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大屋地爵士のJAZZYな生活

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記憶の中の月(8) ~ 満ちても欠けても ~

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『 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも 』
                          安倍仲麻呂 『古今集』

「百人一首」に選ばれた歌のいくつかの中で、この歌はよく覚えている。高校の古文の授業で学んだのが記憶に残っているのかもしれない。作者は「阿倍仲麻呂」。が、遣唐使として渡った唐から日本に帰るときに詠んだ歌だという。秀才ぶりを発揮したため、「玄宗皇帝」のお気に入りとして高位の役人になり、30年を経てようやく帰国を許されたという。

明州(現在の寧波(ニンポー)市)の港で送別の宴が催された時に詠まれたのがこの歌で、望郷の思いがつのる仲麻呂が、海を天の原と例え、上った月の情景を表現した歌。

「海原はるか遠くを眺めれば、月が昇っている。あの月は、故郷・奈良の春日にある、三笠山に昇っていたのと同じ月なのだなあ。」 (参照 Wikipedia、写真はNETより無断拝借)

古来から月は、暦でもあり、あかりでもあり、道標でもあり、故郷を偲ぶ景色でもあった。満月、半月、三日月、新月、三日月 ・・・、月の満ち欠けのサイクルを仲麻呂は何回数えたのであろうか。きっと自分の人生や異国での年月に重ね合わせたに違いない。

さて今宵の月の歌。月の満ち欠けを歌で追ってみることにしよう。まずは、満月。「カサンドラ・ウィルソン/Cassandra Wilson」の「Harvest Moon」。アルバムは、「Closer To You」にも収録されているが、ブルーノート・レコード移籍後2作目のアルバム、「ニュー・ムーン・ドーター/New Moon Daughter」(1996)を挙げるのが適当であろう。

Closer to You: The Pop Side

Cassandra Wilson / Blue Note Records



New Moon Daughter

Cassandra Wilson / Blue Note Records



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「ニュー・ムーン・ドーター」は、「カサンドラ・ウィルソン」が1996年に発表したスタジオ・アルバム。ウィルソンの自作曲や、「ビリー・ホリデイ/Billie Holiday」のカヴァー「奇妙な果実」等のジャズ・スタンダードに加えて、「U2」、「モンキーズ/The Monkees」、「ニール・ヤング/Neil Young」などのカヴァーも歌われており、このアルバム以後、カヴァーも積極的に取り入れることになったターニング・ポイント的なアルバム。彼女は本作で、「グラミー賞最優秀ジャズ・ボーカル賞」を受賞し、自身初のグラミー受賞を果たした。


「Cassandra Wilson - Harvest Moon」


          

「ビル・エヴァンス/Bill Evans」のアルバムに「At Half Moon Bay」がある。1973年にカリフォルニアの「Half Moon Bay」でライブ録音されたアルバムで、「Waltz for Debby」、「Autumn Leaves」、「What Are You Doing the Rest of Your Life?」、「Who Can I Turn To」、「Someday My Prince Will Come」などおなじみの曲で構成されている。

At Half Moon Bay

Bill Evans / Milestone



フルアルバムがアップされていました。

「Bill Evans - Half Moon Bay (1973 Full Album) 」

         

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さて、半分の次は1/4。イタリア出身の美人シンガー・ソングライター、「キアラ・シヴェロ/Chiara Civello」のデビューアルバム「ラスト・クォーター・ムーン/Last Quarter Moon」。「ブラジル音楽に強く魅かれる」という彼女自身のピアノの弾き語りが心地よく、ボサノヴァ・テイストの洒落たアルバム。

ラスト・クォーター・ムーン

キアラ・シヴェロ/ユニバーサルクラシック



「Chiara Civello - Last Quarter Moon」

         

さて、「三日月/Crescent Moon」は「寺井尚子」のアルバム、「Jealousy」に収められているが、残念ながらYOUTUBEにアップされていませんので、動画は割愛です。

ジェラシー

寺井尚子 / EMIミュージック・ジャパン



最後は新月。「No Moon At All」。古くは、「ジュリー・ロンドン/Julie London」、「ドリス・デイ/Doris Day」、最近では、「ニッキ・パロット/Nicki Parrott」も唄っているが、今宵は我がディーヴァ、「ステイシー・ケント/Stacey Kent」の歌唱で。

【 No Moon At All 】 by Redd Evans(w),David Mann(m), 1949

「♪ No moon at all, what a night!  お月さんがない なんて暗い夜なの
   Even lightnin' bugs have dimmed their lights.  蛍も明かりを暗くしているみたい
   Stars have disappeared from sight  星さえも見えない
   And there's no moon at all.      月もない、真っ暗闇よ

   Don't make a sound, it's so dark.   音を立てないで この闇だから
   Even Fido is afraid to bark.     犬でさえ吠えるのを遠慮しているわ
   What a perfect chance to park!   絶好のチャンスよ 車を停めるのに
   And there's no moon at all.     そうよ月もない、真っ暗闇よ
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・           ・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」

アルバムは、ボサノヴァの巨匠ギタリスト/作曲家、「ロベルト・メネスカル/Roberto Menescal」との共演アルバム、「テンダリー/Tenderly」。「Embraceable You」や「Tenderly」、「In the Wee Small Hours of the Morning」、「If I Had You」などのスタンダードを心地よいジャズ・ボッサ・サウンドで聴かせる。

テンダリー

ステイシー・ケント&ロベルト・メネスカル / SMJ



「No Moon At All - Stacey Kent 」

          
  
  
まだまだご紹介したい「月の歌」はありますが、今回はこの辺で一旦クロージングに ・・・。
by knakano0311 | 2016-10-13 16:05 | JAZZY紀行 | Trackback | Comments(0)