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大屋地爵士のJAZZYな生活

タグ:ロバート・ラカトシュ ( 3 ) タグの人気記事

路傍の花、樹々の鳥(45 ) ~ 薫りは金木犀から ~

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ウォーキングをしていると、あの甘い特徴のある薫りがあちこちから漂ってくる。「キンモクセイ(金木犀)」である。ウォーキングの道筋には街路樹をはじめとして、庭先や生垣として、手入れの行き届いた「キンモクセイ」を植えている家が多く、この季節にはこの強い薫りのためか、ほかの花の存在感が薄れてしまっているとさえ感じる。

「キンモクセイ」。中国南部原産で、日本には江戸時代に渡来し、主に庭木として観賞用に植えられている。花冠は白ワインに漬けて、「桂花陳酒」としたり、茶に混ぜて「桂花茶」と呼ばれる花茶にするという。

その薫りがきつすぎるので、我が家では「キンモクセイ」は植えていないが、その代わり、小さな株ではあるが、「ミヤギノハギ(宮城野萩)」と「ヤマホロシ(山保呂之)」(「ツルハナナス(蔓花茄子)」ともいう)が、今が見頃である。

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さて、今宵のピアニストは、ハンガリー出身、澤野工房の看板ピアニストといってもいいでしょう、「ロバート・ラカトシュ/Robert Lakatos」。

澤野工房からいくつものアルバムがリリースされ、私はトリオでのライブを聴きに行ったこともあり、(参照拙ブログ「もしもピアノが弾けたなら(9) ~至福のハンガリアン・ナイト~」)、同郷ハンガリーの歌姫、「ニコレッタ・セーケ/Nikoletta Szoke」の歌伴でもおなじみである。

「ロバート·ラカトシュ」。1975年、ハンガリー・ブダペスト生まれ。父はハンガリーの著名なピアニスト、「ベーラ・サチ・ラカトシュ/Bela Szakcsi Lakatos」。オールラウンドなマルチ・キーボード・プレイヤーとして活躍しているという。実兄、「ベーラ・サチ・ラカトシュ・ジュニア」も、ジャズ・ピアニストとして活躍。

ブダペストの「バルトーク音楽院」でクラシック・ピアノを学び、やがてジャズへと転向した彼は、深い音楽的共感を共有できる音楽的同志とでも言うべき、「ファビアン・ギスラー/Fabian Gisler (b)」、「ドミニク・エグリ/Dominic Egli (ds)」と出会い、トリオを結成する。その後、「国際ジャズ·コンペティション」や「国際ソロ・ピアノ・コンクール」での優勝など国際的にも高い評価を得、2005年澤野工房」より、「SO IN LOVE」で日本デビューした。

そんな彼のソロ・ピアノ・アルバムが、「Marmosets」(2007年録音)。たしか、2008年、西宮の県立芸文センターで開かれた彼のコンサート会場で求めた限定版のアルバムだったと思う。冒頭の「Psalms」を除いて後の10曲はスタンダード。トリオもいいが、11曲に散りばめられたソロでの美音と詩情あふれる流麗なタッチを改めて認識したアルバムである。

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MARMOSETS
ロバート・ラカトシュ ピアノ・ソロ/澤野工房

Robert Lakatos : piano



彼のYOUTUBEもほとんどアップされていません。もちろん、ソロ・アルバム「MARMOSETS」も ・・・。お聴きになりたい方は、澤野工房のアルバム紹介ページでさわりをどうぞ。

上記アルバム収録の欧州におけるジャズの先駆者、「ジャンゴ・ラインハルト/Django Reinhardt」に捧げた、MJQの楽曲「Django」を、ラカトシュを中心にしたクインテットの演奏で ・・・。ハンガリアン・ムードとういうか、哀愁のジプシー・ムードというか、民族色あふれる演奏になっている。出典は不明。

「Django - Gábor Bolla, Robert Lakatos, Heiri Känzig, Jojo Mayer & Lajos Sarközi」

          


日本デビューアルバムから、「Palm Song」を。

 

SO IN LOVE

ロバート・ラカトシュ・トリオ / 澤野工房



「Palm Song - Robert Lakatos Trio」

          

ソロ・アルバム冒頭の「Psalms」、「詩篇」と名付けられた曲は、ラカトシュの実兄、「ベーラ・サチ・ラカトシュ・ジュニア」のオリジナルで、彼は同名のタイトルのアルバムを出している。この繊細で美しい曲の「ロバート・ラカトシュ」自身による演奏がアップされていないのは残念であるが、、「ベーラ・サチ・ラカトシュ・ジュニア」の演奏を前述の拙ブログから再録しておきましょう。「路傍の花、樹々の鳥 (27) ~庭の片隅の紅葉~」

「Szakcsi Jr Trio ‐ Psalms」

          
by knakano0311 | 2014-09-29 17:47 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

笑えない話  ~ 映画・人生に乾杯! ~

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じじばば映画の佳作をDVDで観た。年金にはもう頼れなくなった老夫婦が、幸せをつかみ取るために強盗をかさね、その逃避行を描いたハンガリー映画である。ハンガリーで熱い支持を集めたというコミカルでハート・ウォーミングなストーリーの快作。邦題はややベタ過ぎる感があるが、「ガーボル・ロホニ」監督の「人生に乾杯!/Konyec」(2009年日本公開)。

かって運命的な出会いを経て結婚し、今や81歳となった腰痛持ちの夫エミル(エミル・ケレシュ)と、インシュリンが欠かせない70歳の妻ヘディ(テリ・フェルディ)の老夫婦。恋していた頃のことなどはもうすっかり忘れた二人は、年金だけでは暮らしていけず、借金取りに追われる毎日。出会いのきっかけだった思い出のダイヤのイヤリングも借金のカタに取られてしまう始末。高齢者に冷たい世の中に怒りを覚えたエミルは、イヤリングを奪い返すために持病の腰痛を押し、かって共産党幹部の運転手をしていたときの愛車で、ずっと手入れをしていた馬力だけは負けない愛車「チャイカ」を20年ぶりに飛ばし、手に愛銃「トカレフ」を握って、紳士的強盗を重ねていく。一度は警察に協力したヘディだが、奮闘する夫の姿にかつての愛しい気持ちを思い出し、手を取り合って逃げる決心をする。二人の逃避行は、やがて民衆をも巻き込んで、思いもかけない展開に ・・・ 。「ただ息子の墓詣でと海が見たかった」と言い残して警官隊の包囲網に突っ込んでいくラスト・シーン。だが ・・・ 。

じじばば版「俺たちに明日はない」、「テルマ&ルイーズ」のような作品であるが、ソ連共産主義崩壊後のハンガリーの現状に疑問を投げかけるとともに、現在の東欧諸国の実態の一端が垣間見える。この映画はハンガリーだけでなく、旧共産圏東欧諸国で多くの支持や共感を得たという。解決すべき社会問題を浮き彫りにしながら、心温まるストーリーを展開するこの佳作は、現代の日本に通じるテーマ。心温まる一方で、とても笑い話ではすまされない話でもある。日本でも近い将来こんな老夫婦が出てこないとは言えないのだ。

人生に乾杯! [DVD]

東宝



ハンガリー出身のJAZZピアニストといえば「ロバート・ラカトシュ」。澤野工房の最近の収穫であり、いまやレーベルを代表するピアニストとなった。相撲取りのような体格でありながら、そのシャイな人柄と繊細な指先から紡ぎだされる調べは、美メロでありながら、一本しっかりした筋が通っている。「So In Love」、「Allemande」、「Zingaro」など美メロ満載のアルバム。

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So In Love /Robert Lakatos  澤野工房
 
 
  
 
 



 
by knakano0311 | 2010-05-23 09:40 | シネマな生活 | Trackback | Comments(0)

もしもピアノが弾けたなら(9)   ~ 至福のハンガリアン・ナイト ~

b0102572_1836543.gif(写真は小ホール、芸術文化センターHPより)

「ロバート・ラカトシュ」、なにわのJAZZレーベル澤野工房がいちおしの若手JAZZピアニスト。
1975年ハンガリー、ブタペスト生まれ。まだ33歳の気鋭のアーティスト。
聴いた瞬間に「やばい!!」と直感的に感じるアーティストが過去にも何人かいましたが、彼もその一人でした。2週間ほど前に初めて友人の薦めで聴いてはまり、7月24日に初来日コンサートがあるの知り、速攻チケット予約し、コンサート「Robert Lakatos Trio & Solo」に行ってきました。

コンサートがあったのは、あの大震災から10年後、兵庫県の文化復興のシンボルとして阪急西宮北口駅にオープンした、芸術監督を「佐渡裕」が務める兵庫県立芸術文化センター。地元住民の熱い支持やボランティアをうけ、大きな成功を収め、芸術文化の新しい発信拠点となった大中小3ホールのうち、座席数約400の小ホールで開催されました。
ユニークな変則八角形のドームで、床、壁、天井、座席すべて木材で覆われたアリーナ形式のホール。そのため、パフォーマーの一挙手一投足が間近に見え、息づかいまでもが聴こえてきそうな客席と舞台の一体感に長け、ピュアーで自然の音に包み込まれるような、ラカトシュには最もふさわしいと思われるようなホール。JAZZ、しかもそんなに有名だとは思われないアーティストなのに、ほぼ満席で、我々とほぼ同世代のご夫婦連れが多かったが、彼の音楽性のためか、意外と若い女性客が多かったことにびっくり。

演目は「You and The Night And The Music」からはじまり、トリオ、ソロを交え、今までのCDに収録された「アルマンド」、「エスターテ」、「フラジャイル」など美しく煌くおなじみの曲が中心で、あっという間の2時間であった。ラカトシュは、私がピアノ・トリオに魅かれる、或いは望む四要素、「美しさ」、「切なさ」、「心に届く深さと力強さ」をすべて持っている。ピアノ・トリオに慣れ親しんでいるベテランだけでなく、これからピアノ・ジャズを聴いてみようかと思っている人にも是非おすすめのアーティストである。先の四要素を持っているがゆえに、決してイージーではなく心に響いてくるはずだ。クラシックも好きな人なら、なおさらであろう。

アンコールの「ブルーモンク」にもびっくりしたが、この日の演奏曲のなかに「チャーリー・パーカー」の曲が2曲ほどあったが、かれもパーカーを尊敬しているみたいで、美しいであるばかりでなく、その根っこに力強いビ・バップへの憧れが脈打っていることも垣間見ることができた。

ラカトシュは、ハンガリー語とドイツ語しかしゃべれないらしく、終始無言で、(MCはドラムのドイツ人ヴァイスが担当していたが)相撲取りかと思う大柄な体格で、スタンウエイが大変小さくみえた。しかし、いったん弾き始めると、その鮮やかなタッチの指先から紡がれる音楽は、無骨な外観からは想像できないくらい美しい。やっぱり、ロバート・ラカトシュ、今後、眼いや耳を離せないJAZZピアニスト。至福の一夜であった。

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You And The Night And The Music
最新3rdアルバムで、今回の来日のメンバーによる演奏である。タイトル曲「You And The Night ・・・・」、「Fragile」、「Whisper Not」、など美しいスタンダードとスインギーな曲が絶妙な組み合わせで芳醇な雰囲気を醸し出す、きっと聴く場所を選ばない珠玉の一枚。


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Never Let Me Go
2作目でラカトシュの本領発揮、まさしく本物、王道であることを確信させるほどのできばえ。
なかでも、「Estate」は最高の聴きもの。


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So In Love
デビュー作であるが、この「Allemande」の美しさはどうであろう。かの寺嶋氏が「Jazz Bar 2005」に取り上げたのも分かる。そして「Zingaro」、「Yesterdays」と続けば、デビュー作にして、澤野レーベルの看板アーティストに間違いなく成長するであろうことを予感させるアルバム。


そして、偶然前の日に見たDVDは、今年見逃していたハンガリー映画、クリスティナ・ゴダ監督「君の涙 ドナウに流れ」。
第二次世界大戦以後、ナチの支配下であった東欧地域は、ソビエト連邦(現・ロシア)の支配下に入り、社会主義体制をとる事になる。 表面上、社会は平静を保っていたが、裏では秘密警察による厳しい言論統制や粛清が行われて居り、ポーランド、ハンガリー、チェコでは、自由を求める人々が蜂起しては、ソ連軍に制圧される、という事件が繰り返されていた。1956年に起こった、いわゆる「ハンガリー動乱」と、メルボルン・オリンピックの栄光の陰で繰り広げられた悲劇を描いた作品。
オリンピックに向けて水球チームのエースとして活躍するカルチは、学生デモを統率する女子学生ヴィキと出会う。革命を信じる彼女と接し、ソ連軍が市民を撃ち殺す光景を見たカルチは、自由のための戦いに身を投じてゆく…。若い男女の愛の物語を中心に、感動のストーリーは展開されますが、 ハンガリー国民の苦難の歴史を、50年以上も経った今、映画として描く事が出来たという歴史の背景にも思いを馳せる映画であった。


君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956 デラックス版
/ ジェネオン エンタテインメント
ISBN : B0017UE0PS
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彼の演奏は、ほとんどアップされていないが、その中で見つけたのが、コンサートでも演奏されたアルバム、「So In Love」から「Alemande」。 「Alemande - Robert Lakatos」

          


映画とコンサート。二夜連続、至福の「ハンガリアン・ナイト」であった・・・・・・。
by knakano0311 | 2008-07-26 11:40 | もしもピアノが弾けたなら | Trackback | Comments(0)