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大屋地爵士のJAZZYな生活

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原田芳雄氏逝く

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(ATG制作「竜馬暗殺」(1974年)より)

個性的でアナーキーな俳優、「原田芳雄」氏が19日亡くなった。71歳だった。つい先日、病をおして自ら企画し、遺作となってしまった映画「大鹿村騒動記」の舞台挨拶に出ている姿をTVで見たばかりであった。私は、ずいぶん彼の出演する映画を観ている。初期のころのあのギラギラした存在感は、私にとって、彼の肉体と同じように眩しいくらい強烈であった。ほんとうにかっこよかった。ちょっと思い出しただけでも、「八月の濡れた砂」、「竜馬暗殺」、「祭りの準備」、「はなれ瞽女おりん」、「ツィゴイネルワイゼン」 ・・・「父と暮せば」、「オリヲン座からの招待状」。最近の作品でも「歩いても歩いても」、「たみおのしあわせ」、「ロストクライム - 閃光」 ・・・。多分本数からすれば観ているのは、彼の出演作品が一番多いかもしれない。それだけ日本映画に欠かせない存在だったということだろう。彼が出ているというだけで作品の一定のレベルが保証されているような役者であった。そういえば、原田芳雄主演 黒木和雄監督、田原総一郎原作で福島原発にアポなしロケを行った「原子力戦争」(1978年)なんて映画もあったっけ。

そして、彼のもう一面は、最高のブルース歌手であったこと。あれだけのブルースを歌える歌手は日本にはそういない。まったくもってアナーキーでアウトローな個性であった。一度ライブ・ステージを見たかったと今でも思う。いくつもの動画がYOUTUBEにアップされているが、お気に入りを一つ。

「原田芳雄 - only my song」

          

合掌 ・・・。
by knakano0311 | 2011-07-19 23:53 | 訃報を聞いて | Trackback | Comments(0)

忘れていたご長寿ピアニスト

先日このブログで、「ハンク・ジョーンズ/Henry "Hank" Jones」亡き後の21世紀における「ビ・バップ」のタイム・カプセル的な存在は、「バリー・ハリス/Barry Harris」一人になってしまったと書いたが、もう一人いるのを忘れていた。「ジュニア・マンス/Junior Mance」である。昔から好きなピアニストであったが、ブルージーで若々しいタッチのブルース弾きということ、「ジュニア」という名前から、もっと若いと勝手に思っていたが、1928年10月生まれ、なんと82歳だということを、最近知った。

「バリー・ハリス/Barry Harris」が、1929年生まれの81歳、「ジーン・ディノヴィ/Gene DiNovi」が1928年5月生まれの82歳であるから、彼らと並ぶ、現役最長老ピアニストの一人である。そんな長いキャリアをもつ彼が、初めてのソロ・ピアノ・アルバムをリリースしたので、はじめて彼の年に気がついたのである。アルバム「ジュニア・マンスの世界」。得意とするブルースはもちろん、叙情的なバラードまでとても82歳の爺さんの弾くピアノとは思われない。

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ジュニア・マンスの世界

ジュニア・マンス / キングレコード




ハーレムのブルース、黒人音楽の感触を色濃く残しながら、今のNYに生きるソウルフルなJAZZを感じさせる「ジュニア・マンス・トリオ」が好きである。「ジュニア」と呼ばれたのは父親もピアニストだったためで、たしか、「綾戸智恵」がニューヨークで暮らしていたとき、彼と親交があり、一緒に音楽活動もしたこともあったらしく、帰国してから彼が有名なJAZZピアニストであることを初めて知ったと語っていたことを思い出した。そんな綾戸が最近リリースしたアルバムが、「綾戸智恵 meets JUNIOR MANCE 」。彼女が、本格デビュー前の1996年に「ジュニア・マンス」とニューヨークで録音された幻の自主制作盤を今年の「東京ジャズフェス」などでの「ジュニア・マンス」との再会・共演記念盤としてデジタル・リマスタリング盤である。

ONLY YOU

綾戸智恵 meets JUNIOR MANCE / ewe records



しかし、私のなんといってもお気に入りは、この2枚。「グルーヴィン・ブルース/Groovin' Blues」と「ソウル・アイズ/Soul Eyes」。

「エリック・アレキサンダー/Eric Alexander」の泣かせのサックスにマンスのピアノが絡み、ブルースのパッションは最高潮に。「グルーヴィン・ブルース」、ブルース好きにお薦めの一枚である。

グルーヴィン・ブルース

ジュニア・マンス・トリオ&エリック・アレキサンダー / エム アンド アイ カンパニー



「ソウル・アイズ」。マル・ウォルドロンのタイトル曲をはじめ、ブルースの名曲「ストーミー・マンデイ」などスタンダードをブルージーに、それでいて都会的感覚に満ちたいぶし銀のような演奏で聴かせる佳品。

ソウル・アイズ

ジュニア・マンス・トリオ/エム アンド アイ カンパニー


ピアノ・ソロ・アルバム、「ジュニア・マンスの世界」から、「Georgia on my mind」。
 
          

 
by knakano0311 | 2010-10-23 00:09 | もしもピアノが弾けたなら | Trackback | Comments(0)

おやじのエレジー(哀歌) ~歌謡曲としてのブルース・考~

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8月12日は「ブルースの女王」と呼ばれた淡谷のり子(1907 - 1999年)が生まれた日だそうだ。「別れのブルース」が大ヒットしたのは日中戦争が勃発した1937年。その後、戦中・戦後を通じて、日本人を癒してきた「ブルース」。日本人は「ブルース」が好きである。何にでもブルースをくっつけて歌にしてしまう。人から自然現象からご当地名まで手当たり次第である。「男のブルース」、「女の・・」、「あなたの・・」、「雨の・・」、「別れの・・」、「夜霧の・・」、「大阪・・」、「中之島・・」、「港町・・」、「赤と黒の・・」、「一番星・・」、「黒い傷痕の・・」、「昭和・・」、「しのび泣きの・・」、「恍惚の・・」、「一人ぼっちの・・」・・、ああ、きりがない。さてそれでは、何をもって「ブルース」というのかというと、歌謡曲の世界では、その定義を聞いたことが無いので、これがさっぱり分からないのである。

洋楽における「ブルース」の定義というのは、はっきりしている。ブルース(Blues)は、米国深南部でアフリカ系アメリカ人の間から発生した音楽のひとつ、またはその楽式のことである。その特徴は、A・A・Bの形式をとるワンコーラス12小節形式 (ブルース形式)で綴られる詩が多いということ。そして、二つ目は循環コードの一種である定型のコード進行(ブルース・コード)をとることが多いということ。三つ目には、旋律に独特の節回しがあり、一般にブルー・ノートと呼ばれる独特の音階が使われる。つまり、日本の歌謡曲のスタイルとして「ブルース」と、ここで言う洋楽の「ブルース」とはまったく関係がないのである。

しからば、どうして歌謡曲に「ブルース」と呼ばれるスタイル?ジャンル?ができたのであろうか。まったくの私見で根拠は無いのであるが、私はこんな風に考えている。正式な名称かどうか分からないが、社交ダンスのステップに4/4拍子の「ブルース」というのがある。娯楽の乏しかった日本で社交ダンスの普及とともに、その踊りの雰囲気を最大限盛り上げるための曲として、スロー・テンポで、チークダンスや感情移入がしやすい短調(マイナー)の曲、歌謡曲が好まれていった。これが日本の歌謡曲の「ブルース」の発祥となって、その「ブルース」という言葉が持つモダンで哀調の語感が歌謡曲のウェットな世界にぴったりなため、強く結びついていったのではないかという勝手な持論を持っている。強いて定義してみれば、短調(マイナー)のスロー目の曲で、これが一番重要であるが、「・・・のブルース」というタイトルがついていることという極めて大雑把なところであろうか。まあ~、目くじらを立てて議論するほどのことはないのであるが・・・。 

先ほどあげた日本の「・・・ブルース」がついた歌をみると、「ブルース」というよりは、「エレジー(哀歌)」といったほうがいいのではないかと思う。私は、歌うほうはJAZZと違って、日本のエレジーいえる曲が好きで、「この歌は私のエレジー」と勝手に定義してカラオケなどで歌っていた。その条件は、「マイナー(短調)」、「ドロドロ、ベタベタな歌詞」、「抑えた感情、やがて迎える山場、絶唱」、「私がカラオケでうたえること」であった。これが「私の哀歌、おやじのエレジー」の条件で、それに当てはまる次のような歌をあげれば、なんとなく気分が伝わるでしょうか・・・。
「あんたのバラード、悲しい色やね、月のあかり、酒と泪と男と女、あなたのブルース、粋な別れ、大阪で生まれた女、石狩挽歌、想い出ぼろぼろ、ルビーの指輪、別れのサンバ ・・・・」。これもきりがないのですが・・・。
これを見ると、私はまさに、どんぴしゃ正統派の「オヤジ」ですね。

「月のあかり - 桑名正博」

          

「エレジー(哀歌)」、私が大のファンでもあるイチオシの女優「ペネロペ・クルス」が出演していた映画「エレジー」(原題: ELEGY)。「ペネロペ・クルス」扮する女子学生が、30歳も歳の離れている、雑誌「LEON」から抜け出してきたような大学教授の「ちょいワルじじい」に惚れてしまうが、女が真剣になるにつれ、老いた男が引いてしまうというよくある話がテーマの映画。パーティで教え子を口説く場面のBGMに流れていたのは、ストーリーを予感させるような「マデリン・ペルー」が歌う「レナード・コーエン」の「Dance Me To The End Of Love (哀しみのダンス)」(ブログ参照だった。 

エレジー デラックス版 [DVD]

ジェネオン・ユニバーサル



「哀しみのダンス」を始め、なつかしくレトロな薫りのするエレジーが一杯つまったアルバムは「マデリン・ペルー/ケアレス・ラヴ」。

ケアレス・ラヴ
マデリン・ペルー / / ユニバーサル ミュージック クラシック
ISBN : B000STC6NW
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本家のブルースをご存知でない方には、お分かりいただくために、ブルースが自らの音楽のルーツであるという、「エリック・クラプトン」のブルース・アルバムを参考までにあげておきましょう。あの「Tears in Heaven」が収録された大ヒットアルバム「アンプラグド/Unplugged」の2年後にリリースされた、全曲ブルースのカバーで占められたルーツ回帰アルバムが「From The Cradle (ゆりかごから)」である。渋い円熟の演奏が光るブルージーなサウンド。「ミスター・スローハンド」とよばれ、全世界のロック・ギタリストが憧れるクラプトンのギター芸、技の本領発揮のアルバムである。

フロム・ザ・クレイドル

エリック・クラプトン / ダブリューイーエー・ジャパン



そして、クラプトンが敬愛するブルースの巨人、ブルースのレジェンド(伝説)、「B.B.King」とコラボした「Riding With The King」。シンプルな録音で、向かって右にKing、左にClapton。リラックスした雰囲気の中で、温かい親密感が生まれ、2人が小部屋で向かい合いながら、楽しんで演奏しているように聴こえる。まるでシカゴのブルース・ハウスにでもいるようなノリに包まれる。

ライディン・ウィズ・ザ・キング

B.B.キング&エリック・クラプトン / ワーナーミュージック・ジャパン



「Eric Clapton & B.B. King- Three O'Clock Blues」

          
by knakano0311 | 2009-08-18 09:23 | おやじのジャズ | Trackback | Comments(0)