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大屋地爵士のJAZZYな生活

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She brings a fine day.

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She brings a fine day. 「She」とは生後7ヵ月半の孫のことである。息子のお嫁さんを誘って、彼女の誕生日祝いもかね、私たち夫婦がよく行く箕面のカフェダイニングへといった。混む時間をはずして行ったのにどういうわけか満席。30分近く待たされてしまったが、孫の相手をしていれば、30分などすぐ経ってしまう。この孫が家に来たり、一緒にどこかへ行った時、一度も雨に降られたことがない。天気予報が雨でも ・・・。「晴れ女」、つまり「She brings a fine day everytime.」なのである。もちろん孫に会うと我々夫婦の心もfineになるのはいうまでもない。食事を終えてから、余りにも天気がいいので、暑いが「箕面大滝」に涼みに寄ってみた。この季節は楓の緑一色の中を流れ落ちる高さ33mの大滝は、水量も多く、涼味満点、 fine でいうことなし。

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この「She brings a fine day」というフレーズが浮かんだのは、つい最近観たDVD、「村上春樹」の小説を映画化した「ノルウェイの森」の中の一シーンで使われていた西ドイツのロック・グループの「Can」の曲「She Brings The Rain」が、ずっと頭の中に残っていたからである。「彼女が雨を連れてきた」あるいは「雨女」とでも訳すのか?

「ノルウェイの森」、小説の方も話題になった発刊当時読んだが、そちらの描写に意識がとらわれて、ストーリー全体がよく見えなかったため、余り印象に残っていないというのが本音。今回DVDを観て、70年安保騒動、学生運動真っ只中で揺れ動く、一人のノンポリ学生の思春期の様々な葛藤や人間模様、恋愛、純愛、性、喪失感などをが巧みに描かれていたように思う。なんとなく自分の一部が投影されているようにも思えたし、当時の周りにいた友人に似た登場人物もいた。あれから40年、これから枯れていくだけの爺にも、あんな青臭い青春があったのである。 

松山ケンイチ、菊地凛子らオール日本人出演者であるが、監督・脚本はベトナム出身の「トラン・アン・ユン/Anh Hung Tran 」監督。彼は、1962年12月生まれ36歳というから、日本におけるあの時代などもちろん経験していないし、ベトナム戦争のサイゴン陥落は1975年4月であるから、この時点でも12歳である。あの時代の雰囲気を醸し出す時代感覚、皮膚感を一体どこで体得したのであろうか?

なお、直子が療養生活を送る山の中の施設近く、全山一面の薄の草原は、兵庫県神崎郡神河町にある砥峰高原(とのみねこうげん)である。何年か前に行ったことがあるが、あの高原に漂う寂寥感、無常感はこの映画を一層深い雰囲気のあるシーンにしている。

ノルウェイの森 【スペシャル・エディション2枚組】 [DVD]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント



小説は、語り手「僕」がハンブルグ空港に着陸する直前の飛行機の中で「ビートルズ/The Beatles」の「ノルウェイの森/Norwegian Wood」を耳にするところから始まり、その曲が「僕」を一気に18年前の回想へトリップさせる。映画の出だしはそれとは違うが、もちろん音楽「ノルウェイの森」も出てくる。しかし、私が一番いいなあと思った挿入歌は「She Brings The Rain」であった。この小説は、真偽は分からないが、一説によると、「雨の中の庭」というタイトル(ドビュッシーの『版画』より「雨の庭/Jardins sous la pluie」から)で書き始められ、途中で「ノルウェイの森」というタイトルに変更されたという。とすれば、「She Brings The Rain」という曲を挿入した監督の思いも分かる。

「カン/Can」は、1968年に旧西ドイツで結成されたロック・バンド。ロックのことはよく分からないが、パンク、ニュー・ウェイヴ、オルタナティヴ・ロック、エレクトロニック・ミュージック、ポスト・ロックなど、現在のさまざまなジャンルのミュージシャンたちに大きな影響を与えたという。「She Brings The Rain」にもJAZZ的要素が多分に感じられる曲である。

Soundtracks

Can / Mute U.S.


 
「Can - She Brings The Rain- 1970」

           


 
 
by knakano0311 | 2011-06-30 00:08 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

読むJAZZ(12) ~村上春樹の音楽観~

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芦屋市で中学・高校時代を過ごした作家の「村上春樹」氏に関する知識を試す「村上春樹 芦屋大検定」なる検定が、同市で初めて行われたというニュース。「我こそハルキスト」と自負する200人を超えるファンが集まったという。私はファンという自覚はほとんどないのだが、著作のいくつかを読んでいるので、新聞に載っていたいくつかの問題を試してみたが、まったく歯が立たなかった。たとえばこんな問題。

第5問 デビュー作「風の歌を聴け」が映画化されたとき、「ジェイムズ・バー」の撮影に使われたバーが神戸・三宮にある。このバーの名前は?   
(A) レフトアローン  (B) プレイバッハ  (C) ハーフタイム  (D) メートル・ド・テル

答えは(C)であるのだが、私は、かってこの本は読んだことがあるにもかかわらず、まったくわからなかったのだ。まっ、そんな程度なのである。

「村上春樹」は、1949年1月12日生まれのほぼ同世代。京都府京都市伏見区に生まれ、兵庫県西宮市・芦屋市に育つ。早稲田大学在学中の1974年、国分寺に開いた、以前飼っていた猫の名前に由来するジャズ喫茶「ピーター・キャット」の経営を経て、1979年「風の歌を聴け」で「群像新人文学賞」を受賞しデビュー。昨年映画化もされた1987年発表の「ノルウェイの森」は上下430万部を売るベストセラーとなった。2009年に発売された「1Q84-BOOK1」、「同-BOOK2」、2010年に発売された「同-BOOK3」も国内外で記録的なベストセラーをつづけ、ノーベル文学賞に最も近い日本人作家といわれていることはご承知のとおり。

最初に読んだのは「ノルウェイの森」。そこから私が関心を持ったのは、村上の作品にはJAZZやPOPSなど一定の音楽性があったからである。そして、短編集、翻訳集、エッセイなどを中心に読むようになっていった。(参考拙ブログ「読むJAZZ(2) 或いは読みたいJAZZ ~村上春樹の世界~」) 

再びこの「読むJAZZ」で取り上げるのは、まず「雑文集」。インタビュー、受賞の挨拶、海外版への序文、音楽論、書評、人物論、結婚式の祝電など、1979‐2010年の初収録エッセイから、未発表超短編小説まで、著者自身がセレクトした69篇の「雑文集」である。その中の 「音楽について」の章、「余白のある音楽は聞き飽きない」では、同世代の洋楽ファンとおなじような、少年期、青年期の音楽遍歴が語られている。そして最後には、こんな音楽観で締めくくられているのである。

「僕にとって音楽というものの最大のすばらしさは何か?それは、いいものと悪いものの差がはっきりとわかる、というところじゃないかな。 ・・・・・ ただの個人的な基準に過ぎないわけだけど、その差がわかるのとわからないのとでは、人生の質みたいなのは大きく違ってきますよね。価値判断の絶え間ない堆積が僕らの人生をつくっていく。それは人によって絵画であったり、ワインであったり、料理であったりするわけだけど、僕の場合は音楽です。それだけに本当にいい音楽に巡り合ったときの喜びというのは、文句なく素晴らしいです。極端な話、生きていてよかったなあと思います。」

村上春樹 雑文集

村上春樹 / 新潮社



そしてもう一冊は、「村上ソングズ」。厖大なレコード・コレクションから、ビーチボーイズ、ドアーズ、H.メリル、T.モンク、B.ホリデイ、S.クロウ、スプリングスティーンほか、ジャズ、スタンダード、ロックの多彩なアーティストをピックアップ、訳詞とエッセイで紹介するジャズ、スタンダード、ロックの名曲集である。私にとって、初めて知る曲もいくつもあった。「読むJAZZから聴くJAZZ」への橋渡しをしてくれた楽しい本である。

村上ソングズ (村上春樹翻訳ライブラリー)

村上 春樹 / 中央公論新社



その中から曲をひとつだけ選んでみましょうか。「この家は今は空っぽだ/This House Is Empty Now」。  「バート・バカラック/Burt Bacharach」と「エルヴィス・コステロ/Elvis Costello」の共作になる歌である。村上はこんな風に評し、こんな風に訳している。

「現代のスタンダード・ソングと呼んで差し支えないほどの、美しい奥行きを持った曲だ。バカラックのたどってきた人生の年輪のようなものが、しみじみとメロディの中に漂っている。」

「♪  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
   そう、この家は今は空っぽだ。
   君をここにとどめておくための
   言葉はもうどこにもない。
   君なしでどのように生きていけばいいのか?
            ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・      ♪」 (村上春樹訳)

この曲が収録されている私のお気に入りのアルバムは、二人が共演したオリジナル・アルバム、「Painted from Memory」。村上がイチオシしているのは、ストックホルム生まれのスウェーデン人で、有名なメゾ・ソプラノのオペラ歌手「アンネ・ゾフィー・フォン・オッター/Anne Sofie von Otter」が、コステロとのプロデュースで実現した名盤「For the Stars」。

Painted from Memory

Elvis Costello with Burt Bacharach Mercury



For the Stars

Elvis Costello / Deutsche Grammophon



ここではバカラックとのライブを聴いてみましょうか。 Elvis Costello feat Burt Bacharach - This House Is Empty Now 

          
 
 
 
by knakano0311 | 2011-02-23 09:22 | 読むJAZZ | Trackback | Comments(0)

16年前、初夏の衝撃 ・・・

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GWの混雑、渋滞を避けて、連休明けの週末に母親のケアに信州・松本へ帰省してきました。初日は終日雨。所用で出かけたついでに、松本城の北側、北深志とよばれる閑静な住宅街にある「松風庵」で一休み。ここは老舗の和菓子屋K堂が喫茶店もかねていて、庭を眺めながら憩える落ち着いた場所で帰省の折、たまに訪れるお気に入りの喫茶のひとつである。

この日は雨に濡れた庭を眺め、抹茶を一服しながら、「あれから16年経ったのか」とそのニュースの衝撃を思い出していた。そのニュースとは、「松本サリン事件」である。1994年6月27日の夕方から翌日6月28日の早朝にかけて、松本市北深志の住宅街に、化学兵器として使用される神経ガスのサリンが散布され、7人が死亡、660人が負傷した事件である。戦争状態にない国で、一般市民に対して初めて化学兵器が使用されたテロ事件であった。このニュースをTVで観た私は仰天した。本当に仰天した。よく知った場所でもあり、高校時代の友達の家もその付近にあったからである。実家へ即座に電話したことを覚えている。そんなことを思い出したのも、この喫茶のすぐ近くが、この事件の現場であったからである。

そして、事件発生直後は使用された物質が判明せず、6月28日、警察は第一通報者であった河野義行氏宅の家宅捜索を行ない、薬品類などを押収し、重要参考人としてその後連日にわたる取り調べが行われた。また、マスコミによる報道が過熱の一途を辿り、無実の人間が犯人扱いをされた冤罪・報道被害事件へと発展していった事件でもあった。

翌、1995年3月に「地下鉄サリン事件」が発生し、オウム真理教に対する強制捜査が実施され、その過程でオウム真理教幹部は、「松本サリン事件」がオウム真理教の犯行であることを自供し、真犯人が分かるのであるが、この間半年以上もマスコミは、一部の専門家が「農薬からサリンを合成することなど不可能」と指摘していたにもかかわらず、警察発表を無批判に垂れ流し、あたかも河野氏が真犯人であるかのように印象付ける報道を続けた事件として今でも強く印象に残っている。

この「松本サリン事件」に驚愕し、その後の警察、マスコミあげての冤罪事件に強く憤りを抱いた我が母校の先輩がいた。映画監督「熊井啓」(1930年6月1日 - 2007年5月23日)である。「帝銀事件死刑囚」、「黒部の太陽」、「地の群れ」、「忍ぶ川」、「サンダカン八番娼館」、「天平の甍」、「海と毒薬」、「千利休 本覚坊遺文」など常に骨太の社会性のある映画を撮ってきた監督である。豊科町(現・安曇野市)の出身である彼は、昭和11年(1936年)から17年間松本市に住んでいた。しかも河野家の200mほど西にであり、河野家とも縁があったのである。そんな背景がこの松本サリン事件の映画化を決意させたのだ。そんな松本での6歳から旧制松本高校までの青春時代を回顧した自伝が「私の信州物語」である。この本の最後の章「松本サリン事件と私」で、事件を知った時の衝撃と映画化へのいきさつについて語っている。この本で彼は、青春時代を過ごした松本への想いを淡々と語っているが、その想いは、自然と私の想いとダブってきてしまうのである。このような先輩がいたことを誇りに思う・・・。

私の信州物語 (岩波現代文庫)

熊井 啓 / 岩波書店



そして「松本サリン事件」を題材にした社会派ドラマ「日本の黒い夏 [冤enzai罪]」(2001年)。第1通報者が殺人容疑で家宅捜索されたことで、まるで犯人のように報道され、冤罪を着せられてしまったことの全貌を、マスコミや警察捜査の在り方を鋭く問いながら描き出している。この映画は、ベルリン映画祭特別功労賞を受賞し、翌2002年の「海は見ていた」が彼の遺作となってしまった。

日本の黒い夏 [冤enzai罪] [DVD]

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「村上春樹」が追う、迫真のノンフィクション。1995年1月の阪神淡路大震災につづいて日本中を震撼させたオウム真理教団による「地下鉄サリン事件」。3月20日の朝、東京の地下でほんとうに何が起こったのか。

アンダ-グラウンド (講談社文庫)

村上 春樹 / 講談社



そして、オーム真理教に着想を得たのではないかと思われるのは、園子温監督「愛のむきだし」。4時間に及ぶ長時間作品ながら、その疾走感で一気に見せる才能はただ者ではない。キリスト教、罪作り、盗撮、アクション、カルト教団、女装 ・・・ てんこ盛りの中に展開される壮絶な純愛物語。

愛のむきだし [DVD]

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15年経った今になっても、「あの事件は結局何だったのか」という決着も総括もできていない。あの時、日本人の伝統的、普遍的な情感やDNAを真っ向から否定されたような喩えようもない違和感を感じ、このような高学歴若者群を生み出してしまった日本に愕然とした。そして、もはや羅針盤を失ってしまった日本をはっきりと自覚した。その後も、羅針盤を取り戻せず、さらなる漂流をこの国はずっと続けているような気がする。
 
今年は、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件から15年目、JR西日本福知山線脱線事故から5年目。私の身近で起こった大事件のメモリアルな年である。 
 
帰宅したら、もうすっかり雨はやんでいて、北アルプスの鋭いスカイラインが迫る夕暮れの逆光の中に浮かび上がっていた。

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by knakano0311 | 2010-05-12 09:03 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

読むJAZZ(2) 或いは読みたいJAZZ ~村上春樹の世界~

今年の6月頃であったか、「読むJAZZ ~JAZZフリーク見つけた~」の記事で、栗本薫(別名;中島梓)の「身も心も ~伊集院大介のアドリブ~」 を紹介し、彼女のJAZZフリークぶりについて書いたのだが、文学界には、まだまだたくさんのJAZZフリークがいます。

「村上春樹」。「海辺のカフカ」でカフカ賞を受賞した「村上春樹」。彼の小説には特定の歌にちなんだタイトルを持つ作品が本当に多い。ちょっとあげてみると、「ノルウェイの森」、「ウォーク・ドント・ラン」、「中国行きのスローボート」、「アフターダーク」、「ワールズ・エンド(世界の果て)」、「国境の南、太陽の西」、「ダンス・ダンス・ダンス」などである。、「ノルウェイの森」は読んだが、他の長編小説はいまだ手付かずになっている。したがって今回のブログ・タイトルが「読むJAZZ(2) 或いは読みたいJAZZ」となっているのはそのためである。

そんな中から、彼のJAZZフリークぶりがよく窺える著書を紹介しよう。

音楽エッセイ集「意味がなければスイングはない」。スタンダードの名曲、「スイングしなければ意味はない」をもじったものであるが、シューベルトからスタン・ゲッツ、ウィントン・マルサリス、ブルース・スプリングスティーン、はたまたスガシカオまで、音楽評論10篇。小説家・アーティストとしての村上春樹が、音楽家・アーティストの創作活動をどう観ているのかという評論エッセイ。村上の創作過程というか動機なども垣間見られる。J-POPなどを槍玉にあげ、「リズムをいれてごまかしているけど歌謡曲だ」という酷評は賛否両論であろう。私としては、歌謡曲やJ-POPSが何故悪いという異論はあるが、音楽をエンターテイメントとして捉えるか芸術・創作活動として捉えるか、その視点の違いではないかと思う。彼の視点はそのタイトル「意味がなければスイングはない」というストイックなフレーズに集約されている。

意味がなければスイングはない
村上 春樹 / / 文藝春秋
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ジャズがほんとうに好きな二人がつくった、とっておきのジャズ・エッセイ集。かって単行本で発刊された「ポートレイト・イン・ジャズ」、「ポートレイト・イン・ジャズ(2)」が一冊にまとめられ、さらに書き下ろし3人を収録した決定版文庫本。 小説ではないが私はこれが一番好きである。
マイルズ、パーカー、エリントンなど、写真や言葉よりよっぽど的確に個性を捉えている、和田誠が描く50数人のミュージシャンの肖像に、村上春樹が愛情に満ちたエッセイを添えるというジャズへの熱い想いあふれる一冊。 我々とほぼ同じ世代で(和田1936年生まれ、村上1949年生まれ)、ともに十代でジャズに出会い、数多くの名演奏を聴きこんできた二人が選びに選んだ、マニアも入門者も思わず顔がほころぶ、よりすぐりのエッセイ集。また、かってジャズ喫茶のオヤジであった村上氏のコレクションから、そのミュージシャンのLPジャケットの写真も添えられている。さらに驚くことに、この本で語られたアーティストのコンピ・アルバムが13人づつまとめられて、2枚出ているのだ。勿論、ジャケは和田誠、ライナーノーツは村上春樹。すこし、古い音源であるが、それがかえって効果的で、懐かしく暖かいぬくもりを感じさせる。

ポートレイト・イン・ジャズ (新潮文庫)
和田 誠 / / 新潮社
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ポートレイト・イン・ジャズ 和田誠・村上春樹セレクション

オムニバス / ソニーミュージックエンタテインメント



ポートレイト・イン・ジャズ

オムニバス / ユニバーサルクラシック



追記)意外なことに二人とも関西生まれ。和田は大阪生まれの東京育ち、村上は京都生まれの西宮・芦屋育ち。また、この本のタイトルは、蛇足ながら、名盤といわれるビル・エバンス「ポートレート・イン・ジャズ」から採っていることはお分かりですね。

また、彼自身の原作ではないが、翻訳書からは、「ジャズ・アネクドーツ 」。「さよならバードランド―あるジャズ・ミュージシャンの回想」 。 いずれも、ビル クロウ / Bill Crow (原著)、村上 春樹 (翻訳)のJAZZエッセイ、評論だそうです。ぜひ読みたいが、未だ読んでないので、出版社からのキャッチコピーをそのまま転記するとします。

JAZZベーシストにしてモダン・ジャズ界の語り部のビル・クロウがジャズ・ミュージシャン裏話を集大成。マイルズ・デイヴィスがプロモータを屈服させた一言、ビリー・ホリデイがバンド・バスの中で大もうけした顛末、ベッシー・スミスが南部でKKKを撃退した逸話、ルイ・アームストロングがライバルをノックアウトしたエピソードなど、まさしく黄金時代のアネクドーツ(逸話集)。

ジャズ・アネクドーツ (新潮文庫)
ビル クロウ / / 新潮社
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モダンジャズの黄金時代、ベース片手にニューヨークを渡り歩いた著者の自伝的交遊録。パーカー、エリントン、マイルズ、モンク等の「巨人」たちからサイモンとガーファンクルに到るまで、驚くべき記憶力とウィットにとんだ回想の中で、歯に衣着せぬ批評の眼がきらりと光る。訳者村上春樹が精魂傾けた巻末の「私的レコード・ガイド」は貴重な労作である。

さよならバードランド―あるジャズ・ミュージシャンの回想 (新潮文庫)
ビル クロウ / / 新潮社
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そして、このような村上春樹のJAZZへの大変な傾倒ぶりとそこから創作された著作に対し、捧げられた著書、CDが存在します。まずは、豪華アーティストが多数参加し、20万枚を売り上げる大ヒットとなった村上春樹イメージCD『ノルウェイの森Ⅰ、Ⅱ』。ビートルズ・ナンバーでイージーリスニングCDとしてヒットしたが、ムラカミ・ワールドのイメージ構築をはかることに成功したかどうか・・・・・・。

ノルウェイの森
L.A.WORKSHOP / / コロムビアミュージックエンタテインメント
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ノルウェイの森II
L.A.WORKSHOP / / コロムビアミュージックエンタテインメント
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そして2006年秋、リリースされた村上春樹に捧げる新録CD「アメリカから届いた10のオマージュ」。村上春樹の長編、短編のタイトルに使用された欧米のポップ、ロック&ジャズを集めたコンピである。彼の作品一つ一つに「Chick Corea」、「Michael Brecker」、「Ron Carter」らがビッグネームが捧げた10曲。こんなスーパースターたちによる全曲新録音は異例のこと!世界各国語で翻訳出版され、世界中にファンを持つ、カフカ賞受賞、ノーベル文学賞有力候補の村上春樹ならではか! そのとりあげられた10曲の例を挙げると、
「中国行きのスロウ・ボート/ソニー・ロリンズ ⇔ 短編『中国行きのスロウ・ボート』」 
「エンド・オブ・ザ・ワールド/スキーター・デイヴィス ⇔  長編小説『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』」 
「ノルウエイの森/ザ・ビートルズ ⇔ 長編小説『ノルウエイの森』」
「1963/1982年のイパネマの娘」、「32歳のデイトリッパー」というような趣向。
このCDも、村上春樹の描きたかった世界を、タイトルに使われた曲を、実際に読者が聴くことによって、村上ワールドに近づくことが出来るかもしれない。また、演奏をしている村上に共感するアーティストたちは、どう村上ワールドを表現しているのか などの新しい楽しみをもたらしてくれるCDである。

アメリカから届いた「10のオマージュ」
オムニバス / バウンディ
ISBN : B000HD1B9O
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「ノルウエイの森」、「10のオマージュ」をプロデュースした「兼松 光」が、その制作過程とレコーディング時の数々のエピソードを交えて書き下ろしたロード・ムービー・エッセイが「音楽家たちの村上春樹 ノルウェイの森と10のオマージュ」である。ニューヨーク、ロスの村上春樹、チック・コリア、マイケル・ブレッカー、ロン・カーター、リチャード・ティーをはじめとする参加したジャズ界の大物たちのコメント等も掲載されている。またこの本に付属するスペシャルCDには『バグダッド・カフェ』の主題歌「コーリング・ユー」で圧倒的な歌声を聞かせた歌姫、ジェヴェッタ・スティールの「ノルウェイの森」、マイケル・ブレッカーの「中国行きのスロウボート」をはじめ、村上春樹作品「アフターダーク」より「ファイヴ・スポット・アフターダーク」のオリジナル・ヴァージョンの計4曲が収録されている。

音楽家たちの村上春樹 ノルウェイの森と10のオマージュ
兼松 光 / / シンコーミュージック・エンタテイメント
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まだまだ「村上春樹ワールド讃歌本」は続きます。最後は、小西 慶太 (著)、『 「村上春樹」を聴く。 -ムラカミワールドの旋律-(CD付) 』。村上作品にでてくる楽曲についての解説を試みた本で、著者の作品紹介にはこんなことが書いてあります。
「村上春樹の小説からはさまざまな音楽が流れてくる。物語と音楽はふかいところでつながっている。・・・・・登場してくる音楽のことをまったく知らなくても、村上春樹の小説は十分に楽しむことができるだろう。だけど、・・・・登場人物が聴いている響きと同じ音楽を実際に聴きながら読めば、物語を受けとめる感触はたしかに変わってくる。 そこで、その音楽に近づくために、ひとつひとつ解説・紹介することを試みたのが本書である。」
実に、ボブ・ディランからベートーベンまで、村上春樹作品に登場する全楽曲・アーティストを網羅して解説し、そのうち印象的な12曲をオリジナルのギターアレンジでCDに収録して添付している。

「村上春樹」を聴く。 -ムラカミワールドの旋律-(CD付)
小西 慶太 / / 阪急コミュニケーションズ
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【CD収録曲】
1.カリフォルニア・ガールズ  2.ホワイト・クリスマス 3.オン・ア・スロウ・ボート・トゥ・チャイナ
4.イパネマの娘 5.激しい雨 6.ノルウェイの森 7.ダンス・ダンス・ダンス 8.国境の南
9.泥棒かささぎ序曲 10.K.476 歌曲「すみれ」 11.ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調「大公」
12.ファイブスポット・アフターダーク

村上春樹のJAZZ、ロック、POS、クラシックなどジャンルを超えた音楽に対するこの情熱、エモーショナルなエネルギーはどこから湧いてくるのだろうか?私には、未だに答えは見出せていない。しかし参考になる本が存在します。村上に非常に近しい存在であった著者による、『ジェイ・ルービン (著)、 畔柳 和代 (翻訳) 「ハルキ・ムラカミと言葉の音楽 」』。

大学を7年かけて卒業後、ジャズ喫茶のオヤジであった春樹が、神宮球場の外野席でビールを飲みつつ「僕にはたぶん小説が書ける。その時期がきたのだ。」と、天啓の如き思いを抱き、試合のあと文房具屋に行って万年筆と紙とを買い、店の仕事が終わったあと、毎日台所のテーブルに向かって、朝の3時か4時頃、ビールを飲みつつ書いた小説『風の歌を聴け』が、幸運なことに1979年度《群像新人賞》を取り、1981年には作家専業で生きていく決意を固め、ジャズ喫茶を廃業した。その後、作家として成長を遂げていく彼の様子がよく記されています。

ハルキ・ムラカミと言葉の音楽
ジェイ・ルービン / / 新潮社
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by knakano0311 | 2007-09-27 23:00 | 読むJAZZ | Trackback(1) | Comments(1)