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大屋地爵士のJAZZYな生活

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愛しのロック小僧たちへ ~僕らのWonderful Days~

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すっかり感心したり、懐かしかったり、思い入れもしながら観た最近の音楽映画(DVD)3作。これらに共通するのは、音楽に対する熱い想いと、その想いは人と人を強く結びつけるということ。かって「ロック小僧」であった団塊おやじたちに捧げる映画。

最初はアメリカ映画から「キャデラック・レコード/Cadillac Records」(2009年公開)。米国南部の黒人音楽に過ぎなかったブルースから、やがてロックン・ロールが生まれいく、40年代以降の実話に基づくアメリカ音楽史を、21世紀最高の歌姫といわれる「 ビヨンセ/Beyonce」が主演、製作総指揮をした映画。監督は「ダーネル・マーティン」。

物語は、1947年シカゴのサウスサイドの薄暗いバーから始まる。バーのオーナーで若くて野心的なポーランド系移民「レナード・チェス」は、物静かな天才ギタリストの「マディ・ウォーターズ」と、衝動的で派手なハーモニカ奏者「リトル・ウォルター」の二人のブルース・コンボを雇う。彼らのサウンドに魅了されると同時に、急速に発展したレコード・ビジネスのブームに乗ろうとしたチェスは「チェス・レコード」を設立し、彼らのレコードは、徐々にR&Bのチャートをのぼり、ラジオ音楽番組の常連となっていく。人種偏見のないチェスは彼らを家族同様に扱い、ヒットの褒美としてキャデラックを買い与えた。これがタイトルの由来ともなっている。やがてチェス・レコードはジャズやブルースのシカゴの名門レーベルとして有名になっていく。「チャック・ベリー」の独特の新しいブルースの演奏スタイルが初めて「ロックン・ロール」と呼ばれたのであった。「ローリング・ストーンズ」がそのバンド名を尊敬する「マディ・ウォーターズ」の曲からとったと会いに来たり、「ビーチ・ボーイズ」のヒット曲「サーフィンUSA」が実は曲が「チャック・ベリー」の曲からの盗作であったり、よく知られたエピソードも登場する。ホールで黒人と白人を隔てていた垣根を初めてロックン・ロールで取り払った「チャック・ベリー」や、初のR&B女性アーティストの「エタ・ジェイムズ」らがアメリカ音楽のメインストリームに躍り出たのは、1955年のことだった。そして、「エルヴィス・プレスリー」の登場。ロックン・ロールは人種を超えて若者の共通の音楽となったのである。

この映画に出てくる若者達は、レーベルの創始者「レナード・チェス」、「マディ・ウォーターズ」、「リトル・ウォルター」、「ハウリン・ウルフ」、「チャック・ベリー」、そして「ビヨンセ」演じる「エタ・ジェームス」、いずれも「ロックの殿堂」入りを果たしているビッグネームたちである。そしていつの時代も壁を突き破り、新しい価値を創造していくのはこのような若者達なんだとつくづく思ったりもした。

それにしても、映画「Dream Girls」でも感じたが、「ビヨンセ」の歌唱力は凄い。映画のなかで、あのオバマ大統領の就任式の夜のダンスパーティでも歌った「エタ・ジェームス/Etta James」のカバー「At Last」をスクリーンでも熱唱する。この映画「キャデラック・レコード」は、ロックンロール、ブルース、R&Bファンは必見ですぞ。

キャデラック・レコード コレクターズ・エディション [DVD]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント



観てみますか? ビヨンセが「At Last」を歌うシーンを。  
 

 

 
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二作目はイギリス映画「パイレーツ・ロック/The Boat That Rocked」(2009年公開)。「リチャード・カーティス」監督が、60年代に実在した海賊ラジオ局を描いた音楽映画。1966年のイギリスを舞台に、24時間ロックを流し続ける海賊ラジオ局と、ロックを規制しようとする政府の攻防を描いた、当時実際にあったイギリスの状況と、枕の下のラジオでロックを聴いていたという監督の幼少の頃の思い出からインスパイアされた痛快エンターテイメント。

ローリング・ストーンズ、ビートルズ、キンクス、フー…ブリティッシュ・ロックが絶頂期だった頃、イギリスでは民放ラジオ局が認可されていなかった。しかし、皆が聞きたいのは、ポピュラー音楽。だけど英国政府は「ロック=諸悪の根源」とし、ポピュラー音楽の放送を1日45分以下と規制していたため、国営BBCラジオが流すのは、クラシックやジャズばかり。そんな中、北海に飛び出し、イギリスの法律が適応されなくなる距離まで沖合に出て、停泊した船の上から24時間ロックを放送する海賊ラジオ局が現れた。「スイッチを入れたら 君はもうひとりじゃない!」と ・・・・。

舞台はそんな海賊ラジオ局の船の上。高校を退学になった18歳の若者カールが、更生を望む母親の差し金でこの船に送り込まれる。ところが、そこは型破りな8人のDJたちと乗組員たちが大好きなレコードに囲まれ、自由を謳歌する楽園だった。

いやあ、イギリスでそんな時代があったとはついぞ知りませんでしたね。DJたちの熱い思いと、ロックを愛するリスナーたちのロックで繋がった強い絆は、やがてイギリス中を巻き込み、後半一気に盛り上がって感動のラストシーンを迎える。「ザ・ローリング・ストーンズ」、「ザ・キンクス」、「ジミ・ヘンドリクス」、「ダスティ・スプリングフィールド」、「プロコルハルム」、「ディオンヌ・ワーウィック」など、劇中に流れる1960年代ロック、POPSの名曲の数々。少しマニアックな映画ですが、ロックに思い入れのない人にも楽しめる、海賊DJたちの熱い物語。


パイレーツ・ロック [DVD]

ジェネオン・ユニバーサル




三作目は日本映画から、星田良子監督の「僕らのワンダフルデイズ」(2009年公開)。かってのエレキ少年や、今輝いているおやじバンド必見の笑って泣けるエンタテインメント。音楽アドバイザーとして「奥田民生」が全面協力。

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末期ガンで余命半年と知ってしまった53歳の平凡なサラリーマン藤岡徹(竹中直人)。落ち込む日々の中、バンド活動に夢中だった高校時代を思い出した彼は、自分が家族に残せるものは「音」だと気付き、おやじバンド・コンテスト出場を目指し、高校時代のバンド「シーラカンズ」の再結成する。と、ここまでは「余命〇〇日」映画によくある予定調和のストーリー展開。だが ・・・・。

家庭と仕事、それぞれに事情を抱えた50代のおやじたちが、時にぶつかり合いながらも、熱い心を取り戻していく。「竹中直人」の演技が際立って光っているが、バンドのメンバーを「宅麻伸」、「斉藤暁」、「稲垣潤一」、「段田安則」というジャンルを超えた個性派俳優陣が演じている。仕事や家庭の間でもがき、奮闘している「おやじ」たちへの応援歌。私も学生バンド時代の昔を思い出しながら、「うんうん」とうなずきながら見ていた。

僕らのワンダフルデイズ 通常版 [DVD]

キングレコード


 
聴いて見ますか?主題歌「僕らの旅」。 サウンドトラックと映画やメイキングの一シーン。
 

 

そうそう、「竹中直人」は口笛の名手でもあって、サザンのベーシストにしてウクレレの名手「関口和之」とコラボでこんなアルバムを出していますね。遊び心たっぷりで、心温まるJAZZ、POPSのスタンダード集。

口笛とウクレレ

関口和之 featuring 竹中直人 / ビクターエンタテインメント



 
 
by knakano0311 | 2010-05-28 00:20 | シネマな生活 | Trackback | Comments(0)