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大屋地爵士のJAZZYな生活

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記憶の中の月(9) ~ 歩いてみようか、月の夜は ~

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「夜出歩く」ということがすっかりなくなってしまった。子供扱いだった小中学校の頃は、夜歩きといえば、家に風呂がなかったから銭湯へ行く時か、お祭り見物くらい。高校、大学時代になると、クラブ活動やコンパ、バンド活動に、卒業研究、卒業論文と俄然多くなった。就職してからは、「夜出歩く」といったらもっぱら飲み屋街。定年退職後はそれもなくなり、最近は年に1,2回程度。飲んだあと帰ってくるのが面倒くさくなってしまったからでもある。    

京都や大阪、神戸まで足を伸ばさなくとも、こんなに自然が近くの所に住んでいるのだから、月だ、星だ、夜桜だ。紅葉のライトアップやクリスマスのイルミネーション、火祭り、地蔵盆、千灯会、花火大会 ・・・と、夜歩きを誘う地域のイベントも数多くある。最近はそれもおっくうになってしまった。

「月の歌」を特集してみて、気候が良くなったので、「夜になったら、窓を開けて空を見てみよう。月を見ながら歩いてみようか。」という気になった。なにかいいことが起こるかも知れない。(写真はNETより拝借)

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さて締めくくりの「月の歌」です。かって「向田邦子」が、そのエッセイ集「眠る盃」の中の一篇「水羊羹」で、「水羊羹に一番似合う」と評した女性シンガーがいる。「ミリー・ヴァーノン/Milli vernon」。アルバムは、「イントロデューシング/Introducing」(1956年録音)。(参照拙ブログ「向田邦子の愛したJAZZ   ~水羊羹にあうJAZZ~」「羊羹って、いまが旬? 」 など)

その中の一曲が、「ムーン・レイ(月光)/Moon Ray」。「エラ ・ フィッツジェラルド/Ella Fitzgerald」の歌唱で知られている歌。レトロな中にも、ムーディに端正に、そして密やかに歌う。「向田邦子」は「ミリー・ヴァーノン、生きているのか、死んでいるのか ・・・」と書いたが、健在のようです。

【 Moon Ray 】  by Artie Shaw / Nat Madison / Arthur Quenzer

「♪  Moon Ray            月の光よ
    cast your spell upon my lover, 私の恋人に呪文をかけて
    Under this starlit cover,     この星空の下で
    Use all your magic charms!  あなたの持てる魔法の力全てを使って
        ・・・・・・・・・・・・・・・・       ・・・・・・・・・・・・・・・・   ♪」

なにか、「セーラームーン」を思わせるような雰囲気の歌。

イントロデューシング

ミリー・ヴァーノン / ミューザック



「Milli Vernon - Moon Ray」

          

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「ダイアナ・クラール/Diana Krall」、「ホリー・コール/Holly Cole」に続くカナダ出身の実力派女性シンガー、「エミリー・クレア・バーロウ/Emilie-Claire Barlow」が歌うのは、あの「ビリー・ホリデイ/Billie Holiday」の「月光のいたずら/What A Little Moonlight Can Do」。アルバムは、「The Very Thought Of You」(2007)から。スィートでチャーミングで親しみやすい彼女の歌声は、多くのファンを魅了してやまない。

【 What A Little Moonlight Can Do 】 作詞・作曲;Harry Woods

「♪ Ooh, ooh, ooh          ウーウーウー
   What a little moonlight can do  これはきっと月の光のいたずら
   Ooh, ooh, ooh          ウーウーウー
   What a little moonlight can do to you 月の光があなたにいたずらしたのね
   You in love              あなたが恋に落ちるように
   Your heart's fluttering all day long   あなたの心は舞い上がり  
   You only stutter cause you for sure   間違いなくあなたは有頂天
   Just throw that out of the way     なにも手がつかない
   I love you               そんなあなたが好き
        ・・・・・・・・・・・・・・・・       ・・・・・・・・・・・・・・・・   ♪」

Very Thought of You

Emilie-Claire Barlow / Empress Music



そのスキャットの冴えが楽しめる「エミリー・クレア・バーロウ」の歌唱。

「Emilie-Claire Barlow - What a Little Moonlight Can Do」

          

最後は、懐かしい「ナット・キング・コール/Nat King Cole」の歌声から。「月光価千金(げっこう あたい せんきん)」というレトロな邦題が付けられた「Get Out And Get Under The Moon」です。作られたのは1928年。日本では、「エノケン(榎本健一)」等によって紹介されて有名な曲。

【 Get Out And Get Under The Moon 】 
           Music: Larry Shay / Lyrics: William Jerome & Charles Tobias

「♪ When you're all alone, any old night   ひとりぼっちの夜で
   And you're feeling out of tune      気分が晴れないと感じたら
   Pick up your hat and close up your flat  帽子をとって、戸閉まりをして
   Get out and get under the moon     月の光輝く外に出てみよう
        ・・・・・・・・・・・・・・・・       ・・・・・・・・・・・・・・・・   ♪」

ツイン・ベスト・ナウ

ナット・キング・コール / EMIミュージック・ジャパン


 
「Nat King Cole - Get out and get under the moon(月光価千金)」

          
by knakano0311 | 2016-10-15 18:08 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

ひそやかに息づく ・・・  ~ミリー・ヴァーノン~

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かって「向田邦子」が、そのエッセイ「水羊羹」で、『水羊羹に一番似合う』と評した女性シンガーがいる。「ミリー・ヴァーノン/Milli vernon」。アルバムは、「イントロデューシング/Introducing」。(参照拙ブログ「向田邦子の愛したJAZZ ~水羊羹にあうJAZZ~」

『水羊羹を食べる時のミュージックは、ミリ―ヴァーノンのSPRING IS HEARが一番合うように思います。この人は、1950年代にたった一枚のレコードを残して、それ以来、生きているのか、死んでいるのか、まったく消息のわからない美人歌手ですが、冷たいような、甘いような、けだるいような、生ぬくいような歌は水羊羹にぴったりに思います。』 (向田邦子;「眠る盃」)より

眠る盃

向田 邦子 / 講談社



「ビリー・ホリデイ」を髣髴とさせるグルーミーな唄声が魅力の謎の美人シンガーと評された、「ミリー・ヴァーノン」の「イントロデューシング」。「1950年代にたった1枚のレコードを残して、それ以来生きているのか死んだのか、まったく消息の分からない美人歌手」と向田邦子が書いた歌手。たしかに、今、Amazonで検索しても「イントロデューシング」を含めてもたった3枚のアルバムが出てくるだけ。

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アルバム「イントロデューシング」(1956年録音)は、以前NHK‐TVで「向田邦子」の特集をやった時に彼女の愛聴盤として紹介され、このアルバムの存在を知っていた。エッセイが発表された時も、TV放映があった時も、このアルバムを探すファンが数多くいたため、超レアものとして、とんでもない高値がついていたらしい。そして5年ほど前、復刻版がリリースされたということを報道で知り、やっと聞くことができたという次第。

「向田邦子」は、生きているのか死んでいるのか分からないといったが、しっかりと生きているようだ。ライナー・ノーツによれば、1930年、ニューヨーク生まれらしい。とすれば、御年82歳。5歳の時から歌っていたというから、芸歴は長い。しかし、「なぜこれほどまでに寡作なのか?」という疑問については分からずじまいであった。

『水羊羹に合う』かどうかは別にしても、どの曲も、しっとりと、やや憂いを含んで、ムーディに、歌い上げている。「向田邦子」が、『水羊羹に一番あう』と評したのは、「スプリング・イズ・ヒア」。「恋人がいないから春が来ても心が弾まず、憂鬱なの」と、甘く、けだるく、しかし情感豊かに歌われる。全編を通じ、レトロだが、聴いたあとの後味がいいというか、どこか豊かな落ち着いた気持ちにさせてくれる。

いまも、ひそやかに息づいている「ミリー・ヴァーノン」。

イントロデューシング

ミリー・ヴァーノン / ミューザック




なんと!アルバム全曲がアップされていました。
「INTRODUCING - MILLIE VERNON」

          
by knakano0311 | 2012-11-02 10:00 | ミューズたちの歌声 | Trackback | Comments(0)

向田邦子の愛したJAZZ   ~水羊羹にあうJAZZ~  

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3月7日の朝日新聞に次のような記事を見つけた。
「水ようかんに合う歌声? 向田邦子さんの愛聴版復刻」 
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2007年03月07日

米国の女性ジャズ歌手、ミリー・バーノンのアルバム「イントロデューシング」(ミューザック・2200円)が7日、CDで復刻される。脚本家の故・向田邦子さんの愛聴盤として、雑誌やテレビで紹介されてきたが、長く入手困難だった一枚だ。
 エッセー集「眠る盃(さかずき)」に収められた一文にバーノンの名が登場する。水ようかんを食べる時のムードミュージックは何がいいかと自問し、このアルバムの3曲目「スプリング・イズ・ヒア」が一番合うように思う、と書いている。
 56年の録音。向田さんが所有していたのは、74年に出た日本盤で現在、かごしま近代文学館に収蔵されている。
 99年に一度CD化されたが、すぐに市場から消え、ネットオークションで高値がついていた。

 「冷たいような甘いような、けだるいような、なまぬくいような」と向田さんが表現するその歌声は、クリス・コナーにも似ている。トランペットのルビー・ブラフ、ピアノのデイブ・マッケンナ、ギターのジミー・レイニーらの演奏も小気味がいい。
 水ようかんに合うかどうかはともかく、ホッと一息つきたい時にはぴったりの作品だ。
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眠る盃
向田 邦子 / / 講談社
ISBN : 4061317687
スコア選択:


ビリー・ホリデイを彷彿とさせるグルーミーな唄声が魅力の謎の美人シンガー、「ミリー・ヴァーノン/イントロデューシング」。「1950年代にたった1枚のレコードを残して、それ以来生きているのか死んだのか、まったく消息の分からない美人歌手」と向田邦子が書いた歌手。
以前NHKTVで向田邦子の特集をやった時に彼女の愛聴盤として紹介され、このアルバムの存在を知っていた。一度CDで復刻されたらしいが、超レアものとして、とんでもない高値がついていたらしい。今回復刻されたため、やっと手に入った。

水羊羹に合うかどうかは別として、どの曲も、しっとりと、やや憂いを含んで、ムーディに、歌い上げている。水羊羹に一番あうと評された「スプリング・イズ・ヒア」。「恋人がいないから春が来ても心が弾まず、憂鬱なの」と、甘く、けだるく、しかし情感豊かに歌われる。全編を通じ、レトロだが、聴いたあとの後味がいいというか、どこか豊かな落ち着いた気持ちにさせてくれるアルバムで、向田のエッセイと同じように、彼女の暮らしぶりやたたずまいを髣髴とさせる。


イントロデューシング
ミリー・ヴァーノン / / ミューザック
ISBN : B000NIJ3CK
スコア選択:


4曲目、「セントジェームズ病院」。南部のフォークソングがルーツだという。病院の白いテーブルに横たわる恋人の亡骸をみて、嘆く歌であるが、バーノンの歌唱は、抑制が効いたなかにエモーションナルな情を感じさせる小品。この曲の鬼気迫る「浅川マキ」のライブのカバーが、アルバム「松田優作の愛したJAZZ」にも収められている。

なんと!アルバム全曲がアップされていました。
「INTRODUCING - MILLIE VERNON」

          
by knakano0311 | 2007-03-19 23:20 | ミューズたちの歌声 | Trackback | Comments(0)