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大屋地爵士のJAZZYな生活

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蘇州刺繍展をみて  ~その指先はまさに神業~

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蒋雪英大师刺绣技能工作室HPより




昨日は妻のリクエストにより、ドライブがてらの「中国 蘇州刺繍展」見学。蘇州は、汕頭(スワトウ)などとならんで、昔から刺繍の有名なところで、国立の刺繍工芸専門学校があるという。
かって、仕事の関係でお付き合いのあった上海の中国企業の社長さんが、この中国刺繍の大変なコレクターであった。商談のあと、部屋の奥から何枚ものコレクションを取り出してきて、熱心に説明してくれたことを思い出す。当時は、興味を持つような余裕もなかったので、とくに大きな関心を持つことはなかったが、その刺繍の技巧の凄さ、高度さだけは強く印象に残っていた。現在も月1回程度、北京への出張があるが、北京空港のパスポート・コントロールからバゲッジ・クレイムへ降りていくエスカレータに面する壁のところにある中国名所を描いた巨大な刺繍図を眼にするたびにその社長さんことを思い出す。

「蒋雪英」女史。「中国工藝美術大師」、日本で言えば、「人間国宝」。 1975年に蘇州刺繍の技術を、日本の伝統呉服に初めて活用し、現在に至っている。これについては、かの作家「司馬遼太郎」も「呉服と蘇州の刺繍」という一文を寄せています。
「蒋雪英」女史は、1933年生まれの中国工藝美術大師で、中国刺繍界における最高技術者であり、中国で刺繍に携わる技術者約10000人の長として、技術指導を行い、現在も活躍しています。彼女は、度々来日し各地で展示会を開いていますが、今回も兵庫県で、作品展示会とお弟子さんによる刺繍の実演があり、クラフトや手工芸に関心がある妻のリクエストとなったわけです。

「蘇州刺繍」は現在でも、一人前と呼ばれるまでに、20年とも30年かかるともいわれている大変高度な刺繍技術です。特に最高峰の技術者になりますと、普通の刺繍糸を手でもみほぐし、最初に1/3に割り、1/6.1/12.1/24を更に割り1/48までに細くして刺繍していく技術を持っているそうです。超精密繊細な刺繍画になると、さらに1/64まで細くする事もあり、大人の髪の毛の1/10~1/15位の太さの、目にも見えないような糸を針に通し、何回も何回も縫い重ねることによって、色の濃淡、立体感が表現出来るのだそうです。図柄によっては、完成までに何年もかかるものもあるそうです。実際の刺繍作業を見ましたが、風景画の場合、小さな写真一枚から刺繍画を完成させます。特に設計図みたいな物がないことにもびっくりしました。高度な刺繍技術もさることながら、絵のデザイン・構想力、根気、集中力の持続など、どれをとっても気の遠くなるような話で、伝統工芸の持っている「技」の凄さが見ただけでつたわってきました。

洋の東西、日本・中国を問わず、何百年、千年という時の流れを潜りぬけてきた伝統工芸のもつ「凄み」や「重み」をあらためて感じた一日でした。

二胡、古箏、琵琶、竹笛、楊琴といった中国伝統楽器をあやつる十二人(現在は十三人)の若い女性たちのグループ「女子十二楽坊」。熱烈なファンがいる一方、あまり評価をしない人もいる。私もコンサートを聴いた事があるが、テクニックは凄いし、中国音楽は評価できるが、西洋音楽、日本音楽のカバー曲はいまいちであった。しかし、あの「Asian Beauties」の演奏を観ているだけ満足満足。

女子十二楽坊~Beautiful Energy~
女子十二楽坊 / / ミューチャー・コミュニケーションズ
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ちょっと前に読んだ本、野村進著 「千年、働いてきました -老舗企業大国ニッポン」。
携帯電話という最も進んだ新しい製品を支えているのは、創業百年以上の老舗企業の技術である。昨今の「会社は株主のもの」とかいう、まやかしのグローバル・スタンダードに真っ向から水をかける痛快な一冊。

千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン (角川oneテーマ21)

野村 進 / 角川書店


by knakano0311 | 2007-09-28 17:40 | いもたこなんきん | Trackback | Comments(0)