、各コミュニティのセンターとつながっていて、このセンターで、電話線の向こうにいるお年寄りをケアしているのは、シニア予備軍である50~60代のボランティアたち。「緊急通報」といっているが、普通の会話も大歓迎で、毎朝の会話の中から体調の変化や、心理状態を感じ取っているのだそうだ。「緊急のとき以外は使わないでください」といって、導入している日本の自治体などとは、よって立つところが違う。
このような、システムの運用の上で、バックボーンとなっているのが「スカンジアナ・ケア・コンセプト」であると言っていました。

スウェーデンのグループホーム物語―ぼけても普通に生きられる

バルブロー・ベック・フリス / 京都21プロジェクト



一番印象に残っているのが、オランダは、ベルギー国境の「マーストリヒト」の近くにある研究所であった。この研究所のテーマは「テクノロジーはハンディキャップを持つ人のために何が出来るか?」であった。シニアだけでなく、身体機能に障害を持つすべての人のために、エレクトロニクス、テクノロジーが、どうアシストできるのか というテーマを研究している研究所。
その背景には、ヨーロッパでも体の不自由なお年寄りのために、老人施設、いわゆる箱物の建設を盛んに実施していた時期があったそうだ。その結果、財政的な悪化を招いたので、可能な限り、自宅で暮らしてもらうという方針に変えたそうだ。自宅でハンディキャップを持つ人、或いは身体機能が衰えたシニアの人が、支障なく暮らすための様々な支援技術を、実際の家を1軒建てて研究開発していました。
具体的には、どんなハンディキャップをもつ人でもコントロールできる(たとえば眼の動き、息などで)電動車椅子、あらゆるもののリモコン化のために必要なコントローラ、システム仕様の統一化、オープン化。市内電話は無料という、コミュニケーション・システムを利用した各種サービス(ケータリング、ハウス・キーピング、理美容、ボランティア)の提供とセキュリティの確保などが研究テーマであった。そこの研究者は、「温水洗浄便座」こそは日本が、世界に誇れる大発明と絶賛していました。

技術立国として、日本が世界に貢献したいと思うならば、「省エネ」「環境」などのほかにも、もっともっと国が率先して、金を出して人材を育成して、技術開発をせねばならないこのようなテーマはあるのだが。

さて、福祉先進国といわれる、北欧ノルウェイで、40年以上にわたって、人気No1の歌姫であり続けている女性JAZZシンガー、「カーリン・クローグ/Karin Krog」。彼女、今年でなんと70歳になるという。彼女が、米国人JAZZピアニスト、「スティーブ・キューン」と邂逅したのは1974年のことであった。以来、約30年の間に3度共演のアルバムをリリースしている。その最新作は去年、すなわち69歳でリリースされた「トゥゲザー・アゲイン」。国境、時間を越えたアーティストの熱い友情と、心のふれあいを感じる。
独自のスタイルと声、キューンとのコラボが、JAZZ界に衝撃を与えた、最初の邂逅、「ウィー・グッド・ビー・フライング」。

ウィー・グッド・ビー・フライング
カーリン・クローグ / / ブルース・インターアクションズ
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2002年28年ぶりの再会盤、「ニューヨーク・モーメンツ」。歌手生活40年,70歳に手が届こうという、もはやノルウエイの国宝的歌手のさらに磨きのかかった渋い歌声と,キューンの淡々としたピアノが胸に迫る。

ニューヨーク・モーメンツ
カーリン・クローグwithスティーヴ・キューン・トリオ / / インディペンデントレーベル
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さらに4年後の2006年、69歳でリリースしたアルバム、「トゥゲザー・アゲイン」。デュオで音楽する喜びが、ストレートに伝わってくるアルバム。こんなに長い時間を経ても、音楽のパートナーとして、まだ邂逅の喜びを分かち合える二人。

トゥゲザー・アゲイン
カーリン・クローグ&スティー / /
ISBN : B000IFSEYQ
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カーリンは近年「国家と国民に対する優れた貢献」に対し、「ノルウエイ王国勲章勲一等」を受賞したという。彼女なかりせば・・・ノルウエイ、北欧のJAZZの現在の隆盛はあったのか と考えれば、受賞は当たり前かもしれない。


「Karin Krog - The Meaing of Love」

          
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by knakano0311 | 2007-01-30 00:12 | JAZZY紀行 | Trackback | Comments(0)