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大屋地爵士のJAZZYな生活

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この期に及んでもなお懲りない・・・・

こんな記事が新聞にのっていた。

「米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは6日、トヨタ自動車の長期債務格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」に、米スタンダード&プアーズも同日、最上位の「AAA」から「AA+」に1段階引き下げた。」(2/7 朝日新聞)

米国の行き過ぎた投機資本主義、強欲資本主義が世界中の経済を危機的な情況に追い込んだと言うのに、まだこんな短期業績による評価付けをしている。これら格付け会社は、今回の経済危機の発端となったアメリカの金融会社にどういうランキングを与えてきたのか・・・。

かって、グローバル化の掛け声の下に導入された、会計制度改革、四半期決算とその迅速化、ROA、ROE、キャッシュフロー、株式時価会計、企業収益動向を即座に雇用調整に反映するための製造業への派遣解禁、株式交換でM&Aを可能にする三角トレード、分社化とホールディング会社化による効率化経営、貯金、簡易保険など総額350兆円とも言われる郵政資産の流動化を狙った郵政民営化、官から民への中で行われた大学や研究機関までもの民営化 ・・・・。これら足早に行われた経済制度改革=構造改革は、実のところ日本国民の利益やサービスのアップのためではなく、格付け会社や、米国の投資家や投機家のため、まさに「会社は株主のもの」を具現化するための政策であった事は、この米国発の経済危機ではっきりしたといえる。もちろん、働き方の多様化、経営指標の透明化、情報公開等メリットは多々あるにせよ、短期利益だけを追いもとめれば、米国のような超格差社会化が急速に進み、実体経済をはるかに凌ぐほど投機経済が膨張し、もし暴走してしまえば、国の在り様まで変えてしまうかも知れないこれらの改革を、市場経済を是とするも、視点を変えて今一度見直さなくてはならないだろう。まだ日本は暴走はしていないのだから・・・。

そして、これらの改革は、米国が毎年日本に突きつけてくる「年次改革要望書」に沿って行われたことを、関岡英之氏の著書(2004年発行)で知り、慄然とせざるを得ない。

拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書)

関岡 英之 / 文藝春秋


寺島実郎氏も看破しているが、「時価会計制度は、将来利益を前倒しで取り込み、それを企業の付加価値として膨らませ、短期の利益を極大化させる側面がある。わかりやすくいえば、短期で経営に向き合っている人が、自分の在任期間に大きく前倒しで利益を取り込み、持ち株の付加価値を膨らませ、自分の収入を増やして去っていくというゲームなのだ。このように、すべて前倒しでレバレッジを効かせ、利益をより大きくして取り込もうとするメカニズムを、次から次へと考え出す人たちが存在する。・・・・・・・・
これまでのグローバル化は、米国への過剰依存を前提にし、米国を世界秩序の核として、世界の米国化を「グローバル化」と言い換えていたにすぎなかったのかもしれない。・・・・・」と。(コラム;寺島実郎の『環境経済の核心』より

米国と同一の価値基準に気づかないうちに組み込まれ、その結果、やがて米国と同じようなすさまじい格差社会が必然的に到来する懸念を感じてならない。この危機はアメリカが作り出したもの、しかしこの後に及んでまだ懲りないアメリカがある。オバマ大統領のすすめるであろう政策と「自由経済」の名の下に、投機資本主義をまだ継続したいとおもう勢力との長く果てしない暗闘がこれから始まるのかもしれない。

そして、米国発の経済危機で日本がこうむった大不況の影響が、もろに非正規雇用の人たちを直撃している。
私の現役時代の経験からすれば、派遣コストについては、人件費ではなく試験研究費、事務用品費などの変動費科目へ繰り込まれ、その存在が希薄化され人間として見えにくいという側面があることも事実である。正規社員の60%程度の人的コストで済み、特に製造業への派遣は、景気や需要に合わせた雇用調整が効く「雇用のJIT(Just In Time)」であるため、一連の改革で、株主利益を最大にすることを求められた企業サイドとしても、中国などのコストに対抗するため、こぞってこの制度を利用したといえる。その意味では、雇用に寄与したという面もあるのである。従って、派遣社員を中心として起こっている、いわゆる「派遣切り」を企業だけの責めに負わすのは一方的とも言える。すべては改革政策がもたらす最悪ケース、負の面をイメージできず、それをカバー、フォローする対策を同時に考えずに、楽観的に進めてきた政治に第一の責任があると思う。

それにしても、いま国家破綻寸前のアイスランドの経済政策を激賞して「日本も金融立国にすべし、政府はアイスランドを見習え」とまでTVで声高に主張していた講演料が1回200万円を超えると言われた人気No1の評論家竹村健一氏は、いま何も語らず、「改革がまだ中途半端だったから」と主張し、結果としての政策の失敗を認めない竹中平蔵元大臣。そして当の小泉元総理も早々と世襲引退声明をしたが、このことについては、やはり黙して語らず、しかも再登場の待望論までが聞こえてくるとは・・・・。
そして、小泉人気を煽ったマスコミ、かってはバブルを演出し、その後、失われた十年とやらで、投資(=投機)資本主義の到来をのぞみ、改革政策実現に加担した経済学者、金融業界からの弁や論が聞こえて来ないのも不思議ではある。

この国のこれからの在り様を定めなくてはいけないこの大事な時期に・・・・・・。
by knakano0311 | 2009-02-09 20:32 | マーケッターとしてのシニアから | Trackback | Comments(0)